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相生市の器物損壊事件で逮捕 早期釈放を実現~①~
相生市の器物損壊事件で逮捕された事件を参考に、器物損壊罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事件
相生市に住んでいる無職のAさんは、車の駐車方法を巡って隣人のⅤさんとトラブルになっていました。
ある日、あまりにも腹が立ったAさんは、Ⅴさんが自宅前の路上に駐車していた車に石で傷付けたのです。
Ⅴさんが器物損壊罪で刑事告訴したことから、Aさんは兵庫県相生警察署に出頭を要請されましたが、出頭に応じず警察官が自宅を訪ねて来た際も無視して、警察の任意捜査を無視し続けました。
その結果、その1カ月後の朝に、兵庫県相生警察署の捜査員が自宅を訪ねてきて、Aさんは、器物損壊罪で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんの早期釈放を求めて、刑事事件に強いと評判の弁護士に刑事弁護を依頼しました。
(フィクションです)
器物損壊罪
人の物を損壊すれば刑法第261条に規定されている器物損壊罪となります。
器物損壊罪における「損壊」とは、物質的に物そのものの形を変更又は滅失させるだけでなく、その物の効用を害する一切の行為を意味します、
つまり「物を壊す」という行為だけでなく、その物を本来の目的に供することができない状態に至らしめる場合も含むのです。
これまで、湯飲み茶わんに小便を入れたり、人に自転車を鎖で繋いで使用できなくする行為に対して、器物損壊罪が適用されています。
器物損壊罪は親告罪
器物損壊罪は、告訴権者の告訴がなければ起訴を提起することのできない親告罪(刑法第264条)です。
告訴権者とは、被害者本人はもちろんのこと、被害者の法定代理人や後見人といった被害者と近しい立場の者も含みます。
ちなみに親告罪は、告訴権者の告訴がなければ起訴を提起できないのであって、警察が捜査したり、犯人を逮捕したりすることは被害者の告訴がなくても可能です。
器物損壊罪の法定刑
器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金又は科料」です。
初犯であれば、よほど悪質な事件でない限り略式罰金となるケースがほとんどですが、再犯の場合は起訴される可能性が高く、再犯を繰り返せば実刑判決も十分に考えられる事件です。
器物損壊罪で逮捕されるリスク
器物損壊罪は、人の生命、身体に危害を与える犯罪ではないために、偶発的に起こした事件であれば、警察署に出頭して任意の取り調べを受けて検察庁に送致される方が多いようですが、被害者との間に遺恨があったり、計画的に犯行に及んでいる場合などは、逮捕されるリスクが高くなるようです。
また、Aさんのように任意捜査に協力しない場合は、逮捕される可能性が高くなります。
~明日に続く~
親権のない実子を連れ去り 未成年者誘拐事件の勾留を阻止
親権のない実子を連れ去り 未成年者誘拐事件の勾留を阻止
親権のない実子を連れ去ったとして未成年者誘拐事件で逮捕された方の勾留を阻止した事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事件
洲本市で農業を営んでいるAさんは、2年前に妻と離婚し、現在は実家で両親と暮らしています。
離婚した妻との間には幼稚園に通う娘がいますが、娘の親権は元妻にあり、その元妻はAさんが娘に会うことを認めていません。
そんな生活が長く続いたある日、どうしても娘の成長を見たいAさんは、娘が通っている幼稚園に行き、幼稚園の先生に「元妻に頼まれて迎えに来た。」と嘘を吐いて娘を幼稚園から連れ去りました。
Aさんは、娘と買い物等をした後は、元妻のもとに送っていくつもりでしたが、幼稚園から知らせを受けた元妻は、すぐに兵庫県洲本警察署に通報したらしく、Aさんは娘と一緒に車に乗っていたところを、警察官に発見され、その場で未成年者誘拐罪で現行犯逮捕されました。
逮捕後、Aさんに選任された刑事弁護人は、同居するAさんの両親が監視監督することを約束してAさんの勾留を阻止するのに成功しました。
(フィクションです。)
未成年者略取及び誘拐罪~刑法第224条~
未成年者を略取及び誘拐すると、未成年者略取罪や誘拐罪となります。
これは、未成年者を本来の生活環境から離脱させて、自己又は第三者の実力支配下に移すことで、自由に対する罪の一種です。
その手段として暴行や脅迫が用いられた場合は「略取」となり、欺罔や誘惑が用いられた場合は「誘拐」となります。
