Archive for the ‘刑事事件’ Category
メッセージの連続送信でストーカー規制法違反に
メッセージの連続送信でストーカー規制法違反に
メッセージの連続送信でストーカー規制法違反に問われてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~事例~
会社員のAさんは、神戸市中央区に住むVさんと交際していましたが、すれ違いにより別れることになりました。
しかし、AさんはVさんへの思いを捨てきれず、Vさんに対してつきまとったり連続して連絡を入れたりしていました。
こうしたことからVさんが兵庫県生田警察署に相談し、Aさんはストーカー規制法に基づいてVさんへの接触禁止命令を受けました。
それでもAさんは「何かあったら連絡してほしい」「幸せになってほしい」といったメッセージをSNSを通じてVさんに送り続けました。
Vさんは、もうやめてほしいとAさんに伝えたものの、Aさんからのメッセージの送信は止むことなく続き、1か月の間に80件のメッセージが一方的にVさんに送られることとなりました。
VさんはAさんに対して恐怖を抱き、最寄りの兵庫県生田警察署に相談。
Aさんは、兵庫県生田警察署にストーカー規制法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和4年2月21日神戸新聞NEXT配信記事を基にしたフィクションです。)
・ストーカー規制法とメッセージの送信
「ストーカーをすることは犯罪である」という認識は世間一般に知られていると思いますが、実際にどういった法律によってストーカー行為が規制されており、どういった行為がその法律に違反するストーカー行為となるのかまで知っているという方は多くないかもしれません。
今回のAさんの逮捕容疑である、いわゆるストーカー規制法(正式名称「ストーカー行為等の規制等に関する法律」)では、ストーカー行為について以下のように定義されています。
ストーカー規制法第2条
第1項 この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
第5号 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、文書を送付し、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
第2項 前項第5号の「電子メールの送信等」とは、次の各号のいずれかに掲げる行為(電話をかけること及びファクシミリ装置を用いて送信することを除く。)をいう。
第1号 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第1号に規定する電気通信をいう。次号において同じ。)の送信を行うこと。
第2号 前号に掲げるもののほか、特定の個人がその入力する情報を電気通信を利用して第三者に閲覧させることに付随して、その第三者が当該個人に対し情報を伝達することができる機能が提供されるものの当該機能を利用する行為をすること。
ストーカー規制法第2条第4項
この法律において「ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等(第1項第1号から第4号まで及び第5号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)又は位置情報無承諾取得等を反復してすることをいう。
つまり、ストーカー規制法では、「つきまとい等」が同じ人に対して繰り返されることで「ストーカー行為」となる構図になっています。
「つきまとい等」の中には、「拒まれたにも関わらず、連続して、(中略)電子メールの送信等をすること」も含まれており、その「電子メールの送信等」の中には、SNSのメッセージ送信も含まれます(ストーカー規制法第2条第2項第2号)。
ですから、SNSを通じてメッセージを連続送信することも、同一の人に対して繰り返せばストーカー規制法の「ストーカー行為」に当たり得るということになります。
ストーカーという言葉からは、物理的に相手の後をついて行くなどの行為が思い浮かびやすいですが、インターネット・SNSを通じたメッセージの送信でもストーカー行為となることに注意が必要です。
こうしたストーカー行為をした場合、ストーカー規制法の以下の条文によって罰せられます。
ストーカー規制法第18条
ストーカー行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
・ストーカー規制法と接触禁止命令
今回の事例のAさんは、Vさんへのメッセージの連続送信をする前から、ストーカー規制法によるVさんへの接触禁止命令を受けていたようです。
ストーカー規制法では、「つきまとい等」をした者について、以下のように禁止命令等を出すことができるとしています。
ストーカー規制法第5条
都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)は、第3条の規定に違反する行為があった場合において、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときは、その相手方の申出により、又は職権で、当該行為をした者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を命ずることができる。
第1号 更に反復して当該行為をしてはならないこと。
第2号 更に反復して当該行為が行われることを防止するために必要な事項
(※注:「第3条の規定」とは、ストーカー規制法第3条の「何人も、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならない。」という規定を指します。)
禁止命令では、その「つきまとい等」をしないように命令するということ(第1号)以外にも、「つきまとい等」が行われないようにするためのこと(第2号)も命令できます。
例えば、「つきまとい等」をしていた相手方に近づいたり連絡を取ったりすることを禁止する接触禁止命令などが出されることが考えられます。
