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DV事件で刑事事件に発展したら

2020-02-19

DV事件で刑事事件に発展した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県南あわじ市に住むAさんは、ある夜、妻のVさんと家計のことや子供の教育について口論となりました。
会社の飲み会で帰宅が遅くなったAさんに、Vさんは暴言を吐くので、カッとなったAさんは、Vさんに対して殴る蹴るの暴行を加えました。
Vさんは、そのまま家を出て、近所の交番に駆け込みました。
その後、警察官がAさん宅に訪れ、Aさんに事情を聞いた後、兵庫県南あわじ警察署に連れていってしまいました。
「警察に説教してもらって反省すればいいわ。」と思っていたVさんでしたが、警察からAさんを逮捕したとの連絡を受けて、驚いています。
(フィクションです)

DV事件で刑事事件に発展する可能性は?

配偶者や子供、交際相手などに暴力を振るった場合、暴行罪や傷害罪といった罪に問われる可能性があります。
一昔前までは、家庭内の問題への介入に警察は消極的でしたが、DV事件から殺人や傷害致死といった大きな事件に発展するケースが増え、今日では警察もDV事件に対して厳しく対処しています。

警察に事件が発覚する経緯としては、次のようなものが挙げられます。

●子供に暴力を振るい、身体にあざや怪我が残った場合、学校が不審に思い、児童相談所などに報告することで、事件が発覚する。
この場合、子供は児童相談所に一時保護される可能性があります。
また、児童相談所から警察に連絡がいき、警察は被疑事件として捜査を開始するでしょう。
被疑者と被害者の関係性から、身体拘束の必要性が生じ、逮捕される可能性も否定できません。

●配偶者や交際相手が、直接警察に通報・相談することで、事件が発覚する。
暴力を受けた配偶者や交際相手が、警察などに通報・相談することで、刑事事件に発展するケースも少なくありません。
診断書や被害届を提出した場合には、警察は刑事事件として捜査に着手します。
被害届を提出するケースでは、DV被害を受けた配偶者や交際相手が関係解消を望んていることが多いでしょう。
しかし、相手に反省してもらおうと警察に通報・相談した場合であっても、状況によっては駆け付けた警察官により被疑者が現行犯逮捕される可能性もあります。

DV事件で逮捕されたら

DV事件で逮捕されたら、通常の刑事事件と同様の手続を踏むことになります。
逮捕から、48時間以内に、被疑者は釈放される、若しくは、検察に送致されることになります。
検察に送致されたら、今度は検察官が被疑者の身柄を受けてから24時間以内に被疑者を釈放するか、あるいは勾留請求を行うかを決めます。
検察官が勾留請求した場合、裁判官は勾留するか否かを判断します。
勾留となれば、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長が認められれば最大で20日間身柄が拘束されることになります。

このように、逮捕から比較的短時間で勾留の有無が決まってしまいます。

配偶者や交際相手の身体拘束まで求めていない場合、長期身体拘束によって生じうる解雇等の不利益は、被疑者だけでなく被害者やその家族も被ることになってしまいます。
このように、被害者が刑事事件化や被疑者の身体拘束を望まない場合には、その旨をきちんと捜査機関や裁判所に理解してもらうことが重要です。
その結果、早期釈放や不起訴で事件を終える可能性を高めることができるでしょう。

他方、配偶者や交際相手が被疑者との関係解消を望んでおり、身体拘束について特に不利益がない場合には、逮捕後勾留となり、身体拘束が長期化する可能性があります。
しかし、相手方との示談を成立させることにより、事件を早期に終了させ、釈放となる可能性もあります。
離婚や交際関係解消が絡んだ示談交渉は、当人同士や家族同士で行うと、感情的になり上手く進まないことが多々ありますので、そのような交渉は弁護士を介して行うのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお悩みであれば、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

少年事件の中間処分:試験観察

2020-01-22

少年事件中間処分である試験観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神崎郡市川町に住む少年Aくん(16歳)は、高校に進学したものの学校に馴染めず入学から2か月で辞めてしまいました。
Aくんは、中学時代に不良仲間とバイク窃盗で逮捕され、神戸家庭裁判所姫路支部で保護観察が言い渡された過去があります。
高校を辞めてからも不良仲間とつるむようになり、共同危険行為で逮捕され、保護観察となった矢先、今度は傷害事件で逮捕されてしまいました。
Aくんの家族は、今度は少年院送致となるのではないかと心配して、少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

少年保護事件の処分

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が事件を起こした場合、基本的には、家庭裁判所に事件がおくられ、家庭裁判所の調査・審判を経て、何らかの処分が決定されます。
家庭裁判所の取り扱う非行少年に対する事件を「少年保護事件」と呼びます。
家庭裁判所が少年保護事件について行う決定には、事件自体について判断し、最終的な少年の処分を決定する「終局決定」と、終局決定前の中間的な措置としてなされる「中間決定」とがあります。

「終局決定」としては、次の5種類があります。
①審判不開始
②不処分
③保護処分(保護観察、児童自立支援施設又は児童養護施設送致、少年院送致)
④検察官送致
⑤知事又は児童相談所長送致

