ひき逃げ事件で出頭

2019-12-13

ひき逃げ事件を起こし出頭した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県豊岡市に住むAさんは、自宅で晩酌をした後に、つまみを買うために近所のコンビニへ車で向かいました。
「すぐそこやし、大丈夫やろう。」と思い運転していたAさんですが、交差点を左折する際に、横断歩道を横断中の女性に気づくのが遅れ、Aさんの車は女性と接触してしまいました。
Aさんは事故を起こし気が動転し、そのまま現場を立ち去りました。
自宅に帰ったAさんは、やはり警察に出頭すべきだと思い、兵庫県豊岡南警察署出頭することを決意しました。
(フィクションです)

ひき逃げ事件を起こしたら

ひき逃げ事件を起こした場合に問われ得る罪は、道路交通法違反、そして過失運転致死傷罪または危険運転致死傷罪です。

(1)道路交通法違反

交通事故を起こした場合、運転手らは、直ちに運転をやめ、負傷者を救護し、道路における危険を防止する必要な措置をとらなければなりません。
これを「救護義務」といい、この義務に反し、そのまま現場から立ち去ってしまうと、道路交通法違反(救護義務違反)となります。
救護義務違反の法定刑は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
また、交通事故を起こしてしまった場合、運転手は直ちに最寄りの警察署などの警察官に交通事故が発生した日時・場所などを報告しなければなりません。
これを「報告義務」といい、これに違反した場合、道路交通法違反(報告義務違反)として、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金となる可能性があります。

(2)過失運転致傷罪

自動車を運転するにあたって必要な注意を怠って事故を起こし、相手を死傷させた場合、過失運転致死傷罪に問われる可能性があります。
過失運転致傷罪の法定刑は、7年以下の懲役又は禁錮若しくは100万円以下の罰金です。

(3)危険運転致傷罪

アルコールや薬物などに影響を受けて正常な運転が難しい状態、進行の制御がきかないような速度が出ている状態、信号無視をし、さらに大きな危険性のある速度が出ている状態など、危険な運転行為により死傷事故を起こした場合や、事故を起こす危険性があると認識していながら運転し、死傷事故を起こした場合、危険運転致傷罪に問われる可能性があります。
こちらの法定刑は、被害者が怪我をした場合には15年以下懲役、死亡してしまった場合には1年以上の有期懲役です。

事件後、捜査機関に出頭したら

一旦は事故現場から逃走したものの、その後捜査機関に出頭した場合には、どのようになるのでしょうか。

(1)自首が成立する場合

犯人が捜査機関に出向くことを「自首」と理解されている方も多いようですが、自首が成立するには、幾つかの要件を満たす必要があります。

①犯罪を起こした本人自らが自発的に犯罪事実を申告していること。
「自ら自発的に」自分の犯した犯罪を申告しなければならず、取調べで単に犯罪事実を自白しただけでは自首したことになりません。
②犯罪を行った本人が自身の罰則や処分を求めていること。
申告内容が、犯罪事実の一部を隠すためにされたものであったり、自己の責任を否定するようなものであったりした場合には、自首は成立しません。
③捜査機関に申告していること。
司法警察員または検察官に対して申告している必要があります。
④捜査機関が犯罪事実や犯人を特定していない段階で申告していること。
犯罪事実が捜査機関に発覚していない場合や、犯罪事実は発覚していたとしても、その犯人が誰であるか発覚していない場合を含みます。
犯罪事実や犯人が誰であるか判明しているけれども、単に犯人の所在だけが不明である場合は、これに含まれません。
犯罪事実の申告を受けた警察官等が犯罪事実を知らなくても、捜査機関の誰かが犯罪事実を知っていた場合には、自首は成立しません。

これらの要件を充たしてはじめて「自首」が成立することになります。
自首が成立すると、刑が減軽される可能性があります。

(2)単なる出頭となる場合

もうすでに捜査機関に犯罪事実や犯人が特定されしまっている場合には、自首が成立せず、単なる「出頭」ということになります。
自首が成立した場合の「刑の軽減」という可能性は該当しませんが、自ら捜査機関に出向いているという点で、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないとして、逮捕されず在宅のまま捜査が進む可能性があります。

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