少年に対する処分②~保護処分~

2019-11-02

少年に対する処分②~保護処分~

少年に対する処分保護処分)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

前回のブログでは、少年に対する処分のうち、中間処分である試験観察、そして終局処分の審判不開始決定および不処分決定について紹介しました。
今回は、終局処分である保護処分について解説していきます。

保護処分

家庭裁判所に送致された少年を構成させるために行われる少年法上の処分です。
保護処分には、①保護観察、②少年院送致、③児童自立支援施設または児童養護施設送致、の3つがあります。

1.保護観察

保護観察処分は、少年が保護観察官や保護司の指導監督の下、社会内で更生できると判断された場合に付される保護処分です。
保護観察に付された場合、少年は決められた遵守事項を守りながら家庭等で生活し、保護観察官や保護司と定期的に面会し現状報告した上で、彼らから生活や交友関係などについて指導を受けることになります。

保護観察の期間は、原則として、少年が20歳に達するまでです。
ただし、決定時から少年が20歳になるまでの期間が2年に満たない場合は、2年となります。
また、少年の改善更正に役立つと判断される場合には、期間を定めて保護観察を一時的に解除することもあり、保護観察継続の必要性がなくなったと認められるときは、保護観察は解除されます。

2.少年院送致

少年院送致は、再非行のおそれが高く、社会内での更生が期待できない場合に、少年院に収容して矯正教育を受けさせる保護処分です。
収容される少年院は、第1~4種少年院があり、どの少年院に収容されるかは、保護処分として少年院送致となる少年の入院時の年齢、犯罪的傾向の程度、心身の状況等に応じて家庭裁判所が決定します。

●第1種少年院
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がないおおむね12歳以上23歳未満の者が収容されます。

●第2種少年院
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない犯罪傾向が進んだおおむね16歳以上23歳未満の者が収容されます。

●第3種少年院
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害があるおおむね12歳以上26歳未満の者が収容されます。

●第4種少年院
少年院において刑の執行を受ける者が収容されます。

少年院に収容することができる期間は、原則として少年が20歳に達するまでですが、少年院送致決定時に少年が19歳を超えている場合には、決定の日から1年間に限り、収容を継続することができます。
収容期間は本来不定期ですが、標準的な期間は2年以内とされており、第1種少年院については、6ヶ月以内とするものもあります。
家庭裁判所が、収容期間について処遇勧告を行う場合があります。
家庭裁判所から短期間または特別短期間の処遇勧告があった場合には、少年院はこれに従うとされています。
特段、収容期間について勧告がなされていない場合には、収容期間はおおむね1年となる傾向にあります。
①特別短期間
収容期間は、4か月以内で、一般短期処遇の少年よりも非行の傾向が進んでいない少年が該当します。
②短期間
収容期間は、原則6ヶ月以内で、少年が抱く問題がそれほど大きいものではなく、短期間の少年院での矯正教育により、矯正と社会復帰が期待できる少年が対象となります。
③長期間
収容期間は、原則2年以内です。第1種少年院で家庭裁判所の処遇勧告がない場合と、第2種及び第3種少年院では、長期間となります。

3.児童自立支援施設または児童養護施設送致

児童自立支援施設は、不良行為をなし、またはなすおそれのある児童および家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、または保護者の下から通わせて、ここの児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者についてその他の援助を行うことを目的とした施設です。
児童自立支援施設送致が選択される場合は、年齢が中学生相当の少年で、少年自身の非行性はさほど進んでいないが、保護者が養育を放棄していたり、少年を虐待しているなど家庭環境に大きな問題がある場合が多くなっています。
児童養護施設は、保護者のない児童、虐待されている児童、その他環境上養護の必要がある児童を入所させ、これらの児童を養護し、退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行う施設です。
実務上、児童養護施設送致が選択されるケースはそう多くありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、経験豊富な少年事件・刑事事件専門の弁護士が、少年やご家族としっかりとコミュニケーションズをとしながら、少年の更生にとって最善となるよう尽力していきます。