Archive for the ‘暴力事件’ Category

公務執行妨害で現行犯逮捕

2019-11-04

公務執行妨害で現行犯逮捕

公務執行妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aさんは、兵庫県神戸市西区の駅で駅員に暴行したとして兵庫県神戸西警察署公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんは、当時酒に酔っており、ICカードをかざしても改札が開かないことに腹を立て、対応した駅員に対して殴るなどの暴行を加えたということです。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

公務執行妨害罪について

公務執行妨害罪は、刑法第95条1項に規定されており、公務員によって執行される職務を保護法益とするものです。

刑法第九十五条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

公務執行妨害罪は、①公務員が、②職務を執行するにあたり、③公務員に対して暴行又は脅迫を加えた、場合に成立する罪です。

①公務員

「公務員」は、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員です。
外国の公務員は、含まれません。
さて、上記ケースでは駅員に対して暴行を加えたことが問題となっていますが、この場合、駅員は「公務員」に該当するのでしょうか。
昔はJRは国鉄で、駅員も公務員でしたが、今は民間となっていますので、公務員には該当しません。
一方、市営地下鉄などの公営交通は、地方自治体の交通局が運営しており、その職員は、基本的に公務員となります。
但し、ところによっては業務を外部に委託している場合もあります。

②職務を遂行するにあたり

「職務」の範囲については、権力的公務に限るか、それとも非権力的公務をも含むのかが問題となります。
この点、判例は、公務執行妨害罪における「職務」は、権力的・強制的なものであることを必要とせず、ひろく公務員が取り扱う各種各様の事務のすべてが含まれるとしています。

「執行するに当たり」の意義について、職務を執行する際にという意味と理解されています。
判例は、具体的・個別的に特定された職務の執行の開始から終了までの時間的範囲、及びまさに当該職務の執行を開始しようとしている場合のように当該職務の執行と時間的に接着しこれと切り離し得ない一体的関係にあるとみることができる範囲内の職務行為に限るとしています。

③暴行・脅迫

公務執行妨害罪における「暴行」とは、公務員の身体に対し直接であると間接であるとを問わず、公務員の身体に向けられた不法な有形力の行使をいいます。
例えば、司法巡査が現行犯逮捕の現場で証拠物として差し押さえ、同所に置いた覚せい剤注射液入りアンプルを足で踏みつけて損壊する行為は、司法巡査の職務の執行を妨害するに足る暴行であり、その暴行は間接的に司法巡査に対するものというべきであるとして、暴行に当たるとした判例があります。

公務執行妨害罪における「脅迫」は、人を畏怖させる害悪の告知を広く含みます。

公務執行妨害罪における暴行・脅迫は、それによって現実に職務執行妨害の結果が発生したことを必要とせず、妨害となるべきものであればよいとされます。

公務執行妨害事件は、酔っ払って気が大きくなっていたり、ついカッとなり感情的に公務員に手を出してしまうケースが多く、そのような場合には、その現場で現行犯逮捕されるケースも多くなっています。
相手が警察官である場合はなおさら、その場で逮捕されることになります。
飲酒や一時的な感情により犯してしまいやすいため、本人がちきんと反省し、証拠隠滅や逃亡のおそれがない場合には、逮捕に引き続き長期の身体拘束となる可能性は高くはないでしょう。
しかし、逮捕から勾留までの間は、被疑者の家族であっても面会することはできませんので、逮捕された方はどのように対応すればよいのか、今後どのような流れになるのか非常に不安な気持ちでいらっしゃるでしょう。
そのような場合であっても、弁護士であればいつでも制限なく逮捕された方と面会(接見)することができます。

ご家族が公務執行妨害で逮捕されお困りであれば、いますぐ刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

検察官の事件処理~起訴処分~

2019-10-17

検察官の事件処理~起訴処分~

~ケース~
兵庫県加古川市の居酒屋で隣同士になったAさんとBさんは、些細なことから言い争いになりました。
Bさんは、Aさんに「やれるもんやったらやってみい!」と挑発的な言葉を発したため、AさんはBさんの脚を蹴りました。
それに対してBさんもAさんの左腕を殴るなど、両者殴り合いの喧嘩となりました。
店員が止めに入りましたが、喧嘩はおさまる様子はなかったので、店長は兵庫県加古川警察署に通報しました。
警察からは、Aさんと示談することを勧められましたが、AさんはBさんも自分を殴っていたのだからBさんに謝罪する気持ちなどありませんでした。
ある日、Aさんは検察官から呼び出され、略式手続について説明を受けました。
(フィクションです)

