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処分保留で釈放

2019-08-23

処分保留で釈放

処分保留での釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県川西市の自宅で、当時3歳の長男を暴行し死亡させたとして、傷害致死の容疑で母親のAさんと父親のBさんは兵庫県川西警察署に逮捕されました。
二人は、逮捕後、勾留となりましたが、Aさんは勾留10日満期に、処分保留釈放となりました。
Aさんは、今後どのような流れになるのか、どのような処分となるのか心配しています。
(フィクションです)

処分保留で釈放とは?

ニュースなどで、「容疑者が処分保留釈放となりました。」というような報道を聞かれたことはありませんか?
処分保留釈放」と聞くと、「何も処罰されないの?」、「無実だったってこと?」と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、「処分保留釈放」について取り上げたいと思います。

保留される「処分」って?

被害届や職務質問、自首などを端緒に事件が捜査機関に認知されると、捜査機関は捜査を開始します。
捜査機関は、犯人であるものを特定し、必要があればその身柄を確保するとともに、証拠を収集・保全します。
すべての事件が、原則として、検察官のもとに集められます。
これらの事件を処理するのは、検察官です。
検察官による終局的な処分には、「起訴処分」、「不起訴処分」、そして「家庭裁判所送致」があります。
「起訴処分」というのは、捜査の結果、起訴が相当であると判断し、検察官が公訴を提起することです。
公訴の提起には、①公判請求、②即決裁判手続の申立、③略式命令の請求、④交通事件即決裁判の請求の4種類があります。
①の公判請求により、ドラマなどでよく見る法廷での審理が行われるわけですが、検察官が起訴した総人員の内、ほとんどが③の略式命令の請求であり、公判請求は割合的にはそれほど多くありません。
次に、「不起訴処分」というのは、検察官が公訴を提起しないとする処分のことをいいます。
犯罪とならない場合、疑わしいがそれを立証するだけの十分な証拠がない場合、証拠はそろっているが様々な事情を考慮して起訴を見送る場合など、様々な理由があります。
最後に「家庭裁判所送致」ですが、少年事件の場合、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されますので、検察官が捜査を終了すれば、事件を家庭裁判所に送致します。

このような処分をせずにおくことを「処分保留」といい、これは「起訴しない」ことを意味するものではなく、「起訴するかどうかを未だ決めていない」というまでなのです。

処分保留で釈放となるのはなぜ?

検察官が終局的な処分を決めないまま釈放する理由とは、なんでしょうか。
その理由のひとつは、逮捕した事件の捜査・処分が終わっていない場合です。
逮捕された場合、逮捕に引き続く身体拘束の期間は法律で定められています。
検察官が勾留請求をした日から原則10日で、延長が認められれば最大で20日です。
この期間内に、証拠を収集し、事件処理を行わなければなりません。
しかし、この期間をもってしても処分を決定することができない場合には、処分保留釈放とするのです。
この場合、被疑者を釈放した後も捜査を継続し、処分を決めるのに十分な証拠を集めます。

このように、「処分保留釈放」となったからといって、事件が終了したというわけではありません。
「まだ起訴するかどうか決まっていない」という状態であり、「起訴される可能性はある」のです。
刑事事件の被疑者として逮捕・勾留されたが、「処分保留釈放」となり、今後の流れや対応についてお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弊所では、無料法律相談初回接見サービスのご予約を24時間専門ダイアルで受け付けております。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

身近な軽犯罪法違反

2019-08-20

身近な軽犯罪法違反

身近な軽犯罪法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

軽犯罪法は、その名の通り、軽微な犯罪を処罰することを目的として法律ですが、それにより刑法犯等のより悪質で重大な犯罪の芽を早期に摘み取ることも目的としています。
軽犯罪法は、日常生活における身近な犯罪行為を規定していますので、今回は、どのような行為が軽犯罪法の対象となるのか、軽犯罪法違反行為に対する刑事罰について説明していきたいと思います。

