Archive for the ‘刑事事件’ Category
連休中に家族が逮捕された方 兵庫県の刑事事件専門の弁護士
連休中に家族が警察に逮捕された方は、兵庫県内の刑事事件を専門に扱っている
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部
にお任せください
皆さんご存知のとおり、警察は、土日、祝日を問わず24時間、年中無休で活動していますし、逮捕後の刑事手続きについても平日と同じように進んでしまいます。
それと同様に、土日祝日も休まず年中無休で、24時間体制で対応している兵庫県内でも数少ない法律事務所が 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部 です。
警察に逮捕されると
警察に逮捕されると、身体拘束を受け警察署の留置場に収容されます。
留置場に収容される際には、携帯電話等の私物は全て預けなければならず、外部との連絡も絶たれてしまいます。
逮捕を知ったご家族や友人が警察署に行ったとしても逮捕された方との面会はできません。
そして逮捕から48時間以内に検察庁に送致されて、検察官が勾留する必要があると判断した場合は、送致から24時間以内に裁判所に勾留請求されます。
ここで裁判官が勾留決定した場合は、勾留決定の日を算入してその日から10日間は身体拘束を受けることになります。
こういった逮捕後の刑事手続きについては、土日祝も関係なく進みます。
48時間
逮捕後の手続きは上記で説明したとおりですが、48時間や24時間という制限時間はあくまでも刑事訴訟法に明記されている制限時間で、実際は、早ければ逮捕された翌日、若しくは二日後には検察庁に送致される運用がなされており、逮捕の二日後には勾留が決定している場合がほとんどです。
早期釈放を希望するのであれば
逮捕された方、逮捕された方のご家族がまず希望するのは「早期釈放」です。
身体拘束を続ける必要のない比較的軽い事件であれば、弁護士の活動がなくても48時間以内に釈放されることもありますが、早期釈放の可能性を高めたいのであれば、検察庁に送致されるまでに弁護士を選任した方がよいでしょう。
それは送致までに弁護士を選任することによって、弁護士が、勾留請求するかどうかを判断する検察官や、勾留決定するかどうかを判断する裁判官に対して、勾留を阻止するための活動ができるからです。
まずは初回接見
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、警察に逮捕されてしまった方への弁護活動をスタートさせるに当たり、まずは 初回接見サービス をご利用いただいています。
初回接見サービスをご利用いただくに際しては、事務所までご来所いただく必要はなく、電話で全ての手続きを終えることが可能ですので、お手軽かつスピーディーに、弁護士を派遣することができる、満足度の高い内容となっています。
必見!!警察官の職務質問 正しい対処方法は
必見!!警察官の職務質問に対する正しい対処方法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
『すいません、防犯パトロール中です。ちょっとよろしいですか?』等と言って笑顔の警察官から声をかけられて始まる職務質問。
ちょっとだけなら協力しようかと足を止めると、「どこに行くのですか?」「お仕事何しているのですか?」等の警察官から根掘り葉掘り質問された上に、「身分証持っていますか?」「カバンの中を見せてもらっていいですか?」と警察官の要求はどんどんエスカレートしていき、最後には「ポケットに危ない物が入っていないか触っていいですか?」と持ち物を全てチェックされてやっと終わり、解放されるまでに要した時間は5分以上です。
こんな経験をされた方も多いかと思いますが、この警察官の職務質問にどの様に対処するのがベストなのでしょうか。
職務質問
よくインターネット等で「職務質問は強制ですか?任意ですか?」等という記事を見かけます。
そこでまずは職務質問について簡単に説明します。
警察官はむやみやたらに職務質問しているわけではなく、警察官職務執行法という法律に基づいて職務質問をしています。
この法律には、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断し
①何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある
②すでに行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて何か