検察官による事件処理

警察から検察に送致された事件は、検察官処理することになります。
検察官による処理には、中間処分と終局処分とがあります。

中間処分とは、終局処分にむけて処理を保留し、または別の検察官処理をゆだねる処分のことで、中止処分と移送処分とがあります。

終局処分とは、検察官による終結的な処理のことで、成人の刑事事件の場合、起訴処分、そして不起訴処分とがあります。

起訴処分

起訴するかどうかを決定するのは、検察官です。
捜査の結果、有罪を立証するのに十分な証拠があると判断した場合に、検察官は公訴を提起します。
公訴の提起とは、裁判所に対して審判を求める意思表示をいいます。
検察官が裁判所に対して起訴状を提出することによって行います。
公訴の提起には、次のような種類があります。
①公判請求
②即決裁判手続の申立て
③略式命令の請求

(1)公判請求
検察官が公訴を提起し、公判を請求することです。
検察官が公判を請求すると、正式な裁判が開かれ、有罪無罪が審理され、有罪の場合には刑事罰を言い渡されます。

(2)即決裁判手続の申立て
即決裁判手続とは、争いのない簡易明白な事件につき、簡易かつ迅速な裁判を可能とする簡易な手続です。
検察官は、事案が明白かつ軽微であること、証拠調べの速やかな終了が見込まれることなどの事情を考慮して相当と認める場合に、即決裁判手続の申立てを行います。
検察官が公判請求すると同時に、即決裁判手続が申し立てられます。
当該手続を申し立てるには、事前に被疑者の同意と弁護人の同意を得ておかなければなりません。
「即決」裁判で、即日判決が原則です。
また、懲役・禁錮を言い渡す場合は、刑の執行を猶予しなければなりません。

(3)略式命令の請求
検察官の請求を受けて、簡易裁判所は、公判を開かずに書面審理によって、簡易裁判所が管轄する事件について、100万円以下の罰金または科料を科すことができます。(略式手続)
簡易裁判所が言い渡す裁判を「略式命令」といい、検察官が行う請求を「略式命令請求」といいます。
略式手続の特徴は、公判を開くことなく、書面だけの審理が行われる点です。
略式手続を踏むためには、検察官は、あらかじめ被疑者に対して、略式手続について説明し、略式手続で行うことに異議がないか確認し、書面にて異議がないことを明らかにしなければなりません。

検察官に公訴を提起され、有罪判決により刑が言い渡されると、「前科」がつくことになります。
「前科」というのは、法律的には定まった定義はありませんが、一般的に「前に刑に処せられた事実」を指します。
「前に刑に処せられた」というのは、全ての有罪の確定判決をいい、死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料だけでなく、刑の免除、刑の執行免除が言い渡された場合も含みます。

検察官起訴されて前科が付くことを回避するためには、検察官が不起訴処分とすることが望ましいでしょう。
そのためには、早期に弁護士に相談・依頼し、被害者との示談を成立させる等、不起訴処分となるよう動くことが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件でお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡を!

刑事事件で逮捕~緊急逮捕~

2019-10-08

刑事事件で逮捕~緊急逮捕~

刑事事件緊急逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県洲本警察署は、殺意を持ち、ゴルフクラブで男性Vさんの頭部を殴ったとして、兵庫県洲本市に住む少年Aくんを殺人未遂容疑で緊急逮捕しました。
Aくんは、「Vさんとトラブルになりカッとなって殴ってしまったが、殺すつもりはなかった。」と供述しています。
逮捕の連絡を受けたAくんの家族は、急いで接見に行ってくれる弁護士を探しました。
(フィクションです)

被疑者の身柄を拘束し、引き続き短時間その拘束を続ける強制処分である「逮捕」には、3種類あり、前回はそのうちの「通常逮捕」について説明しました。

今回は、「緊急逮捕」についてみていきたいと思います。

逮捕」や「現行犯逮捕」というワードは、ニュースなどで頻繁に耳にしているとは思いますが、「緊急逮捕」についてはあまり聞き慣れない言葉ではないでしょうか。

緊急逮捕とは、一定以上の重大な罪の嫌疑が高い場合、急速を要して、裁判官に対して逮捕状を請求することができないため、ひとまず被疑者の身柄を確保した上で、その後、直ちに逮捕状を請求するものです。

緊急逮捕については、刑事訴訟法第210条に次のように規定されています。

第二百十条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
○2 第二百条の規定は、前項の逮捕状についてこれを準用する。

当該条項の趣旨は、現行犯以外の場合で、犯人であることが明らかであるが、事前に逮捕状が必要であるとすると、その手続をしている間に被疑者が逃亡し、その後の逮捕が極めて困難になる場合もあるため、事実発見の観点から、一定の重い罪について厳重な制限の下に無令状の逮捕を認めた点にあります。

この緊急逮捕は、令状主義との関係で、憲法に反しているのではないかとの議論がありましたが、この点、最高裁判所は、「厳格な制約の下に、罪状の重い一定の犯罪のみについて、緊急やむを得ない場合に限り、逮捕後直ちに裁判官の審査を受けて逮捕状の発行を求めることを条件都市、被疑者の逮捕を認めることは、憲法33条規定の趣旨に反するものではない」とし、その合憲性を認めています。(最大判昭30・12・14)