誘拐の手段とされる欺罔行為は、被拐取者に直接加えられる必要はなく、被拐取者が未成年である場合は、その保護者や監督者に対するものであってもよいとされています。
今回の事件でAさんは、幼稚園の先生に対して「元妻に頼まれて迎えに来た。」と嘘を吐いているので、その場合も未成年者誘拐罪が成立するでしょう。
未成年者誘拐罪で起訴された場合は、3月以上7年以下の有期懲役が科せられます。
勾留阻止
勾留とは
警察に逮捕されると、逮捕から48時間は逮捕に付随する行為として留置が認められています。
そして警察は逮捕から48時間以内に検察庁に送致しなければなりません。
送致を受けた検察官は24時間以内に釈放するか、裁判官に勾留を請求しなければならないのです。
裁判官が勾留を決定すれば勾留が決定した日から10日~20日間は身体拘束を受けることになります。
勾留阻止
事前に弁護士を選任することによって勾留を回避することが可能になります。
勾留阻止には以下のようなケースがあります。
①検察官が勾留請求をしない
検察官は、送致までに作成された書類と、被疑者を取調べた結果によって勾留請求するか否かを決定します。
それらの書類は主に「勾留の必要性がある」といった内容になっています。
弁護士が、警察等の捜査機関が知り得ない情報を書類にして「勾留の必要性はない」ことを訴えれば検察官が勾留請求をしないことがあります。
②裁判官が勾留請求を却下する
検察官の勾留請求を阻止できなかった場合でも、次は、勾留を決定する立場にある裁判官に対して勾留の回避を働きかけることができます。
主に勾留は、釈放すれば刑事手続き上の支障が生じる場合(証拠隠滅や逃走のおそれがある場合)に決定されますが、そのような虞がないことを訴えることで、裁判官が、検察官の勾留請求を却下することがあります。
③勾留決定に対する異議申し立て(準抗告)
一度、裁判官が勾留を決定した場合でも、この決定に対して異議を申し立てることができます。
これを準抗告といいます。
勾留は一人の裁判官の判断によって決定しますが、その決定に対して準抗告した場合は、最初に勾留を決定した裁判官以外の3人の裁判官によって審議されます。
先入観のない複数の裁判官が、捜査側(警察官や検察官)の作成した書類と、弁護側の作成した書類を見比べて、勾留の必要があるか否かを新たに判断するのが準抗告です。
準抗告が認容されると、最初に決定した勾留はその効力を失います。
洲本市の刑事事件に即日対応している法律事務所
洲本市で、ご家族、ご友人が未成年者誘拐事件で逮捕された方や、逮捕されている方の勾留を阻止したい方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律神戸支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では
フリーダイヤル0120-631-881
で24時間365日、初回接見、無料法律相談のご予約を承っております。
【解決事例】被害者が特定されなくても略式起訴 盗撮事件の量刑
【解決事例】被害者が特定されなくても略式起訴 盗撮事件の量刑
被害者が特定されなくても略式起訴された解決事例を参考に、盗撮事件の量刑について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
事件の概要
Aさん(30歳代、会社員)は、神戸三宮にある商業施設のエレベーターにおいて、女性のスカート内を盗撮した容疑で、兵庫県葺合警察署で在宅捜査を受けました。
盗撮しているところを目撃者に声をかけられたAさんは、その後通報で駆け付けた警察官に連行されて、所持していたスマートホンを押収されたのですが、押収されたスマートホンには、これまで約2年間にわたって盗撮したデータが100件以上も保存されていたのです。
商業施設でスカート内を盗撮した際の被害者女性は特定されることはありませんでしたが、盗撮の容疑で検察庁に書類送検されたAさんは、スマートホンの保存データより、長期的かつ常習的に盗撮している事実を認定されて、略式起訴による罰金刑となりました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)
兵庫県内の盗撮事件
兵庫県内で盗撮事件を起こすと、兵庫県の迷惑防止条例違反となります。
兵庫県の迷惑防止条例で
①公共の場所や乗物における盗撮行為や、盗撮用の機器を設置すること。
②集会所、事業所、タクシー等不特定又は多数の人が利用するような場所又は乗物における盗撮行為や、盗撮用の機器を設置すること。
③浴室や便所、更衣室等、その他人が通常衣類の全部または一部を着けないでいるような場所にいる人を盗撮したり、盗撮用の機器を設置すること。
