Archive for the ‘刑事事件’ Category

盗撮罪の適用が相次ぐ 全国で逮捕者が続出 

2023-07-15

先日から、これまで各都道府県の迷惑防止条例で規制されていた盗撮行為盗撮罪(『性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律』)によって規制されるようになり、その運用が開始されていますが、施行直後から、盗撮罪が適用されて逮捕者が続出しているようですので、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が、盗撮罪について詳しく解説します。

盗撮罪の盗撮とは

盗撮罪でいうところの「盗撮」とは、正当な理由がなく、ひそかに人の『性的姿態等』を撮影する行為を意味します。
つまり、盗撮罪が成立するには

正当な理由がなく撮影すること
ひそかに撮影すること
『性的姿態等』を撮影すること

が必要となります。
ここでいう「ひそかに」とは、相手に知られずに撮影することです。
また「性的姿態等」とは、性器や肛門、これらの周辺部や、臀部、胸部等の人の性的な部分や、これらの部位を覆っている下着類、そしてわいせつ行為や性交行為をしている人の姿態を意味します。

同意なく撮影することも規制

上記したような要件がない場合でも、同意できないような状態にある人の性的姿態等を撮影する行為も盗撮罪で規制の対象となっています。

盗撮罪では

・暴行又は脅迫
・心身の障害
・アルコールや薬物の摂取
・睡眠その他の意識が明瞭でない状態
・同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがない
・予想と異なる事態に直面して恐怖・驚愕している
・虐待に起因する心理的反応
・経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮

によって、相手が拒否することができなかったり、困難な状態にあるのに乗じて性的姿態等を撮影することが規制されています。

相手を誤信させて撮影することも規制

さらに盗撮罪では、撮影する相手(被害者)に

・行為の性質が性的なものではないと誤信させて
・特定の者以外の者は閲覧しないと誤信させて

撮影する行為も規制されます。

同意があっても13歳未満の性的姿態等を撮影することを規制

盗撮罪と同時に運用が開始された、不同意わいせつ罪や、不同意性交等罪と同様に、盗撮罪でも、同意があったとしても13歳未満の性的姿態等を撮影することを規制されます。
また相手が13歳以上16歳未満の場合は、加害者が被害者より5歳以上年上であれば、盗撮罪の規制対象となります。

盗撮画像をネットに公開することを規制

各都道府県の迷惑防止条例は、盗撮行為そのものを規制していましたが、盗撮罪では盗撮した画像も規制の対象となり、ネット上に公開したり、正当な理由なく、盗撮画像を不特定又は多数の者に送信する行為も処罰対象となります。

厳しい罰則規定

これまで各都道府県の迷惑防止条例では、盗撮行為の罰則は「6月~1年以下の懲役、50万円~100万円以下の罰金」でしたが、盗撮罪では、盗撮行為の法定刑を「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」と厳罰化しています。
またネット上に盗撮画像を公開するなどの送信罪については「5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金」と更に厳罰化しており、拘禁刑と罰金刑の両方が科せられる場合もあります。

盗撮罪で規制されるその他の行為

●提供罪…盗撮画像やその複製を第三者に提供する行為や、公然と陳列する行為。
●保管罪…提供目的で、盗撮画像を保管する行為。
●記録罪…盗撮画像であることを知りながら、盗撮画像の提供を受け、それを記録する行為。

盗撮罪に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、盗撮罪に関する無料法律相談や、盗撮罪で逮捕された方の初回接見を、フリーダイヤル0120-631-881にて、24時間・年中無休で承っております。

葺合警察署に詐欺罪で起訴後勾留 保釈できる弁護士

2023-06-11

詐欺罪で起訴され、現在も起訴後勾留によって身体拘束を受けている被告人の保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

葺合警察署に起訴後勾留

Aさんは、約2か月前、葺合警察署詐欺罪で逮捕され、その後20日間の経て詐欺罪起訴されました。
その後も余罪の捜査を受け、数日前に別件の詐欺罪でも追起訴されたAさんは、現在も、葺合警察署に起訴後勾留されています。
実刑判決を覚悟しているAさんは、保釈を強く望んでいます。
(フィクションです。)

