廃棄物処理法で書類送検

2019-04-24

廃棄物処理法で書類送検

~ケース~
兵庫県神崎郡福崎町でリサイクル業を営むAさんは、アパート解体に伴い出た大量の畳の処分を、知人から依頼されました。
Aさんは、廃棄処理を行う許可を県知事から受けていませんでしたが、その依頼を受け、郡内の空き地に畳を運ぶよう指示しました。
空き地付近を通りかかった住人が、大量の畳が放置してあることを不審に思い、兵庫県福崎警察署に通報しました。
後日、同警察署はAさんの会社を訪問し、廃棄物処理法違反の容疑で取り調べに応じるよう求めました。
Aさんは、今後どのような処分となるのか心配になり、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

廃棄物処理法とは

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、「廃棄物処理法」といいます。)は、廃棄物の排出を抑え、発生した廃棄物はリサイクルする等の適正な処理をすることで、生活環境と公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律です。

廃棄物の定義

廃棄物処理法において「廃棄物」とは、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の姿態その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの」と定義されています。(廃棄物処理法2条1項)
つまり、「汚物又は不要物」が「廃棄物」ということになりますが、「不要物」については、「占有者が自ら利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になった物をいい、これらに該当するか否かは、占有者の意思、その性状等を総合的に勘案すべきものであって、排出された時点で客観的に廃棄物として観念できるものではない」と環境省は解釈しています。
ここでいう「占有者の意思」というのは、その物の性状、保管および排出の状況、取引価値の有無など客観的な諸事実から社会通念上合理的に推認できる占有者の意思のことをいいます。
例えば、古タイヤがある場所に積まれていたとしましょう。
それらのタイヤが再生タイヤ、土止め材料・燃料などに利用することを内容とする履行期限が確定した具体的な契約が結ばれているような場合には、有用物といえ、廃棄物には当たらないでしょう。

廃棄物の分類

廃棄物は、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分類されます。
「産業廃棄物」とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類の他政令で定める廃棄物及び輸入された廃棄物をいいます。
産業廃棄物に該当しないものは、全て「一般廃棄物」となります。
産業廃棄物は、「事業活動に伴って生じた」ものでなければなりません。
事業活動は、反復継続して行われる業務であればよく、営利目的であることは必要ではなく、公共的なサービスや事業活動も含まれます。
住居の新築、改築または解体を業者により施工し、その際に発生する畳は、「事業活動に伴い発生する産業廃棄物の繊維くず」に該当することになります。

産業廃棄物の処理

産業廃棄物の処理は、事業者自ら行うことが原則となっています。
排出事業者が自力で産業廃棄物を処理することができないときは、都道府県知事の許可を受けた産業廃棄物処理業者に、適正に処理を委託しなければなりません。
上記ケースにおいて、Aさんは、産業廃棄物収集運搬業者・処分業者その他環境省令で定める者ではないので、Aさんが他人の産業廃棄物の収集・運搬・処分を受託した場合には、処理業の受託禁止違反(廃棄物処理法第14条第15項、第14条の4第15項)となる可能性があります。

廃棄物の不法投棄

廃棄物処理法は、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」と定めています。(廃棄物処理法第16条)
ここでいう「捨てる」とは、地上に投棄する行為のみならず、海中に投棄する行為や地中に埋める行為など、最終処分する行為のことをいい、廃棄物を最終的に占有者の手から離して自然に還元することを意味します。
「捨てる」行為は、廃棄物をある場所に置いた時点では不要でなくとも、その後、不要物として取りに行かずそのまま放置するといった不作為によっても該当することもあります。
上記ケースにおいて、Aさんは空き地に古畳を置きっぱなしにしており、「捨てた」と判断される可能性もあるでしょう。

これら2つの廃棄物処理法違反に対しては、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその併科という刑罰が設けられています。
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