Archive for the ‘少年事件’ Category

少年事件における弁護士の役割

2020-10-04

少年事件における弁護士の役割について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県伊丹市の駅構内で、女子高生のスカート内をスマートフォンで盗撮したとして、兵庫県内に住む大学生のAさん(18歳)が迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕後、釈放されたAさんは、今後どのような手続きを踏み、如何なる処分が言い渡されるのか不安で仕方ありません。
Aさんは、Aさんの父親と共に、少年事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

少年事件の特色

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が、罪を犯した場合、あるいは、刑罰法令に触れる行為を行ったり、将来おいてそのおそれがある場合、主に少年法に基づいた手続に付されることになります。

◇少年法の目的◇

少年法は、少年の健全な育成という観点から、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うことを目的としています。
つまり、少年法の目的は、少年の健全育成にあります。
それは、少年法が、少年が行った過去の犯罪に対する応報として少年を処罰するものではなく、将来二度と犯罪ないし非行を行わないよう、その少年の改善教育することを目的とするものだということを意味しています。

◇全件送致主義◇

少年事件では、犯罪の嫌疑があるすべての事件を家庭裁判所に送致することになっています。
これを「全件送致主義」といいます。
少年事件においては、成人の刑事事件における起訴猶予に相当する処分はありません。
また、犯罪の嫌疑がない場合であっても、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがある場合には、ぐ犯事件として家庭裁判所に送致されることがあります。

少年事件における弁護士の役割

少年は、成人と比べて、法的知識はもとより社会的知識が不足しており、表現力にも乏しいため、捜査機関などからの説明を誤解したり、自分の気持ちを上手く言葉にすることができない場合があります。
そのため、捜査官の誘導に乗ってしまい自己に不利な供述がとられてしまうことがあります。
そのようなことがないよう、弁護士は、少年の話をじっくりと聞いた上で、少年に対して少年が持つ権利を丁寧に説明し、取調べにおける対応方法についてアドバイスを行います。
少年が大人に対して不信感を持っていることも少なくないため、少年の話に耳を傾け、少年の気持ちを理解するよう努めることが弁護士に求められます。

また、少年事件では、逮捕・勾留・観護措置といった身体拘束の結果、退学や解雇となる可能性があり、少年の更生を大きく妨げてしまうことがあります。
そのため、弁護士は、事案に応じて、勾留や観護措置を回避するための活動を積極的に行います。

少年事件における弁護士の役割の中でも重要なものに、環境調整があります。
少年を取り巻く環境を調整し、要保護性を減少させる弁護士の活動を「環境調整活動」といいます。
環境調整活動には、主に、少年自身に対するもの、保護者・学校・友人に対するものがあります。
少年自身に対しては、内省を促し、事件や少年自身が抱える問題と向き合い、事件の原因及び結果や被害者の心情・状況について考える機会を提供し、少年の内省を深めるよう支援します。
事件の背景には、少年の家庭環境や人間関係にあることが多く、保護者や学校、職場、友人等との関係を改善し、少年が更生に向けて進んでいけるよう周囲と協力し環境を調整します。
身柄の少年事件の場合、家庭裁判所に送致されてから3~4週間ほどで審判が開かれるのが通常となっており、捜査段階から審判を見据えて、早期に環境調整活動に着手する必要があります。

このように、少年事件において弁護士が果たす役割は大きく、最終的な処分にも影響を与え得ると言えるでしょう。

お子様が事件を起こし、対応にお困りであれば、少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年鑑別所収容の回避

2020-07-19

少年鑑別所収容の回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市垂水区に住む中学生3年生のAさんは、友人Bさんと共謀し、知人のVさんに暴行を加え、所持金3000円を奪ったとして、兵庫県垂水警察署に逮捕されました。
逮捕後、10日間の勾留となったAさんですが、もうすぐ定期試験が控えています。
高校受験を控えたAさんは、家庭裁判所送致後に観護措置がとられ少年鑑別所に収容されれば、定期試験が受けられなくなり、成績に影響するのではないかと心配しています。
(フィクションです。)

少年鑑別所とはどんなところ?

少年鑑別所は、以下のことを行う施設です。
(1)鑑別対象者の鑑別
(2)観護措置等によって収容される者らに対する必要な観護処遇
(3)非行及び犯罪の防止に関する援助

(1)鑑別

少年鑑別所が行う「鑑別」というのは、「医学、心理学、社会学その他の専門的知識及び技術に基づき、鑑別対象者について、その非行又は犯罪に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上、その事情の改善に寄与するため、その者の処遇に資する適切な指針を示すもの」のことです。
少年鑑別所は、様々な観点から、少年がなぜ犯罪・非行に手を染めてしまったのか、その原因について明らかにし、どうすれば再び犯罪・非行に走ることなく更生することができるのかについて見解を示します。

鑑別のために調査すべき事項は、「その者の性格、経歴、心身の状況及び発達の程度、非行の状況、家庭環境並びに交友関係、在所中の生活及び行動の状況」等に関するものです。

少年鑑別所の観護対象者となるのは、以下の者です。
①家庭裁判所、地方更生保護委員会、保護観察所の長、児童自立支援施設の長、児童養護施設の長、少年院の長又は刑事施設の長から鑑別を求められた次の者。
・保護処分または少年法18条2項の措置に係る事件の調査または審判を受ける者。
・保護処分の執行を受ける者。
・懲役または禁錮の刑の執行を受ける20歳未満の者。
②家庭裁判所から次の決定を受けた者
・少年院送致の保護処分。
・少年院仮退院者であって少年院に戻して収容する旨の決定。