そして、「中間決定」には、移送決定、観護措置決定、審判開始決定、検察官関与決定などがありますが、ここでは「試験観察決定」について説明します。

試験観察とは

前述の通り、「試験観察」は終局決定前の中間的な措置です。
少年法は、家庭裁判所は、保護処分を決定するため必要があると認めるときは、決定をもって、相当の期間、少年を調査官の観察に付することができると定めています。
これが、「試験観察」と呼ばれるものです。
試験観察は、少年に対する終局決定を留保し、少年の行動等を観察するために、中間決定をもってとられる措置です。

この試験観察制度の機能については、①調査の機能、そして、②少年の性格矯正・環境調整を図る機能、の2点であると言われています。

①調査の機能
保護処分には、「保護観察」、「児童自立支援施設又は児童養護施設送致」、「少年院送致」と社会内処遇のものから矯正施設内処遇のものまで身体拘束という点だけでも異なる処分が設けられています。
決定された処分は、例外的な場合を除いては取消し・変更はされません。
ですので、少年審判においては、少年の要保護性に関する資料をしっかりと調査し、少年の行動等も観察した上で、慎重かつ適切な判断がされなければなりません。
ですが、審判までの期間では見極めるのに不十分なこともありますので、少年にとって適正な処分は如何なるものか慎重に見極めるためにも十分な調査をする必要があり、試験観察制度が持つ機能のひとつです。

②少年の性格矯正・環境調整を図る機能
試験観察は、終局処分が一旦保留されている状態であり、少年に心理的な影響を与え、更生を促す効果が期待されます。
いわゆる「プロベーション」の一形態といわれます。

試験観察の要件について、少年法は、「保護処分を決定するため必要があるとき」としか規定していません。
しかし、一般的には、以下の4つの要件を満たす必要があるとされます。
①保護処分に付する蓋然性があること。
②直ちに保護処分に付することができないか、または相当でない事情があること。
③調査官の観察活動が必要であり、かつ、その結果、適切な終局決定ができる見込みがあること。
④相当期間内に観察目的を達成する見込みのあること。

試験観察の期間については、「相当の期間」としか少年法には定められていませんが、在宅試験観察の場合、3~4か月程度、補導委託の場合には4~6ヶ月程度となっています。

少年院送致が見込まれる事件であっても、試験観察となったのにち保護観察で社会復帰できる可能性も大いにあります。
お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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カスタマー・ハラスメントで強要事件

2020-01-14

カスタマー・ハラスメント強要事件に発展する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県赤穂郡上郡町にある飲食店で、食事をしていたAさんは、注文した料理が運ばれてこないことに腹を立て、対応した従業員に罵声を浴びせ始めました。
Aさんの罵声を聞いた店長が、Aさんをなだめようと間に入りましたが、その態度に激昂したAさんは、「この店、どないなっとんねん!客に対してしっかり謝罪せんかい!お前、土下座で謝罪せんかい!誠意みせんと、この店潰したるでな!」と土下座を強要してきました。
困りかねた店長は、兵庫県相生警察署に通報しました。
警察署から駆け付けた警察官は、Aさんに話を聞いています。
(実際の事件に基づいたフィクションです)

カスタマー・ハラスメントで刑事事件に!?

「○○ハラスメント」といった言葉が浸透してきた昨今、カスタマー・ハラスメントで迷惑を被った、対応に困ったといった経験をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
従業員に対する暴言や土下座強要、ネットへの誹謗中傷の書き込み、客による常識を越えた悪質なクレームや迷惑行為を「カスタマー・ハラスメント」といいます。
店側のミスに対する正当な苦情であれば、店側もそれを真摯に受け止めサービスの向上に努めますが、通常の苦情を越えた悪質なクレームは、時に犯罪行為となる場合もあることに注意が必要です。

上記ケースのように、見せのサービスに対して苦情を訴えることから始まっていますが、Aさんは店長に土下座をして謝罪するよう求めています。
このような土下座強要は、刑法の「強要罪」に当たる可能性があります。

強要罪とは?

強要罪は、刑法第223条に規定されています。

第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。

強要罪は、相手方またはその親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対して、害を加える旨を告知して脅迫し、または暴行を用いて、人に義務のないことをおこなわせ、または権利の行使を妨害することにより成立する罪です。

◇脅迫・暴行◇

「脅迫」は、脅迫罪のものと同様に、恐怖心を生じさせる目的で、相手方またはその親族の生命・身体・自由・財産に対し、害を加えることを告知することです。

「暴行」は、被害者が畏怖し、そのため行動の自由が侵害されるに足りる程度の有形力の行使であることを要し、かつ、それで足りると解されます。

◇強制・妨害◇

暴行・脅迫を手段として、被害者の意思を抑圧し、義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害することを強要といいます。
「義務のないことを行わせ」た例としては、子守の少女に水入りバケツ等を数十分ないし数時間、胸の辺りまたは頭上に支持せしめたもの(大判大8・6・30)、理由なく謝罪文を書かせたもの(大判大15・3・24)があります。