今回の事例のAさんは、以前行っていたVさんへの「つきまとい等」についてこのストーカー規制法に基づく接触禁止命令を受けていましたが、その後その接触禁止命令に反する形でメッセージの連続送信を繰り返し、「ストーカー行為」をしているという経緯です。
Aさんはストーカー規制法の禁止命令に違反してストーカー行為をしたということになりますが、こうした場合には、先ほど掲載した、単にストーカー行為を禁止する条文ではなく、以下の条文で罰せられることになると考えられます。
ストーカー規制法第19条
第1項 禁止命令等(第5条第1項第1号に係るものに限る。以下同じ。)に違反してストーカー行為をした者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
第2項 前項に規定するもののほか、禁止命令等に違反してつきまとい等又は位置情報無承諾取得等をすることにより、ストーカー行為をした者も、同項と同様とする。
すでに禁止命令を受けているにもかかわらずその命令に違反してストーカー行為をしたという事情は、単にストーカー行為をするよりもより悪質であると考えられるため、刑罰も重く設定されています。
今回の事例のAさんは、こちらの条文に当てはまると考えられます。
なお、たとえストーカー行為やつきまとい行為等をしていなかったとしても、禁止命令に違反しただけでもストーカー規制法違反となります。
ストーカー規制法第第20条
前条に規定するもののほか、禁止命令等に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
SNSやインターネット環境が普及している現在、そういったものを通じてのストーカー規制法違反事件は身近な刑事事件の1つです。
被害者に対して繰り返し接触するというストーカー規制法違反事件の特性上、今回の事例のAさんのように、逮捕によって身体拘束される可能性も高いため、ストーカー規制法違反事件の被疑者となってしまったら、早期に弁護士に相談し、サポートしてもらうことが重要と言えるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、ストーカー規制法違反事件などの刑事事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
神戸市兵庫区の爆発事件 重過失激発物破裂罪で逮捕
神戸市兵庫区の爆発事件で、男が重過失激発物破裂罪の容疑で警察に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
神戸市兵庫区の爆発事件
爆発事件が起こったのは昨年年末となる、令和3年2月26日です。
場所は神戸市兵庫区にあるパチンコ店の駐車場で、この駐車場に駐車されていた自動車が突然爆発し、車内にいた男性が顔や手に火傷を負って病院に搬送されたとのことです。
他にも駐車場のガラスが割れる被害があったものの、男性の他に怪我人はいなかったようです。
(令和3年12月26日配信のサンテレビニュースより抜粋)
重過失激発物破裂罪の容疑で男性が逮捕
神戸市兵庫区の爆発事件で、事件当時火傷を負って病院に搬送されていた男性が、重過失激発物破裂罪の容疑で警察に逮捕されました。
警察の発表によりますと、逮捕された男性は、吸引する目的で所持していたカセットボンベのガスが充満している車内で、タバコを付けようとした火が引火して爆発したとのことです。
1月12日に逮捕された男性は、警察の取調べに対して「間違いない。」と容疑を認めているとのことです。
(令和4年1月12日配信のサンテレビニュースより抜粋)
重過失激発物破裂罪とは
重過失激発物破裂罪について説明する前に、激発物破裂罪について説明します。
激発物破裂罪とは刑法に定められている法律で、その内容は「火薬・ボイラーなどの激発すべき物を破裂させる」ことによって成立する犯罪で、今回の事件で爆発した、カセットボンベ(のガス)は、激発物破裂罪でいうところの「激発すべき物」に該当します。
ただ今回の爆発は、逮捕された男性が故意的に起こしたのではなく、男性の不注意による過失によって起こっており、その過失が重大、刑法第117条の2の重過失激発物破裂罪が適用されています。
重過失激発物破裂罪の法定刑は「3年以下の禁固または150万円以下の罰金」が規定されています。
重過失激発物破裂罪で逮捕されるとどうなるの?~留置場生活について~
警察に逮捕されると、釈放されるまで留置場の中で生活しなければなりません。
留置場の中での生活は様々なルールが存在しますが、刑が確定している受刑者ではないので、全ての自由が制限されているわけではありません。
一日三食の食事はきちんと出ますし、毎日というわけではありませんが、お風呂に入ることもできます。
また意外なのは、出される食事に満足できない場合は、自費で弁当類やカップラーメン等を購入したり、菓子やジュース類を購入することもできますし、差し入れられた漫画本や雑誌を読むこともできます。
留置場に収容された経験のある方に話を聞いたところ「取調べ等の捜査を受ける時以外は基本的に留置場の房内で過ごすことになるので、時間を持て余してしまいます。同じ房に気の合う人がいれば雑談をして時間を潰せるのですが、一人だと退屈で、取調べや面会で房の外に出られるのが待ち遠しくなるくらいです。」との事です。
ちなみに逮捕されても病院の診察を受けたり、薬を処方してもらうことは可能ですが、その費用は、公費で支払われることもあれば、私費で実費負担する場合もあります。
また事前に申し込んでおけば散髪してもらうこともできます。
逮捕されてからの刑事手続きの流れについては
をご覧ください。
過去の重過失激発物破裂事件を参考にした弁護士の見解
重過失激発物破裂罪は、非常に珍しい罪名ですが、私の記憶に残っている事件が一件だけあります。
新聞等で報道されていた内容を思い出してみると、確か今から4~5年前の事件だったはずです。
大手不動産仲介業者の店長が、大量のスプレー缶を噴出させた室内で、給湯器を使用して、室内に充満していたガスに引火して爆発を起こしたという爆発事件です。