(2)観護処遇

少年鑑別所は、観護措置が執られて少年鑑別所に収容される者その他法令の規定により少年鑑別所に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者を収容し、これらの者に対し必要な観護処遇を行います。

観護措置は、家庭裁判所が少年の調査、審判を行うために、当該少年の心情の安定を図りながら、少年の心身を保護してその安全を図る措置です。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護の2種類がありますが、実務上、前者はほとんどとられておらず、観護措置という場合は後者を指すものとされています。

観護措置の要件について、少年法では「審判を行うため必要があるとき」との規定があるのみですが、一般的には、以下の要件を満たす必要があるとされます。
①審判条件があること。
②少年が非行を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること。
③審判を行う蓋然性があること。
④観護措置の必要性が認めあれること。

④の観護措置の必要性については、具体的には、以下のいずれかの事由があるときに認められます。
(a)調査、審判および決定の執行を円滑かつ確実に行うために、少年の身体を確保する必要があること。
(b)緊急的に少年の保護が必要であること。
(c)少年を収容して心身鑑別をする必要があること。

観護措置の期間は、法律上は2週間を超えることはできず、特に継続の必要があるときに1回に限り更新することができるとされていますが、実務上はほとんどの事件で更新がなされているので、通常は4週間となります。

また、家庭裁判所送致前である少年の被疑事件において、検察官は、勾留請求に代えて裁判官に対し観護措置の請求をすることができます。
これを「勾留に代わる観護措置」といいます。
この措置がとられた場合、請求の日から10日間、少年鑑別所に収容されます。
その後、家庭裁判所に送致され、通常はそのまま観護措置がとられ、更に1か月ほど少年鑑別所に収容されることとなります。

少年鑑別所の収容を避けるためには

観護措置がとられると、1か月ほど少年鑑別所に収容されることになります。
その間、少年は学校や職場に行くことはできませんので、少年の社会復帰を妨げてしまうことにもなりかねません。
そこで、観護措置の必要性がない場合や観護措置を避ける必要がある場合には、観護措置を避けるための活動を行う必要があります。

家庭裁判所は、事件が係属している間、いつでも観護措置をとることができます。
しかし、捜査段階から逮捕・勾留されている少年の場合、家庭裁判所に少年が到着してから24時間以内に観護措置をとらなければならないため、送致された日に観護措置がとられることがあります。

そこで、弁護士は、家庭裁判所に送致されるタイミングを見計らい、開廷裁判所に付添人届を提出し、少年について観護措置の要件・必要性がないことや、観護措置を避けるべき事情があることを述べた意見書を提出します。
裁判官や調査官との面談を行い、観護措置の要件・必要性がないこと、観護措置を避けるべき理由を提出した意見書を補充する形でしっかりと主張します。
そうすることで、家庭裁判所に送られてくる書類からでは分からない少年の事情を裁判官や調査官に伝えることができ、観護措置をとるべきか否かを判断する際に考慮してもらえる可能性があります。

捜査段階で身体拘束を受けていない少年が、家庭裁判所に送致された後に観護措置がとられることもあります。
そのため、家庭裁判所に送致される時に、観護措置をとらないよう家庭裁判所に働きかけることも必要でしょう。

このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様が家庭裁判所に送致され、少年鑑別所に収容されるのではとお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

ぐ犯少年にも対応する弁護士

2020-07-05

ぐ犯少年について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県揖保郡太子町に住むAさん(16歳)は、地元の高校に進学しましたが、学校に馴染むことが出来ず、2か月で退学してしまいました。
その後、家族とも言い争うことが多くなり、Aさんは実家を出て、知り合いの家で生活するようになりました。
生活費を稼ぐために風俗店でアルバイトしたり、援助交際をしていました。
ある夜、繁華街でうろついていたAさんを兵庫県生田警察署が補導し、ぐ犯少年として神戸家庭裁判所に送致されました。
(フィクションです。)

ぐ犯少年とは

家庭裁判所の審判の対象となる少年は、3種類に分けられます。

(1)犯罪少年
14歳以上20歳未満で罪を犯した少年。

(2)触法少年
14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年。

(3)ぐ犯少年
ぐ犯事由があり、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年。
ぐ犯事由には、次の4つがあります。

①保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
少年が、保護者の正当な監督を必要とする行状があるにもかかわらず、法律上及び社会通念上保護者の正当な監督に服しない行動傾向があることです。

②正当な理由がなく家庭に寄り付かないこと。
少年の性格、年齢、家庭の状況等を総合して、少年が家庭に戻らないことに正当な理由がない場合をいいます。
家庭内で少年が身体的・精神的虐待を受けている場合や、少年が職を求めて家庭を飛び出した場合などは、正当な理由なく家庭に寄り付かないことには当たりません。

③犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること。
犯罪を犯すきっかけとなるような好ましくない交際をし、または教育上子供を立ち入らせるべきではない場所に出入りすることです。
例えば、暴力団や暴走族などの反社会的集団に所属したり、不良仲間と交際したりすることや、不健全な風俗営業や遊行施設などに出入りすることなどです。