保釈とは

身体拘束を受けている被告人(起訴された被疑者)が釈放されることを保釈といいます。
法律的に、この保釈を請求できるのは、勾留されている被告人本人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹と定められていますが、その請求には法律的な専門知識が必要になることから、一般的には弁護士が行います。
また保釈は、起訴されてから刑事裁判で判決が言い渡されるまで何度でも請求することができます。
裁判官によって保釈が認められると、保釈金の金額が決定します。
この保釈金を裁判所に納付することによって被告人は釈放されます。

保釈の流れ

起 訴
 ↓
保釈請求
 ↓
保釈許可決定(保釈金が決定する)
 ↓
保釈金の納付
 ↓
釈放(保釈)

起訴から、保釈で釈放されるまでの流れは上記のとおりですが、③で裁判官が保釈許可決定をした後に、検察官が、この決定に対して異議を申し立てることができます。
これを「準抗告」といいますが、検察官が準抗告した場合は、最初に保釈許可決定をした裁判官以外の裁判官によって再度審査されます。

保釈金

保釈金の金額については事件の内容、被告人の資力等が総合的に考慮されて決定します。
一般的な詐欺事件であれば150万円~250万円の場合がほとんどですが、被害額が多額に及ぶ場合や、余罪が複数ある場合は、保釈金が高額になる場合があります。
保釈金は、裁判で判決が言い渡されて刑が確定すれば返還されます。

保釈に強い弁護士

起訴後勾留されている方の保釈を希望する方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
保釈に関するご相談は

フリーダイヤル 0120-631-881

にて、24時間、年中無休で承っております。

住居侵入罪は未遂でも罰せられる!留守宅を探して逮捕された事件

2023-06-05

空き巣目的で、留守宅を探していて逮捕された事件を参考に、住居侵入罪未遂でも罰せられることについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

Aさんは、住居侵入罪窃盗罪の前科があります。
最近、仕事をクビになって生活に困窮していたAさんは、再び空き巣をして生活しようと思い、数日前から、昼間留守にしている家を探しています。
そんな中、神戸市西区において、人の気配のない一軒家を見つけました。
そこでAさんは目撃者がいないことを確認して、その家のドアノブに手をかけて玄関扉を開けたのですが、家の中から日との声が聞こえたので、慌ててドアを閉めてその場から逃走しました。
しかし家人が110番通報したらしく、Aさんは逃走途中で、付近を警戒中の兵庫県神戸西警察署の警察官に捕まってしまいました。
住居侵入罪窃盗罪の前科のあるAさんは、警察署に任意同行され、そこで厳しい追及を受け、容疑を否認しましたが、最終的に逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

住居侵入未遂罪

人の住居に不法侵入すれば、住居侵入罪となることをご存知の方は多いかと思いますが、住居侵入罪は未遂であっても処罰の対象となります。

刑法第130条

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物~(中略)~、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

刑法第132条

第130条の罪の未遂は、罰する。

住居侵入未遂罪とは

一般的に未遂罪とは、犯行に着手したもの犯行を成し遂げることができなかったことを意味します。(刑法第43条)
住居侵入罪は、その条文からすると、「正当な理由なく、人の住居に侵入する」ことによって成立する犯罪で、人の住居に足を踏み入れた時点で既遂に達したとされるのが通常です。
今回の場合、Aさんは玄関扉を開けただけで、住居内には足を踏み入れていないので既遂に達したとは言えないでしょう。
ただ空き巣の目的(正当な理由なく)で、不法侵入しようとドアを開けているので、当然、着手行為は認められるでしょうから、Aさんの行為が住居侵入未遂罪となることは間違いないでしょう。

敷地内に入ってもダメ

囲繞地も住居に含まれる。
住居侵入罪が規定されている刑法では、囲繞地とは、塀や柵等で囲んでいる土地を意味します。
そして、住居の囲繞地に侵入した場合も、住居侵入罪が成立するとされています。
ですから、Aさんが不法侵入しようとした住宅の形状にもよりますが、玄関ドアが、屏や柵で囲まれた中にある場合、Aさんの行為は、住居侵入罪既遂とみなされてしまいます。

神戸市西区の刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、神戸市西区の刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
刑事事件に強いと評判の弁護士の法律相談をご希望の方は
フリーダイヤル 0120-631-881
までお気軽にお電話ください。

なお弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、すでに警察に逮捕されてしまった方のもとに弁護士を派遣する初回接見のサービスを提供しています。
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神戸市の風俗トラブル 家族や職場に知られずに円満解決する方法

2023-05-30

神戸市の風俗トラブルを、家族や職場に知られずに円満解決する方法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