今回の事件とは異なり、複数の負傷者が出たのですが幸いにも亡くなった方はいませんでした。
この爆発事件で、重過失傷害罪と重過失激発物破裂罪で起訴された店長は、第一審で、禁錮3年、執行猶予4年の判決を言い渡されたはずです。
当時報道されていた事件現場のニュース映像では建物が倒壊するなどしており、複数の負傷者がいたので、爆発の規模は今回の神戸市兵庫区の爆発事件とは異なりますが、ガスボンベのガスを吸引しているという点で、情状面では今回の事件の方が悪質性が高いと評価されるでしょう。
ですので略式起訴による罰金刑ではなく、正式に起訴される可能性は十分に考えられると思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、あらゆる刑事事件の弁護活動に精通した法律事務所です。
刑事事件に関するご相談や、警察に逮捕されてしまった方への弁護士接見をご希望の方は
フリーダイヤル 0120-631-881(24時間受付中)
までお気軽にお問い合わせください。
お正月休暇中に逮捕されたら…休暇中も即日対応できる弁護士
お正月休暇中にご家族等が警察に逮捕された場合の対処方法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部がご案内します。
お正月休暇中の営業について
まず、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の、年末年始のお正月休暇中の営業についてご案内します。
令和3年の年末が近付いてまいりましたが、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、今年の年末から来年にかけてのお正月休暇中も休まず営業しています。
「お正月休暇中にご家族が警察に逮捕されてしまった!!」「急に警察署に呼び出されてしまった!!」「年始早々に検察庁に出頭しなければいけない!!」といった方は、お正月休暇中も休まず営業している弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
お正月休暇中に家族が逮捕されてしまったら…
それではお正月に逮捕されてしまったという事件をご紹介します。
事件その1
神戸市に住む会社員のAさんには、来春に就職する大学4年生の息子がいます。
大晦日、息子は高校時代の同級生数名と神戸市内の歓楽街にお酒を飲みに行っていたのですが、深夜になっても帰宅しなかったことから、心配になったAさんは、息子の携帯電話に電話しました。
すると警察官が電話口に出て「息子さんを傷害の容疑で逮捕しています。」と言われました。
(フィクションです)
事件その2
Bさんはこれまで何度か盗撮をした経験があり、お正月も、人ごみを狙って盗撮しようと思い、初詣客で賑わっている神社に行きました。
Aさんは、手提げかばんの中に、盗撮用の小型カメラを忍ばせて女性のスカート内を盗撮していたところ、警備員に声をかけられて盗撮していたことがバレてしまいました。
(フィクションです)
逮捕された場合の対処
事件その1の場合
まずはご家族等が警察に逮捕された場合の対処ですが、逮捕されてしまった方は、逮捕されると同時に携帯電話等の持ち物を警察に押収されるので、ご自身で弁護士を探すことはできません。
もし逮捕された方に知り合いの弁護士がいる場合は、その弁護士の名前や所属する事務所名を伝えれば警察から弁護士事務所に連絡してもらうことができますが、そういった弁護士がいない場合は、ご家族等、逮捕の知らせを受けた方が弁護士を探し、その弁護士を逮捕されてしまった方のもとに派遣することしかできません。(当番弁護士制度については後に記載)
ですからAさんのように、ご家族の逮捕を知った方は、早急にお正月休暇中も営業している弁護士事務所に電話して弁護士を派遣することをお勧めします。
事件その2の場合
続いてBさんのように、ご自身が事件を起こして警察に逮捕されそうな方は、そういう状況に陥ってから弁護士を探すのは不可能に近いので、逮捕されて携帯電話が押収されるまでに、ご家族等信頼できる方に電話して弁護士の派遣を依頼すべきでしょう。
ただすでに携帯電話が押収されたりして電話することができなかった場合は、警察官に当番弁護士を呼んでもらうことができます。
当番弁護士を呼ぶのに費用はかからず、接見に来た当番弁護士からご家族等に連絡をしてもらうことができます。
ちなみに当番弁護士とは、逮捕後に要請すれば一度だけ接見に来てくれる弁護士のことで、注意しなければいけないのは、当番弁護士はあらためて弁護活動の委任契約を締結するか、勾留後に国選弁護人実質的な弁護活動は行ってもらえません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は即日対応
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、お正月休暇中も即日対応いたします。
お正月休暇中にご家族が逮捕されてしまった方は、まずは
フリーダイヤル 0120-631-881(24時間受付)
までお電話ください。
なお、お正月休暇中はフリーダイヤルがつながりにくくなっている場合もございますが、番号を通知してお電話いただいた方には、後ほど担当者から折り返しますのでご安心ください。
詐欺事件で警察に逮捕されたら
詐欺事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~事例~
婚活サイトで知り合った女性から現金を騙し取ったとして、兵庫県たつの警察署は、Aさんを詐欺の容疑で逮捕しました。
Aさんは、調べに対して、「相手を騙してはいない。返すつもりだった。」と容疑を否認しています。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、どう対応してよいか分からず、ネットで調べた刑事事件専門の弁護士に相談の電話をかけました。
(フィクションです。)
詐欺罪について
詐欺罪は、
①人を欺いて財物を交付させた