④自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
性的に悪い習慣があったり、人格を損なうみだらな行為などといった社会的・倫理的観念に反する降雨意を自ら行い、または他人にさせるような行動傾向があることをいいます。
具体例としては、風俗店で働く、援助交際をするなどです。

これらのぐ犯事由のいずれかに該当すれば足りますが、いずれも一定期間にわたる行状、性癖であることが求められます。
ぐ犯は、犯罪には至っておらず、成人であれば処罰の対象となりません。
しかし、少年法は、今だ犯罪行為まで至っていない不良な行為をしている少年を早期に発見し、適切な保護を加えることにより、少年の健全な育成を図るとともに、犯罪の発生を未然に防ごうとしていることから、ぐ犯少年を審判の対象としています。

家庭裁判所に送致された後は、犯罪少年の場合と同様の手続がとられます。
観護措置の必要があれば観護措置がとられますし、調査官による調査が行われ、審判が開かれ決定が言い渡されます。
犯罪ではなく、犯罪行為の前段階と評価されることから、軽い処分で済むと思われることが多いのですが、事案によっては要保護性が高いことも多く、観護措置がとられる可能性もあります。
また、終局処分についても犯罪少年の場合と同様ですので、要保護性が高い場合には少年院送致のような重い処分が決定することもあります。
そのため、ぐ犯事件の付添人活動においても、犯罪少年と同様に、要保護性を解消するために十分な活動を行う必要があります。

ぐ犯少年についても少年事件に強い弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様がぐ犯少年として家庭裁判所に送致されて対応にお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

少年事件における示談

2020-04-28

少年事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市東灘区に住むAくんは、市内の商業施設で盗撮行為を行ったとして、兵庫県東灘警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
その日の夜に釈放されたAくんですが、Aくんの両親は被害者の方にきちんと謝罪と被害弁償をしたいと考えています。
しかし、どのようにすればよいのか分からず、少年事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

示談とは

示談」というのは、加害者が被害者に対して、相応の賠償を行う代わりに、被害者は被害届の提出を行わないなど、今回の事件については当事者間では解決したとする約束のことです。
多くの場合、被害者に対する賠償は金銭的なものとなります。

示談が成立している場合には、起訴・不起訴の判断をする検察官は、不起訴とする可能性が高いと言えます。
告訴権者からの告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」においては、被害者との示談が成立し、被害者から告訴されていなければ、検察官は起訴することはできませんので、この場合不起訴となります。
非親告罪においては、検察官は、被害者との示談が成立している場合であっても、起訴することはできます。
しかし、起訴・不起訴を判断する際に、被害者との示談成立の有無は考慮される要素のひとつですので、他の考慮要素と併せて検討した上で、不起訴とするケースは少なくありません。

また、起訴された場合であっても、被害者との示談成立は、被告人に有利な事情として裁判で主張することができ、量刑にも反映するものとなります。

このように、刑事事件において、被害者との示談が成立しているか否かといった点は、最終的な処分にも大きく影響することになりますので、非常に重要だと言えるでしょう。

少年事件における示談の効果

さて、成人の刑事事件における示談の効果について先述しましたが、少年事件の場合も同様の効果をもつのでしょうか。

少年事件においては、示談が成立したことが直ちに少年の処分に影響するということではありません。
しかしながら、被害者に誠実に対応し、被害者に謝罪・被害弁償を行うという経験が、少年自身の内省を深めるという場合があります。
この点、少年の更生に有利であることはもちろん、審判での審理対象でもある少年の要保護性の解消にもつながり、ひいては処分を決める際にも考慮される要素となります。
その意味で、少年事件においても、示談は重要であると言えるでしょう。
また、被害者感情が重要視される昨今では、家庭裁判所も被害弁償の有無や経緯には大きな関心を持っています。
そのため、早い段階から積極的に被害者との示談や被害弁償を試みる必要があるでしょう。

示談交渉は、一般的に、弁護士を介して行われます。
捜査機関が加害者に直接被害者の連絡先を教えることはあまりありませんし、事件で被害にあった被害者が加害者と直接連絡をとりたくないケースも少なくありません。
ですので、弁護士を通して示談交渉を行うほうが、交渉が円滑に進む場合が多いのです。

被害者との話し合いの状況や示談成立の見込みなどについては、随時、弁護士から裁判官に報告し、示談が成立した場合には速やかに示談書を提出し、示談成立の報告を行います。
そして、少年の反省の度合いや意識の変化、保護者の関与の度合い、示談に向けた努力の程度などについても報告し、少年の要保護性の解消につながる事情をしっかりと伝えます。
示談が成立しなかった場合であっても、被害者に対応するなかで、少年が内省を深めたことなどを伝えることが重要です。
このように、少年事件においては、単に示談が成立したか否かが重要なのではなく、被害者に対応する中で、如何に少年が事件や自身の問題を向き合い、被害者の気持ちを考え、自身の行為について反省することができたかが重要となります。

お子様が事件を起こしお困りの方は、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

児童ポルノ提供で書類送検

2020-04-20

児童ポルノ提供書類送検された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県南あわじ市に住む高校生のAさんは、同じ学校に通うVさんの性的な動画をLINEを通して他人に提供したとして、兵庫県南あわじ警察署児童ポルノ提供の容疑で取り調べを受けました。
問題の動画は、Vさんの元交際相手が撮影したものですが、この交際相手からAさんは動画を入手し、遊び半分で同級生の何人かに動画をLINEで送っていました。
Aさんは、遊びのつもりでしたが警察沙汰となってしまったことを非常に不安に思っています。
警察からは、「身体不拘束のまま事件を検察に送る。その後、事件は家庭裁判所に送られることになる。また、関係機関から連絡が行くだろう。」と言われました。
AさんとAさんの両親は、今後の対応について少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