緊急逮捕をする際には、被疑者に「その理由を告げて」行わなければならないとありますが、「その理由」には被疑事実の要旨および急速を要する事情にあることが含まれます。

緊急逮捕の要件は次の通りです。

①一定の重大犯罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由があること。
死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁固に当たる罪が対象となります。
この「罪」は特定されている必要があります。
そして、そのような重大犯罪を犯したことに対して、単なる疑いがあるだけでは足りず、通常逮捕においては「相当な」とあるのに対して、緊急逮捕では「充分な」とあるため、より高い嫌疑が必要です。
②急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないこと。
「急を要し」とは、被疑者が逃走しまたは証拠を隠滅するおそれが高く、逮捕状を請求している時間的余裕がないことをいいます。
③理由の告知をすること。
逮捕後、直ちに逮捕状請求の手続をすること。
逮捕の必要性があること。
通常逮捕と同様に、逮捕時に逮捕の必要があることが前提となります。

このように、緊急逮捕の要件は通常逮捕よりも厳しいものになっています。
通常逮捕や現行犯逮捕と比べると、緊急逮捕で身柄確保となる件数は少なくなっています。
しかし、緊急逮捕された後の流れも、他の逮捕と同様に、逮捕から48時間以内に警察は被疑者を釈放するか、検察に送致するかを決めます。
警察が検察に被疑者の身柄と証拠書類等を送致した場合、検察官は被疑者を取り調べた上で、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に被疑者を釈放するか、裁判官に対して勾留請求を行うかを決定します。
検察官が勾留請求をすると、裁判官は被疑者と面談をし、被疑者を勾留するか、釈放するかを判断します。
裁判官が勾留を決定した場合、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長が認められれば最大で20日間身柄が拘束されることになります。

そのような長期の身体拘束を避けるためにも、逮捕されたら早期に弁護士に相談し、身柄解放活動に動くのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が刑事事件で逮捕されてお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

しつけと虐待

2019-09-27

しつけと虐待

しつけ虐待について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県美方郡新温泉町に住むAさんは、息子のVくん(10歳)が学校で教師に対して暴言を吐くなどしたため、学校から呼び出しを受けていました。
Aさんは自宅でVくんと話をし、態度を改めるよう言いました。
しかし、Vくんは反抗的な態度を取り続けたため、AさんはVくんの両手を針金で緊縛し、自宅の階段下の物置に居れ、中から出られないように外側から戸を固定し、トイレや食事の時以外は1日そこに閉じ込めていました。
すると、どこから話を聞いたのか、兵庫県美方警察署の警察官がAさん宅を訪れ、Aさんの行為はしつけではなく虐待に当たる可能性があると言われました。
Aさんは、反抗的な子供を更生させるためにやったことであって虐待ではないと考えています。
(フィクションです)

親のしつけ~懲戒権の行使~

親として子供を懲戒することは民法上認められています。

第820条(監護及び教育の権利義務)
親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。

第822条(懲戒)
親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。

子の監護及び教育に必要な範囲内での懲戒は民法上認められているわけで、当該規定に基づく懲戒であれば、それは法令に基づく行為ということになり、違法性が阻却され、犯罪は成立しないことになります。

例えば、親子間ではなく教師と生徒の間の事例ではありますが、過去の裁判では、教師の生徒に対する軽微な暴行は体罰には当たらず、正当な懲戒権の行使の許容限度内にある行為であるとされてものがあります。
被告人の「本件行為の動機・目的は、生徒の軽率な言動に対してその非を指摘して注意すると同時に、同人の今後の自覚を促すことにその主眼があったものとみられ、また、その態様・程度も平手及び軽く握った右手の拳で同人の頭部を数回軽くたたいたという軽度のものにすぎ」ず、懲戒権の範囲内にとどまることを理由に違法性が阻却されるとしています。(東京高裁判決昭和56・4・1)

これに対して、懲戒という目的を超えて、対象者の身体の機能等、他の利益を侵害した場合には、懲戒行為の違法性は阻却されません。
子供に対する暴行が「しつけ」であると主張するケースは多くありますが、この「しつけ」が懲戒権の適切な行使に当たるかどうかといった線引きが問題となります。
問題の懲戒行為の内容や対象の子供の年齢等により異なりますが、当該行為が子供の監護・教育に必要であったのかどうか、その行為は懲戒権の行使として適当であったか、度を越していなかったかどうかが判断基準となります。