「権利の行使を妨害する」には、告訴を断念させたもの(大判大7・7・20)、競技大会への出場をやめさせたもの(岡地判昭43・4・30)があります。

Aさんは、注文した料理が提供されていないことに対して苦情を申し立てたようですが、それに対応した店長に対して、土下座での謝罪を要求し、しなければ店を潰すと脅しています。
店を潰す、つまり店長の財産に対し害を加えることを告知していますので、「脅迫」を手段としていますね。
そして、「店を潰す」と脅迫し、店長に土下座して謝罪させようとしていますが、いくら店側にサービスにおける落度があったとしても、土下座という行為を行う「義務」までは発生しませんので、土下座をさせることは「義務のないことを行わせ」ることだと言えるでしょう。

実際に店長が土下座をした場合は、強要罪が成立し、Aさんから脅迫され土下座を強要されたが結局土下座はせずに終わったのであれば、強要未遂となります。
強要罪は、未遂も処罰の対象となります。

店の対応に満足できず、苦情を申し立てることはあっても、カスタマー・ハラスメントで刑事時事件に発展してしまうなんてことのないように、客側もきちんとした態度で対応するべきでしょう。

強要事件のように被害者がいる事件においては、最終的な処分が決められる上で、被害者との間で示談が成立しているか否かが重要視されます。
ですので、早期に被害者との示談交渉に着手する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件でお困りの方、被害者との示談交渉にお悩みの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
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介護殺人事件で執行猶予

2020-01-08

介護殺人事件で執行猶予を目指す活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
「近所から異臭がする。」と通報を受けた兵庫県福崎警察署は、兵庫県神崎郡神河町にある民家に駆け付けました。
民家の部屋には練炭が置かれており、一酸化炭素が充満していました。
そこに、親子とみられる高齢女性と男性が倒れていました。
救急搬送され、男性は一命を取り留めましたが、高齢女性は既に死亡しており、死因は首を絞められたことによる窒息死であることが分かりました。
男性に事情を聴いたところ、「介護をしていた母が、死にたいと口にしたので、一緒に死のうと思った。」と供述しています。
接見に訪れた弁護士は、Aさんに、今後の手続の流れについて説明しており、執行猶予の可能性についても話をしています。
(フィクションです)

執行猶予について

執行猶予」とは、裁判で有罪が言い渡された場合、一定の要件のもとに様々な情状を考慮し、その刑の執行を一定期間猶予し、その猶予期間中何事もなく無事に経過すれば、刑の言渡しの効力を失わせるという制度のことです。
有罪となっても、実際に刑罰を受けることはないため、執行猶予が付いているのと付いていないのとでは、裁判後の生活は全く異なります。

執行猶予には、全部執行猶予と一部執行猶予とがありますが、今回は前者について説明します。

当たり前ですが、どんな事件でも執行猶予を付けることができるわけではありません。
執行猶予を付けることができるのは、様々な要件を充たしていなければなりません。

◇執行猶予の要件◇

執行猶予については、刑法第25条に規定されています。

第二十五条 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

執行猶予の要件は、
(1)①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者、あるいは、
   ②前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑に処させらことがない者、であり、
(2)3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しをする場合で、
(3)執行猶予を相当とするにたりる情状があること
です。

(1)の「前に禁固以上の刑に処せられたことがない」とは、これまでに死刑・懲役・禁錮の刑に処する確定判決を受けたことを意味します。
罰金・拘留・科料の前科が何回あっても関係ありません。
(2)の要件について、拘留・科料を言い渡す場合には、その執行を猶予することはできません。
そして、(3)の情状に関しては、犯行方法や犯行態様が悪質ではないこと、犯罪の結果が軽微であること、動機に酌むべき事情があること、被告人に反省が見られること、被害者への被害弁償が済んでいること又は被害者の許しを得ていること、などが量刑の際に考慮される要素です。

また、前に禁固以上の刑の処せられたことがあっても、その執行を猶予された者に、1年以下の懲役・禁錮の言渡しをする場合、「情状に特に酌量すべきものがある」ときは、同様に全部執行猶予となる可能性があります。
これを「再度の執行猶予」といいます。

さて、上記ケースについて検討してみましょう。

まず、Aさんが行った行為に対して、如何なる罪が成立するでしょうか。
Aさんは、母親の介護をしていたようで、その母親が死にたがっていたので、自分も死ぬつもりで母親を殺害した後に、練炭自殺を行ったようです。
母親が既に死を心に決め、自分を殺すようAさんに頼んだのであれば、「同意殺人」罪が成立する可能性があります。
しかし、同意殺人が成立するためには、被殺者が殺人の意味を理解し、死について自由な意思決定能力を有する者であることが必要です。
また、被殺者である人からその殺害を依頼されてこれに応じる、もしくは、被殺者である人から殺害されることについての同意を得た上で殺す行為が対象となりますが、この嘱託・承諾は被殺者本人の意思によるものであることが必要であり、通常の弁識能力を有する者の自由かつ真意に基づいてなされていなければなりません。
ですので、欺罔や威迫に基づく嘱託・承諾は無効となり、この場合は殺人罪を構成することになります。
また、被殺者が自殺意思を有していただけにすぎない場合、行為者と被殺者との間に嘱託・承諾の関係がないため、同意殺人ではなく殺人罪が成立することになります。