児童ポルノ提供罪

平成11年に制定・施行された「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春・児童ポルノ処罰法」といいます。)は、児童買春、児童ポルノ及び児童売春に係る行為等を処罰することとしています。

このうち、児童ポルノに係る行為については、次の行為を処罰の対象としています。

(1)児童ポルノ所持
対象行為:自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持する行為、これに係る電磁的記録を保管する行為。
法定刑:1年以下の懲役または100万円以下の罰金。

(2)児童ポルノ提供
対象行為:児童ポルノを提供する行為。
法定刑:3年以下の懲役または300万円以下の罰金。

(3)児童ポルノ提供目的の製造・所持・運搬・輸入・輸出
対象行為:児童ポルノを提供する目的で、製造、所持、運搬、日本への輸入、日本からの輸出する行為。
法定刑:3年以下の懲役または300万円以下の罰金。

(4)児童ポルノ製造
対象行為:児童ポルノを単純に製造する行為。
法定刑:3年以下の懲役または300万円以下の罰金。

(5)盗撮による児童ポルノ製造
対象行為:盗撮によって児童ポルノを製造する行為。
法定刑:3年以下の懲役または300万円以下の罰金。

(6)不特定多数の者への児童ポルノ提供・公然陳列
不特定もしくは多数の者に、児童ぽるのを提供したり、公然と陳列する行為。
法定刑:5年以下の懲役または500万円以下の罰金または併科。

(7)不特定多数の者への提供・公然陳列目的での児童ポルノ製造・所持・運搬・輸入・輸出
対象行為:不特定もしくは多数の者に提供または公然と陳列する目的で、児童ポルノを製造、所持、運搬、日本への輸入、日本から輸出する行為。
法定刑:5年以下の懲役または500万円以下の罰金または併科。

(8)不特定多数の者への提供・公然陳列目的での児童ポルノ輸出入
対象行為:不特定もしくは多数の者に提供または公然と陳列する目的で、児童ポルノを輸入または輸出する行為。
法定刑:5年以下の懲役または500万円以下の罰金または併科。

児童買春・児童ポルノ処罰法において規制される「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、①児童を相手方とする、または、児童による性交または性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの、②他人が児童の性器等を触る行為または児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させまたは刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの、③衣服の全部または一部を着けない児童であって、殊更に児童の性的な部位が露出され、または強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させまたは刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したものをいいます。

上のケースで問題となっているのは、Vさんの性的な動画です。
Vさんは18歳未満であり、元交際相手との性交の様子やVさんの裸の様子が撮られた動画だとすれば、児童買春・児童ポルノ処罰法で規制される「児童ポルノ」に該当することになります。

さて、そのような児童ポルノを特定の少人数にLINEで送った場合には、上の(2)児童ポルノ提供が成立する可能性があります。
ここでいう「提供」とは、問題の児童ポルノまたは電磁的記録その他の記録を相手方において利用することができる状態に置く法律上・事実上の一切の行為をいいます。
必ずしも相手方が実際受領することまで必要とされません。
LINEで児童ポルノの動画を送信し、受信者が見れるような状態にすることは、「提供」に該当します。
なお、提供が不特定または多数の者に対するものである場合には、法定刑は加重されます。
LINEで個々人に送信するのではなく、誰でも自由に閲覧できるようなネット上の掲示板に児童ポルノを投稿した場合などは、不特定多数人への提供となるでしょう。

このように、Aさんの行為は、児童ポルノ提供罪に当たる可能性があります。
遊び半分で行った行為であっても、罪が成立することもあります。
Aさんは、20歳未満であるため、基本的には家庭裁判所が処分を決めることになります。
警察に逮捕されない場合でも、家庭裁判所送致は免れませんので、捜査段階から少年の更生のためにきちんと環境調整を行う必要があります。

お子様が事件を起こし、対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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児童売春でぐ犯事件

2020-04-18

児童売春をしぐ犯事件として家庭裁判所に送致される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県三木市に住むAさん(16歳)は、高校に進学したものの、夏休みに入り無断外泊を繰り返し、2学期に入ってからは家出を繰り返すようになりました。
その間、知人の男性を通じて、児童売春をしていました。
ある日、Aさんが深夜に繁華街にいたところ、警ら中の兵庫県生田警察署の警察官に声を掛けられ、補導されました。
警察官から話を聞かれる中で、Aさんが家出をしていることや、売春をしていることも発覚しました。
その後、何度か警察署で話を聞かれた後に、Aさんは警察官から「神戸家庭裁判所に送致するから、また裁判所から連絡がある。」と言われました。
AさんとAさんの両親は、今後どのような流れになるのか分からず心配しています。
(フィクションです)

児童売春について

児童買春は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春規制法」といいます。)で禁止されており、違反した者に対する刑事罰が定められています。
児童買春規制法における「児童買春」とは、児童(18歳未満の者)、児童に対する性交等の周旋をした者、または、児童の保護者または児童をその支配下に置いている者に対して、対償を供与し、またはその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、または自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせること。)をすることをいいます。(児童買春規制法第2条2項)
つまり、児童と金銭等を渡し、または渡す約束をして性交等をする行為を禁止しており、それに違反した者には、5年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
その他、児童買春を周旋したり勧誘したりする行為も処罰の対象となっています。