が禁止されています。
Aさんの行為は上記の①に該当し、その罰則規定は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
被害者の特定されていない盗撮事件
兵庫県の迷惑防止条例は、県民生活の安全と秩序の維持を目的にしており、あくまでも個人を保護するための条例ではありません。
ただ実際は、盗撮や痴漢行為等の、一部の違反行為に関しては個人に対する違法行為ですので、被害者の処罰感情がその後の処分に大きく影響し、被害者が特定されない場合は、不起訴処分となる可能性もあります。
しかしそれも絶対ではなく、Aさんのように盗撮していた事実を認定するだけの証拠はあれば、被害者が特定されなくても事件化されることもあるのです。
盗撮事件の量刑
盗撮事件の量刑等について解説します。
被害者との示談があれば不起訴となる可能性が高い盗撮事件ですが、被害者との示談がなければ初犯であっても略式起訴による罰金刑が科せられる可能性が高いでしょう。
再犯の場合は、正式に起訴(公判請求)されてしまう可能性が高くなり、裁判では執行猶予付きの判決が言い渡されるでしょう。
そして再び再犯を起こしてしまうと、再び執行猶予を得るのは困難となります。
このコラムをご覧の方で、兵庫県の盗撮事件でお困りの方がいらっしゃいましたら、一刻も早く「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部」の無料法律相談をご利用ください。
無料法律相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)
にて承っております。
【事件速報】痴漢犯人が線路内に逃走 威力業務妨害罪で逮捕
【事件速報】電車内で痴漢して被害者に捕まった男が、線路内に逃走した、威力業務妨害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
昨日に引き続き、以下の事件を参考にして、本日は「威力業務妨害罪」について解説します。
昨日のコラムは、こちらをクリック
本日スポットを当てるのは『痴漢行為をして被害者の女性に腕を掴まれた男が、JR明石駅において、改札口方向に連れて行かれそうになった時に、女性の腕を振りほどいて、ホーム上を逃げ、さらにホームから高さ約1メートルの柵を乗り越えて高架の線路内に侵入して逃走した』という行為です。
報道によりますと、男が線路内に侵入したことによって、一部の列車に遅れが生じたとの事です。
業務妨害罪
業務妨害罪に関しては、刑法第233条と234条に規定されています。
まず第233条では「偽計業務妨害罪」が、そして第234条では「威力業務妨害罪」が規定されているのですが、「他人の業務を妨害する」という点に関しては「偽計業務妨害罪」も「威力業務妨害罪」も同じです。
それでは、「偽計業務妨害罪」と「威力業務妨害罪」は、何が違うのでしょうか?
それは、業務妨害をする方法(手段)です。
偽計業務妨害罪が、虚偽の風説を流布したり、偽計を用いて業務を妨害するのに対して、威力業務妨害罪は、威力を用いて業務を妨害することによって成立します。
威力業務妨害罪
それでは「威力業務妨害罪」についてよく見ていきましょう。
刑法第234条には「威力を用いて人の業務を妨害(以下省略)」と威力業務妨害罪について規定されています。
ここでいう「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる一切の勢力です。
代表的なのは暴行や脅迫行為でしょうが、物を壊したり、隠したりする行為や、大勢で詰めかける行為、騒ぎを起こす行為なども威力業務妨害罪でいうところの威力に当たり、今回のように線路内に立ち入るという行為も、威力業務妨害罪でいうところの「威力」に該当します。
威力業務妨害罪の罰則
威力業務妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
威力業務妨害事件の弁護活動に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、こういった刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
ご自身が威力業務妨害事件を起こしてしまった…ご家族等が威力業務妨害罪で警察に逮捕されてしまった…という方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の 無料法律相談 や 初回接見サービス をご利用ください。
【事件検討】51年前の殺人事件で起訴 なぜ公訴時効になっていないの?