Aさんに対して、同意殺人罪が成立する場合、刑罰は6月以上7年以下の懲役・禁錮の範囲で決められます。
法定刑の下限が6月であるので、執行猶予の要件である、「3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しをする場合」にも該当する余地があります。

一方、殺人罪が成立する場合、その法定刑は死刑又は無期若しくは5年以上の懲役ですので、「3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しをする場合」には該当しないことになります。
しかしながら、事件の内容によっては、刑の減軽により執行猶予となったケースもあります。

執行猶予となる可能性があるか否かについては、事件の内容にもよりますので、刑事事件を起こしお困りの方は、一度刑事事件に精通する弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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暴行罪で刑事事件の被疑者になったら

2020-01-04

暴行罪刑事事件被疑者となった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県美方郡新温泉町の居酒屋に訪れていたAさんは、会計時に請求額に納得がいかず店長と口論になりました。
店長が挑発的な言葉を発してきたことに苛立ったAさんは、前のめりになっていた店長の頭を手で押し返しました。
店長は、「暴力はあかんやろう、警察呼ぶわ。」と言って、兵庫県美方警察署に通報したところ、同署から警察官が現場にやってきました。
(フィクションです)

暴行罪とは

暴行罪は、刑法第208条に規定される罪です。

第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

上に規定されているように、暴行を人に加え、その人が傷害しなかった場合に成立する犯罪です。

◇暴行の意義◇

「暴行」は、様々な犯罪の構成要件的要素となっていますが、その意義については、犯罪の保護法益や罪質によって異なります。
いずれの犯罪についても共通する点は、「暴行」は「他人の身体に対する有形力の行使」です。
「暴行」の意義については、大きく4つに分けられます。

①最広義の暴行
不法な有形力の行使のずべてで、その対象は人でも物でも構いません。
例)騒乱罪、多衆不解散罪、内乱罪の暴動

②広義の暴行
人に対する不法な有形力の行使ですが、必ずしも人に直接加えられることは必要ではなく、物に対して加えられた有形力であっても、それが人の身体に物理的に強い影響を与えるものであれば足ります。
例)公務執行妨害罪、職務強要罪、加重逃走罪、逃走援助罪、特別公務員暴行陵虐罪、強要罪

③狭義の暴行
不法な有形力の行使が人の身体に対して加えられる場合です。
例)暴行罪

④最狭義の暴行
人に対して、かつ、その反抗を抑圧するに足りる程度の強度の不法な有形力の行使をする場合をいいます。
例)強盗罪、事後強盗罪、強制性交等罪

暴行罪における「暴行」は、人に対する不法な有形力の行使を意味します。
判例においては、暴行は穏やかに捉えられており、人の身体に対する不法な一切の攻撃方法を含み、性質上傷害の結果を惹起すべきものであることまで求められません。
例えば、大太鼓などを連打して意識朦朧とした気分を与え、又は脳貧血を起こさせ、息詰まる程度にさせたことも「暴行」であるとし、塩を振りかける行為についても、相手がこれを受忍すべき理由はなく、不快嫌悪の情を催させるに足りるものであるため「暴行」にあたるとした裁判例があります。
また、物理的に人の身体に接触することは不要で、驚かす目的で人の数歩手前を狙って石を投げる行為、狭い四畳半の部屋で在室中の被害者を驚かすために日本刀の見ぬ気を振り回す行為、高速道路上で並走中の車に嫌がらせをするために幅寄せをする行為も「暴行」にあたるとされます。

◇故意◇

暴行罪が成立するためには、犯罪を犯す意思をもって人に暴行を加えたことが必要となります。
つまり、「人の身体に対して有形力を行使することの認識」が必要となります。
これは、未必的な認識でも構いません。
相手を傷害してやろうと思って暴行を加えたけれども、傷害の結果が発生しなかった場合も、暴行の故意があったとみなされます。

暴行罪で刑事事件の被疑者となったら

あなたが相手方に暴行を加え、警察に事件が発覚すれば、あなたは暴行事件の被疑者として捜査の対象となります。
暴行事件の場合、逮捕や勾留といった身体拘束を受ける可能性はそう高くはないでしょう。
ですので、ほとんどの場合、在宅事件として、何度か警察署に出頭し、取調べを受けることになります。

容疑を認めている場合には、すぐに被害者への謝罪・被害弁償を行い、示談交渉を進めることが重要です。
被害者との示談交渉は、通常、弁護士を介して行います。
元々の知り合いだった場合を除けば、相手方の連絡先を知るためには捜査機関を通じて取得するしかありません。
しかし、罪証隠滅のおそれなどから捜査機関が被害者の連絡先を教えない場合もありますし、被害者が連絡先を教えることを拒絶されることもあります。
仮に元々の知り合いで連絡先を知っている場合であっても、当事者が直接やり取りすることで、話し合いが感情的になり交渉が決裂するケースも少なくありません。
そのような事態を避けるためにも、第三者である弁護士を介して示談交渉に着手するのがよいでしょう。
弁護士であれば、法律的な知識や交渉の経験に長けており、被害者に対して加害者からの謝罪および被害弁償の意思があることを伝え、示談についてもメリット・デメリットを丁寧に説明した上で、被害者加害者の両者が納得のいく内容で示談が成立するよう粘り強く交渉することが期待できます。

