兵庫県加古郡播磨町の迷惑防止条例違反事件で弁護士 卑わいな言動とは?
迷惑防止条例における卑わいな言動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
兵庫県加古郡播磨町の路上を帰宅中の女子高生に約20分間にわたって下品な言葉を掛けたとして、会社員のAさんが迷惑防止条例違反(卑わいな言動)の疑いで、兵庫県加古川警察署に逮捕されました。
調べに対してAさんは、「ナンパ目的で『ハグさせて』と言っただけ」と供述しています。
(佐賀新聞LIVE 2018年5月8日17時56分掲載記事を基にしたフィクションです)
迷惑防止条例における「卑わいな言動」とは
各都道府県では、迷惑防止条例が制定されています。
兵庫県においては、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」の名称で定められています。
迷惑防止条例は、ダフ屋行為、痴漢行為、つきまとい行為、ピンクビラ配布行為、押し売り行為、暴力行為、盗撮行為、のぞき行為、客引き行為、スカウト行為などを禁止しています。
迷惑防止条例が禁止する行為の中で最も適用されているものの一つとして、「卑わいな言動」が挙げられます。
兵庫県迷惑防止条例第3条の2は、「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない」とし、該当する行為として①人に対する不安を覚えさせるような卑わいな言動、及び②正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で、ビデオカメラその他これらに類する機器を設置する行為、を挙げています。
前者の「卑わいな言動」に該当する行為として、痴漢行為がよく挙げられますが、直接他人の身体に触れる行為だけに限られません。
北海道の迷惑防止条例違反が問われた事件における最高裁判決(平成20年11月10日)では、女性のおしり部分をズボンの上から撮影した行為が「卑わいな言動」に該当するのかが問われました。
最高裁は、「被告人の本件撮影行為は、社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな動作であることは明らかであり、これを知った時に被害者を著しくしゅう恥させ、被害者に不安を覚えさせるものといえる」として、迷惑防止条例違反であると判断しました。
「卑わいな言動」とは、いやらしくみだらで、社会通念上、人に性的しゅう恥心を抱かせ、又は不安を覚えさせるような言葉や行動のことを指すと言えるでしょう。
ですので、公共の場・乗り物において、他人につきまといながら、性交や性器を意味する言葉をかけ続ける行為は、「卑わいな言動」での迷惑防止条例違反となるでしょう。
事例のように被害者が存在する事件においては、何よりも被害者への謝罪・被害弁償、そして示談を成立させることが重要です。
被害者との示談が成立している場合には、不起訴処分となる可能性も高まります。
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