軽犯罪法違反となる罪のなかでも検挙人員が多いものについてご紹介します。

1.凶器携帯の罪(第2号)

二 正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者

「正当な理由なく」とは、違法であることを意味し、「正当な理由がある」場合には違法性は阻却され凶器携帯の罪は成立しません。
「正当な理由がある」場合というのは、本号で定める危惧を隠して携帯することが、職務上または日常生活上の必要性から、社会通念上相当と認められる場合のことで、自己の職務遂行のために必要な場合、正当な営業行為に属する場合、登山等のため登山ナイフを携帯する場合などがこれに当たります。
「刃物」は、銃刀法第2条にいう刀剣類は勿論のこと、刃渡りや刃体の長さ、刃物の形態などについて制限はなく、包丁、ナイフ、なた、鎌などの刃を持つ一切の器具を指します。
銃刀法で規制される刃物については、銃刀法が適用されるので、本号の適用はありません。
「鉄棒」とは、鉄製の棒状のものを総称します。
「刃物」、「鉄棒」、「その他の器具」は、「人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」でなければなりません。
これは、性質上の凶器だけでなく、用法上の凶器をも含みますが、ある程度殺傷の用に供さやすいものである必要があります。
以上の凶器を「隠して」「携帯」する行為が、凶器携帯の罪となるわけですが、「隠して」とは、一般社会生活上、これに接触する人から見えない状態に置くことをいい、ポケットにしまう、上着の内側に入れるなどもこれに当たります。
「携帯」とは、自宅や居室以外の場所で器具を直ちに使用し得る状態で身辺に置くことをいい、かつ、その状態を多少持続することを要します。
必ずしも自己の身につけているひつようはなく、手に持ったり、ポケットやカバンに入れて持ち歩く、自己の運転している自動車の荷台やトランクに積むなども「携帯」に当たります。

「護身用」で本号の「刃物」に当たるナイフ等を所持している場合もありますが、現行法において自力救済が禁止され、正当防衛の成立範囲が厳格に法で定められているため、護身目的は「正当な理由」には当たりませんので、ご注意ください。

2.立入禁止場所等侵入の罪(第32号)

三十二 入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者

「入ることを禁じた場所」というのは、他人の立入りを禁止する正当な権原を有する者が、立入禁止の意思を表示していると客観的に認められる場所をいいます。
立入禁止の意思表示は、立札、張り紙、縄張り、近づくと機械的に音声などで警告するなどどのような方法でも構いません。
また、その場所の性質や客観的状況などから、社会通念上、張り紙等で明示せずとも他人の立入りを禁止していることが明白であると認められる場所も含みます。
「他人の田畑」とは、自分以外の者が管理している田畑です。
本罪は、刑法犯の住居侵入罪とは補充関係にあるので、住居侵入罪が成立する場合には本号は適用されません。

3.窃視の罪(第23号)

二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

「人の住居」とは、犯人以外の者が正当に使用し得る住居のことをいいます。
住居の一部であっても、これに該当します。
「浴場、更衣場、便所」は、個人宅のものであるか公衆浴場や公衆便所などのように不特定多数の人が使用するものであるかを問いません。
「その他人が通常衣類をつけないでいるような場所」とは、人が通常隠している肉体の部分を露出している可能性のある場所の内部を意味します。
例えば、役所の更衣室、病院の診察室・処置室、旅館の1室、キャンプ場のテント内、列車の寝台や船室などがこれに当たります。
上のような場所を「ひそかにのぞき見る」というのは、許可なく物陰や隙間などから見ることです。望遠鏡を用いてみたり、カメラやビデオカメラを用いて撮影する場合も「のぞき見る」行為となります。

軽犯罪法違反の法定刑は、「拘留」又は「科料」です。
前者は、1日以上30日未満の刑事施設への拘置を内容とする自由刑で、後者は、千円以上1万円未満の財産刑です。
懲役や禁錮、罰金などと比べると軽いですが、これらの刑が科されるということは有罪が言い渡されたということであって「前科」が付くことには変わり有りません。