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駅員への暴行で逮捕

2019-12-25

駅員に対する暴行事件で逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県西宮市の駅に到着したAさんは、自動改札機に持っていたICカード乗車券をかざしたところ、エラーが出て改札を出ることができませんでした。
すると、Aさんはそのまま無理やり改札を出てしまったので、気づいた駅員がAさんに話しかけました。
Aさんは随分と酔っ払っている様子で、駅員に対して高圧的な態度に出ました。
駅員は粘り強く対応したのですが、しびれを切らしたAさんは、駅員の胸倉をつかむなどの暴行を加えたので、他の駅員が警察に通報しました。
兵庫県甲子園警察署から駆け付けた警察官は、Aさんを暴行の疑いで現行犯逮捕しました。
(フィクションです)

暴行罪について

年末年始の期間は、忘年会や新年会などでお酒を飲む機会が増えますよね。
お酒を飲むことで楽しくなるのならよいのですが、気が大きくなり暴力的になってしまってはいけません。
酒に酔った挙句、駅員やタクシー運転手などと口論になったり、暴力を振るうといった事件は少なくありません。
駅員への暴力行為は、言うまでもなく犯罪です。
上のケースでは、Aさんが駅員の胸倉を掴んだ等で、「暴行」の容疑がかけられています。
今回は、「暴行罪」について説明してみたいと思います。

暴行罪は、刑法第208条に規定されています。

第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪は、人に暴行を加えた場合に成立する犯罪です。
暴行」は、刑法に規定されている様々な犯罪の構成要件要素となっていますが、その意義は、物理力の行使という点では共通していますが、当該犯罪の保護法益や罪質によって異なります。
各犯罪における「暴行」の意義については、次の4つの分類されます。

①最広義の暴行
人のみならず、物に対する物理力の行使を含みます。
例:騒乱罪、多衆不解散罪、内乱罪の暴動

②広義の暴行
人に向けられた物理力の行使をいいます。
例:公務執行妨害罪、職務強要罪、加重逃走罪、逃走援助罪、特別公務員暴行陵虐罪、強要罪

③狭義の暴行
人に対する物理力の行使をいいます。
例:暴行

④最狭義の暴行
人の意思ないし反抗の抑圧の要素を含む、人に対する物理力の行使をいいます。
例:強盗罪、事後強盗罪、強制性交等罪、強制わいせつ罪

暴行罪における「暴行」は、③狭義の暴行に当たります。
不法な有形力の行使が人の身体に対して加えられる場合です。
これには、人の身体を押す・殴る・叩くなどといった行為だけでなく、判例では、大太鼓などを連打して意識朦朧とした気分を与え又は脳貧血を起こさせ、息詰まる程度にさせたことも暴行に当たり、塩を振りかける行為も、相手方において受忍すべきいわれはなく、不快嫌悪の感情を催させるに足るものであるため暴行に当たるとしたものもあります。
また、物理力が人の身体に接触する必要はなく、驚かす目的で人の数歩手前を狙って意思を投げる行為、狭い室内で脅す目的で日本刀を振り回す行為なども暴行に当たるとしています。
更に、いわゆる「あおり運転」で、高速道路上で並進中の自動車に嫌がらせ目的で幅寄せをする行為も暴行に当たるとした判例もあります。

暴行罪が成立するためには、人の身体に対して物理力を行使することの認識があったことが必要となります。
この認識は、未必的なものでも構いません。
人に暴行を加え傷害を負わせるつもりで、暴行を加えたが、結果として人に怪我をさせることができなかった場合も含まれます。

駅員への暴行事件は、現場で逮捕される、つまり現行犯逮捕となるケースが多くなっています。
酒に酔った上での犯行である場合、酔いが冷めると容疑を認め反省の態度を示す方が多く、逮捕されてしまった場合でも、その後釈放される可能性もあります。
しかし、注意しなければならないのは、釈放されたからといって事件が終了したわけではありません。
その後も捜査機関からの呼び出しを受け、取調べを受けた上で最終的な処分が決定します。
その間に、被害者である駅員への謝罪・被害弁償を行う必要があります。
暴行事件のように被害者がいる事件では、被害者との示談が成立しているか否かは、最終的な処分を決定する上で重要な要素となります。

ご家族が暴行事件を起こし逮捕されてお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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傷害事件で被害届が出されたら

2019-12-24

傷害事件で被害届が出された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市垂水区に住むAさんは、通勤通学の時間帯に、自宅付近にあるバス停留所近辺に空き缶を投げたところ、通行人の顔に当たってしまいました。
Aさんは誰かに当てるつもりはありませんでしたが、結果として通行人Vさんに空き缶が当たってしまい、Vさんの額に擦り傷を負わせてしまいました。
Vさんは、立腹しており、その足で兵庫県垂水警察署傷害事件で被害届を出しに行くと言っています。
Aさんは、わざと怪我させようと思っていなかったのに傷害罪が成立するものなのか疑問に思っています。
(フィクションです)