例えば、子供に対するしつけの一環として暴力を振るった事件において、父親が子供(3歳)を叱った際に子供が反抗的な態度をとったことに激昂し、子供に対して、顔面を鉄拳や平手で数回殴打した上、腹部を数回足蹴りするなどの暴行を加えた事案で、「その体罰は、およそしつけとは無縁の感情に任せたものであり、思慮を欠くこと甚だしく、同情する点はない。」などとして、しつけのための懲戒であるとする主張を認めなかったもの(横浜地裁判決平成14・1・24)、また、盗むをはたらく9歳児へのしつけとして、当該児童の両手をしばりあげ、押入に10数時間監禁した事件において、判決は、「親権者たる実父が子の性行、悪癖を矯正する目的で、制縛、監禁等の方法を用いてその子の自由をある程度拘束することは、法が親権者の懲戒権を認めた趣旨に鑑み許されるべきものであろうが、その懲戒の方法、程度は、その親子の社会的地位、境遇、子の年令、体格、性質並びに非行の種類、態様及び性質等により個々の場合の具体的事情に基き一般社会人において妥当適切と首肯できるものでなければならない」とし、子供の非行行為の内容や年令・体格と父親が行った懲戒行為の程度とを比較検討し、到底一般社会人の首肯できる妥当な懲戒行為とは認められないとして、逮捕監禁罪の成立を認めています。(東京高裁判決昭和35・2・13)

このように、しつけの必要性や相当性を判断し、当該しつけが懲戒権の妥当な行使であったか否かが判断されることになります。

しかし、この懲戒権について、児童虐待問題が相次ぐ昨今、懲戒権が親から子への虐待を正当化する口実として利用されているとの指摘もあり、懲戒権の見直しが検討されています。

しつけは子供のために必要ではありますが、度を超すようなしつけ、少なくとも子供に大きな怪我を負わせるようなしつけは、適切な行為とは認められることは難しいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件でお困りの方は、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

児童虐待で逮捕

2019-09-22

児童虐待で逮捕

児童虐待逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神崎郡市川町に住むAさんは、娘のVちゃん(3歳)と交際相手のBさんと暮らしていました。
ある日、Vちゃんの様子がおかしいことに気が付いたAさんは、慌てて救急車を呼びましたが、搬送先の病院で死亡が確認されました。
Vちゃんの身体に複数のあざがあることを不審に思った病院は、兵庫県福崎警察署虐待されていた可能性があると通報しました。
AさんとBさんは兵庫県福崎警察署で事情を聞かれていますが、AさんはBさんがしつけで何度かVちゃんに手を挙げていたことがあると供述しています。
Aさんは、Bさんが刑事責任を問われるのか、また自分も何らかの罪に問われるのか心配しています。
(フィクションです)

残念ながら、児童虐待により幼い子供が亡くなるという悲惨な事件が後を絶ちません。
虐待していた大人の多くが、「しつけのつもりだった。」と供述しているようですが、子供に大けがを負わせたり死亡させてしまうようなものは「しつけ」とは言えないでしょう。

児童虐待の防止等に関する法律は、「児童虐待」を、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するもの)がその監護する児童(18歳に満たない者)に対し、次に掲げる行為をすることと定義しています。(同法第2条)

①身体的虐待
児童の身体に外傷を生じ、又は生じさせるおそれのある暴行を加えること。
②性的虐待
児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
③ネグレクト
児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による①、②、④の行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
④心理的虐待
児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

このように、児童虐待の防止等に関する法律は、「児童虐待」を定義し、児童虐待を禁止しています。(同法第3条)
しかし、本法は、児童虐待行為に対しては罰則を設けていません。

児童虐待の防止等に関する法律に定義される「児童虐待」に当たる行為を行った場合、虐待内容により以下のような犯罪に当たる可能性があります。

①身体的虐待
殴る蹴るといった身体的虐待を行った場合の多くは、暴行罪や傷害罪が適用されます。
暴行を加えた結果、児童が死亡した場合には、傷害致死罪、そして殺意があったと認められれば殺人罪が成立する可能性もあります。

②性的虐待
児童に対してわいせつな行為をしたり、裸の写真を撮るなどの行為により、監護者性交等罪や監護者わいせつ罪、児童買春・児童ポルノ法違反が成立する可能性があります。
監護者性交等罪および監護者わいせつ罪は、平成29年7月13日から施行された刑法の一部改正により新設されたものです。
18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者による影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者や性交等をした者は、暴行や脅迫を用いない場合であっても、強制わいせつ罪や強制性交等罪と同様に処罰されます。
「現に監護する者」とは、実際に児童の生活全般にわたって衣食住などの経済的な観点、生活上の指導監督などの精神的な観点から依存、被依存ないし保護・被保護の関係が認められ、かつ、その関係性に継続性が認められることが必要となります。
実親や養親は「現に監護する者」に該当し得るのですが、教師やコーチなどは生活全般にわたった関係性がないので「現に監護する者」には当たらないと考えられています。