先日、51年前の暴動事件に関与した被告人が殺人罪等で起訴されたましたが、51年前の事件でなぜ起訴されたのか?公訴時効について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
事件概要
今回起訴されたのは、51年前に起きた「渋谷暴動事件」の犯人で、46年間にわたって逃亡を続けていた男性です。
中核派の活動家であるこの男性は、51年前に、他の活動家の仲間と共謀して、暴動の警備にあたっていた警察官に対して、鉄パイプで殴打したり、火炎瓶を投げつける等の暴行を加えて殺害した容疑がもたれています。
25日の初公判で被告の男性は起訴事実を全面的に否認して無実、無罪を主張しているようです。
(10月26日に配信された報道各社の記事を引用)
さて、このニュースを聞いて「51年前の事件で起訴?公訴時効になっているのでは?」と疑問を持った方もいるのではないでしょうか?
すでに殺人事件等の時効が撤廃されているので、現在であれば殺人罪については公訴時効という概念はありませんが、今回起訴された事件が発生したのは51年前で、当時は殺人罪についても公訴時効が規定されていました。
ですから当時の、殺人罪の公訴時効が25年であったことを考慮すると、51年前に起こった殺人事件については、少なくとも25年ほど前には公訴時効が成立していることになります。
それなのになぜ、今回の被告人は起訴されたのか?
公訴時効
公訴時効とは、簡単に言うと、事件を起こし終わってある一定期間が経過すると、犯人を処罰できなくなる(検察官が起訴できなきなる)ことです。
殺人罪については上記したように、平成22年の法改正で時効が撤廃されているので公訴時効の概念は存在しません。
『じゃぁいつまで警察は捜査を続けるの?』
時効が撤廃された以上、理論上は警察は犯人を逮捕するまで捜査を続けるでしょう。
ただ総合的に見て、被疑者(犯人)が死亡している蓋然性が高い場合は被疑者死亡で検察庁に書類送致することもあるようです。
その場合は、警察の捜査は終了することになります。
なぜ公訴時効が成立していないの?
さてここで本題の「51年前の殺人事件なのに公訴時効が成立していないのか?」について解説します。
結論から申しますと、公訴時効の進行が停止していたからです。
公訴時効の進行が停止するのは
①事件について起訴をされた場合
②被疑者(加害者)が国外にいる場合
です。
今回の事件は①を理由に、公訴時効の進行が停止していたのです。
①については共犯者についても適用されますので、今回の事件は、共犯とされる男性の公判が病気を理由に停止されていたため、時効の進行が停止していたようです。
ただこの点に関して、起訴された男性の弁護人は「男性は公訴棄却とすべきだったのに、違法に被告の立場にとどめ置かれた」と公訴時効が成立している旨を主張しています。
兵庫県内の刑事事件を専門に扱っている事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県内の刑事事件を幅広く扱っている事務所です。
実際に警察の捜査を受けておられる方、家族が逮捕された方、すでに起訴されてしまった方など、刑事事件に関わっている方であればどなたでも無料法律相談や、初回接見サービスをご利用いただくことができますので、まずは
フリーダイヤル 0120-631-881
までお気軽にお問い合わせください。
【特集】盗撮事件 迷惑防止条例違反の刑事手続き流れと刑事処分~前編~
【特集】盗撮事件 迷惑防止条例違反の刑事手続き流れと刑事処分~前編~
本日から二日間にわたって、かねてから問い合わせの多い刑事事件の一つである盗撮事件について特集します。
盗撮事件
まず兵庫県内で盗撮事件を起こせば、兵庫県の迷惑防止条例違反(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反)となります。