人の身体を傷害する罪には、「傷害罪」と「過失傷害罪」とがあります。
どちらも「人の身体を傷害する」という結果は同じですが、両者の違いは、故意犯であるか過失犯であるかという点です。

傷害罪

傷害罪は、刑法第204条に規定されています。

第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

◇客体◇
傷害罪の客体は、「人の身体」です。
行為者自身の身体の傷害(自傷)は罪となりません。

◇行為◇
傷害罪の実行行為は、「人の身体を傷害すること」です。
傷害」の概念についてですが、判例によれば、「人の生理的機能に障害を加えること」であると解されます。
また、傷害の方法は有形であると無形であるとを問いません。
傷害」に該当する行為として、殴る蹴るなどにより人に怪我を負わせる行為のみならず、怒号等の嫌がらせにより、不安・抑うつ状態に陥れること、性病であることを隠して相手方の性器に自己の性器を押し当て、相手方に性病を感染させたこと、キスマークをつけること、皮膚の表皮を剥離すること、などが含まれます。

◇故意◇
傷害罪は、暴行罪の結果的加重犯であるので、傷害罪の故意は、「暴行の認識」があれば足りると解されます。
つまり、人の身体に対して有形力を行使することの認識であり、未必的認識で足りるのです。
これより、上記ケースに当てはまると、Aさんは積極的に誰かに対して空き缶をぶつけてやろうと思ってはいなかったようですので、一見故意はなかったように思われます。
しかし、通勤通学の時間帯という人が通常よりも多く行き交うであろうと思われる状況において、バス停留所近辺に向かって空き缶を投げるという行為から、「もしかしたら空き缶が誰かに当たるかもしれないけど、いいか。」と思っていた場合には、未必的故意が認められ、傷害罪が成立する可能性があります。

過失傷害罪

過失傷害罪は、刑法第209条に規定されています。

第二百九条 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

◇過失◇
傷害罪との違いは、「過失により」人を傷害する点です。
「過失」とは、不注意に構成要件上保護された法益を侵害することです。
過失傷害罪の場合は、不注意に人を傷害することです。

傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金であるのに対して、過失傷害罪は30万円以下の罰金または科料です。
そして、過失傷害罪は、親告罪であるので、告訴がなければ公訴を提起することができません。
傷害罪は親告罪ではありませんが、被害者との示談が成立した場合、不起訴処分となる可能性が高まり、前科を付けることなく事件を終了させることが期待できるでしょう。
いずれの場合も、怪我をされた被害者の方への適切な対応をとることが、その後の結果にも大きく影響しますので、重要だと言えるでしょう。

傷害事件を起こし、被害者の方との示談交渉にお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

刑事事件で正当防衛を主張

2019-12-17

違法性阻却事由の正当防衛について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県明石市の路上で、いきなり背後から知らない男性に抱きつかれたAさんは、必死に抵抗しようとしました。
しかし、男性は果物ナイフをAさんに突きつけ、「だまらんと、これで殺すぞ。」などと脅し、Aさんを人気のない河川敷に連れて行き、押し倒しました。
男性は、Aさんの身体を触り、服の中にも手を入れてきたので、Aさんは「このままじゃ犯される。」と思った時、男性が果物ナイフを手から離し地面に置いていることに気が付きました。
とっさに、Aさんはその果物ナイフを手に取り、男性の太ももに刺しました。
痛みで男性がひるんだ隙にAさんは急いで逃げ、最寄りの駐在所に駆け込みました。
兵庫県明石警察署が現場に駆け付けた時には、男性はすでに意識がなく、搬送先の病院で死亡が確認されました。
警察は、Aさんを傷害致死の容疑で神戸地方検察庁に送検しました。
(実際の事件を基にしたフィクションです。)

犯罪が成立するには

「犯罪」は、一般的に、「構成要件に該当する、違法で有責な行為」と理解されています。
つまり、犯罪が成立するためには、以下の要件を充たしていなければなりません。
①人の行為であること。
②法律により犯罪として決められた行為類型(構成要件)に該当すること。
③構成要件に該当する行為が違法であること。
④構成要件に該当し、違法である行為が有責に行われたこと。

上記ケースの場合、Aさんに対して傷害致死罪が問えるか否かが問題となっています。
傷害致死罪は、刑法第205条に以下のように規定されています。

第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

傷害致死罪の構成要件は、人の身体を傷害した結果、人を死なせることです。
Aさんは、男性が所持していた果物ナイフで男性の太ももを刺し、大量出血で死なせてしまったということであれば、傷害致死罪の構成要件に該当していると考えられるでしょう。
しかし、Aさんは、男性に果物ナイフで脅された上で襲われていたため、どうにかして逃げなければという思いから、視界に入った果物ナイフで男性の太ももを刺した、ということですが、このことは③の違法性の要件を充たさないと言えるのでしょうか。

違法性阻却事由:正当防衛について

構成要件に該当する行為について、刑法上の禁止を解除し、違法性を失わせる特段の事情を「違法性阻却事由」といいます。
違法性阻却事由として刑法に規定されたものとしては、
・正当行為
正当防衛
・緊急避難
があります。