会社員Aさんは、昨夜、神戸市の個室ヘルス店において、ヘルス嬢にお金を払うことを約束し、ヘルス嬢の同意を得た上で、ヘルス店で禁止されている本番行為をしました。
後から料金を巡ってヘルス嬢とトラブルになり、この事がヘルス店にばれたAさんは、運転免許証と名刺を取り上げられてしまい、慰謝料50万円請求されています。
誰にも相談できないAさんは、家族職場に知られる前に穏便に解決したくて風俗店のトラブルに強い弁護士に相談しました。
(フィクションです)

風俗店でのトラブルを誰にも相談できずに悩んでいませんか?
そんな方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部に相談していただければ、家族や職場に知られることなく、穏便にトラブルを解決いたします。

さて今回のトラブルでAさんの行為が何の法律に抵触するのかについて考えてみたいと思います。

強制性交等罪

暴行又は脅迫を用いる等して、無理矢理、性行為に及べば強制性交等罪に抵触する可能性がありますが、今回のトラブルでは、事前にヘルス嬢の了承を得て本番行為(SEX)しているので、強制性交等罪には当たらないでしょう。
ただ、性風俗店における出来事は密室の中で起こっているので、真実は当事者同士にしか分かりません。
そのため相手が、被害をでっち上げて警察に申告する可能性があるので注意が必要です。

売春防止法違反

売春とは、金銭を授受し、又は授受を約束して不特定の相手と性交渉することです。
売春防止法第3条で、売春や売春の相手となる事を禁止しているのでAさんの行為は、売春防止法に違反することになります。
ただ売春防止法は、管理売春を取り締まる事を主な目的としている法律なので、売春を斡旋したり、売春の相手を勧誘する行為等に対しては罰則が定められていますが、Aさんの様に売春の相手となる行為に対しては罰則規定がありません。
当然、警察沙汰になれば事情聴取される可能性はありますが、逮捕されることはないでしょう。

詐欺罪

人を欺いて金銭等の財産を受け取ったり、不法の利益を得れば詐欺罪となります。
もしAさんに、全く料金を支払う意志がなかったり、支払い能力がないにもかかわらず、ヘルス嬢に対して「本番させてくれたら●●円を払う。」と約束し、性交渉していた場合は、Aに対して詐欺罪が成立する可能性があります。
しかし、今回の事件では当初Aさんには、料金を支払う意志も、能力もあったので、詐欺罪が成立する可能性は低いでしょう。

この様に、今回のトラブルでAさんの行為が何かの法律に触れているとは考えられません。
しかし、この様なトラブルに巻き込まれた方のほとんどは、早期解決したいが故に、お店や、風俗嬢から言われるがままの料金を支払ってしまいがちです。
一回の請求でトラブルを収束できるのであれば、この様に対処する事も悪くありませんが、この種のトラブルは、2度、3度とお店側からお金を請求される可能性が非常に高いので注意してください。
風俗におけるトラブルは、専門の弁護士を間に入れて交渉することで、早期の穏便解決が現実のものとなり、一刻も早く不安から解放される事ができます。

まずは弁護士に相談を

神戸市の風俗店でトラブルになっている方、風俗店でのトラブルを穏便に解決したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸市は、秘密厳守でお客様からのご相談を承っております。
「家族や職場に事件を知られたくない…」という方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部無料法律相談をご利用ください。

ひき逃げ車両を解体 証拠隠滅罪で逮捕

2023-05-24

知人の依頼を受け、ひき逃げ車両を解体したとして、証拠隠滅罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

宝塚市で自動車解体業を営んでいるAさんは、1週間ほど前に、知人から飲酒運転でひき逃げ事件を起こしたと相談を受けました。
知人から「このまま車が見つかってしまうと警察に逮捕されてしまう…。スクラップにしてくれないか。」と頼まれ、断ることができなかったAさんは、自分の工場で知人が持ち込んだ車両を解体したのです。
そして今朝、知人の家族から「ひき逃げ容疑で警察に逮捕された。」という知らせを受けたAさんは、自分も警察に逮捕されるのではないかと不安でなりません。
(フィクションです)

証拠隠滅罪~刑法第104条~

刑法第104条には「他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。」証拠隠滅罪を定めています。
証拠隠滅罪は、正確な刑罰の認定を誤らせない事を目的とした法律で、公訴事実の判断の妨げとなる一切の行為を処罰の対象としています。
つまり、Aさんのように、第三者の起こしたひき逃げ事件の犯行車両をスクラップ処理する行為は、証拠隠滅罪に当たります。