知っている
者に対して職務質問できることが明記されています。
つまり警察官は「この人何か犯罪を犯しているのではないかな?」「あの事件について何か知っているのではないかな?」と思う人に対して職務質問をしているのです。
職務質問は任意
そして、皆さんもご存知のとおり『職務質問は任意』です。
中には拒否することを許さないという威圧的な態度で職務質問をしてくる警察官もいますが、警察官に、職務質問に応じさせる強制力はありません。
実は拒否するのはベストな対応ではない
前述したように職務質問は任意です。
ですからインターネットには職務質問に対して「拒否すればいい」という対処方法がよく記事になっていますが、この対処方法は全ての場合にベストであるとは限りません。
と言いますのは、警察官は「不審点を解明できるまで徹底的に職務質問を続けなさい。」と指導を受けているので、「任意でしょ。拒否します。」と言われたからといって、「はい、そうですか。ではお気を付けて行ってください。」と引き下がるわけもないですし、逆に、この対応をしてしまうと、警察官の不信感を増幅させてしまうでしょう。
私が考えるベストな対処方法
刑事事件専門の弁護士が提案する警察官の職務質問に対する対処方法は
①協力する場合は、警察官の質問や要望に応じ、早く終わらせてもらう。
②拒否する場合は、「任意でしょ。拒否します」と言うのではなく、この後の予定が迫っている等、合理的な拒否理由を伝えて足早にその場を去る。
の二通りではないでしょうか。
「任意でしょ。だったら拒否します。」という拒否の仕方は、早く終わらせたい場合には逆効果になるのでお勧めできません。
そして絶対してはいけないのは、警察官に対して、押しのける等の暴行をしていまうことです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、刑事事件に関するご相談を初回無料で、逮捕等で身体拘束を受けている方への弁護士を派遣する 初回接見サービス については即日対応しております。
兵庫県葺合警察署が闇風俗店を摘発 売春防止法違反について
兵庫県葺合警察署が闇風俗店を摘発した事件を参考に、売春防止法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事件
Aさんは、数年前から三宮駅の近くでスナックを経営しています。
このスナックでは、スタッフの女の子を指名して、お店に手数料を払えば、店外デートできるサービスをしており、店外デートでスタッフが売春行為をしていました。
この事実をAさんは把握していましたが、店外でスタッフの女の子とお客さんの間での出来事なので、お店は無関係だと思い、売春行為が行われていることを黙認していたのです。
そうしたところ、先日兵庫県葺合警察署に売春を周旋しているとしてお店は摘発を受け、Aさんは逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
売春防止法違反
売春防止法は、売春を助長する行為等を処罰し、性行又は環境に照らして買春するおそれのある女子に対する補導処分及び保護更生の措置を講ずることで、売春の防止を図ることを目的としています。
売春の周旋等は、売春防止法で禁止されており、違反した場合には刑罰が科されます。
第六条 売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
2 売春の周旋をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。
一 人を売春の相手方となるように勧誘すること。
二 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
三 広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。
周旋とは
周旋とは、仲立ちをすることです。
売春防止法では、周旋目的で人を売春の相手方となるように勧誘することや、売春の相手方となるように勧誘するため道路その他の公共の場所で人の身辺に立ちふさがり又はつきまとうこと、
広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引することも禁止されています。
ここでは、これらをまとめて周旋等といいます。
Aさんの行為は、周旋等に当たると考えられます。
なお、売春防止法6条1項の周旋罪が成立するためには、買春の客である男性が、Aさんの周旋行為があったことを知らなくても、売春が行われるように周旋行為がなされれば足りるとされます。