ほとんどの方が「正当防衛」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
正当防衛については、刑法第36条に次のように規定されています。

第三十六条 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

つまり、正当防衛とは、「急迫不正の侵害」に対して、「自己又は他人の権利を防衛するため」「やむを得ずにした行為」です。

1.急迫不正の侵害

◇侵害◇
「侵害」とは、権利を侵害する危険をもたらすものをいいます。

◇急迫性◇
「急迫」とは、法益の侵害が現に存在しているか、または間近に押し迫っていることを意味します。

◇不正な侵害◇
ここでいう「不正」というのは、違法であることを意味します。

2.自己又は他人の権利

「自己又は他人の権利」の「権利」は、明確な権利性を有するものだけでなく、法律上保護に値する利益であれば足りると理解されています。

3.防衛の意思

正当防衛は、「防衛するため」の行為でなければなりません。
しかし、防衛行為であるためには、客観的に防衛行為としての性質をゆうしていればよいのか、それとも、防衛の意思で当該行為がなされなければならないのか、という問題となります。
判例は、防衛の意思を正当防衛の要件と解しており、憤激・逆上したからといって防衛の意思は直ちに失われず、攻撃の意思が併存していても防衛の意思は認められ得るとしています。
ただし、「攻撃を受けたのに乗じ積極的な加害行為に出たなどの特別な事情」があるときには防衛の意思は否定され、「防衛に名を借りて新会社に対し積極的に攻撃を加える行為」は防衛の意思を欠くと解しています。

4.やむを得ずにした行為

「やむを得ずにした行為」の意義について、正当防衛の成立要件として、必要性および相当性の両方を必要とするのが判例および通説です。

◇必要性◇
「やむを得ずにした行為」というためには、必ずしもその行為が唯一の方法であることまで必要ではなく、また、厳格な法益の権衡も要求されませんが、少なくとも相手に最小の損害を与える方法を選ぶことが求められます。

◇相当性◇
相当性に関して、判例は、どのような「結果」が生じたのかという点よりも、どのような「手段」がとられたのかという点に着目して判断しています。
「素手」対「素手」であったのか、「凶器」対「凶器」であったのか、といったように、行為様態と防衛行為の危険性の比較衡量によって相当性を判断しているものが多くなっています。
相当性については、武器の対等性の他、侵害者・防衛行為者の身体的条件、加害行為の態様、防衛行為の危険性・性質、代替手段の有無等の事情を考慮して判断されます。

上記ケースにおいて、Aさんが正当防衛を主張した場合、「やむを得ずにした行為」の相当性の点が争われるのではないかと考えられます。
ですので、上述した相当性について判断する際に考慮される事情について、被疑者・被告人側に有利な事情を示し、正当防衛が認められるよう動くことが重要です。

そのような活動は、刑事事件に精通した弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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殺人事件で故意否認

2019-12-16

殺人罪に問われ故意否認している場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aさんは、ある夜、神戸市東灘区にある交際相手のVさん宅を訪れました。
しかし、Vさんから別れ話を切り出されたことに腹を立て、Vさんの首を絞めるなどの暴行を加えました。
我に返ったAさんは、Vさんの首から手を放しましたが、Vさんは意識を失っていました。
Aさんは怖くなりその場を後にしました。
後日、兵庫県東灘警察署がAさん宅を訪れ、殺人の容疑でAさんを逮捕しました。
Aさんは、「感情的になり暴力を振るってしまったことは認めるが、Vさんを殺すつもりはなかった。」と容疑を一部否認しています。
(フィクションです)

殺人罪について

殺人罪は、ご存知の通り、「人を殺す」犯罪です。
殺人罪については、刑法第199条に次のように規定されています。

第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

◇客体◇

殺人罪の客体は、「人」です。
行為者を除く自然人を指します。
さて、ここで、客体である「人」であることが、いつから始まりいつ終わるのか、が問題となります。

①人の始期について
人がいつ「出生」したと言えるか、という点については、「一部露出説」という考え方が通説だとされており、判例も同様の立場をとっています。
「一部露出説」というのは、一部が母体から露出した時点で「人」とする考え方です。

②人の終期について
人の終期、つまり、人が死亡したと、いつ言えるのか、という点については、争いがあります。
伝統的には、呼吸・脈拍の不可逆的停止、瞳孔拡大を起訴に総合的に判定する「三徴候説(心臓死説)」が通説とされてきましたが、生命維持・組成の為の技術が発達し、脳幹を含む全脳の機能が喪失しても相当期間、呼吸・循環を人工的に維持することが可能となり、脳機能の喪失をもって死とする「脳死説」が提唱されるようになりました。

◇行為◇

殺人罪の構成要件的行為は、「人を殺す」ことです。
「殺す」とは、自然の死期以前に人の生命を断絶する行為をいい、その手段・方法は問われません。
包丁で人を刺殺するといった方法でも、精神的に追い詰めて被害者に自らを死亡させる現実的危険性の高い行為に及ばせる方法や嬰児に食事を与えず死亡させる行為も「人を殺す」行為に当たります。