殺人事件に使用された拳銃を海に捨てたり、詐欺事件の証拠品である出金伝票を廃棄処分することや、質入れされた盗品を質屋が隠匿する行為も、証拠隠滅罪に抵触する可能性があります。

ただ証拠隠滅罪は、他人の起こした刑事事件に関する証拠に限定されています。
つまり自分の起こした刑事事件に関する証拠を隠滅、偽造、変造等しても成立しません。
また、証拠隠滅罪には、刑法第105条で「親族による犯罪に関する特例」が定められています。
犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために証拠隠滅罪を犯した場合は、刑が免除される可能性があるのです。

まずは弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の弁護士は、刑事事件を専門に扱っており、これまで数多くの事件を解決してきた実績がございます。
宝塚市の刑事事件でお困りの方からのご相談を初回無料で、そして警察に逮捕された方への接見を即日対応しています。
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【事件速報】タクシーを乗り去った女 窃盗罪で緊急逮捕

2023-05-18

【事件速報】タクシーを乗り去った女が、窃盗罪で緊急逮捕された事件を参考に緊急逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

事件内容5月18日配信の神戸新聞NEXTを引用

17日の夜、神戸市灘区において、客として乗車していたタクシーの運転手がタクシーから降りたすきに、そのままタクシーを運転して乗り去り、タクシーを盗んだとして、30代の女が、窃盗容疑で警察に緊急逮捕されました。

刑事事件を報道するニュースなどでよく「緊急逮捕」という言葉を聞きますが、緊急逮捕とは、通常の逮捕とは何が違うのでしょうか?
上記の窃盗事件を参考に、緊急逮捕ついて解説します。

逮捕は3種類

警察が犯人を逮捕する場合、その逮捕の種類は大きく分けると

  • 通常逮捕
  • 現行犯逮捕
  • 緊急逮捕


の3種類です。
警察官に「令状(逮捕状)が出てるから逮捕する。」と言われて、令状(逮捕状)を示されて逮捕されるのが、いわゆる通常逮捕で、通常逮捕は、裁判官の発付した逮捕状がなければ逮捕することができない、令状主義に基づく逮捕です。
そして、この令状主義の例外として認められているのが現行犯逮捕です。
現行犯逮捕は、まさに事件を起こしたり、事件を起こした直後の犯人にしかできない逮捕で、令状(逮捕状)は必要とされません。
またその現行犯逮捕は、その特徴から、犯人と間違えて逮捕する可能性が低いことから一般人でも逮捕することができます。

緊急逮捕

それでは緊急逮捕について解説します。
緊急逮捕は、その名前のとおり、緊急性を要する時にしか許されない逮捕で、逮捕できる事件(罪名)が限定されているのが特徴で、逮捕時には裁判官の発する逮捕状は必要とされませんが、逮捕後に、裁判官に逮捕状を請求しなければならず、その際に裁判官が逮捕状を発付しなかった場合は、すぐに逮捕した犯人を釈放しなければなりません。
ここでいう緊急性を要するとは、どのような場合かというと、裁判官に逮捕状を請求していては犯人が逃げて逮捕できなくなってしまうような場合を意味します。
また緊急逮捕できる犯罪は、その法定刑が「死刑又は無期若しくは3年以上の懲役若しくは禁錮」に該当する犯罪(罪名)に限られています。
今回の場合「窃盗罪」で緊急逮捕されており、窃盗罪の法定刑(10年以下の懲役又は50万円以下の罰金)はこれに該当します。

緊急逮捕された場合の対処

ご家族が警察に緊急逮捕された方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、逮捕された方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスを提供していますので、初回接見サービスのご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間対応中)
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キセルの刑事責任は?不正乗車が刑事事件に発展

2023-05-15

キセル(不正乗車)が刑事事件に発展した場合の刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

姫路市に住むAさんは、バスや電車を利用してアルバイト先まで通っています。
アルバイト先から交通費は支給されていないことから、Aさんは交通費をうかすために、これまで何度も、バスや電車にキセル(不正乗車)しています。
そんなある日、改札を抜けようとしたところ、駅員に声をかけられて持っていたICカードを確認されてキセル(不正乗車)が発覚してしまいました。
その日は正規の電車賃を支払うことで帰宅することができましたが、今後、これまでのキセル(不正乗車)が発覚して警察沙汰になるのではないか不安です。
(フィクションです。)