売春防止法違反の弁護活動に強い弁護士
売春周旋罪で取調べを受けている方、ご家族が逮捕されてお困りであれば、売春防止法違反事件にも対応する刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、売春防止法違反に関する無料法律相談や、逮捕された方への 初回接見サービス をフリーダイヤル0120-631-881にて年中無休で受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。
ネット上で中学校教師を誹謗中傷 名誉棄損罪について
ネット上で中学校教師を誹謗中傷した事件を例に、名誉棄損罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事例
加古川市に住むAさんは、息子が通う中学校の担任教師の教育方針に納得できず、日頃からこの教師のことを良く思っていませんでした。そのためAさんは、これまで何度も、息子の担任を別の教師に替えてもらえないか中学校に要求していました。
しかしAさんの要求が受け入れられることはありませんでした。
そんな中、Aさんは担任教師を困らせる目的で、ツイッターや、中学校のホームページの掲示板に「●年●組の担任教師●●は生徒の母親と絶賛不倫中。毎週金曜簿の夜は、●●のホテルで夜のPTA会議を開催中。絶倫●●に担任はできない!」と事実無根の内容を投稿して担任教師を誹謗中傷したのです。
(フィクションです。)
名誉毀損罪について
名誉棄損罪は、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立します。
名誉棄損罪は刑法第230条に定められており、法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」です。
名誉毀損罪の成立要件について
名誉棄損罪は、①「公然と」②「事実を摘示し」③「人の名誉を毀損」した場合に成立します。
①「公然と」とは
「公然と」とは、摘示された事実を不特定または多数人が認識し得る状態をいうとされています。
判例は摘示の直接の相手方が特定かつ少数の人であっても、その者らを通じて不特定または多数人へと伝播し得る場合には公然性が認められるとしています。
参考事件のように、ツイッターや、中学校のホームページの掲示板の投稿内容が、誰でも閲覧できる状態であれば公然性は認められるでしょう。
②「事実を摘示し」とは
事実を摘示とは、人の社会的評価を直接又は間接的に低下させる具体的事実を示すことをいいます。
また摘示する事実は、真実である必要はありませんし、すでに大多数の人が知っている真実であったとしても、名誉棄損罪は成立します。
③「人の名誉を毀損」とは
人とは、自然人のほか法人などの団体も含むものとされています。
また、名誉は本当に傷ついたか判定しがたいことから、名誉毀損罪は抽象的危険犯であると考えられています。
そのため、現実に名誉が毀損されることまでは必要とされていません。
したがって、名誉を毀損したとは、人の社会的評価の害される危険を生じさせることで足りることになります。
名誉毀損罪の弁護活動
このコラムをご覧の方で、ご家族、ご友人が、名誉毀損罪で警察から取調べを受けたり、逮捕、勾留されている方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
また、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、逮捕されている方のもとに弁護士を派遣する 初回接見サービス を提供しております。
【姫路市網干区の公務執行妨害事件】職務質問中の警察官に石を投げつけた男が逮捕
【姫路市網干区の公務執行妨害事件】職務質問中の警察官に石を投げつけた男が逮捕
職務質問中の警察官に石を投げつけた男が逮捕された、姫路市網干区の公務執行妨害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事例
自営業のAさんは一緒にお酒を飲みに行くために、友人と駅前で待ち合わせをしていました。
Aさんが、約束の時間に待ち合わせ場所に行ったところ、一緒にお酒を飲みに行く予定にしている友人が、兵庫県網干警察署の警察官から職務質問を受けていました。
最初こそAさんは、職務質問が終わるのを待っていたのですが、しつこく質問している警察官の対応に段々と腹が立ち、警察官を目掛けて石を投げつけたのです。
