自転車事故で刑事事件

自転車事故で刑事事件

自転車事故刑事事件となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県南あわじ市に住むAさん(20歳)は、イヤホンで音楽を聴いたり、スマホを操作しながら自転車を運転していました。
ちょうどAさんがスマホを操作しようと目を下にやっていた時に、前方に歩行者の女性がいることに気が付かずに、その女性に衝突してしまいました。
女性はその場で倒れ込み、Aくんは急いで女性の様子を確認しましたが、意識がありません。
Aくんは慌てて救急車を呼びましたが、女性は搬送先の病院で死亡が確認されました。
Aくんは、現場に駆け付けた兵庫県南あわじ警察署の警察官に現行犯逮捕されました。
(フィクションです。)

自転車対歩行者の事故

自転車と歩行者の交通死傷事故は、交通事故死傷者全体でみると、対四輪車の事故が最も多くを占めており、自転車と歩行者の事故件数は少ないように思われるかもしれません。
しかし、スマホの普及により、いわゆる「ながら運転」によって生じる交通死傷事故は増加していると言われています。

自転車を運転するにあたってのルール

意外と知られていませんが、自転車は道路交通法上の「軽車両」にあたります。

八 車両 自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。(道路交通法2条1項8号)
十一 軽車両 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽けん引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。(道路交通法2条1項11号)

「車両」には「軽車両」が含まれているので、自転車も自動車と同じ「車両」ということになります。
1.原則、車道を通行
歩道と車道の区別があるところでは、自転車は原則車道を通行しなければなりません。
また、軽車両である自転車は、車道の左側を通行しなければなりません。
2.歩道は歩行者優先
自転車は車両なのですが、例外的に歩道を通行することができます。
歩道に「自転車歩道通行可」の道路標識等がある場合、13歳未満の幼児・児童や70歳以上の高齢者、身体の不自由な人が運転している場合、そして、車道または交通の状況からみてやむを得ない場合です。
歩道を通行するときには、歩道の車道寄りまたは指定された部分をすぐに停止できる速度で走り、歩行者の妨げになる場合には一時停止しなければなりません。
3.安全ルール
二人乗りをしない、夜間のライト点灯、並走しない、飲酒運転しない、信号を守る、一時停止と安全確認をしっかりする、などといったルールも道路交通法に定められています。

自転車事故で問われる刑事責任

自転車対歩行者の事故を起こした場合、自転車だから刑事上の責任が問われない、なんてことにはなりません。
相手を死傷させた場合、道路交通法違反や刑法の過失傷害罪、過失致死罪、重過失致死傷罪に問われる可能性があります。

自転車を運転して相手に怪我を負わせた、死亡させてしまった場合、運転手の過失の程度によって、過失傷害罪・過失致死罪、または重過失致死傷罪となります。
重過失致死傷罪における「重大な過失」は、「人の死傷の結果がその具体的状況下において通常人として容易に予見できたのに、これを怠り、あるいは、結果を予見しながら、その回避の措置をとることが同様容易であったのに、これを怠ったというような注意義務の懈怠の著しい場合を指すもの」と解されます。(東京高判昭62.10.6)
イヤホンで音楽を聴き、スマホを操作しながら自転車を運転し、歩行者にぶつかり怪我を負わた、或いは死亡させた場合には、「重大な過失」の結果、人を死傷させたと言え、重過失致死傷罪が適用されるでしょう。

このように、自転車による事故であっても、刑事責任が問われることがあります。
被害の程度や過失の程度のより、適用される罪も異なります。
自転車で人身事故を起こしお困りの方は、一度交通事故を含む刑事事件に対応する弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
初回の法律相談は、無料です。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までお電話ください。

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