キセル(不正乗車)

バスや電車の不正乗車をキセルと言います。
かつては乗車券を改札に立っている駅員に提示して改札を抜けていましたが、最近は、ほぼ全ての駅に自動改札機が設置されて、切符を挿入したり、ICカードをかざすだけで改札を通過することができます。
また電車内における、乗務員による乗車券の確認も新幹線や特急電車など、乗車券の他に特急券や指定席券が必要な場合しか行われていません。
このように時代の変化と共にバスや電車の乗車方法も進化していますが、いつの時代でも、正規の乗車賃を支払わずにバスや電車に不正乗車すればキセルとなります。

それではキセル(不正乗車)が刑事事件関した場合の刑事責任について解説します。

詐欺罪

公共交通機関での不正乗車は、犯行の態様によって適用されるのは、鉄道営業法や軽犯罪法等様々な法律があり、一概に取り締まられる法律が定まっていないと言えます。
常習的に不正乗車を繰り返し正規の乗車料金を支払っていないことが立証された場合は、詐欺罪の適用を受ける可能性があります。
人を騙して財物を得ることによって成立する詐欺罪は、刑法第246条に規定された法律で、起訴され有罪判決を受けると「10年以下の懲役」が科せられることになります。

絶対にキセル(不正乗車)に詐欺罪が適用されるとは限りません。
そもそも詐欺罪は人を騙して財物を得たり、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた場合に成立する犯罪です。
そのため、その成立には「欺罔行為(人を騙す行為)」が必要不可欠となります。
しかし自動改札機が普及している現代、キセル(不正乗車)の全てに、この行為が存在するとは限りません。。

鉄道営業法違反

キセル(不正乗車)は、鉄道営業法が適用される可能性があります。
鉄道営業法第29条には、有効な乗車券をなくして乗車することを禁止しています。
これに違反した者には2万円以下の罰金又は科料が科せられる可能性があります。
詐欺罪とは天と地ほど違う罰則規定に驚いた方もいるのではないでしょうか。

まずは弁護士に相談を

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兵庫県内の刑事事件でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の無料法律相談をご利用ください。

【事件速報】反則切符に元同僚の名前を署名 有印私文書偽造・同行使罪で逮捕

2023-05-12

【事件速報】反則切符に知人の名前を署名したとして、有印私文書偽造・同行使で逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

事件内容5月10日配信の神戸新聞NEXT引用

2019年9月2日、兵庫県葺合警察署管内で歩行者妨害の交通違反をしたとして警察官の取締りを受けた際に、「家に置いてきた」と偽って免許証の提示を免れ、元同僚の名前と生年月日を告げて警察官に反則切符を作成させ、署名や指印をしたとして、神戸市須磨区の男が、有印私文書偽造・同行使罪逮捕されました。
警察の発表によりますと、逮捕された男は、違反をした際は既に無免許だったようですので、無免許の発覚をおそれての犯行だと思われます。
なおこの事件は、名前を使われた元同僚が、免許更新のはがきに思い当たらない違反者講習の表記があったため、同署に問い合わせて発覚したようです。

有印私文書偽造・同行使罪

私文書を偽造し、その偽造私文書を行使することで成立するのが、有印私文書偽造・同行使罪です。
私文書とは、権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画のことをで、こういった私文書の作成権限がない者が、他人名義の文書を作成した場合に成立します。

反則切符は私文書なの?

交通反則切符自体は公文書ですが、その中の供述書欄に「上記違反をしたことに相違ありません」という不動文字で示された供述を内容とする「事実証明に関する文書」ですので、取締り対象の私人が自署することが予定されている私文書です。

有印私文書偽造・同行使罪で逮捕されると…

有印私文書偽造・同行使罪で逮捕されると、48時間は裁判官の許可なく身体拘束を受けることになり、裁判官が勾留を決定した場合はその後も身体拘束が続くでしょう。
法律的に、勾留の期間は10日~20日です。
今回の事件では、偽造された反則切符は警察が押収しているでしょうし、共犯者がいるような事件でもありませんので、証拠隠滅の可能性は低いと考えられるでしょうし、犯行に至る動機面もハッキリしていると思われます。
そういった意味で、逃走のおそれがなければ勾留を阻止できる可能性もあるでしょう。

刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
兵庫県内の刑事事件にお困りの方、ご家族、ご友人が警察に逮捕されて身体拘束を受けている方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部無料法律相談初回接見サービスをご利用ください。

万引き事件の再犯 常習累犯窃盗罪とは・・・~②~

2023-04-21

~昨日の続き~

常習累犯窃盗罪

万引きなどの窃盗は再犯率の高い犯罪です。
窃盗を常習的に繰り返す「常習累犯窃盗罪」が特別法(「盗犯等ノ防止及処分二関スル法律」)で規定されています。

第三条 

常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル

かなり昔に制定された法律なのでこの条文を読んだだけでは理解しずらいでしょう。
この条文を分かりやすくまとめると、常習としての窃盗等を行う習癖を有する者に対して、行為前の一定の前科を考慮し、その習癖のない者より重く処罰することが規定されており、常習累犯窃盗とは

①過去10年間に、窃盗罪等で6月以上の懲役刑を3回以上受けた者が
②常習として窃盗を行うこと

です。

①について、過去10年の内に、窃盗罪等で実刑判決を3回受けていれば当てはまるのですが、例えば、一回目が懲役6月の執行猶予判決、二回目が懲役1年の保護観察付執行猶予判決、三回目が懲役2年の実刑判決であった場合、一回目と二回目の執行猶予が取り消され、三回目の懲役2年の刑の執行後に、引き続き一回目と二回目の刑の執行を受けた場合においても、それらは合計3回の刑の執行を受けたことになる点に留意が必要です。
①の要件に加えて、「反復して犯罪行為を行う習癖」があるか否かという②の要件を満たして初めて常習累犯窃盗が成立するというわけです。

常習累犯窃盗罪の法定刑は「3年以上の有期懲役」です。
前回のコラムで解説した、刑法で規定されている窃盗罪の法定刑に比べると非常に厳しいものとなっているので注意しなければなりません。

まずは弁護士に相談を

万引きの前科前歴が多数あり、常習累犯窃盗にあたるのではとお困りであれば、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
初回無料の法律相談や、初回接見のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受付しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

万引き事件の再犯 常習累犯窃盗罪とは・・・~①~

2023-04-18

万引き事件の再犯を起こしてしまった方の事件を参考に、常習累犯窃盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

無職のAさんは、2週間ほど前に加東市内のスーパーで食料品を万引きしたところ、店内を巡回中の警備員に捕まり、警察に通報されました。
Aさんは万引きの事実を認めて、盗んだ食料品の代金を支払ったことから逮捕されずに済みましたが、Aさんは、万引きの前科前歴があり、刑務所に服役した経験があることから、在宅で警察の取り調べを受けています。
以前逮捕された際に選任していた弁護士から「次に万引きをしたら、窃盗罪ではなく常習累犯窃盗罪で起訴される可能性が高い。」と言われていたことから、Aさんは今後の手続きが不安です。
(フィクションです)

窃盗罪

当然、お店の商品を盗めば「万引き」となり、これは「窃盗罪」に当たります。
窃盗罪とは、「他人の財物を窃取」する犯罪です。
「他人の財物」は、他人の占有する他人の財物です。つまり、他人が事実上支配し管理している他人のものをいいます。
「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。
窃盗罪が成立するには、これらの要件に加えて、次の主観的要件を満たす必要があります。

窃盗罪の故意

財物が他人の占有に属していること、及び、その占有を排除して財物を自己又は第三者の占有に移すことを認識すること。

不法領得の意思とは

不法領得の意思の要否については争いがありますが、判例では、「権利者を排除して他人の物を自己の所有物として経済的用法に従い利用処分する意思」をいうと解されています。
つまり、窃盗罪の成立要件には、故意に加えて、権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として扱う意思(排除意思)と、他人の物をその経済的用法に従い、利用又は処分する意思(利用意思)から構成される「不法領得の意思」が求められます。

窃盗罪の量刑

窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
あなたが万引きで捕まり、検察官に起訴され、有罪判決を言い渡された場合には、10年以下の懲役あるいは50万円以下の罰金の範囲内での刑事罰が科されることになります。

万引きの場合、初犯であり、被害金額も少額で、被害弁償が済んでいれば、微罪処分として事件が処理されるケースも多く、検察官によって起訴されずに事件終了となることが多いでしょう。

~明日に続く~

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