兵庫県の迷惑防止条例では
①公共の場所や乗物における盗撮行為や、盗撮用の機器を設置すること。
②集会所、事業所、タクシー等不特定又は多数の人が利用するような場所又は乗物における盗撮行為や、盗撮用の機器を設置すること。
③浴室や便所、更衣室等、その他人が通常衣類の全部または一部を着けないでいるような場所にいる人を盗撮したり、盗撮用の機器を設置すること。
を禁止しています。
盗撮事件の罰則規定は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですが、常習的に盗撮事件を起こして検挙されている場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と厳罰化されることもあります。
警察が盗撮事件を捜査する端緒
盗撮事件を警察が捜査するきっかけは、被害者や目撃者に捕まってしまったり、主要駅や大型商業施設等で警戒中の警察官に現行犯逮捕されるケースがほとんどです。
何れにしても現行犯で捕まってしまうので言い逃れができないケースがほとんどで、捕まると同時に取り上げらた(押収された)スマートホン等から余罪が発覚するケースも少なくありません。
また最近はいたる所に防犯カメラ、監視カメラが設置されているので、盗撮被害に気付いた被害者や目撃者が警察に申告したことによって警察が捜査を開始して容疑者が特定されるケースも増加傾向にあります。
撮影機器の押収(証拠品)
盗撮事件で最も重要な証拠品となるのが盗撮画像のデータです。
スマートホンや、小型カメラ、パソコンやタブレット等の電子機器に保存されている盗撮の画像データが、盗撮事件を立件する上で最も重要な証拠品となるので、警察は、そういったデータが保存されている電子機器を必ず押収します。
押収された電子機器は解析されて、保存データが全て抽出されてしまいます。
例え暗証番号を設定していたとしても、専門機関によってロックを解除されてしまうこともあります。
またこういった電子機器に保存されている盗撮データは、余罪事件が発覚する端緒にもなります。
余罪事件が立件されるかどうかは警察次第ではありますが、常習的に盗撮をしているような場合は、保存されている画像から被害者を探し出したり、盗撮場所を特定できる場合は、その盗撮場所に対する建造物侵入罪等を立件する場合もあります。
~明日に続く~
【事件速報】車内から登山用ナイフ 銃刀法違反で男が逮捕
車内から登山用ナイフが見つかったとして、銃刀法違反で男が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
事件内容(10月15日配信の神戸新聞NEXTを引用)
兵庫県たつの警察署は、たつの市内で正当な理由なく、登山用ナイフ(刃渡り約13センチ)を携帯していた男を、銃刀法違反で現行犯逮捕しました。
この事件、端緒となったのは逮捕された男の飲酒運転です。
しかし警察官の飲酒検知では、取締りの基準値に達しなかったようで、その後、警察官が男の運転していた車の中を調べたところ、車内のダッシュボードからナイフが出てきたということです。
逮捕された男は「趣味の釣りで使うために置いていた」と説明して、実際に車内から他にも釣りざおやクーラーボックスなどが見つかったということですが、銃刀法違反で現行犯逮捕されてしまったようです。
銃刀法違反
銃刀法とは、銃砲刀剣類所持等取締法の略称で、銃砲(拳銃等)、クロスボウや刀剣類、刀剣類以外の刃物を正当な理由なく違法に所持(携帯)することなどを規制した法律です。
報道を読む限り、今回問題となっているのは、この法律でいう刀剣類以外の刃物(刃体の長さが6センチメートルを超える刃物)に該当します。
こういった刀剣類外の刃物は、正当な理由なく携帯することが禁止されており、違反した場合、有罪が確定すると「2年以下の懲役、または30万円以下の罰金」が科せられます。
正当な理由って??
