捜査の端緒~自首~

2019-10-06

捜査の端緒~自首~

捜査の端緒自首)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県小野市のゲームセンターで、女子高生のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮したAさん。
その様子を他の客が見ていたらしく、その客が店員に通報しようとしていることが分かり、Aさんは慌ててゲームセンターから逃げ出しました。
その後、店から誰かが追ってくる姿は確認しませんでしたが、Aさんは、店内に防犯カメラがあることからいずれ自分の犯行だと分かり、警察が逮捕しに来るのではないかと気が気ではありません。
自首したほうがよいのか、逮捕されるのだけはどうしても回避したいAさんは、刑事事件に強い弁護士に法律相談を申し込みました。
(フィクションです)

捜査の端緒として、主に
①被害者や被害関係者の届出、告訴・告発
②警察官による現認、職務質問、取調べ
③犯人の自首
があることは先述しました。
今回は、③の「自首」について説明していきましょう。

自首とは

みなさんは、「自首」という言葉は聞かれたことはありますよね?
自首」は「犯人が警察署に出頭すること」によって成立する、と誤解されている方も多くいらっしゃるようです。
実は、法律上の「自首」が成立するためには、幾つかの要件を満たさなければならないのです。

自首」とは、犯罪事実または犯人が誰であるかが捜査機関に発覚する前に、犯人自ら進んで犯罪事実を申告し、処罰を求める意思表示のことをいいます。

自首については、刑法第42条に次のように規定されています。

第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。

自首の成立には、以下の要件を満たす必要があります。

(1)自発的に自己の犯罪事実を申告すること

犯罪事実を自発的に申告していなければならず、単に捜査機関の取調べに対して自白した場合には、自発的な申告とはいえません。
もっとも、逮捕・勾留中の取調べ中であっても、未だ捜査機関に発覚していない余罪について自白した場合には自首が成立することになります。
しかし、捜査機関が嫌疑を持っていた場合には成立しないので注意が必要です。
また、発覚前に犯行をほのめかしたことをきっかけに行われた取調べで自供するに至った場合も自首は成立しません。

(2)自己の訴追を含む処分を求めること

犯罪事実の申告は、自己に対する処罰を求める趣旨が明示的もしくは黙示的に含まれていることが必要です。
犯罪事実の申告が、犯罪の一部を隠すためや、自己の責任を否定するものであった場合には自首は成立しません。

(3)捜査機関に対する申告であること

検察官や司法警察員に対して犯罪事実を申告していなければなりません。

(4)捜査機関に発覚する前に申告していること

犯罪事実だけでなく、犯人が誰かということまでも捜査機関が分かる前に申告する必要があります。
報告した相手が犯罪事実を知らない場合であっても、他の捜査機関の者が知っていれば、自首は成立しません。
また、犯罪事実および犯人が特定されているが、犯人の住所だけが不明の場合にも、発覚前とは言えません。

自首が成立した場合の効果

上の要件を満たし、自首が成立すると、刑が減軽される可能性が生じます。
自首をした者に対して刑を減軽するかどうかは、裁判所の裁量によって判断されるため、事件の性質や、自首の態様などの諸般の事情を総合的に考慮して決定されることとなります。

また、自ら犯行を素直に認めて捜査機関に出頭しているため、逃亡や罪証隠滅のおそれがないと判断されやすくなります。
そのため、逮捕されずに在宅で捜査がすすんだり、逮捕後に勾留請求されなかったり勾留請求が却下されたりと、早期に釈放される可能性が高まります。

先述のように、自首の成立には満たすべき要件がありますので、刑事事件を起こし自首を検討されている方は、一度刑事事件に強い弁護士にご相談されることをお勧めします。
また、自首の前に弁護士に相談することで、その後の刑事手続について説明や取調べ対応についてのアドバイスを受けることもできます。

刑事事件を起こしてしまい自首をしようかとお悩みの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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