③ネグレクト
保護責任者遺棄罪、その結果死亡させてしまうと保護責任者遺棄致死罪が成立するでしょう。

④心理的虐待
身体的虐待でなくとも、暴言を児童に吐き捨てたりすることにより、精神的に障害を負った場合には傷害罪が成立することになります。

上記ケースでは、BさんがVちゃんに対して、しつけと称して暴力を振るっていたとAさんが証言していますので、BさんはVちゃんに対する暴行罪や傷害罪、Vちゃんの死因とBさんの暴行の因果関係が立証できれば傷害致死罪や殺人罪に問われる可能性があります。
一方、Aさんはというと、Aさん自身がVちゃんに暴力を振るうことはなかったとしても、BさんがVちゃんに暴力を振るっていたことを知っておきながら何もしなかった場合には、共同正犯もしくは幇助犯として暴行罪や傷害罪、傷害致死罪などに問われる可能性があるのです。
どのような罪に問われ得るのかは、事案によって異なりますので、児童虐待を疑われているのであれば、刑事事件に詳しい弁護士に今すぐご相談ください。

刑事事件でお困りの方は、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

動物虐待で起訴

2019-09-05

動物虐待で起訴

動物虐待事件での起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県相生市に住むAさんは、市内の路上にいた飼い猫1匹を連れ去り、自宅で虐待死させたとして、兵庫県相生警察署に器物損壊と動物愛護法違反の容疑で逮捕されました。
その後、Aさんは神戸地方検察庁姫路支部に同罪で起訴されました。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

動物虐待で成立し得る犯罪とは?

上記ケースのように、動物に対して虐待を行った場合には、どのような犯罪が成立するのでしょうか。
人間に対して行った場合には、虐待の内容にもよりますが、暴行罪や傷害罪、保護責任者遺棄罪など、また、相手方が死亡してしまったのであれば、傷害致死罪や殺人罪、保護責任者遺棄致死罪が成立する可能性があります。
それでは、「動物」に対して行った場合も同様の罪が成立し得るのでしょうか。

実は、これらの罪は、客体が「人」に限定されているため、虐待の対象が「動物」である場合には成立しないのです。
しかし、以下の罪が成立する可能性がありますので、それらについてみていきましょう。

器物損壊罪

刑法第261条(器物損壊等)
 前3条[公用文書等毀棄、私用文書等毀棄、建造物等損壊及び同致死傷]に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料の処する。

器物損壊罪の客体は、「前3条に規定した以外の他人の物」です。
これには、動産・不動産だけでなく、ペットなどの動物も含まれます。
器物損壊罪の行為は、「損壊」または「傷害」することです。
「損壊」というのは、物理的に壊す行為に限定されず、広く物本来の効用を失わしめる行為を含みます。
過去の裁判例では、他人の飲食器に放尿する行為(大判明42・4・16)、荷物から荷札をとりはずす行為(最判昭32・4・4)、公選法違反のポスターにシールを貼る行為(最決昭55・2・29)などが「損壊」に該当するとしています。
また、「傷害」は、客体が動物の場合に用いられます。
動物を物理的に殺傷する以外に、本来の効用を失わせる行為を含みます。
例えば、鳥かごを開けて他人の飼っていた鳥を逃がす行為や、池に飼育されている他人の鯉をいけすの柵を外して流出させる行為などです。

動物愛護条例違反

動物愛護法は、「動物の愛護及び管理に関する法律」の略称です。
動物愛護法では、愛護動物の保護として、虐待や不十分な保護について罰則を規定しています。
ここで言う「愛護動物」とは、飼育されている哺乳類・鳥類・爬虫類、そして野生の指定11動物です。(動物愛護法第44条4項)
・みだりに殺す、傷つける行為をした場合には、2年以下の懲役または200万円以下の罰金、
・給餌・給水しない、酷使する、健康・安全環境の悪い状態で拘束・衰弱させる、飼育中に疾病・負傷した場合に適切な保護をしない、遺棄した場合には、100万円以下の罰金が科される可能性があります。

このように、飼い猫を虐待の末殺してしまったAさんは、器物損壊罪及び動物愛護条例違反の罪で起訴されてしまったというわけです。

起訴されると

Aさんは神戸地方検察庁に起訴されてしましましたが、「起訴」されるとどうなるのでしょうか。
起訴」というのは、「公訴の提起」のことで、裁判所に対して審判を求める意思表示のことをいいます。
公訴の提起は、検察官が裁判所に対して起訴状を提出することによって行われます。
公訴の提起には、正式裁判の手続と簡易裁判の手続(略式手続、即決裁判手続)とがあります。
検察官が裁判所に対して正式裁判を求めることを「公判請求」といい、検察官が公判請求せずに略式手続による裁判を請求することを「略式請求(起訴)」といいます。
公判請求されると、公判手続に移行し、公開法廷での裁判が行われます。
事実を争う場合には無罪判決を、事実を認める場合には執行猶予判決の獲得に向けて入念に公判準備をする必要があります。