一方、売春した児童については、処罰の対象とはなっていません。
買春の相手方となった児童は、児童買春規制法において保護の対象となります。
つまり、売春をしたことに自体について罪に問われることはありません。
しかしながら、このような場合であっても家庭裁判所が保護事件として事件を受理する可能性はあります。

家庭裁判所が少年事件として取り扱うものには、主に次のような少年の事件です。

①犯罪少年
罪を犯した14歳以上20歳未満の少年。

②触法少年
刑罰法令に触れる行為をしたが、行為時において14歳未満であったので法律上罪を犯したことにならない少年。

ぐ犯少年
20歳未満で、保護者の正当な監督に従わないなどの不良行為があり、その性格や環境からみて、将来罪を犯すおそれのある少年。

Aさんは、売春をしていましたが、これ自体は罪になりません。
しかし、家出を繰り返していることなどから、③のぐ犯少年として事件が家庭裁判所に送致される可能性はあります。

ぐ犯少年について

前述しましたが、ぐ犯少年とは、少年法第3条1項3号イないしニに定められている一定の事由(ぐ犯事由」)があって、その性格または環境に照らして、将来、罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれ(「ぐ犯性」)のある少年のことをいいます。

ぐ犯事由は、次の4つです。
(1)保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
(2)正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと。
(3)犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること。
(4)自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

Aさんの場合、家出を繰り返していますので、ぐ犯事由の(1)や(2)に該当することが考えられます。
また、売春をしていたことで、性的悪癖や人格を損なうみだらな行為など、社会的倫理的通念に反する行為を自ら行い行動傾向があるとして、ぐ犯事由の(4)に該当すると判断される可能性もあります。
ぐ犯事由があり、かつぐ犯性も認められる場合には、ぐ犯が成立することになります。

ぐ犯少年として家庭裁判所に送致されると、犯罪少年の場合と同様の手続となります。
観護措置の必要があれば観護措置がとられ、少年鑑別所での心身鑑別と家庭裁判所調査官による調査が行われ、審判を経て決定が言い渡されます。

このように、罪を犯していない場合であっても、ぐ犯少年として家庭裁判所に送致されることもあります。

お子様がぐ犯少年として家庭裁判所に送致されて対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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少年事件における処分

2020-04-16

少年事件における処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
深夜2時ごろ、兵庫県姫路市の道路を複数のバイクや原動機付自転車で暴走し、信号無視や蛇行運転を繰り返したとして、兵庫県姫路警察署は、市内に住むAくん(16歳)を含む8名を道路交通法違反の容疑で逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの家族は、最終的にどのような処分を受けることになるのか心配しています。
(フィクションです)

少年事件における処分

Aくんは、共同危険行為などの道路交通法違反の疑いで逮捕されました。
Aくんは、16歳ですので、罪を犯した場合、成人の場合と同じように、捜査段階では刑事訴訟法が適用され、逮捕となる可能性はあります。
この点、少年が14歳未満であれば、刑事責任は問われませんので、犯罪は成立せず、警察も逮捕することはできません。

Aくんは、警察に逮捕されてから48時間以内に、釈放される、若しくは検察に証拠や関係書類などと共に送られます。
検察に送られた場合、検察官はAくんの身柄を受けてから24時間以内にAくんを釈放するか、Aくんを勾留することを裁判官に請求するかを決めます。
検察官が勾留請求をした場合には、今度は裁判官がAくんを勾留すべきか否かを判断します。
裁判官が勾留の判断をすると、Aくんは検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長されれば最大で20日間拘束されることになります。
少年の場合、検察官は「勾留に代わる観護措置」を請求することができ、裁判官もこの措置をとることができます。
「勾留に代わる観護措置」となれば、留置先は少年鑑別所になり、勾留期間も10日で延長はありません。

捜査機関による捜査が終了すると、検察官はAくんの処分を決めます。
Aくんの被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑は認められない場合でも家庭裁判所の審判に付すべき事由があるときは、検察官はAくんの事件を家庭裁判所に送致します。

事件を受理した家庭裁判所は、Aくんや保護者に対する調査を行い、審判を開きます。
調査の結果、審判を開くことができない、またはその必要がないと考える場合には、家庭裁判所は審判をしない決定をします。
審判を経て、裁判官はAくんに処分を言い渡します。
この処分には、中間決定と終局決定とがあります。

中間決定は、終局決定前の中間的な措置としてなされ、試験観察などがあります。
試験観察というのは、保護処分を決定するため必要があると認めるときに、相当の期間、家庭裁判所調査官の観察に付する決定のことです。
少年に対する終局処分を一定期間留保し、その期間の少年の行動等を調査官の観察に付すために行われます。
試験観察が行われる期間については、一般的には3~4か月ですが、事案によってその期間は様々です。

終局決定には、①審判不開始、②不処分、③知事・児童相談所長送致、④検察官送致、⑤保護処分の5種類があります。

①審判不開始決定

家庭裁判所は、調査の結果に基づき、審判に付することができないとき、審判に付するのが相当ではないときに、審判を開始しない旨の決定をします。
少年事件では、家庭裁判所が事件を受理したからといって必ずしも審判が開かれるとは限らず、調査の結果、審判を開始するのが相当だと認められるときに、その旨が決定されて審判が開かれます。
審判を開くための要件としては、(a)審判条件が存在すること、(b)非行事実の蓋然性が認められること、(c)審判が事実上不可能ではないこと、(d)審判の必要性があること、の4つがあり、このいづれかが欠ける場合には審判不開始決定がされます。