あるいは、
②人を欺いて財産上不法な利益を得、または他人にこれを得させた
場合に成立する罪です。
◇犯行の対象◇
詐欺罪における犯行の対象は、
①他人の占有する財物、
または、
②財産上の利益
です。
①他人の占有する財物
「他人の占有する財物」は、窃盗罪と同じく、他人が事実上支配し管理する状態にある財物のことです。
②財産上の利益
「財産上の利益」とは、強盗罪と同様に、財産以外の全ての財産上の利益のことを意味し、債務の免除、履行期の延期、債務負担の約束、財産的価値のあるサービスの提供などがこれに当たります。
条文上「財産上不法な利益」と規定してありますが、「不法な」利益を得るという意味ではなく、「不法に」財産上の利益を得るという意味です。
◇行為◇
詐欺罪の行為は、
①人を欺いて財物を交付させること、
または、
②人を欺いて財産上不法の利益を得ること、
です。
①人を欺いて財物を交付させる
「人を欺いて財物を交付させ」たと言えるためには、(a)欺く行為をして(欺罔)、(b)それに基づき相手方が錯誤に陥り(錯誤)、(c)その錯誤によって相手方が処分行為をし(財産的処分行為)、(d)それによって財物の占有が移転し(財物の交付)、(e)財産的損害が発生する、という客観的な相当因果関係がなければなりません。
「欺く」とは、一般人をして財物を処分させるような錯誤に陥らせることであり、相手方を騙すことをいいます。
「錯誤」とは、騙されて嘘を本当の話と信じることを意味します。
「財産的処分行為」は、財物などを渡す行為であり、相手方の錯誤に基づく財産的処分行為により財物の占有を取得することです。
財産的処分行為が成立するためには、財産を処分する事実と処分する意思が必要となります。
財産を処分する事実としての行為は、法律行為のみならず、事実上財産的損失を生じさせる行為であれば構いません。
処分する意思については、財産を処分する意思をまったく有しない幼児や高度の精神障がい者は、財産的処分行為は認められず、このような者を欺いてその財物を奪う行為は詐欺罪ではなく窃盗罪を構成することになります。
「財物の交付」は、相手方の財産的処分行為の結果として、行為者側に財物の占有が移転することを指します。
②人を欺いて財産上不法の利益を得る
①と同じく、欺罔→錯誤→財産的処分行為→財産上不法の利益を得る、という一連の流れが求められます。
◇主観的要素◇
詐欺罪は故意犯であるため、罪を犯す意思(=故意)がなければなりません。
詐欺罪の故意は、行為者が、相手方を欺いて、錯誤に陥らせ、その錯誤に基づく財産的処分行為によって財物を交付させ、自己または第三者が占有を取得する、あるいは財産上の利益を得ること、及びその因果関係を認識・認容することです。
また、故意とは別に、不法領得の意思も詐欺罪の成立に必要となります。
「不法領得の意思」というのは、権利者を排除し他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従いこれを利用もしくは処分する意思のことです。
この点、他人宛の書類を廃棄するだけの意図で他人を装って受領する行為について、不法領得の意思が認められず詐欺罪は成立しないとした判例があります。(最決平16・11・30)
上記事例では、Aさんは「騙してはいない。返すつもりだった。」と詐欺の故意を否認しています。
故意がなければ詐欺罪は成立しませんので、Aさんの主張が認められればAさんに対する詐欺罪は成立しないことになります。
しかしながら、単に「騙すつもりはなかった。」と主張するだけでは、故意がないことが認められることは難しく、行為があった時点で故意がないことを示す客観的な証拠を提出する必要があります。
また、取調べにおいて、Aさんが詐欺の故意があったことを窺わせるような内容の供述調書をとられてしまうと、後にその供述を否定することが難しくなりますので、早期に弁護士に相談し、自己に不利な供述がとられないように対応するのがよいでしょう。
詐欺事件で逮捕されたら
詐欺事件で逮捕された場合、刑法上の犯罪の中でも比較的重い罪であるため、その後に勾留に付される可能性は大いにあります。
また、詐欺罪は、法定刑に罰金がないため、公判請求される可能性もあります。
ただ、個人間での詐欺事件であれば、初犯であり、被害者への被害弁償や示談が成立していれば、不起訴となる場合もあります。
詐欺事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
マスク着用を注意されて暴行 傷害の容疑で逮捕!!
今年の5月、神戸市長田区の駐車場で高齢の男性に暴行して首の骨を折る重傷を負わせたとして25歳の男性が警察に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
今回紹介する事件は、今年の5月に、神戸市長田区の駐車場で起こった傷害事件です。
各社報道をまとめますと、逮捕された男は、被害者の男性にマスクを着用していないことを注意されたことに逆上し、男性の首を締めながら地面に身体を打ち付ける暴行をはたらいたようです。
そして暴行を受けた男性は首の骨を骨折し、下半身麻痺の後遺症が残る重傷を負ったようです。
事件から半年以上が経過して逮捕された男は、警察の取調べに対して「地面に背中を打ち付けたことは間違いないが、首を絞めたことははっきり覚えていない」と容疑を一部否認しているということです。
傷害事件とは
今回の事件で適用された傷害罪とは、他人に対して暴行を加え、その結果として相手に傷害を負わせるだけでなく、相手に傷害を負わせる意思をもっていれば、暴行等の有形力の行使がなくても、無形的な方法による行為や不作為による行為であっても、相手が傷害を負えば傷害罪が成立することがあります。
また傷害罪でいうところの傷害とは、骨折や裂傷等のいわゆる外傷だけでなく、精神的に追い詰めてストレスを与える等して身体の生理的機能に傷害を負わせる傷害も含まれます。
殴る蹴る等の暴行によって成立する傷害罪についてはイメージしやすいと思いますが、暴行以外によって成立する傷害罪についてはイメージするのが難しいかもしれません。
