少年事件の弁護活動:環境調整

2020-01-18

少年事件弁護活動のうち環境調整について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県養父市に住む高校1年生のAくん(16歳)は、高校進学後も中学時代の友人や先輩とつるむことが多く、深夜に公園でたむろしたり、バイクで暴走したりしていました。
仲間の先輩に言われ、原付バイクを盗むようになり、兵庫県養父警察署に窃盗の疑いで逮捕されました。
その後、神戸家庭裁判所豊岡支部に送致され、Aくんの両親はどのように対応すればよいか分からず困っています。
(フィクションです)

少年事件の流れ

少年の被疑事件について、捜査機関が捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑は認められないものの家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
少年事件では、成人の刑事事件における起訴猶予といった捜査機関限りで事件を終了させるといったことは認められていません。

事件が家庭裁判所に送致され、家庭裁判所が事件を受理すると、調査を経て審判期日での審理を行い、終局決定により終了することになります。
審判での審理対象は、「非行事実」と「要保護性」です。
「非行事実」は、刑事裁判における「公訴事実」に当たるものです。
一方、「要保護性」とは、多義的に用いられますが、一般的に次の3つの要素により構成されるものと考えられています。

①再非行の危険性
少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性
保護処分に寄る矯正教育を施すことによって、再非行の危険性を除去できる可能性。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。

少年審判では、非行事実とともに要保護性も審理の対象となることから、少年事件では、犯罪行為の軽重がそのまま量刑に影響する成人の刑事事件とは異なり、非行事実が軽微なものであっても、要保護性が高い場合には、少年院送致等の身体拘束を伴う処遇が選択されることもあります。
逆に言えば、非行事実は重い罪名の付くものであっても、要保護性が解消され、社会内での更生を図ることが少年の健全育成のために望ましいと判断されれば、社会内処遇が選択されることもあるのです。

環境調整について

上で述べたように、少年事件において終局決定がなされる際、非行事実のみならず要保護性も審判での審理対象となります。
そのため、要保護性が解消されていると裁判官が判断するように働きかけることが重要な活動となります。
そこでポイントとなるのが「環境調整」です。
環境調整は、保護者の関係の調整、就業先の開拓、帰住先の確保など、少年の社会復帰を円滑にするために少年をとりまく環境を調整することです。

少年が非行を犯した背景に、家庭環境や人間関係がある場合、家族との関係修復を図ったり、悪友との関係を断ち切るなど、少年が社会内で健全に更生していける環境を整えることは、要保護性の解消には必要不可欠です。

少年や事件内容によって、どのような環境調整を行うかは異なりますが、一般的な環境調整は、家庭・学校・職場といった少年をとりまく環境を調整し、少年が事件や自身が抱える問題にきちんと向き合い解決策を見つけられるよう少年の内面への働きかけなどが含まれます。

お子様が事件を起こし、その後の手続や対応方法について分からずお困りの方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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