軽犯罪法違反事件で被疑者として取調べを受けて対応に困っている、前科が付くのではとご心配であれば、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

身柄解放活動③~起訴後~

2019-08-19

身柄解放活動③~起訴後~

起訴後身柄解放活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県南あわじ市の玉ねぎ農家の玉ねぎ畑に何者かが侵入し、大量の玉ねぎが盗まれるという事件が起きました。
兵庫県南あわじ警察署は、被害届の提出を受けて捜査に乗り出しました。
警察の地道な捜査の結果、県内に住むAさんの犯行であることが判明し、警察はAさんの自宅に赴き、家宅捜索後に窃盗の容疑でAさんを逮捕しました。
逮捕・勾留・勾留延長を経て、神戸地方検察庁洲本支部はAさんを窃盗罪で起訴しました。
(フィクションです)

窃盗事件で起訴されたら~保釈で身柄解放~

逮捕後に、勾留が決定し、10日間もしくは20日間の身体拘束を余儀なくされた場合であっても、起訴後に釈放となる可能性はあります。
それは、「保釈」により身柄解放となる場合です。

「保釈」というのは、一定額の保釈保証金を納付することにより、勾留されている被告人を暫定的に釈放する制度です。
この保釈は、起訴前の段階では利用することが出来ません。
つまり、検察官が被疑者を起訴してから利用できるものです。

保釈には、次の3種類があります。

1.権利保釈(必要的保釈)

第八十九条 保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
一 被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
二 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三 被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
四 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏い怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六 被告人の氏名又は住居が分からないとき。

裁判所は、保釈の請求があったときは、原則として保釈を許可しなければなりません。
例外として、刑事訴訟法第89条の1号~6号の除外事由がある場合には、請求を却下することができます。

2.裁量保釈(任意的保釈)

第九十条 裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。

裁判所は、権利保釈の除外事由がある場合であっても、適当と認めるときは、職権で保釈を許可することができます。

3.義務的保釈

第九十一条 勾留による拘禁が不当に長くなつたときは、裁判所は、第八十八条に規定する者の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。

裁判所は、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求により又は職権で、保釈を許可しなければなりません。

上記ケースにおいて、Aさんは窃盗罪で起訴されています。
まずは、権利保釈が認められるか検討しましょう。

窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金ですので、「短期一年以上の懲役」には該当しないので、除外事由1号には当たりません。
Aさんに前科がないとすれば、2号も該当しません。
しかし、問題は3号です。
Aさんが窃盗1件のみで起訴されたとしても、同じ犯罪を複数回(2回以上)繰り返していた場合には「常習」犯とみなされます。
また、法定刑が「長期3年以上の懲役」の罪となっていますので、上限が3年以上である窃盗罪(上限が10年)も含まれますので、3号に該当する可能性はあります。
また、4号の「逃亡・罪証隠滅のおそれ」についても、余罪が複数ある場合や共犯者が複数いる場合など捜査が終了していなければ、罪証隠滅のおそれが高いと判断される可能性があります。

権利保釈が認められない場合であっても、裁量保釈が認められる可能性もあります。
形式的には逃亡・罪証隠滅のおそれが残る場合であっても、その程度が低く、身体拘束によって被る被告人の不利益の程度等を考慮して、裁判所の裁量によって保釈が許可されるのです。
権利保釈と同時に裁量保釈を請求することが出来ますので、弁護人に頼んで両方の保釈を請求してもらうのがよいでしょう。

裁判所に保釈が許可され、保釈保証金を納付すれば、被告人は釈放されることになります。
保釈保証金の額は、犯罪の性質や被告人の資力にもよりますが、窃盗被告事件で被告人の資力もそれほどでない場合は、150~200万円が相場となっています。
出頭を拒んだり、逃亡したりしなければ保釈保証金は、裁判終了後に戻ってきます。