分かりやすい事件例を挙げますと、嫌がらせの目的で、大音量で騒音を鳴らし続けて近所の住民にストレス性の傷害を負わせた女性にが傷害罪で警察に逮捕され、その後の刑事裁判で実刑判決が言い渡された事件があります。
この事件の裁判で裁判官は「音楽を大音量で鳴らし続ける行為は、被害者に精神的ストレスを与え、身体の生理的機能を害するもので傷害罪にあたる。」と傷害罪を認定しています。
傷害罪の罰則は
傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
起訴されて有罪が確定すれば、この法定刑内で刑事罰が科せられることになります。
同じ傷害罪でも、被害者が擦り傷等の軽傷のような事件もあれば、今回の事件のように後遺症が残るような重傷を負っている場合もありますが、犯情が軽微で、被害者が軽傷の場合は、略式起訴による罰金刑といった軽い処分となるでしょう。
逆に、犯情が悪質であったり、被害者が重傷を負っている場合は、初犯であっても実刑判決となる場合もあります。
報道されている内容から検討いたしますと
①高齢の被害者に対して一方的に暴行している。
②首を締めながら地面に身体を打ち付けている。
③被害者が後遺症の残る重傷を負っている。
④長期間にわたって逃亡している。
ことを考慮すれば、例え逮捕された男が初犯であったとしても実刑判決となる可能性が高いのではないでしょうか。
傷害事件に強い弁護士
被害者に重傷を負わせたような傷害事件を起こして警察に逮捕されると、初犯であっても実刑判決の可能性が高いと言えます。
ただ早期に弁護士を選任することによって、少しでも処分を軽減できるかもしれません。
大切なのは、専門の弁護士に相談して、今後の手続きにのぞむことです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、このような傷害事件に関するご相談を年中無休で対応いたしております。
傷害事件でお困りの方は是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の無料相談をご利用ください。
メンズエステを無許可営業 警察に逮捕
風営法違反(無許可・無届営業)で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~事例~
兵庫県神戸市長田区でメンズエステ店を営業していたAさんは、ある日、客が店を出たところで兵庫県長田警察署の警察官とみられる男らから事情を聴かれていることに気が付きました。
Aさんは、風営法の届出が不要なメンズエステ店を経営していましたが、実際は性風俗サービスに当たる営業を行っており、警察に摘発されるのではと心配しています。
逮捕された場合について、事前に弁護士に相談しておこうと思い、急いで刑事事件に強い弁護士を探し、相談の予約を入れました。
(フィクションです。)
風営法違反事件で検挙されるケースの多くが、無許可・無届営業によるものです。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、「風営法」といいます。)は、風俗営業などにより、店の周辺の環境や子供の健全な育成に悪影響を及ぼさないように、一定のルールを定めている法律です。
風営法で規制しているビジネスは、「風俗営業」、「性風俗関連特殊営業」、「特定遊興飲食店営業」、「酒類提供飲食店営業」など、です。
この「風俗営業」には、キャバクラ、ホストクラブ等の社交飲食店、照度10ルクス以下の位飲食店、客席の広さが5㎡以下の狭い飲食店、麻雀店やパチンコ店といった遊技場、そしてゲームセンターなど、があります。
「性風俗関連特殊営業」は、ソープランドやファッションヘルスなどの店舗型性風俗特殊営業、デリヘルなどの無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業、無店舗型電話異性紹介営業、の5つに分類されます。
風営法で規制されているビジネスは、きちんと定められたルールを遵守して運営されている限りは普通に営業することができます。
しかしながら、ルールに反して営業している場合には、刑事罰が科せられる可能性があります。
ルールに従った営業を行うことが大前提ですが、そのひとつに、営業の許可や届出があります。
風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別に応じて、営業所ごとにその営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を得ていなければなりません。(風営法第3条第1項)
この許可を得ずに、風俗営業に当たる営業を行っていた場合には、風俗営業の無許可営業となり、起訴され有罪となれば、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はその両方が科せられることになります。
性風俗関連特殊営業についても、営業を行うためには、営業の届出をしなければなりません。
店舗型性風俗関連特殊営業を行うためには、営業の種別に応じて、営業所ごとに、その営業所の所在地を管轄する公安委員会に対して、営業等の届出をしなければなりません。(風営法第27条第1項)
無店舗型性風俗関連特殊営業を営もうとする者は、営業の種別に応じて、営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に、営業の届出をしなければなりません。(風営法第31条の2第1項)
営業の届出をせずに性風俗関連特殊営業に当たる営業を行っていた場合には、6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科せられる可能性があります。
上の事例では、男性を対象としたエステティックサロンとしてメンズエステ店を開業していた、つまり、風営法の規制対象となる営業は行わないものとして営まれていました。
しかしながら、メンズエステ店の実態は、男性客に性的サービスを提供しており、風営法の規制対象となる性風俗関連特殊営業に当たるものと考えられます。
