兵庫県西宮市の相場操縦事件で逮捕 金融商品取引法にも精通する弁護士
兵庫県西宮市に住むAさんは、ある会社の株価を不正につり上げたとして、兵庫県西宮警察署に金融商品取引法違反(相場操縦)の容疑で逮捕されました。
逮捕容疑は、問題となっている会社の株について直前の株価を上回る価格で連続して買い注文を出すなどして、不正に株価をつり上げたとされています。
(産経ニュース 2017年10月13日1時17分掲載記事を基にしたフィクションです)
【金融商品取引法って何?】
金融商品取引法は、幅広い金融商品を対象として、投資者保護ルールの徹底、利用者利便の向上、市場機能の確保、国際化への対応を目的に制定された法律です。
金融商品とは、銀行・保険会社・証券会社などで扱う商品のことで、預金・金銭信託・保険・株式・投資信託・外国為替等といった旧来の金融商品の他にも、そこから派生して生まれたデリバティブ(先物取引・オプション取引・スワップ取引など)等も含まれます。
以前は「証券取引法」という名称でしたが、平成19年に「金融商品取引法」に変更しました。
金融商品取引法に改正された特徴として、刑罰の強化・刑罰対象の拡大が挙げられます。
【相場操縦で金融商品取引法違反の罰則は?】
金融商品取引法違反に対する罰則は、刑事罰、行政処分、課徴金制度が設けられています。
刑事罰の対象となる違反行為は、有価証券届出書等について重要事項に虚偽記載のある書類を提出する行為、不正取引行為や相場操縦的行為などの有価証券の取引等に関する規制に違反する行為などです。
ここでは、事例で言及されている「相場操縦」について見ていきたいと思います。
「相場操縦」とは、有価証券の売買やデリバティブ取引が頻繁に行われているといった誤解へ導く等の目的で行われる行為を言います。(金融商品取引法第159条)
その相場操縦の種類は、①仮装売買、②馴合売買、③変動操作、④市場操作情報の流布、⑤虚偽情報による相場操縦、⑥安定操作取引、となっています。
このような相場操縦行為を行なった場合には、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はその両方が科せられる可能性があります。(金融商品取引法第197条1項5号)
金融商品取引法違反事件では、証券取引等監視委員会が調査を経て、検察庁に告発するという流れが多いようです。
金融商品取引法違反事件は、専門性の高い経済事犯ですが、警察や検察での取調べで被疑者に不利な調書を作成されないよう、刑事事件及び経済事犯に精通する弁護士から的確なアドバイスをもらうこと重要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
これまでも金融商品取引法違反事件を含めた経済事犯を取り扱ってきた経験があります。
兵庫県西宮市の相場操縦事件でご家族の方が逮捕されてしまいお困りであれば、一度弊所にご相談下さい。
(初回の法律相談:無料、兵庫県西宮警察署までの初回接見費用:36,300円)