逮捕後に勾留となり、長期間の身体拘束を余儀なくされた場合には、家族や仕事の関係ですぐにでも釈放されることを希望されるものです。
早期の保釈を希望されるのであれば、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗事件をはじめとする刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件を起こして対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

身柄解放活動②~勾留決定後~

2019-08-18

身柄解放活動②~勾留決定後~

勾留決定後の身柄解放活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県南あわじ市の玉ねぎ農家の玉ねぎ畑に何者かが侵入し、大量の玉ねぎが盗まれるという事件が起きました。
兵庫県南あわじ警察署は、被害届の提出を受けて捜査に乗り出しました。
警察の地道な捜査の結果、県内に住むAさんの犯行であることが判明し、Aさんの自宅に赴き、家宅捜索後に窃盗の容疑でAさんを逮捕しました。
その後、Aさんは神戸地方検察庁洲本支部に送致され、神戸地方裁判所洲本支部はAさんに対して勾留を決定しました。
(フィクションです)

窃盗事件で逮捕されたら~勾留から起訴まで~

上記ケースでは、Aさんは勾留されることになりました。
勾留」というのは、被疑者または被告人を拘禁する裁判と執行をいいます。
刑罰の一種である「拘留」と読み方は同じですが、意味は異なるので注意が必要です。
拘留は、1日以上30日未満の一定期間、刑事施設に収監する刑罰です。
懲役と違って、所定の作業はありません。

勾留がなされると、検察官が勾留請求をした日から、原則10日間、刑事施設に留置されることになります。
勾留を延長する必要があると検察官が判断した場合には、検察官は裁判官に対して勾留延長の請求を行います。
検察官からの請求を受けた裁判官は、勾留を延長するか否かを決定します。
勾留延長となると、最大で10日間勾留期間が延長されることになり、検察官の最初の勾留請求から20日間の身体拘束となる可能性もあります。

勾留が決定した場合、弁護士は、主に以下のような身柄解放活動を行います。

1.勾留に対する準抗告の申立て

勾留の理由はあっても、勾留の必要性がないとして勾留に対する準抗告の申立が認められることもありますので、勾留が決定した場合には、勾留に対する準抗告申立書を提出します。
「準抗告」というのは、裁判官の裁判や検察官・警察官の処分の取消や変更を裁判所に請求することをいいます。

第429条
裁判官が左の裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消又は変更を請求することができる。
①忌避の申立を却下する裁判
②勾留、保釈、押収又は押収物の還付に関する裁判
③鑑定のため留置を命ずる裁判
④証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
⑤身体の検査を受ける者に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判

刑事訴訟法第429条第1項第2号において、勾留に対する準抗告について規定されています。

弁護士は、勾留阻止の際と同様に、勾留の要件を満たさない旨を主張します。
しかし、勾留決定された時点では明らかではなかった事実やその後に被疑者に有利な事情が生じた場合などは、これを新たに証拠として裁判所に提出します。
例えば、勾留決定時には弁護人がおらず、被疑者の釈放を求める切実な事情などが勾留決定の判断の前提となるような記録には現れていなかった場合には、準抗告の申立により被疑者側の事情を明らかにすることになり、勾留の必要性がないと判断されることがあります。
また、勾留決定後に示談交渉が進み示談締結に至るなど、もはや罪証隠滅のおそれがなくなった場合にも、勾留の理由がないとして準抗告が認容されることもあるでしょう。

2.勾留の取消請求

被疑者について、勾留の理由または勾留の必要性がなくなった場合に、「勾留取消請求」を行い、被疑者の身柄解放を求めます。
勾留の取消しについては、刑事訴訟法第87条に規定されます。

刑事訴訟法第87条
勾留の理由又は勾留の必要がなくなったときは、裁判所は、検察官、勾留されている被告人若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消さなければならない。