一方、略式請求となれば、簡易裁判所が、原則として、検察官の提出した資料のみに基づいて、公判を開かずに、略式命令により罰金又は科料を科す手続に移行します。
公判が開かれませんので、公判の準備に時間をさく必要もなく、公開法廷に出席することもないという点で被疑者・被告人にとってメリットがあると言えるでしょう。
また、身柄が拘束されている場合には、解放されるので、被疑者・被告人の早期社会復帰を実現させることもできます。
ただ、略式手続では、被疑者・被告人が自身の主張をする機会はなく、事実を認めていることを前提に有罪判決を下されることに留意が必要です。
略式手続であっても有罪判決が言い渡されることに変わりはありませんので、前科が付くことになります。
略式請求する際には、検察官が被疑者にそれで良いか必ず聞かれますので、どうすればよいか分からない時は、弁護士に相談するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
あなたやあなたの家族が刑事事件の被疑者・被告人となってしまいお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。

職務強要事件で逮捕

2019-08-30

職務強要事件で逮捕

職務強要罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加西警察署は、兵庫県加西市に住むAさんを職務強要の容疑で逮捕しました。
Aさんは、同市にある処理施設で、焼却炉の検査に来た県保健所の職員に対して、県の許可が必要ない小型焼却炉として認めさせようと、「これで通せ。殺してやる。」などと脅迫し、職務を強要した疑いがあるとのことです。
Aさんは容疑を否認しています。
(読売新聞オンライン2019年8月7日掲載記事を基にしたフィクションです)

職務強要罪について

職務強要罪は、刑法第95条第2項に規定されています。

第九十五条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。

本条の第1項には、ニュースでもよく聞く「公務執行妨害罪」が規定されています。
職務強要罪は、公務執行妨害罪と同じく、公務の円滑な遂行をその保護法益(法律によって保護される利益)とするものです。

職務強要罪は、公務員の将来の職務執行に向けられる点で、職務の現実の執行に向けられる公務執行妨害罪とは異なります。

職務強要罪の構成要件は、
①公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、
②暴行又は脅迫を加えたこと
となります。

①「公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために」
職務強要罪の客体である「公務員」とは、「国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員」をいいます。
強要の対象となる処分は、当該公務員の職務に関係のある処分であればよく、職務権限外の処分でもよいとされています。(最判昭28・1・22)
また、職務強要罪の成立には、結果として目的(ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるという目的)が達成されたことは必要ありません。

②「暴行又は脅迫を加えた」
「暴行」とは、人に対する不法な有形力の行使をいい、「脅迫」は、恐怖心を起こさせる目的で他人に害悪の告知をすることをいいます。

職務強要罪と似た犯罪として、「強要罪」があります。

強要罪は、刑法223条に規定されています。

第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。

このように、強要罪は、暴行・脅迫により、人に義務のないことを行わせる等する犯罪です。
職務強要罪と異なるのは、強要罪は結果として被害者において義務のないことを行われたことが必要である点です。
強要罪は未遂犯も処罰されますが、職務強要罪は、例え結果として目的を達成できなかったとしても未遂犯ではなく既遂犯として成立します。
所定の目的で暴行・脅迫を加えた時点で既遂となりますので、上記ケースにおいて、Aさんは保健所の職員に対して、小型焼却炉として自己若しくは会社所有の焼却炉を許可するよう脅迫を用いて強要していますので、既遂となり職務強要罪が成立するものと考えられるでしょう。

兵庫県の刑事事件でお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお気軽にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

処分保留で釈放

2019-08-23

処分保留で釈放

処分保留での釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県川西市の自宅で、当時3歳の長男を暴行し死亡させたとして、傷害致死の容疑で母親のAさんと父親のBさんは兵庫県川西警察署に逮捕されました。
二人は、逮捕後、勾留となりましたが、Aさんは勾留10日満期に、処分保留釈放となりました。
Aさんは、今後どのような流れになるのか、どのような処分となるのか心配しています。
(フィクションです)

処分保留で釈放とは?

ニュースなどで、「容疑者が処分保留釈放となりました。」というような報道を聞かれたことはありませんか?
処分保留釈放」と聞くと、「何も処罰されないの?」、「無実だったってこと?」と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、「処分保留釈放」について取り上げたいと思います。

保留される「処分」って?

