偽造有価証券行使事件で逮捕

2019-11-15

偽造有価証券行使事件で逮捕

偽造有価証券行使事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市兵庫区にある金券ショップの店長が、最近店で買い取った5千円のギフトカード10枚が偽物であることに気づきました。
店長はすぐに兵庫県兵庫警察署に通報し、同署は捜査を開始しました。
ほどなくして、警察は県内に住むAさんをはじめとした計6人を偽造有価証券行使などの疑いで逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、面会を申し入れましたが、面会することができず不安になり、刑事事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

有価証券偽造の罪について

刑法第18章は、有価証券偽造・変造・虚偽記入等を処罰するものです。

第百六十二条 行使の目的で、公債証書、官庁の証券、会社の株券その他の有価証券を偽造し、又は変造した者は、三月以上十年以下の懲役に処する。
2 行使の目的で、有価証券に虚偽の記入をした者も、前項と同様とする。

第百六十三条 偽造若しくは変造の有価証券又は虚偽の記入がある有価証券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者は、三月以上十年以下の懲役に処する。
2 前項の罪の未遂は、罰する。

本章における「有価証券」とは、財産上の権利が証券に表示され、その表示された権利の行使につきその正面の占有を必要とするものをいいます。(最判昭32・7・25)
その証券が取引上流通性を有すると否とを問いません。
具体的には、乗車券、定期券、宝くじ、郵便為替証券などです。
他方、切手、無記名提起預金証書、郵便貯金通帳、ゴルフクラブの入会保証金預託証書は有価証券に当たらないとされます。
さて、上記ケースで問題となっている「ギフトカード」についてですが、これは、商品やサービスの購入代金支払いの際に利用するための一定金額の価値を有するカード型の金券であり、「有価証券」に該当します。

1.有価証券偽造・変造罪

本罪の構成要件的行為は、行使の目的で、有価証券を「偽造し、又は変造」することです。
偽造」とは、作成権限のない者が、他人の名義を冒用して有価証券を作成することをいいます。
形式や外観において一般人が真正な有価証券であると誤信する程度のものであることが必要となります。
「変造」とは、権限を有しない者が、真正に成立した他人名義の有価証券の非本質的部分に変更を加えることをいいます。
これもまた、一般人が真正なものとして誤信する程度の外観・形式を備えていることが必要です。
また、主観的要件として、故意の他に「行使の目的」が必要です。
「行使の目的」とは、その用法に従い、真正なものとして使用する目的をいいます。

2.有価証券虚偽記入罪

行使の目的をもって、有価証券に虚偽の記入をする罪です。
「虚偽記入」の意義について、判例は、既成の有価証券に対するかどうかにかかわらず、有価証券に真実に反する記載をするすべての行為を指すものであり、手形に関しては、基本的な振出行為を除いた、いわゆる附属的手形行為の偽造等をいうものと理解するのが相当であるとしています。

3.偽造有価証券行使等罪

本罪は、偽造もしくは変造の有価証券または虚偽の記入がある有価証券を「行使・交付・輸入」する犯罪です。
行使」は、偽造・変造または虚偽の記入をした有価証券を真正または内容の真実なものとして使用することです。(大判明44・3・31)
通貨偽造の場合と異なり、流通におくことは必要とされません。
そのため、事故の資産信用状態を誤信させるために、見せ手形として使用する場合も行使にあたります。
「交付」とは、情を知らない他人に偽造・変造または虚偽の記入をした有価証券であることの情を明かして、または情を知っている他人にこれを与えることをいいます。
なお、「交付」および「輸入」は、「行使の目的」で行われることが必要です。

以上の罪に関する法定刑は、懲役刑のみとなっており、重く処罰される可能性があります。
また、複数人で共謀し犯行に及んでいることも多く、逮捕・勾留となれば、接見禁止が付く場合もあるでしょう。

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