勾留取消請求の場合も、勾留に対する準抗告と同様に、勾留の理由や勾留の必要性がなくなったことを、裏付ける資料と共に具体的に述べる必要があります。
勾留に対する準抗告が1つの勾留に対して1回しか認められないのに対して、勾留取消請求は、事情の変更があれば何度でも認められる点で、勾留に対する準抗告と異なります。
ですので、勾留の理由や勾留の必要性がなくなったというべき事情が生じた場合には、何度でも勾留取消請求を行うことができます。

このように、勾留が決定した場合であっても、身柄解放に向けて動くことで、釈放となる可能性を高めることができます。

ご家族が刑事事件を起こし、逮捕・勾留されてしまいお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡を。

身柄解放活動①~逮捕から勾留まで~

2019-08-17

身柄解放活動①~逮捕から勾留まで~

逮捕から勾留までの身柄解放活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県南あわじ市の玉ねぎ農家の玉ねぎ畑に何者かが侵入し、大量の玉ねぎが盗まれるという事件が起きました。
兵庫県南あわじ警察署は、被害届の提出を受けて捜査に乗り出しました。
警察の地道な捜査の結果、県内に住むAさんの犯行であることが判明し、Aさんの自宅に赴き、家宅捜索後に窃盗の容疑でAさんを逮捕しました。
Aさんは、今後どのような流れになるのか、このまま留置施設に拘束されたままになるのか、気が気でなりません。
(フィクションです)

窃盗事件で逮捕されたら~逮捕から勾留までの流れ~

上記ケースでは、Aさんが玉ねぎ畑に勝手に入り、無断で玉ねぎを盗んでいます。
これらの行為により、窃盗と軽犯罪法違反(立ち入り場所等侵入の罪)が成立することになります。
Aさんは、警察に上の罪を犯したとして逮捕されましたが、その後、Aさんはどうなるのでしょうか。

逮捕から送致まで

Aさんは、逮捕後、兵庫県あわじ警察署で取調べを受けることになります。
警察は、被疑者を逮捕すると、「弁解録取書」を作成します。
この「弁解録取書」には、逮捕事実の認否、認めの場合には動機、弁護人をどうするか否かについてが記載されます。
「弁解録取書」の他に、事件の詳細について聞き取った内容の調書と被疑者の「身上経歴書」が作成されます。
警察は、逮捕から48時間以内に、被疑者を釈放するか、それとも検察に送致するかを決めます。
「送致」とは、刑事事件の被疑者本人や、刑事事件の証拠や資料などを検察官に引き継ぐことをいいます。
警察が被疑者を釈放するか送致するかの判断は、被疑者を留置する必要があるか否かにあります。
更に詳しくいうと、被疑者が犯罪を行ったと疑うに足りる相当な理由があり、被疑者が逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがあると疑うに足りる相当な理由がある場合に、検察への送致がなされます。

送致後

兵庫県では、午前中に検察への送致が行われます。
Aさんは、兵庫県南あわじ署を9時頃に出発し、神戸地方検察庁洲本支部に向かいます。
神戸地方検察庁洲本支部は、Aさんの身柄と先述した書類や証拠品などを一緒に検察庁に送致します。
担当検察官は、Aさんと面談します。(これを「弁解録取」といいます。)
その後、担当検察官は、その後も継続してAさんを拘束する必要があると認める場合には、裁判官に対して勾留の請求を行います。(これを「勾留請求」といいます。)
勾留」というのは、被疑者や被告人を刑事施設に拘束することです。
この「勾留」には、起訴前の勾留(「被疑者勾留」)と起訴後の勾留(「被告人勾留」)の2種類がありますが、ここでは「被疑者勾留」について説明します。
検察官が勾留の必要がないと判断すれば、Aさんは釈放となります。

勾留請求となったAさんは、検察に送致された日の午後に、検察庁から裁判所に身柄を移し、今度は裁判官と面談することになります。(これを「勾留質問」といいます。)
勾留質問を終えた裁判官は、勾留の要件を満たしている場合に、Aさんを勾留するとの決定を出します。