性的サービスを提供するメンズエステ店は、「個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業」(風営法第2条第6項第2号)の店舗型性風俗特殊営業の定義に該当するため、店舗型性風俗特殊営業の届出をしなくてはなりません。
風俗営業の取り締まりが厳しい昨今、無許可・無届営業が発覚すると、内偵捜査の末に、突然店の経営者らが警察に逮捕されることも珍しくありません。
風営法違反(無許可・無届営業)で逮捕された場合、店の営業に関する資料を収集したり、経営者や従業員など関与する者の供述をとるなどしなければなりませんので、逮捕後に勾留となる可能性は高いでしょう。
容疑を認める場合には、取調べにおいて自己に不利な供述がとられないよう弁護士から適切なアドバイスをもらうことは重要です。
また、弁護士は、できる限り穏便に事件を終わらせられるよう、被疑者に有利な事実を整理し、証拠を収集した上で、検察官に不起訴とするよう、あるいは略式手続に付すよう働きかけます。
他方、容疑を否認する場合、例えば、風営法の規制対象となる営業に当たるのか、被疑者がその経営者と言えるのか、といった点を争う場合には、被疑者に有利な証拠を提示し、不起訴や無罪獲得に向けた活動を行います。
風営法違反(無許可・無届営業)事件で、逮捕されるのではと心配している方は、すぐに弁護士に相談されることをお勧めします。
「どうせこないだろう。」と甘くみていると、突然逮捕されるケースは少なくありません。
事前に弁護士に相談することで、逮捕を回避することができる可能性を高めたり、逮捕後も冷静に対応することができますので、一度刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
【緊急速報】女性歌手が器物損壊罪で逮捕
救急車を破損させたとして器物損壊罪で逮捕された女性歌手の事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
昨日、人気女性歌手が器物損壊罪で警察に逮捕されました。
テレビやインターネットで報道されているニュースの内容をまとめますと、女性歌手は知人とパチンコ店で遊戯していたところ、知人が体調不良を訴えたために119番通報して救急車を呼んだらしく、そこに駆け付けた救急車を蹴って壊したとのことです。
警察の発表によりますと、逮捕された女性歌手は、「通行人に嫌味を言われて、パニックになり救急車を蹴った。」と供述しているようですが、事件現場からは「逮捕された女性歌手と、その知人は泥酔している様子だった。」という目撃証言もあるようです。
器物損壊罪
さて今回の器物損壊罪とはどの様な犯罪なのでしょうか。
まずは、器物損壊罪について解説します。
器物損壊罪とは刑法第261条に規定されている法律で、簡単に言うと、故意的に他人の物を壊すことによって成立する犯罪です。
器物損壊罪で特殊なのは親告罪だということです。
親告罪とは、被害者等の告訴がなければ起訴できない事件のことで、器物損壊罪の他、過失傷害罪や、名誉毀損罪、侮辱罪等の犯罪があります。
器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」となっています。
とは言うものの、逮捕されたからといってこういった刑事罰を受けるわけではなく、今後の手続き次第では、こういった刑事罰を受けずに済む場合もあります。
逮捕されるとどうなるの
器物損壊罪で逮捕されるとまずは警察署に連行されます。
そこで簡単な取調べを受けて留置場に収容されるのですが、連行された警察署の留置場に収容されるとは限らず、女性の場合は特に、別の警察署等の留置場に収容されることがよくあります。
そして逮捕から48時間以内に、検察庁に送致され、検察官が裁判所に勾留を請求すれば、勾留が決定するかどうかを裁判官が判断します。
器物損壊罪で逮捕された場合、勾留されるかどうかは、逃亡や罪証隠滅のおそれがあるかどうかだけでなく、「壊した物を弁償する意思があるかどうか。」によって左右されるでしょう。
早期釈放を求める
器物損壊罪の容疑だけですと、このまま身体拘束が長引くかどうかは、壊した救急車を弁償する意思があるかどうかによりますが、報道されている内容だけですと、逮捕された女性歌手が救急車を蹴って凹ました事実は間違いないようですので、早期に弁護士を入れて救急車を管理している地方自治体に賠償を約束すれば、勾留されることなく釈放されるでしょう。
刑事事件に強い法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、刑事事件を専門に扱っている全国でも珍しい法律事務所です。
ご家族やご友人が警察に逮捕された時は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
強制性交等罪で大学生を逮捕 相手との同意の有無が争点に…
強制性交等罪で大学生を逮捕 相手との同意の有無が争点に…
強制性交等罪で逮捕された大学生、相手との同意の有無について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
強制性交等罪で逮捕
同性愛者のAさん(男子大学生)は、こういった嗜好の人たちが集まるサイトで知り合ったBさん(男性)と、数カ月前にアドレスを交換して仲良くなりました。
そして2週間ほど前に姫路市内で一緒に食事をして、そのままBさんの家に遊びに行ったのです。
そこでAさんは、Bさんに対して性交渉を求めましたが、Bさんからは断られてしまいました。
二人は、その後も一緒にお酒を飲んでいたのですが、Aさんは、自分の欲望を抑えきれなくなり、Bさんに抱き付き再び性交渉を求めたのです。
Bさんは口では「嫌だ。」と言うものの、それほど大きな抵抗をしてきませんでした。
そんなBさんの様子から、Aさんは自分との性交渉に同意してくれたと思い込み、Bさんと性交渉したのです。
性交渉後、Bさんは寝ている様子だったので、AさんはそのままBさんの家から帰宅したのですが、その日以降、Bさんとの連絡が途絶えてしまいました。