②不処分決定

家庭裁判所は、審判の結果に基づき、保護処分に付することができないとき、そして、保護処分に付する必要がないと認められるときに、少年を保護処分に付さない旨を決定します。
これを「不処分決定」といいます。

③知事・児童相談所長送致

調査または審判の結果に基づいて、児童福祉法の規定による措置を相当を認めて事件を都道府県知事または児童相談所長に送致する決定です。
家庭裁判所による事件の送致後、児童福祉法上どのような措置を行うかは送致を受けた児童相談所長が決定します。

④検察官送致

調査または審判の結果に基づいて、刑事処分が相当と認められるとき、あるいは、本人が20歳以上であるときには、事件を検察官に送致します。
刑事処分相当を理由とする検察官送致について、少年法20条1項は、「死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして、刑事処分を相当と認めるときは、決定をもって、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。」と規定しています。
また、犯行時16歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件については、原則として検察官送致決定をしなければなりません。
しかし、調査の結果、犯行の動機や態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状や環境その他の事情を考慮して、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りではありません。

⑤保護処分

保護処分は、非行を行った少年に対して、性格の矯正および環境の調整を目的として行われる処分です。
保護処分には、(a)保護観察、(b)少年院送致、(c)児童自立支援施設または児童養護施設送致、の3種類があります。

(a)保護観察
少年を家庭や職場に置いたまま、保護観察所の行う指導監督と補導援護によって、少年の改善更生を図る社会内処遇です。
保護観察の具体的な実施要領や手続等については法務省通達等に定められており、一般保護観察、一般短期保護観察、交通保護観察、交通短期保護観察の4種類に分類されて運用されています。

(b)少年院送致
少年院は、矯正教育を受けさせるための施設です。
その少年院に収容する処分が少年院送致です。
少年院は、第1種から4種まで4つの種類があります。
少年院送致は、少年の自由を拘束するという点で最も強力な保護処分と言えるでしょう。

(c)児童自立支援施設・児童養護施設送致
不良行為を行い、または行うおそれのある児童や、家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、必要な指導と自立への支援を行う施設を「児童自立支援施設」といいます。
「児童養護施設」は、保護者がいない児童、虐待されている児童、その他環境上養護を要する児童を入所させて、その養護保護を行う施設です。
どちらの施設も児童福祉法上の要保護児童のための施設であるので、保護処分の執行を受ける者を強制収容する少年院とは本質的には異なります。

以上のように、少年事件における処分は多岐に渡ります。
如何なる処分が少年の更生に適切であるか、如何なる処分が見込まれるかについては、事件内容によって異なります。

お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

少年交通事件で弁護士に相談

2020-04-03

少年交通事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
深夜、赤信号にもかかわらず兵庫県三田市の交差点に侵入したとして、兵庫県三田警察署の警察官に停止を求められたAくん(15歳)。
警察官に運転免許証の提示を求められましたが、Aくんは「持っていません。」と正直に無免許運転であることを告げました。
Aくんは、道路交通法違反の容疑で現行犯逮捕されましたが、Aくんの両親が身元引受人として警察署に迎えに来て釈放されました。
Aくんと両親は、この先どのような流れとなるのか不安です。
(フィクションです)

少年交通事件について

少年交通事件は、少年による危険運転致死傷、過失運転致死傷、重過失致死傷、道路交通法違反事件などの交通関係事件のことです。
このような少年交通事件のうち、道路交通法違反事件については、成人の場合と同じく、交通反則通告制度が存在します。
交通反則通告制度というのは、自動車、原動機付自転車等の運転者の違反行為のうち、無免許運転や飲酒運転等の悪質な違反を除く、比較的軽微な違反について、交通事故を起こしていないなどの一定の条件を満たす場合にとられる制度で、反則金を納付することで、事件を終了させ、家庭裁判所の審判に付されることがなくなります。
交通反則通告制度の対象となる交通事件は、速度超過(一般道においては時速30キロ未満、高速道路においては時速40キロ未満の超過に限る)、信号無視や駐停車違反などです。

しかし、無免許運転、酒気帯び運転、速度超過、共同危険行為などの事件は、反則通告制度の対象とはならず、家庭裁判所に送致されることになります。

少年交通事件の審判手続の特徴

事件が家庭裁判所に送致されると、通常の事件と同様に、調査官による調査が行われます。
調査の一環として、少年交通事件では、家庭裁判所は、少年に対して集団での交通講習を実施することがあります。
個通安全に関する講義や講話、ビデオの視聴、保護者参加の討論会などが実施されます。
この集団講習への少年の取込む姿勢は、少年に対する処遇を決める上での判断材料となります。
調査の結果、審判を開始するか否かが決定され、審判開始決定がなされると、審判を経て、不処分・保護処分・検察官送致等の処分がなされます。

少年交通事件では、非行内容や要保護性の共通点、予想される処分に鑑みて、複数の少年が集団で審判を受ける集団審判が行われることがあります。
集団審判では、通常の審判とは異なり、個別事件の審理はほとんど行われず、事件類型に合わせた裁判官による訓戒が審判の中心となります。
しかし、個別に主張がある場合、重大な結果を生じさせた事件、否認事件などは、個別に審理されます。