被疑者を勾留するには、勾留の「理由」および、勾留の「必要性」がなければなりません。

勾留の理由
・被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、かつ、
・住所不定、罪証隠滅のおそれ、若しくは逃亡のおそれの少なくとも1つに該当する場合。

勾留の必要性
被疑者を勾留することによって得られる利益と、これによって被る被疑者の不利益を比較衡量した上で、被疑者を勾留する必要がある場合。

これらの要件を満たしている場合に、裁判官は勾留の決定を行います。

身柄解放活動

逮捕から勾留までの段階での身柄解放活動は、弁護士は勾留を阻止することを目標とし行われます。

1.検察に送致された段階

警察がAさんを検察に送致した場合、弁護士は、担当検察官に対して勾留請求をしないよう働きかけます。
具体的には、Aさんは勾留要件を満たしていない旨を主張した意見書を担当検察官に提出します。
意見書には、Aさん作成の誓約書、Aさんの家族作成の上申書や身元引受書を付せ、客観的に罪証隠滅や逃亡のおそれがないことを主張します。
これにより、検察官が裁判官に対して勾留請求をしないよう働きかけます。

2.勾留請求した場合

上の働きかけにもかかわらず、検察官が勾留請求をした場合には、弁護士は、裁判官に対して勾留決定をしないよう働きかけます。
勾留要件をを満たしていない旨を意見書を通じて裁判官に主張します。

検察に送致された日に勾留決定まで行われます。
勾留を阻止するためには、送致から勾留決定までの短期間に上記の活動を行う必要があります。
このような活動は、刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。
刑事事件に強い弁護士であれば、刑事事件の流れや提出すべき書面・資料をきちんと把握していますので、素早く的確に動くことが期待されます。

あなたの家族が逮捕されてしまったのであれば、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
勾留阻止を目指して尽力いたします。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

当番弁護士、国選弁護人、私選弁護人の違いは?②

2019-08-16

当番弁護士、国選弁護人、私選弁護人の違いは?②

国選弁護人私選弁護人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市灘区に住むAさんは、SNSで知り合った未成年者Vさんに裸の写真を撮らせ、Aさんの携帯電話にその画像を送らせたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造罪)の疑いで、兵庫県灘警察署に逮捕されました。
Aさんは、突然の逮捕に動揺しており、取調べにもどのように対応すればよいか分からず困っています。
ドラマで逮捕された被疑者が「弁護士を呼んでください」と言っている場面を思い出したAさんは、「自分も弁護士を呼ぶことができるのか」、「呼ぶことができるのなら、いつ呼べるのか」と気が気でなりません。
(フィクションです)

突然の逮捕!被疑者となったらすぐに弁護士を呼べるの?

前回は、刑事事件を起こして逮捕された場合には、逮捕された被疑者が弁護士と接見する権利があること、そして「当番弁護士」制度というものがあることをご紹介しました。
今回は、「国選弁護人」と「私選弁護人」についてご紹介したいと思います。

刑事手続において、被疑者・被告人の権利を正当に行使し、正当な利益を擁護する「弁護人」の活動が重視されます。

憲法第34条前段は、身柄の拘束を受けている者に対し、憲法第37条3項は、被告人に対して、「弁護人依頼権」を保障しています。

第三十四条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

刑事訴訟法は、全ての被疑者・被告人に対し「弁護人選任権」を保障しています。

第三十条 被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。

弁護人の資格として「弁護士」であることが必要とされますが、地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所では、裁判所の許可を受けて、弁護士でない者を弁護人に選任することもできます。

弁護人は、選任方式の違いにより、「国選弁護人」と「私選弁護人」に区別されます。

(2)国選弁護人

国選弁護人」は、裁判所、裁判長または裁判官が選任する弁護人です。
国選弁護人は、「被告人国選弁護」と「被疑者国選弁護」の2つの制度によって就任する弁護人です。 

(ア)被疑者国選弁護
被疑者に対して勾留状が発せられている場合で、被疑者が貧困その他の事由により私選弁護人を選任することができないときには、裁判官に対し、国選弁護人の選任を請求することができます。