Aさんが投げつけた石は、警察官に当たりませんでしたが、Aさんはその場で公務執行妨害罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
公務執行妨害罪とは
公務執行妨害罪は、職務執行中の公務員に対して、暴行や脅迫を加える場合に成立する犯罪です。
公務執行妨害罪の法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」とされています。
また、同罪は抽象的危険犯と呼ばれ、公務の執行が妨害される恐れがあるだけで成立し、現実に妨害されたという結果は必要とされていません。
客体となる「公務員」とは
公務執行妨害罪の客体となる「公務員」とは、警察官や、役所勤めしている行政職の公務員、消防士等は当然のこと、公立病院の勤務医等も含まれますし、駐車取り締まり員等のいわゆる「みなす公務員」も含まれます。
そして公務執行妨害罪が成立するには、この公務員が職務執行中でなければならず、かつ執行中の「職務」は適法なものであることが要求されているため、違法な職務に対して暴行、脅迫を加えても公務執行妨害罪は成立しません。
また、「執行するに当たり」とは、職務の執行中はもちろんのこと、執行に着手しようとしている場合をも含むものとされています。
暴行・脅迫とは
公務執行妨害罪における「暴行」は、公務員に向けられた不法な有形力の行使であれば、必ずしも直接公務員の身体に対して加えられる必要はないとされています。
例えば、参考事例のように、投げた石が警察官に当たらなくとも公務員に向けられた不法な有形力の行使であることには変わりないため「暴行」に当たります。
また、警察官に現場で差し押さえられた覚せい剤注射液入りアンプルを踏み割ったような場合でも、「暴行」に当たるとした判例もあります。
次に、「脅迫」は、人を畏怖させる害悪の告知を広く含むとされており、害悪の内容、性質、通知の方法を問わないとされています。
これは、脅迫罪の脅迫が、害悪の内容を限定していることに比べ、広い解釈をとっています。
以上のように、本罪における暴行、脅迫は認められる範囲が広いため、ほんの少しの有形力の行使や害悪の告知であっても同罪が成立する可能性があります。
公務執行妨害事件に強い弁護士
姫路市網干区の刑事事件でお困りの方、公務執行妨害罪で警察の取調べを受けている方は、兵庫県の刑事事件に強いと評判の、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)
までお気軽にお電話ください。
またご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方は、初回接見サービスをご利用ください
窃盗罪の間接正犯
窃盗罪の間接正犯が成立する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
生活に困窮していたAは、自身の子供であるB(12歳)に、兵庫県南あわじ市の資産家で有名なVさんの家に侵入して金品を盗ってくるよういいました。
Bは、そんなことをしても捕まるだけだと思い嫌がっていたところ、Aが「あの家は老人しかいないし、耳も遠いから気づかれにくいから大丈夫。」と言ったところ、Bは渋々納得しました。
Bは、深夜の方が住人が寝ているから気づかれないこと、マスクを被っていれば万が一住人に見つかっても身元は割れないこと、侵入や窃盗の方法については自らネットで検索して入念な計画を立てて、実行に移しました。
事件から数か月して、兵庫県南あわじ警察署は、Bの犯行であることを突き止め、Bを保護しました。
警察は、Aについて窃盗の容疑で逮捕しました。
(フィクションです)
間接正犯とは
「間接正犯」というのは、他人を道具として利用することにより犯罪を実現する場合をいいます。
自分は直接手を下さずに、他人を使って犯罪行為を実行することですが、直接正犯と同じく、正犯として処罰されます。
犯罪であるというためには、問題となる行為が「構成要件に該当する、違法で有責な行為」でなければなりません。
犯罪の成立要件のひとつである、問題行為が構成要件に該当する(=構成要件該当性)と言える場合は、行為者が実行行為を自ら行い、結果を生じさせた場合のみならず、実行行為を他人に行わせ、その他人によって結果を生じさせた場合も含まれます。
間接正犯が成立する要件は、次の通りです。
①実行行為-(a)他人を道具として利用し、自己の犯罪を実現する意思を有すること。
(b)被利用者を一方的に支配・利用し、その行為を通じて構成要件的行為を行ったこと。
②因果関係
③故意
間接正犯の成否が問題となる場合