少年交通事件の処分

(1)交通保護観察

交通事件における保護観察は、「交通保護観察」と「交通短期保護観察」とがあります。
「交通保護観察」は、交通事件を専門とする保護観察官と交通法規に通じた保護司を指名しるようにしたり、必要な場合には交通法規・運転技術・車両の構造に関する指導をすること、特別遵守事項に保護観察所長の定める交通に関する学習をすること等を定めること、保護観察官の直接担当や集団処遇の併用も考慮すべきこととされています。
「交通短期保護観察」は、一般非行性がない、一般非行性が深くない、交通関係の非行性が固定化していない、資質に著しい偏りがない、対人関係に問題がない、集団処遇への参加が期待できる、保護環境が特に不良でない、改善更生のために特に必要と認められる事項がなく特別遵守事項を定めない少年に対してとられる処分です。

(2)検察官送致

少年交通事件のうち重大な結果が生じた事件で、少年の年齢が高い場合には、刑事処分相当として検察官送致となるケースが少なくありません。

以上のように、少年交通事件では、通常の少年事件と異なる点もありますが、少年の更生に向けた活動は、他の少年事件と共通することが多くあります。
特に、環境調整においては、保護者と協力して家庭環境を改善することや、非行に走るようになった原因である交遊関係の見直しなど、少年が再び非行を犯さないように少年の周囲の環境を整えることが重要です。

少年事件では、事件内容の軽重だけでなく、少年の更生可能性も重要なポイントとなりますので、少年事件に詳しい弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が交通事件を起こして対応にお悩みであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
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少年事件と検察官送致

2020-04-02

検察官送致について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加古川市に住むAくん(18歳)は、高性能爆薬を製造したなどとして、爆発物取締罰則違反などの非行内容で神戸家庭裁判所姫路支部に送致されました。
神戸家庭裁判所姫路支部は、刑事処分が相当として、検察官送致する決定を出しました。
AくんとAくんの家族は、今後どのように対応すべきか困っています。
(フィクションです)

検察官送致について

少年の被疑事件は、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されることになっています。
これを「全件送致主義」といいます。
しかし、家庭裁判所での審判までに少年が既に20歳に達していることが判明した場合や、家庭裁判所が刑事処分相当だと判断した場合には、家庭裁判所は事件を検察官に送致し、刑事手続に付すことになります。
これを「検察官送致」と呼んでいます。

家庭裁判所が検察官に送致するのは、次の3つの場合です。
(1)少年が20歳以上であることが判明したとき
(2)刑事処分が相当であると認めるとき
(3)故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であって、その罪を犯したときに少年が16歳以上であったとき

(1)年齢超過による検察官送致

家庭裁判所は、調査を行った結果、少年が20歳以上であることが判明したときは、審判が開けないので、検察官送致を決定しなければなりません。
年齢の基準は、行為時ではなく、調査・審判時です。
家庭裁判所に送致されたときには20歳にはなっていなくても、審判が開かれるころには20歳になっている可能性がある少年(「年齢切迫少年」といいます。)については、審判までに20歳に達した場合、自動的に検察官送致となってしまうので、対応に注意が必要です。

(2)刑事処分相当による検察官送致

家庭裁判所は、死刑、懲役または禁錮に当たる罪の事件について、調査を行った結果、「罪質及び情状に照らして」刑事処分を相当と認めるときは、検察官送致を決定しなければなりません。

「刑事処分を相当と認めるとき」とは、保護処分では少年の矯正の見込みがないと判断される場合をいいますが、その他にも、事案の重大性、悪質性、社会に与える影響、被害感情なども考慮し、保護処分に振ることが社会的に許容されない場合も、刑事処分相当の場合に含むとされます。

実務においては、保護処分が不相当な場合だけでなく、交通事件等で罰金刑が見込まれる事件のように、刑事処分の方が有効な処遇であるといえる場合にも、検察官送致が行われています。

(3)原則検察官送致

殺人などの重大事件について、原則として検察官送致を行うことを義務付ける規定が、平成12年の少年法改正により新たに設けられました。
行為時に16歳以上の少年が、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件については、家庭裁判所は、原則として、検察官送致の決定をしなければなりません。
ただし、調査の結果、犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、検察官に送致せずに保護処分を選択することができます。

検察官送致になった場合

検察官に送致されると、保護処分手続から刑事手続に移行することになります。
嫌疑が存在する限り、成人と同様に起訴され、公判審理を経て、家庭裁判所に再度送致されない限りは、判決により刑罰が科されることになります。
刑事手続に付されると、被告人として再び勾留されることになります。
判決までの間、保釈の可能性はありますが、拘置所で勾留されることとなります。
また、公判は、少年審判とは異なり、公開で審理されます。
そのため、少年の氏名、容貌、事件の内容などが傍聴人や報道関係者に対して明らかにされることとなります。
公判での審理の結果、有罪となり少年に実刑が科されると、少年は少年刑務所に収容されることとなります。
少年刑務所は、刑罰を執行する行政施設であり、矯正教育施設である少年院とは目的が異なります。
刑罰が必ずしも少年の更生に資するとは限りませんので、少年の成長発達や更生にとっての阻害要因となってしまうおそれがあるでしょう。

