少年事件における私選弁護人・付添人

少年事件における私選弁護人付添人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県西宮警察署は、特殊詐欺事件に関与したとして少年Aくん(18歳)を詐欺容疑で逮捕しました。
Aくんは、警察官から、弁護人を付けれることを聞き、国選弁護人を選任することにしました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、刑事事件に強い弁護士に相談し、すぐに接見に行ってもらうことにしました。
両親が依頼した弁護士と接見をしているAくんは、弁護士に国選弁護人私選弁護人の違いについて聞いています。
(フィクションです)

少年事件の流れについて

Aくんは、特殊詐欺に関与したとして兵庫県西宮警察署に逮捕されました。
特殊詐欺の場合、逮捕後勾留となる可能性が高いと言えます。
ですので、事案によって異なりますが、10日間の勾留の後、勾留延長され20日の勾留延長満期日にAくんの身柄と共に事件が家庭裁判所に送致されることになります。
もちろん、行った犯罪の数が多ければ別件で再逮捕され、勾留期間が更に延長となる可能性はあります。
家庭裁判所に送致されると、観護措置がとられ、身柄は少年鑑別所に収容されることになります。
家庭裁判所は事件を受理すると、事件が係属している間いつでも観護措置をとることができます。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する観護措置と初年鑑別所に収容する観護措置とがありますが、実務上前者はほとんどとられておらず、観護措置という場合には後者を指すものとされます。
捜査段階で逮捕・勾留されている少年の場合、家庭裁判所に送致されるとそのまま観護措置がとられることがほとんどですので、Aくんも送致後少年鑑別所に収容される可能性が高いでしょう。
その後、調査官による調査、少年審判を経て、少年に対して処分が言い渡されることになります。

弁護人と付添人

1.弁護人

弁護人とは、刑事手続において被疑者・被告人が正当に権利を行使し、正当な利益を保護するための支援者・代弁者です。
事件の発覚から家庭裁判所送致までの被疑者段階では、少年と成人の手続に顕著な差異はありません。
少年であっても、少年または少年と一定の関係にある者は、いつでも、弁護人を選任することができます。(刑事訴訟法第30条)

弁護人には、「私選弁護人」と「国選弁護人」とがあります。

◇私選弁護人◇

少年または少年の家族などから選任された弁護人で、弁護士費用は自己負担となります。
身体拘束の有無にかかわらず、被疑者その他の選任権者は、いつでも弁護人を選任することができます。

◇国選弁護人◇

捜査段階においては、少年事件も成人事件と同様に、刑事訴訟法の適用を受けます。
被疑者国選弁護人が選任される要件に該当する場合には、国がその費用を負担する国選弁護人を選任することができます。
被疑者国選弁護人が選任される要件とは、以下のものです。
・対象事件が、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる事件」。
・少年が「貧困その他の事由により弁護人を選任することができない」。
被疑者国選弁護人制度は、逮捕後勾留前の段階では、利用することはできません。
少年事件では、「勾留に代わる観護措置」により少年鑑別所に収容された場合にも、被疑者国選弁護人の選任が可能です。
被疑者国選弁護人制度は、身体拘束されていない在宅事件には適用されません。

少年の場合、学生であれば資力は乏しく、対象事件が該当するのであれば国選弁護人を選任できることが多いでしょう。

2.付添人

付添人は、少年の権利を擁護し、その代弁者としての役割と、少年の更生に向けて家庭裁判所と協力し援助する役割を担う者です。
少年が家庭裁判所に送致された後、少年及び保護者は、家庭裁判所の許可を得て、付添人を選任することができます。
ただし、弁護士を付添人とする場合には、家庭裁判所の許可は要りません。
少年事件においては、捜査段階で弁護人であっても、家庭裁判所送致後に、新たに付添人として選任する必要があります。
付添人にも、「私選付添人」と「国選付添人」とがあります。

◇私選付添人◇

少年及び保護者は、自ら付添人を選任することができます。
捜査段階で私選弁護人を選任している場合であっても、弁護人選任の効力は家庭裁判所送致時に失われるので、同じ弁護士を付添人として選任するのであっても、家庭裁判所送致後に改めて家庭裁判所に付添人選任届を提出しなければなりません。

◇国選付添人◇

私選弁護人の場合と同様に、捜査段階で被疑者国選弁護人の選任効力は失われるので、被疑者国選弁護人が当然に国選付添人になるわけではありません。
平成26年施行の改正少年法によって国選付添対象事件の範囲が拡大し、被疑者国選弁護対象事件と同じ範囲にまで拡大されましたが、国選付添人を選任するか否かは、家庭裁判所の裁量に委ねられています。
家庭裁判所は、犯罪少年又は触法少年のうち、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪」に該当する非行に及んだ者について、「観護措置」がとられており、弁護士の付添人がいない場合に、事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮して、審判の手続に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは、弁護士である付添人を付けることができます。
ただし、検察官関与決定がなされた事件で、少年に弁護士である付添人がいないときは、家庭裁判所は弁護士である付添人を付けなければなりません。

少年事件も、成人の刑事事件と同様に、少年の権利・利益の擁護や少年の更生に向けた活動を行う弁護士の役割は大きいと言えるでしょう。
しかし、医者にも内科医や外科医といった専門性があるように、必ずしもすべての弁護士が少年事件・刑事事件に精通しているわけではありません。
少年事件・刑事事件でお困りであれば、専門の弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
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