どのような場合に間接正犯が成立するのか、以下、問題となる類型ごとに見ていきます。
1.事理弁識能力や意思を抑圧されている者の利用
間接正犯の実行行為性の有無については、「他人を一方的に利用して犯罪の結果実現過程を支配した」といえるか否かによって判断されます。
そのため、行為者が意思能力を欠く者を使って犯罪の結果を実現させた場合には、その者を思うがままに利用したといえるため間接正犯は成立すると理解されます。
また、心神喪失者のような責任能力を欠ける者の行為を介在させる場合も、この者が是非弁別能力にかけるときは、同様に間接正犯が成立するとされます。
一方、判例は、被利用者が14歳未満の刑事未成年である場合であっても、是非弁別能力があるときには、意思の抑圧などの事情が存在しない限り、間接正犯の成立を肯定することはできないとの立場をとっています。
(1)被利用者の意思が抑圧されている場合
被告人Xは、12歳の養女Yに対して日頃からXの言動に逆らうそぶりを見せるたびに、顔面にたばこの火を押付けたりドライバーで顔をこすったりするなどの暴行を加えて、自己の意のままに従わせていたYに対し、窃盗を命じてこれを行わせた事件について、最高裁は、Xが自己の日頃の言動に畏怖し、意思を抑圧されているYを利用して窃盗をおこなったと認められるため、たとえYが是非善悪の判断能力を有する者であったとしても、Xについては窃盗の間接正犯が成立すると、窃盗罪の間接正犯を成立を認めました。(最決昭58・9・21)
(2)間接正犯が否定された事例
X(Yの母親)が生活費欲しさから強盗を計画し、12歳10か月の長男Yに指示命令して強盗を実行させた事件において、当時Yには是非弁別能力があり、Xの指示命令はYの意思を抑圧するにたる程度のものではなく、Yは自らの意思によりその実行を決意した上、臨機応変に対処して強盗を完遂し、Yが奪ってきた金品をすべてXが領得したなど判示の事実関係の下では、Xにつき強盗の間接正犯または教唆犯ではなく共同正犯が成立すると、強盗罪の間接正犯の成立を否定した判例があります。(最決平13・10・25)
この事例を踏まえて、上記ケースにおいてAについて間接正犯が成立するか否かを検討してみましょう。
Bは、Aから、侵入盗を行うよう命令指示されたところ、「見つかって捕まるからいやだ」と拒否しています。
このことより、Bは、「侵入盗」が犯罪であること、犯罪をすれば逮捕され得るということをきちんと理解していると考えられ、是非弁別能力はあったものと言えるでしょう。
そして、侵入盗について許否したBに対して、Aが「老人だから大丈夫」といったことを伝えたところ、渋々ではあるけれどもBは侵入盗を実行することに納得したのですから、Aの指示命令はBの意思を抑圧するようなものではなく、B自らの意思に基づいて実行を決意したものと考えられます。
さらに、Bは綿密な犯行計画を練った上で実行に移していることをも考慮すれば、Aに対して窃盗・住居侵入の間接正犯が成立するものとは言えないでしょう。
しかしながら、Aに対してこれらの罪の共同正犯が成立し得ると考えられますので、Aが同罪の正犯となることには変わり有りません。
実際に自ら犯罪行為に着手していない場合であっても、正犯として刑事責任を問われる場合もあります。
窃盗事件で被疑者として取調べを受けている、家族が逮捕された、と対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談や初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。
駅員に対する暴行事件 暴行罪とは
駅員に対する暴行事件で逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県西宮市の駅に到着したAさんは、自動改札機に持っていたICカード乗車券をかざしたところ、エラーが出て改札を出ることができませんでした。
すると、Aさんはそのまま無理やり改札を出てしまったので、気づいた駅員がAさんに話しかけました。
Aさんは随分と酔っ払っている様子で、駅員に対して高圧的な態度に出ました。
駅員は粘り強く対応したのですが、しびれを切らしたAさんは、駅員の胸倉をつかむなどの暴行を加えたので、他の駅員が警察に通報しました。
兵庫県甲子園警察署から駆け付けた警察官は、Aさんを暴行の疑いで現行犯逮捕しました。
(フィクションです)
暴行罪について
駅員への暴力行為は、言うまでもなく犯罪です。
上のケースでは、Aさんが駅員の胸倉を掴んだ等で、「暴行」の容疑がかけられています。