逮捕された男は「趣味の釣りで使うために置いていた」と説明しており、車内から釣りに使用されるであろう他の道具も見つかっているようです。
それなのに正当な理由にはならないの?と思われた方も多いかと思います。
確かにその通りです。
釣りを趣味にしている人が、釣り道具を車に積んだままにしておくことは不思議ではありません。
ですから、このナイフも釣りに使用するという正当な理由があるように考えられますが、法律的には、釣りに使用するからという理由だけで、必ずしも正当な理由であるとは判断されません。
実際に釣りの行き帰りであれば、それが正当な理由にはなるでしょうが、それ以外の時に車内に積み放しにしておけば銃刀法違反となる可能性が高いのです。
また正当な理由があるかどうかは、その積み方も影響するでしょう。
もし他の釣り道具と一緒に、何かケースにまとめて収納していたりすれば、問題にならなかったかもしれません。
銃刀法違反に強い弁護士
刃物を携帯していたという銃刀法違反の罪で現行犯逮捕された場合、携帯理由や、携帯していることの認識が争点となる場合が少なくありません。
自分が罪に問われることに納得ができない場合もあるでしょうから、もし、そういった事でお悩みの方がいれば「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部」にご相談ください。
逮捕というのは、まだ刑事処分が確定しているわけではありません。
逮捕の取調べ次第では不起訴等によって刑事罰が科せられなかったり、刑事裁判によって無罪が証明されることもあるので、まずは弁護士に相談することから始めてみましょう。
【解決事例】芦屋市の人身事故 過失運転致傷罪で罰金50万円
【解決事例】芦屋市の人身事故、過失運転致傷罪で罰金50万円の刑事罰が科せられた事件の解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
事件概要
Aさん(50歳代男性、自営業、前科なし)は、仕事で軽四貨物自動車を運転した際、信号のない交差点において、高齢の男性が運転する自転車と接触する人身事故を起こし、自転車の男性に、頭蓋骨骨折等で約3か月間入院する大けがを負わせてしまいました。
Aさんは、交差点に進入する際に一時停止していましたが、左方向から交差点に進入してくる自転車の被害者に気付くことができずに事故が起こってしまいました。
この人身事故でAさんは、交差点の左方向への安全確認が不十分だったとして、略式起訴による罰金刑50万円が科せられました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)
人身事故
交通事故の相手が怪我をすると過失運転致傷罪に問われる可能性があります。
過失や怪我の程度が軽い場合は、刑事事件化されたとしても不起訴(刑事罰が科せられない)となる場合がありますが、過失の程度が大きい場合は、過失運転致傷罪として刑事罰が科せられることもあります。
過失運転致傷罪は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に規定されている犯罪で、その法定刑は「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」です。
また仮に無免許で車を運転して人身事故を起こした場合は、無免許過失運転致傷罪となり、罰則は「10年以下の懲役」と過失運転致傷罪よりも厳罰化されます。
人身事故で罰金50万円
Aさんは、初犯で過去に大きな事故を起こした歴もありませんでしたが、過失が大きいことと、被害者が重傷を負ってことを理由に、略式起訴による罰金刑(50万円)が科されました。
また事故を理由にAさんは、運転免許の取り消しの行政処分を受けており、1年間は運転免許を再取得することができなくなりました。
人身事故を起こしてしまうと、罰金や懲役刑といった刑事罰だけでなく、こういった行政処分を受ける可能性が高いので、自動車の運転には十分気を付けなければいけません。
交通事件に強い弁護士
神戸市中央区の中心部にある弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、人身事故を起こしてしまった方からのご相談を初回無料で承っております。
人身事故に関するご相談は
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児童ポルノ製造罪 女子高生の同意があってもダメ
女子高生の同意があっても成立する児童ポルノ製造罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
児童ポルノ製造事件
会社員のAさんは、SNSで知り合った女子高生の下着を撮影した児童ポルノ製造の容疑で神戸市内にある兵庫警察署で取調べを受けています。
Aさんは、事前に、この女子高生から下着を撮影することの同意を得ていたので、犯罪にならないだろうと認識していました。
Aさんが撮影したのは、女子高生のスカート内の下着です。
(フィクションです。)
児童ポルノとは?
児童ポルノ処罰法では、児童ポルノの所持や製造、提供等が禁止されています。
ところで、この法律でいう「児童ポルノ」とは、どのようなものでしょうか?
法律によると、児童ポルノとは
①児童を相手とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態(性欲を興奮させ又は刺激するもの)
③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態(殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの)
を記録した写真やハードディスク、BL、DVD、USBメモリー、フラッシュメモリー、インターネット上のサーバー(以下、写真等といいます)などです。
またここでいう「児童」とは男女に関係なく18歳未満の者を意味します。
この事からすると、Aさんは、女子高生のスカート内の下着を撮影しているので、Aさんが撮影した女子高生の写真は「児童ポルノ」に該当するでしょう。
児童ポルノ製造罪の罰則は?