被害届や職務質問、自首などを端緒に事件が捜査機関に認知されると、捜査機関は捜査を開始します。
捜査機関は、犯人であるものを特定し、必要があればその身柄を確保するとともに、証拠を収集・保全します。
すべての事件が、原則として、検察官のもとに集められます。
これらの事件を処理するのは、検察官です。
検察官による終局的な処分には、「起訴処分」、「不起訴処分」、そして「家庭裁判所送致」があります。
「起訴処分」というのは、捜査の結果、起訴が相当であると判断し、検察官が公訴を提起することです。
公訴の提起には、①公判請求、②即決裁判手続の申立、③略式命令の請求、④交通事件即決裁判の請求の4種類があります。
①の公判請求により、ドラマなどでよく見る法廷での審理が行われるわけですが、検察官が起訴した総人員の内、ほとんどが③の略式命令の請求であり、公判請求は割合的にはそれほど多くありません。
次に、「不起訴処分」というのは、検察官が公訴を提起しないとする処分のことをいいます。
犯罪とならない場合、疑わしいがそれを立証するだけの十分な証拠がない場合、証拠はそろっているが様々な事情を考慮して起訴を見送る場合など、様々な理由があります。
最後に「家庭裁判所送致」ですが、少年事件の場合、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されますので、検察官が捜査を終了すれば、事件を家庭裁判所に送致します。

このような処分をせずにおくことを「処分保留」といい、これは「起訴しない」ことを意味するものではなく、「起訴するかどうかを未だ決めていない」というまでなのです。

処分保留で釈放となるのはなぜ?

検察官が終局的な処分を決めないまま釈放する理由とは、なんでしょうか。
その理由のひとつは、逮捕した事件の捜査・処分が終わっていない場合です。
逮捕された場合、逮捕に引き続く身体拘束の期間は法律で定められています。
検察官が勾留請求をした日から原則10日で、延長が認められれば最大で20日です。
この期間内に、証拠を収集し、事件処理を行わなければなりません。
しかし、この期間をもってしても処分を決定することができない場合には、処分保留釈放とするのです。
この場合、被疑者を釈放した後も捜査を継続し、処分を決めるのに十分な証拠を集めます。

このように、「処分保留釈放」となったからといって、事件が終了したというわけではありません。
「まだ起訴するかどうか決まっていない」という状態であり、「起訴される可能性はある」のです。
刑事事件の被疑者として逮捕・勾留されたが、「処分保留釈放」となり、今後の流れや対応についてお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弊所では、無料法律相談初回接見サービスのご予約を24時間専門ダイアルで受け付けております。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

被害者との示談交渉は弁護士に!

2019-08-14

被害者との示談交渉は弁護士に!

被害者との示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県尼崎市の居酒屋で会社の同僚と飲んでいたAさん。
店を出て帰路につく途中、すれ違いざまに見知らぬ男性Vさんと肩がぶつかってしまいました。
するとVさんから「どこ見とんねん!」と暴言を吐かれたことにカッとなり、Aさんが「お前からぶつかってきといて、なんやねん!」と言い返し、口論に発展しました。
その最中、AさんはVさんの顔面を殴ってしまいました。
通行人が警察に通報し、兵庫県尼崎南警察署の警察官が現場に駆け付けました。
その後、署で事情を聴くことなり、警察からは、弁護士にVさんとの示談をしてもらったらどうかと言われています。
(フィクションです)

警察庁の統計によると、平成29年における刑法犯の検挙人員の罪名別構成比は、以下の順となっています。

1.窃盗(全体の50.8%)
2.暴行(12.0%)
3.傷害(9.8%)
4.横領・遺失物等横領(8.3%)
5.詐欺(4.6%)

全体の半分を窃盗が占めていますが、暴行や傷害といった暴力事件も刑法犯の中で多いと言えるでしょう。
上の犯罪には、被害者がいます。
このように被害者がいる事件における重要な弁護活動の一つが、被害者との示談交渉です。

示談について

示談というのは、加害者が被害者に対して相応の弁償金を支払う一方、被害者は被害届や告訴状の提出を行わない、若しくは、それらを取り下げるなど、当事者間では今回の事件は解決したと約束することをいいます。
被害者のいる事件では、事件の早期解決を図る方法として用いられます。

示談を成立させ、被害届や告訴の提出回避や取下げとなれば、被害者の告訴が公訴を提起するためには必要となる親告罪の場合はもちろんのこと、示談成立の有無は検察官が起訴・不起訴を決める際にも考慮される要素となりますので、示談成立により刑事事件を早期に解決する可能性を高めることができるのです。

しかし、示談の締結は1回限りの行為ですので、加害者本人が直接被害者と行うことには注意が必要です。

まず、加害者が被害者に対して示談をしたいと思っても、被害者と連絡をとることは容易ではありません。
特に、被害者とは全く面識のない場合、警察や検察を通じて被害者の連絡先を教えてもらわなければなりませんが、捜査機関は被害者の連絡先を加害者に直接教えることはあまりありません。
また、被害者は、加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いていることが多く、加害者と直接連絡をとることを望まないケースも多々あります。
まれに、被害者側が加害者と連絡をとることを希望する場合もありますが、当人同士の話し合いは感情的になる傾向がありますし、被害者が一方的に高額な示談金を請求するといったケースもあります。