そして今朝、自宅を訪ねて来た姫路警察署の警察官によって、Aさんは、強制性交等罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
同性に対しても強制性交等罪は成立する
強制性交等罪は刑法177条に規定されています。
刑法第177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
まず、強制性交等罪は「暴行」、「脅迫」を手段とする犯罪です。
相手方を殴る、蹴る、羽交い絞めにする、押し倒すなどが「暴行」の典型ですが、「暴行」の程度は、相手方の反抗(抵抗)を著しく困難にさせる程度のものが必要とされています。「脅迫」についても同様です。
なお、相手方が13歳未満の場合は「暴行」、「脅迫」の手段は不要です。
つまり、13歳未満の者と認識しつつ「性行等」を行えば、強制性交等罪に問われます。
ちなみに「性行等」とは、俗にいうところのセックスのみならず、肛門性行、口腔性行も含まれ、女性が加害者になる場合もあれば、男性が男性に対して無理矢理、肛門性行や口腔性行を行った場合も、強制性交等罪が成立します。
相手の同意
強制性交等罪は相手方の性的自由を保護するための法律です。
そのため、強制性交等罪が成立するには、加害者が「被害者が性交渉について同意していないこと」を認識しておかなければなりません。(故意)
ここでいう被害者の同意とは、法益の帰属者たる被害者が、自己の法益(身体・生命の安全)を放棄し、その侵害に承諾又は同意を与えることをいいます。
かつては、この被害者の承諾によって、守るべき法益(保護法益)がなくなったことを根拠に、被疑者の行為の違法性がなくなり(違法性が阻却され)不可罰となる、と考えられていました。
しかし近年は、その「守るべき法益がなくなったこと」に加え、被疑者の行為の社会的相当性も必要とする、という考え方が主流です。
以上の考え方から、被害者の同意があったというためには、
〇同意自体が有効なものであること
〇同意が内心にとどまらず、外部に表明されていること
〇同意が行為時に存在すること
〇同意に基づいてなす行為が、その目的、動機、方法、態度、程度等において国家・社会の倫理規範に違反せず、社会的相当性を有すること
という要件が必要です。
仮にこれらの要件を満たさない場合は、「被害者の同意はない」と判断されてしまう可能性が非常に高くなります。
同意がないことを認識しているかどうかが問題
では、仮に被害者の同意はない、とされた場合、直ちに強制性交等罪が成立するかといえばそうではありません。
さらに、被疑者が、被害者の同意がないことについて認識していること、が必要です。
つまり、加害者が被害者の同意がないことについて誤信していた場合(同意があると思っていた場合)は強制性交等罪が成立しない可能性があります。
強制性交等罪をはじめとする性犯罪ではこの点が争われることが多いです。
ただ、加害者が誤信していたかどうかは、
〇性交等に至るまでの経緯
〇性交等の際の言動
〇性交等後の経緯
などを総合的に勘案して決せられます。
強制性交等罪に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、強制性交等罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
姫路市内の強制性交等事件でお困りの方は、今すぐフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお電話ください。
明石市内の窃盗事件で逮捕 刑事事件に強い弁護士を派遣
明石市内で窃盗事件を起こして逮捕された方に弁護士を派遣するサービスについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、警察に逮捕された方に弁護士を派遣する「初回接見」というサービスがございます。
ご家族、ご友人が警察に逮捕された方は、こちらのサービスをご利用ください。
こんな時にご利用ください
明石市内で自営業を営んでいるAさんは、会社近くの自宅に、妻とすでに成人した息子と3人で暮らしています。
ある日、飲みに行った息子が深夜になっても帰宅しないことから、息子の携帯電話に電話したところ、明石警察署の警察官を名乗る男が出て「息子さんが居酒屋で窃盗事件を起こした。詳しいことは言えませんが、これから警察署に連行します。」と言われました。
その後Aさんは、何度か息子の携帯電話に電話しましたが、電源が切られており不通となっていました。
(フィクションです。)
逮捕されているか分からない
警察は、犯人を逮捕したとしても、なかなか「逮捕しました。」とは明言してくれません。
そのためご家族は、逮捕されたかどうかも分からず、もしかしたら帰宅するかもしれないという思いで、帰宅を待ち続けてしまいます。
そして翌日になっても帰宅しないことから警察に問い合わせて、すでに逮捕されていることが判明し、慌てて弁護士を探す方も多いかと思います。
刑事弁護活動は、いかに早く開始するかによって得られる結果が大きく異なります。
特に逮捕によって身体拘束を受けている方に対しての弁護活動は、逮捕から48時間以内に弁護士を選任するかどうかが、早期釈放を実現できるかどうかにつながりますので、ご家族が警察に逮捕された方は、一刻も早く弁護士を選任することをお勧めします。
窃盗事件で警察に逮捕されたら
Aさんの息子は、居酒屋で飲んでいた際に、隣の席のお客さんのカバンから財布を抜き取り、現金だけを盗み、財布等はトイレのゴミ箱に捨てていました。
被害者から申告を受けた店員が、店内の防犯カメラ映像を確認してAさんの犯行が発覚し、警察に通報したようですが、駆け付けた警察官にAさんの息子は「全く身に覚えがない。」と容疑を否認したようです。
そのため警察官は、Aさんを取り調べるために、明石警察署に連行しようとした時に、Aさんからの電話に出て上記のような対応をしたといいます。
そしてAさんの息子は、警察署に連行されてからの取り調べでも容疑を否認していましたが、防犯カメラ映像が決め手となって窃盗罪で逮捕されてしまいました。