Aさんのように児童ポルノ製造罪に問われて有罪が確定すれば「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」が科せられます。
初犯であれば罰金刑や、起訴されたとしても執行猶予が付く場合がほとんどですが、複数の児童ポルノを製造した場合や、盗撮によって児童ポルノを製造した場合、提供の目的で児童ポルノを製造する等して悪質性が高いと評価されると実刑判決が下される可能性があります。
同意があっても犯罪ですか?
児童ポルノ製造罪は、Aさんのように女子高生(児童)の同意がある場合でも犯罪となります。
また撮影方法等にもよりますが、児童に対価を渡してその見返りとして撮影した場合には、児童買春の罪に問われる可能性があるので注意が必要です。
児童ポルノ製造罪の弁護活動に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、児童ポルノをはじめとした刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
児童ポルノ製造罪で警察の捜査を受けている方、ご家族、ご友人が児童ポルノ製造罪で警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の無料法律相談や 初回接見サービス をご利用ください。
加古川刑務所で起こした刑事事件 刑罰はどうなるの?
先日、加古川刑務所内で傷害事件等の事件を起こした受刑者が検察庁に書類送検されました。すでに刑が確定している受刑者が新たな事件を起こした場合、その刑罰はどの様になるのでしょうか。本日はそのことについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
受刑者Aの事件
20代の男性受刑者は、昨年9月、加古川刑務所内の食堂においてトラブルになった受刑者の顔面を殴って軽傷を負わせると共に、この受刑者の眼鏡を壊した上、「出所後に家族に危害を加える」などと脅した疑いがもたれています。
受刑者Bの事件
30代の男性受刑者は、昨年11月、加古川刑務所の体育館において、男性刑務官からマスクの着け方を注意されたことに腹を立て、この刑務官の下腹部を数回蹴って軽傷を負わせた疑いがもたれています。
(こちらの事件内容は10月6日配信の神戸新聞NEXTを引用しています。)
適用罪名の刑事罰
受刑者Aに適用されるのは
①殴って怪我を負わせた行為・・・傷害罪
②眼鏡を壊した行為・・・器物損壊罪
③脅した行為・・・脅迫罪
です。
そしてそれぞれの法定刑は
①傷害罪・・・15年以下の懲役又は50万円以下の罰金
②器物損壊罪・・・3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料
③脅迫罪・・・2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
です。
暴行の際に眼鏡が壊れたとすると、傷害罪と器物損壊罪の関係は一つの行為が複数の罪名に触れる観念的競合の関係になり、重い方の刑によって処断されるので、傷害罪で処断されることとなります。
また脅迫行為は別の罪名を構成し、併合罪として扱われるので、今回の事件でAは「22年6月以下の懲役又は80万円以下の罰金」の範囲内で刑事罰が科せられることになります。
続いて受刑者Bに適用されるのは
①刑務官に暴行した行為・・・公務執行妨害罪
②刑務官に怪我を負わせた行為・・・傷害罪
です。
傷害罪の法定刑は前記のとおりで、公務執行妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。
そしてこの二つの罪は観念的競合の関係になるので、傷害罪によって処断されることとなります。
服役中に事件を起こした場合
今回のように刑務所に服役中に新たに事件を起こすと、当然、既に確定して服役中の刑事罰に加えて、新たに起こした事件の刑事罰が科せられることになります。
当然、刑務所という罪を償い更正を目指す場所で起こした事件ですので、どういった理由があっても、情状的には悪く評価されてしまうでしょう。
また公判請求されて正式な裁判となった場合、有罪が確定すれば執行猶予を得ることは法律的に不可能だと言えますので、犯行を認めている場合は略式命令による罰金刑を目指すのがよいでしょう。
刑事事件に強い弁護士
刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、本日紹介したような、刑務所内で事件を起こしてしまった方の弁護活動にも対応することができますので、お気軽にご相談ください。
初回無料の法律相談や、身体拘束を受けている方に弁護士を派遣する 初回接見サービス のご用命は
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