ですので、被害者との示談交渉には、弁護士を介して行うことが通常です。
弁護士は、示談交渉を数多く経験しているため、交渉のノウハウを持っています。

暴力事件では、被害者が負った怪我について、通院費や治療費などの損害実費を弁償し、精神的損害についても慰謝料を支払うことで示談が成立するケースが多いです。
その示談金の額は、被害者が負った怪我の程度によって異なります。

示談交渉に優れた弁護士に依頼し、適切な法的サポートを受け、加害者と被害者がお互いに納得できるような示談をしましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
所属弁護士は、これまで数多くの刑事事件を取り扱ってきており、被害者との示談交渉にも豊富な経験があります。
あなたが、刑事事件を起こしてしまい、被害者への被害弁償・示談をお考えなら、弊所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

刑事事件で不起訴処分

2019-08-06

刑事事件で不起訴処分

刑事事件での不起訴処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県赤穂市のコンビニで面識のない女性に平手打ちをしたとして、店員の通報を受けて駆け付けた兵庫県赤穂警察署の警察官に、会社員のAさんは暴行容疑で現行犯逮捕されました。
Aさんは、事件当時相当酒に酔っており、コンビニに寄って買い物をしている最中、店内にいた被害女性に声をかけたところ、反応が冷たかったので手を出したようです。
Aさんは、事件当時の記憶が曖昧ですが、店内の防犯カメラの様子からも自分が被害者に手を出したことが明らかで、酔いが冷めてからは猛省しており、被害者への謝罪と被害弁償を希望しています。
Aさんの父親が身元引受人となり、Aさんは逮捕翌日の夜に釈放となりました。
Aさんは、被害者との示談交渉や今後どのような流れになるのかについて刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

不起訴処分について

被疑者を起訴するか否かの判断は、検察官が行います。
検察官は、捜査を遂げた上で、証拠に基づき犯罪が成立するか、処罰の必要があるか否かを考慮し、事件を起訴するか不起訴にするかを決めます。
起訴しないとする処分を「不起訴処分」といいます。
この不起訴処分には、いくつか種類がありますが、主なものは次の通りです。

(1)罪とならず
犯罪が成立しない場合です。

(2)嫌疑なし
犯罪を認定する証拠がない場合や人違いのケースです。

(3)嫌疑不十分
立証するだけの十分な証拠がない場合には「嫌疑不十分」として不起訴となります。

(4)親告罪の告訴取り下げ
被害者の告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪の場合、被害者が刑事告訴をしたものの、その後告訴を取り下げがあると、検察官は被疑者を起訴することは出来ませんので、不起訴処分とします。

(5)起訴猶予
被疑者が罪を犯したことが事実であり、それを立証する十分な証拠もあるが、被疑者の年齢・境遇・正確、犯罪の内容や軽重、犯罪後の状況、社会に戻した際の更生可能性等を考慮し、検察官が裁量によって起訴を見送るものです。

不起訴処分となれば、起訴されませんので、有罪判決が言い渡されることもありません。
つまり、不起訴処分により「前科」が付くことはありません。
前科が付くと、一定の職業に就くことや資格をとることが出来なくなりますので、前科が付くことは回避したほうが良いでしょう。
ただし、刑事事件の被疑者として捜査対象となった記録(前歴)は残りますので、再犯の場合には初犯とはみなされません。

不起訴処分となるには

被害者がいる事件では、被害者との示談が成立しているか否かといった点が、不起訴処分を獲得する上では非常に重要です。
親告罪では、被害者との示談を成立させ、告訴を提起しない若しくは告訴を取り下げてもらうことで、検察官は不起訴処分としますし、親告罪でない場合でも、被害者との示談の有無は検察官が起訴・不起訴を判断する上で重量な考慮要素となります。
ですので、刑事事件を起こしてしまったら、早期に被害者との示談交渉を開始する必要があるのです。
しかし、被害者との示談交渉を加害者やその家族が直接行うことはお勧めできません。
一般的に、被害者は加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いていることが多く、加害者に連絡先を教えることはあまり多くありませんし、仮に連絡先を教えたとしても、当事者同士の交渉は感情的になりやすく交渉が難航する傾向にあります。
被害者との示談交渉は、弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士限りであれば連絡先を教えてもよいと回答する被害者も多く、被害者の連絡先を教えてもらえる可能性があります。
また、弁護士を介することで、冷静な話し合いができ、示談を円滑に成立させることも期待できるでしょう。

示談交渉を弁護士に依頼することで、このようなメリットがあります。

刑事事件を起こし、被害者対応にお悩みであれば、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
これまで数多くの示談交渉を行ってきた刑事事件専門弁護士が無料で法律相談を行います。
無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

« Older Entries