逮捕されたAさんの息子は、簡単な取り調べを受けた後、留置場に収容されて一夜を過ごしました。
そして翌日は、取り調べを受ける以外は留置場内で過ごし、その翌日に検察庁に連れて行かれて検察官からも取り調べを受けました。
検察官の取り調べが終わると、その後、裁判所に連れて行かれて、裁判官と面談した後、10日間の勾留が決定してしまったようです。
逮捕から勾留までの流れ
逮捕から検察庁に送致されるまでの時間は48時間以内と法律で決まっています。
この48時間は逮捕に付随する留置という手続きで、身体拘束をするための、裁判官の許可は必要なく、この間に警察は逮捕した犯人を取り調べて、身体拘束を続ける必要があるかどうかを判断します。
そして身体拘束を続けて、引き続き取調べが必要と判断すれば、検察官に犯人を送致し、送致を受けた検察官から裁判所に勾留を請求します。
勾留というのは、逃亡のおそれや、証拠を隠滅するおそれがある場合に、10日間から20日間までの期限で、逮捕した犯人の身体拘束を継続することです。
勾留は裁判官が決定します。
早期釈放のための弁護活動
逮捕されてから48時間以内に選任できる弁護士は、私選弁護人に限ります。
そして、この間に私選弁護人を選任すれば勾留を阻止するための活動が可能となり、逮捕された早期釈放を実現できるかもしれません。
弁護士は、勾留を請求する検察官や、勾留を決定する裁判官に対して、勾留の必要がない旨を主張して勾留を回避する活動をすることができます。
明石市内の刑事事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、明石警察署に逮捕された方への初回接見のサービスがございます。
フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)にお電話いただければ簡単にご予約をお取りすることができますので、お気軽に架電ください。
痴漢事件の再犯 不起訴処分を目指す
再犯の痴漢事件で不起訴となるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~事例~
電車内で女性客に対して痴漢をしたとして、兵庫県姫路警察署は会社員のAさんを迷惑防止条例違反で逮捕しました。
翌日、Aさんは釈放されましたが、痴漢の前歴があるためどのような処分となるのか不安で仕方ありません。
Aさんはすぐに刑事事件専門弁護士に法律相談をお願いしました。
(フィクションです。)
不起訴処分とは
原則、すべての事件が検察官に送られ、検察官が事件の処理をします。
検察官による事件の処理には、中間処分と終局処分とがあります。
中間処分というのは、終局処理にむけて処理を留保したり、別の検察官に処理を委ねる処分のことです。
終局処分は、検察官による終結的な処分のことで、起訴処分、不起訴処分、少年の場合には家庭裁判所送致とがあります。
不起訴処分は、公訴を提起しないとする処分で、その理由により以下のように分類されます。
①訴訟条件を欠く場合
被疑者が死亡した場合、被疑事件が日本の裁判管轄に属さない場合、親告罪の告訴・告発・請求が欠如・無効・取消された場合、同一事実について既に既判力がある判決がある場合、時効が完成している場合などです。
②被疑事件が罪とならない場合
被疑者が犯罪時14歳に満たない場合、被疑者が犯罪時心神喪失であった場合、被疑事実が犯罪構成要件に該当しない場合や犯罪の成立を阻止する事由のあることが証拠上明確な場合、犯罪の嫌疑がない場合、被疑事実について犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分な場合などです。
③犯罪の嫌疑がある場合
被疑事実が明白な場合において、法律上、刑が必要的に免除されるべき場合や、被疑事実が明白な場合において、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としない場合です。
後者の場合を「起訴猶予」といいます。
不起訴処分の多くが起訴猶予であると言われています。
起訴猶予とする一応の基準として次のような要素があります。
(a)犯人に関する事項
・犯人の性格…性質、素行、遺伝、習慣、学歴、知能程度、経歴、前科前歴の有無、常習性の有無など。
・犯人の年齢…特に、若年又は老年、学生など。
・犯人の境遇…家庭状況、居住地、職業、勤務先、生活環境、交友関係など。
(b)犯罪自体に関する事項
・犯罪の軽重…法定刑の軽重、法律上刑の加重減軽の事由の有無、被害の程度など。
・犯罪の情状…犯罪の動機・原因・方法・手口、犯人の利得の有無、被害者との関係、犯罪に対する社会の関心、社会に与えた影響、模倣性など。
(c)犯罪後の情況に関する事項
・行為に関して…犯人の反省の有無、謝罪や被害回復の努力、逃亡や証拠隠滅等の行動、環境の変化、身柄引受人その他将来の監督者・保護者の有無といった環境調整の可能性の有無など。
・被害者に関して…被害弁償の有無、示談の成否、被害感情など。
再犯の痴漢事件について考えた場合、前歴があることは不利な事情になりますが、特定の被害者を狙ったり、強制わいせつ罪に当たるような痴漢行為であるなど悪質な痴漢ではないケースであれば、被害者との示談が成立していることや、専門的な治療を受けるなどといった再発防止措置がとられていることなどの犯罪後の情況に関する事項を考慮した上で、検察官が不起訴処分とする可能性はあります。
起訴猶予の基準のひとつである犯罪後の事情については、示談の成否と再発防止措置の有無が重要となります。
そのため、弁護士は、早期に被害者との示談交渉に着手し、また、再発防止に向けた措置をいかにして講ずるかについて被疑者本人やその家族と一緒になって考えます。
再び痴漢事件を起こして対応にお困りであれば、今すぐ刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所です。
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まずはお気軽にご連絡ください。