◇故意◇

法律に特別の規定がない限り、罪を犯す意思がない行為は処罰されません。
この「罪を犯す意思」というのが、「故意」と呼ばれるものです。
殺人罪の場合、「罪を犯す意思」というのは「人を殺す意思」、つまり、「殺意」があったことが本罪の成立には必要となります。
客体である「人」の認識については、単に「人」であることの認識で足ります。
また、行為の認識については、殺人の手段となる行為により、死の結果が発生可能であることを認識していればよいとされます。
故意は、未必的なもの、つまり、「相手は死ぬかもしれない」という認識や、条件付きのものでも構いません。

故意がなければ、結果として人を死亡させてしまったとしても、殺人罪は成立せず、傷害致死罪が成立するにとどまります。

故意(殺意)の認定は、具体的事情を考慮しつつ行われます。
例えば、凶器の種類、行為態様、創傷の部位・程度といった客観的な事情、動機の有無、犯行前・犯行時の言動、犯行後の言動などを総合的に考慮して判断されます。

また、殺す意思があった場合でも、自分の命を守るためにやむを得ずした行為であった場合には、違法性が阻却され、殺人罪は成立しません。

人を死亡させてしまった場合であっても、必ずしも殺人罪が成立するわけではありません。
しかし、その主張を裁判官や裁判員に適切に伝えることは、刑事事件に精通した弁護士なくして行うことは容易ではないでしょう。
ですので、ご家族が殺人罪に問われ、殺人罪の成立を争いたいとお考えであれば、刑事事件に精通する弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

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刑事事件・少年事件を起こしお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
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公務執行妨害で現行犯逮捕

2019-11-04

公務執行妨害で現行犯逮捕

公務執行妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aさんは、兵庫県神戸市西区の駅で駅員に暴行したとして兵庫県神戸西警察署公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんは、当時酒に酔っており、ICカードをかざしても改札が開かないことに腹を立て、対応した駅員に対して殴るなどの暴行を加えたということです。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

公務執行妨害罪について

公務執行妨害罪は、刑法第95条1項に規定されており、公務員によって執行される職務を保護法益とするものです。

刑法第九十五条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

公務執行妨害罪は、①公務員が、②職務を執行するにあたり、③公務員に対して暴行又は脅迫を加えた、場合に成立する罪です。

①公務員

「公務員」は、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員です。
外国の公務員は、含まれません。
さて、上記ケースでは駅員に対して暴行を加えたことが問題となっていますが、この場合、駅員は「公務員」に該当するのでしょうか。
昔はJRは国鉄で、駅員も公務員でしたが、今は民間となっていますので、公務員には該当しません。
一方、市営地下鉄などの公営交通は、地方自治体の交通局が運営しており、その職員は、基本的に公務員となります。
但し、ところによっては業務を外部に委託している場合もあります。

②職務を遂行するにあたり

「職務」の範囲については、権力的公務に限るか、それとも非権力的公務をも含むのかが問題となります。
この点、判例は、公務執行妨害罪における「職務」は、権力的・強制的なものであることを必要とせず、ひろく公務員が取り扱う各種各様の事務のすべてが含まれるとしています。

「執行するに当たり」の意義について、職務を執行する際にという意味と理解されています。
判例は、具体的・個別的に特定された職務の執行の開始から終了までの時間的範囲、及びまさに当該職務の執行を開始しようとしている場合のように当該職務の執行と時間的に接着しこれと切り離し得ない一体的関係にあるとみることができる範囲内の職務行為に限るとしています。

③暴行・脅迫

公務執行妨害罪における「暴行」とは、公務員の身体に対し直接であると間接であるとを問わず、公務員の身体に向けられた不法な有形力の行使をいいます。
例えば、司法巡査が現行犯逮捕の現場で証拠物として差し押さえ、同所に置いた覚せい剤注射液入りアンプルを足で踏みつけて損壊する行為は、司法巡査の職務の執行を妨害するに足る暴行であり、その暴行は間接的に司法巡査に対するものというべきであるとして、暴行に当たるとした判例があります。

公務執行妨害罪における「脅迫」は、人を畏怖させる害悪の告知を広く含みます。

公務執行妨害罪における暴行・脅迫は、それによって現実に職務執行妨害の結果が発生したことを必要とせず、妨害となるべきものであればよいとされます。

公務執行妨害事件は、酔っ払って気が大きくなっていたり、ついカッとなり感情的に公務員に手を出してしまうケースが多く、そのような場合には、その現場で現行犯逮捕されるケースも多くなっています。
相手が警察官である場合はなおさら、その場で逮捕されることになります。
飲酒や一時的な感情により犯してしまいやすいため、本人がちきんと反省し、証拠隠滅や逃亡のおそれがない場合には、逮捕に引き続き長期の身体拘束となる可能性は高くはないでしょう。
しかし、逮捕から勾留までの間は、被疑者の家族であっても面会することはできませんので、逮捕された方はどのように対応すればよいのか、今後どのような流れになるのか非常に不安な気持ちでいらっしゃるでしょう。
そのような場合であっても、弁護士であればいつでも制限なく逮捕された方と面会(接見)することができます。

ご家族が公務執行妨害で逮捕されお困りであれば、いますぐ刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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