このような少年にとっての不利益を考えると、可能な限り検察官送致を回避することが望ましいでしょう。

お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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少年事件の手続について~家庭裁判所送致後~

2020-03-23

少年事件手続家庭裁判所送致後)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県美方郡香美町に住む中学生のAくん(14歳)は、路上で帰宅途中の女児の身体を触るなどした疑いで兵庫県美方警察署に逮捕されました。
逮捕後、勾留されずに釈放となりましたが、家庭裁判所送致された後に身体拘束される可能性もあると警察から聞いて心配になったAくんの両親は、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

前回は、少年事件の捜査段階の手続について説明しました。
今回は、家庭裁判所送致された後の手続についてみていきましょう。

家庭裁判所への送致

家庭裁判所が事件を受理する経路は、関係機関からの送致と通告があります。
ここでは、送致の経路についてみていきます。

①検察官からの送致

検察官は、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があると考えるとき、および、犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があるときには、少年の被疑事件について家庭裁判所送致しなければなりません。

②警察(司法警察員)からの送致

(a)犯罪少年の場合
司法警察員は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、罰金以下の刑に当たる犯罪の嫌疑があると考えるときは、事件を家庭裁判所送致しなければなりません。
これを「直送」と呼んでいます。

(b)虞犯少年の場合
少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑はないものの家庭裁判所の審判に付すべき事由があると考えるときは、事件を家庭裁判所送致しなければなりません。

③都道府県知事または児童相談所長からの送致

触法少年や14歳未満の虞犯少年については、都道府県知事または児童相談所長から送致を受けたときに限り、家庭裁判所の審判に付することができます。
触法少年に対する調査が警察により実施された事件については、調査の結果、事件が警察から児童相談所長に送致された場合には、都道府県知事または児童相談所長は原則事件を家庭裁判所送致します。

④簡易送致

司法警察員が捜査した少年事件で、その事実が極めて軽微であり、犯罪の原因および動機、少年の性格、行状、家庭の状況や環境などから見て再犯のおそれがなく、刑事処分や保護処分を必要としないと明らかに認められ、かつ、検察官や家庭裁判所からあらかじめ指定されたものについては、少年ごとに少年事件簡易送致書と捜査報告書を作成し、これを身上調査票などの関係書類を添付して、1か月にまとめて検察官または家庭裁判所送致する処理手続があります。
簡易送致の対象となるのは、窃盗、詐欺、横領、盗品等に関する罪、その他長期3年以下の懲役もしくは禁錮、罰金、拘留、科料に当たる罪であって、被害額がおおむね1万円未満といった法益侵害が極めて軽微なものとされます。

観護措置について

さて、家庭裁判所が事件を受理すると、事件が家庭裁判所に係属している間はいつでも、家庭裁判所は「観護措置」をとることができます。
観護措置は、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、その身柄を保全するとともに、緊急に少年の保護が必要である場合に終局決定に至るまでの間、暫定的に少年を保護するための措置です。

捜査段階で、逮捕・勾留されている少年が家庭裁判所送致された場合、家庭裁判所に到着してから24時間以内に、家庭裁判所は観護措置をとるか否かの決定をしなければなりません。
実務上、捜査段階で逮捕・勾留されていた少年については、家庭裁判所送致されると、引き続き少年鑑別所に収容する観護措置がとられることが多くなっています。

観護措置の要件は、以下の通りです。

①事件の係属
事件が観護措置をとる家庭裁判所に係属していること。

②審判条件
審判条件が満たされていること。

③審判に付すべき事由があることの蓋然性
審判に付すべき事由(非行事実・ぐ犯事由等)が認められることの蓋然性がある。

④審判開始決定を行う蓋然性
審判開始が見込まれる事件であること。

⑤観護措置の必要性
次のいずれかが認められることが必要。
(ア)身柄確保の必要性
   住所不定または逃亡のおそれがあるなど、少年の出頭を確保する必要がある場合や、証拠隠滅のおそれがあり、証拠保全のためには必要である場合。
(イ)緊急保護のための暫定的身柄確保の必要性
   自殺や自傷のおそれがある場合、家族から虐待を受けている場合、暴力団などの反社会的活動を行う集団の悪影響から保護する必要がある場合など。
(ウ)収容鑑別を実施する必要性
   少年の心身の状況や性格傾向などを考慮し、継続的な行動観察や外界と遮断された環境で鑑別する必要がある場合。

以上のような要件を満たし、観護措置がとられた場合、原則2週間、実務上は4週間少年鑑別所に収容されることとなります。

観護措置は長期間の収容となるため、少年は学校や職場を休まざるを得ず、後の生活に大きな影響を及ぼしかねません。
そのため、付添人である弁護士は、家庭裁判所が観護措置を決定する前に、観護措置をとらなうよう意見書を提出したり、裁判官と面談するなどし、観護措置回避に向けて動きます。
逮捕・勾留により捜査段階から身体拘束を受けている場合には、事件が家庭裁判所送致されたタイミングで、意見書を提出し、裁判官が少年と面談する前に少年が抱える事情を考慮してもらう必要があります。
また、捜査段階で身体拘束を受けていない場合でも、事件内容や少年の性格等から観護措置をとる必要があると判断されるケースもありますので、この場合も事件が家庭裁判所送致された段階で、観護措置をとらないよう説得的に主張する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
少年事件でお困りであれば、弊所の弁護士に一度ご相談ください
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