今回は、「暴行罪」について説明してみたいと思います。
暴行罪は、刑法第208条に規定されています。
第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
暴行罪は、人に暴行を加えた場合に成立する犯罪です。
「暴行」は、刑法に規定されている様々な犯罪の構成要件要素となっていますが、その意義は、物理力の行使という点では共通していますが、当該犯罪の保護法益や罪質によって異なります。
各犯罪における「暴行」の意義については、次の4つの分類されます。
①最広義の暴行
人のみならず、物に対する物理力の行使を含みます。
例:騒乱罪、多衆不解散罪、内乱罪の暴動
②広義の暴行
人に向けられた物理力の行使をいいます。
例:公務執行妨害罪、職務強要罪、加重逃走罪、逃走援助罪、特別公務員暴行陵虐罪、強要罪
③狭義の暴行
人に対する物理力の行使をいいます。
例:暴行罪
④最狭義の暴行
人の意思ないし反抗の抑圧の要素を含む、人に対する物理力の行使をいいます。
例:強盗罪、事後強盗罪、強制性交等罪、強制わいせつ罪
暴行罪における「暴行」は、③狭義の暴行に当たります。
不法な有形力の行使が人の身体に対して加えられる場合です。
これには、人の身体を押す・殴る・叩くなどといった行為だけでなく、判例では、大太鼓などを連打して意識朦朧とした気分を与え又は脳貧血を起こさせ、息詰まる程度にさせたことも暴行に当たり、塩を振りかける行為も、相手方において受忍すべきいわれはなく、不快嫌悪の感情を催させるに足るものであるため暴行に当たるとしたものもあります。
また、物理力が人の身体に接触する必要はなく、驚かす目的で人の数歩手前を狙って意思を投げる行為、狭い室内で脅す目的で日本刀を振り回す行為なども暴行に当たるとしています。
更に、いわゆる「あおり運転」で、高速道路上で並進中の自動車に嫌がらせ目的で幅寄せをする行為も暴行に当たるとした判例もあります。
暴行罪が成立するためには、人の身体に対して物理力を行使することの認識があったことが必要となります。
この認識は、未必的なものでも構いません。
人に暴行を加え傷害を負わせるつもりで、暴行を加えたが、結果として人に怪我をさせることができなかった場合も含まれます。
駅員への暴行事件は、現場で逮捕される、つまり現行犯逮捕となるケースが多くなっています。
酒に酔った上での犯行である場合、酔いが冷めると容疑を認め反省の態度を示す方が多く、逮捕されてしまった場合でも、その後釈放される可能性もあります。
しかし、注意しなければならないのは、釈放されたからといって事件が終了したわけではありません。
その後も捜査機関からの呼び出しを受け、取調べを受けた上で最終的な処分が決定します。
その間に、被害者である駅員への謝罪・被害弁償を行う必要があります。
暴行事件のように被害者がいる事件では、被害者との示談が成立しているか否かは、最終的な処分を決定する上で重要な要素となります。
ご家族が暴行事件を起こし逮捕されてお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
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車に放火して逮捕 建造物等以外放火罪について解説
車に放火して逮捕 建造物等以外放火罪について解説
車に放火して逮捕された事件を参考に、建造物等以外放火罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事例
会社員のAさんは、駐車場にとめてあった車のタイヤに火をつけたとして建造物等以外放火罪の疑いで兵庫県長田警察署に逮捕されました。
Aさんは、駐車場にとめてあった無人の車のタイヤにライターで点火して放火したようです。
駐車場には、被害者車両の近くに複数の車がとまっていましたが、周辺の家屋や、近所に住む住民に怪我人はいませんでした。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
建造物等以外放火罪について
建造物等以外放火罪は、現住建造物や非現住建造物以外の物を放火して焼損し、公共の危険を発生させた場合に成立します。
刑法110条に定められており、1項で他人所有の建造物等以外を放火した場合を、2項で自己所有の建造物等以外を放火した場合を規定しており、他人所有の物に放火した場合の罰則規定は「1年以上10年以下の懲役」が、自己所有の物に放火した場合の罰則規定は「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金」と軽くなっています。
建造物等以外放火罪が成立するには
建造物等以外放火罪は『①建造物等以外の物』に『②放火』して『③焼損』し『④公共の危険を生じさせる』ことで成立します。
『①建造物等以外の物』とは
条文には、「前2条に規定する物以外の物」と明記されています。
前2条とは、現住建造物等放火罪と非現住建造物等放火罪のことです。
『②放火』とは
放火とは、目的物に点火することをいいます。
たとえば、ライターで目的物に火をつけることなどは典型的な放火行為といえます。
『③焼損』とは
焼損とは、火が放火の媒介物を離れ目的物に燃え移り、独立に燃焼を継続するに達した状態をいうとされています。
焼損というと、全体が燃えきった状態をイメージするかと思います。しかし、目的物だけで燃えている状態になれば「焼損」といえるため犯罪が既遂になるのです。
『④公共の危険を生じさせること』とは
公共の危険とは、108条、109条1項に規定する建造物等に関する延焼の危険のみに限られず、不特定又は多数の人の生命、身体又は財産に対する危険を含むといわれています。
そのため、参考事例のように、放火された目的物の近くに現住建造物などがなくても、車等の財産があり延焼の危険があるのであれば公共の危険はあったといえることになります。
建造物等以外放火罪で逮捕されたら
建造物等以外放火罪で逮捕された場合、すぐに弁護士に連絡し、アドバイスを受けることが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご連絡頂ければ、いち早く弁護士が逮捕されている警察署に接見に行き、事件の情報を聞き取ったうえで、取調べ等に対する対応方法や適切な弁護活動をさせていただきます。
このコラムをご覧の方で、ご家族、ご友人が、建造物等以外放火罪で兵庫県長田警察署に逮捕、勾留されている方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、逮捕されている方のもとに弁護士を派遣する 初回接見サービス を提供しております。
兵庫県赤穂警察署に自首を検討 自首する前に相談を!!
兵庫県赤穂警察署に自首を検討 自首する前に相談を!!
兵庫県赤穂警察署に自首を検討されている事件を参考に、自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
参考事件
Aさんは、赤穂市にあるホテルでアルバイトをしています。
先日、ベッドメイキングで客室に入った際に、お客さんのカバンが室内に置きっ放しになっていたので、このカバンの中から財布を盗んでしまいました。
盗んだ財布から現金だけを抜き取り、財布は、ホテルの近くにある川に投棄して証拠隠滅したのですが、その日の夜に、お客さんが被害に気付き110番通報したようで、兵庫県赤穂警察署の警察官がホテルを訪ねてきました。
まだ警察はAさんが犯人だと割り出せていないようですが、発覚するのも時間の問題だと諦めたAさんは、警察に自首することを考えています。
(フィクションです)
Aさんの行為は窃盗罪
刑法第235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
客室にあったカバンの中から客の財布を盗むAさんの行為は窃盗罪に該当するでしょう。
現金を抜いた財布を川に投棄した行為は、器物損壊行為に当たりますが、今回は投棄したのは窃盗によって得た被害品ですので、不可罰的事後行為となって、新たな罪(器物損壊罪)に問われることはないでしょう。
自首とは
自らの犯罪行為を捜査機関に申告すれば「自首」となることは広く知られていますが、この様な行為の全てが自首として認められるわけではありません。
刑法第42条(自首)
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減刑することができる。
この条文のとおり、自首が成立すると、裁判官の裁量により刑が減刑されることがあります。これを、任意的減刑といいます。
この様な、任意減軽の規定を設けている主な理由は
①犯人の悔い改めによる非難の減少
②犯罪の捜査及び犯人の処罰を容易にして訴訟手続きの円滑な運用に寄与
です。
そもそも自首とは、犯罪事実が捜査機関に発覚する前に、捜査機関に対して自発的に自己の犯罪事実を申告して、訴追を求めた者を意味します。
犯罪事実が発覚していても、犯人が発覚していなければ自首は成立しますが、単に所在不明であった場合には自首は成立しません。
自首が成立するには
①捜査機関に発覚前の事件を申告すること
自首が成立するのは
・犯罪事実が捜査機関に発覚していない場合
・すでに犯罪事実が発覚していても犯人が割り出されていない場合
です。
②自己の犯罪事実を告げること
捜査機関の自己の処分に委ねることを意味します。
このことから、申告の内容が犯行の一部を殊更に隠すものであったり、自己の責任を否定するものであったりするときは、自首とはいえません。
③自発的に行われること
捜査機関の取調べを受けて自白することは自首にはなりません。
ただし、ある犯罪について取調べをされている際に、捜査機関に発覚していない他の犯罪事実を申告することは自首に当たります。
④捜査機関に対する申告であること
ここでの捜査機関というのは、検察官や司法警察員を意味します。
自主の方法は、口頭でも書面などによる場合でも構いませんし、直ちに捜査機関の支配下に入る状況にある時は、電話による自首も有効であると考えられています。
まずは弁護士に相談
自首を検討しておられる方は、刑事事件に強い弁護士に事前に相談することをお勧めします。
せっかく警察署に自ら出頭しても、状況によっては自首と認められない場合もあるので注意しなければなりませんし、絶対的に逮捕を免れるとも限りません。
兵庫県赤穂警察署への自首を検討しておられる方は、警察署に出頭する前に刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部」にご相談ください。
【事件速報】神戸市東灘区の暴行事件 酒に酔った男が逮捕
【事件速報】神戸市東灘区の暴行事件 酒に酔った男が逮捕
【事件速報】酒に酔った男が逮捕された、神戸市東灘区の暴行事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
事件概要(8月24日配信の神戸新聞NEXTを参考にしています。)
本日午前3時ころ、神戸市東灘区の飲食店において、閉店時間を過ぎでも退店しなかった男が、この店のメンテナンスに来た被害者に対して、押し倒して馬乗りになり後頭部を複数回殴る暴行を加えたとして、兵庫県東灘警察署に暴行罪で現行犯逮捕されました。
逮捕された男は酒に酔っており、警察の取調べにおいて「殴っていない」と容疑を否認しているようです。
報道によると、被害者は、額に擦り傷などの軽傷を負っているということですので、今後、傷害罪に切り替えられて捜査がされる可能性があるでしょう。
暴行罪と傷害罪の違い
暴行罪とは刑法第208条に規定されている犯罪行為です。
刑法の条文では「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」とされています。
ここでいう暴行とは、人に対して不法な有形力を行使することで、殴る蹴るといった、いわゆる人に対する直接的な暴力行為だけでなく、間接的な有形力の行使や、肉体的だけでなく、精神的苦痛を与えるような行為でも暴行罪となる可能性があります。
他方、傷害罪は刑法第204条に規定されている犯罪行為です。
刑法の条文では「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処ずる」とされています。
暴行行為によって他人に怪我をさせた他、無形的な方法や不作為による傷害もあり得ます。
暴行罪と傷害罪の違いは、被害者が傷害を負っているかどうかで、その法定刑には大きな違いがあります。
警察に逮捕されると
暴行罪や傷害罪で警察に逮捕された場合について解説します。
罪の重さから、暴行罪よりも傷害罪の方が身体拘束が長くなる可能性が高いですし、今回の事件のように例え暴行罪で逮捕されたとしても、否認している場合は勾留される可能性が高くなります。
また逮捕された際に暴行罪が適用されていたとしても、その後被害者から診断書が提出されると傷害罪に切り替えられて捜査が進むこともあります。
暴行罪で逮捕された場合の、逮捕後の手続きや処分の見通しを早期に知って早めに弁護活動をスタートさせることが、その後の刑事処分に大きく影響してきますので、ご家族が暴行罪で逮捕されてしまった場合は、早期に弁護士を選任することをお勧めします。
神戸市内の刑事事件に強い弁護士
兵庫県内の刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、神戸市内の警察署に暴行罪で逮捕された方の弁護活動に即日対応しています。
ご家族、ご友人が神戸市内の警察署に逮捕された方は
フリーダイヤル 0120-631-881
までお気軽にお電話ください。
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