(イ)被告人国選弁護
被告人は、貧困その他の事由により私選弁護人を選任することができないときは、裁判所に対し、国選弁護人の選任の請求をすることができます。

国選弁護人は、費用を国が負担してくれるので、経済面でメリットが大きいのですが、必ずしも刑事事件に詳しい弁護士が選任されるわけではありません。
また、被疑者段階では、勾留前から選任することは出来ませんので、逮捕後すぐに勾留阻止を目指した活動を依頼することはできないというデメリットがあります。

(3)私選弁護人

私選弁護人」というのは、被疑者・被告人、および一定の関係人が選任した弁護人のことです。
被疑者・被告人またはその家族らが、自分たちで弁護士を選び、弁護人として選任しますので、自分に合った弁護士弁護人として選任できるというメリットがあります。
医者にも内科医や外科医がいるように、弁護士もある特定の分野に特化していることが多く、刑事事件専門の弁護士であれば、適切かつ迅速に対応してくれることが期待できます。
一方、デメリットとしては、弁護士費用を自己負担しなければなりませんので、費用面で工面することが出来ない場合には、国選弁護人を検討されるのもオプションのひとつです。
私選弁護人は、逮捕されているされていないにかかわらず、選任することができます。
ですので、逮捕される可能性がある場合には、事前に私選弁護人を選任し、逮捕回避の活動や逮捕された場合に備えたアドバイス、逮捕後ただちに接見に来てくれるよう予め備えておくことができます。
また、逮捕直後に選任すれば、逮捕後の勾留を阻止すべく、検察官や裁判官などに働きかけ、勾留回避の可能性を高めることができます。

ご家族が刑事事件を起こし逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約を24時間受け付けております。
まずは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

当番弁護士、国選弁護人、私選弁護人の違いは?①

2019-08-15

当番弁護士、国選弁護人、私選弁護人の違いは?①

当番弁護士について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市灘区に住むAさんは、SNSで知り合った未成年者Vさんに裸の写真を撮らせ、Aさんの携帯電話にその画像を送らせたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造罪)の疑いで、兵庫県灘警察署に逮捕されました。
Aさんは、突然の逮捕に動揺しており、取調べにもどのように対応すればよいか分からず困っています。
ドラマで逮捕された被疑者が「弁護士を呼んでください」と言っている場面を思い出したAさんは、「自分も弁護士を呼ぶことができるのか」、「呼ぶことができるのなら、いつ呼べるのか」と気が気でなりません。
(フィクションです)

突然の逮捕!被疑者となったらすぐに弁護士を呼べるの?

あなたが何らかの罪を犯してしまい、警察に逮捕されたとしましょう。
突然の逮捕に驚き、また日常では体験することがない警察による取調べを受けることになり、どのように対応すればよいか分からず不安を抱くことでしょう。
また、身柄拘束され、警察署の留置場で過ごすことになり、精神的にも大きな負担を感じることになります。
そのような状況下では、弱気になり、やっていないことまでやったかもしれないと自己に不利な供述をしてしまうこともあります。
そんな時には、弁護士に相談しましょう!

法律は、刑事事件の被疑者・被告人となった人にも様々な権利を保障しています。
被疑者に認められている権利のなかに、「接見交通権」というものがあります。
これは、身体拘束を受けている被疑者・被告人が、弁護人弁護人となろうとする者、被疑者・被告人の家族や友人等と面会(接見)したり、書類や物の授受を行う権利です。

被疑者・被告人の家族や友人等との面会を「一般面会」といい、これには被疑者・被告人が逃亡したり罪証隠滅したりするのを防ぐために、面会時には職員が立会い、面会時間も20分と制限されています。
逃亡や罪証隠滅をするおそれがあると疑うに足りる相当な理由があるときには、検察官の請求により、又は裁判官の職権で、勾留されている被疑者・被告人と家族らの接見を禁じることもあります。(これを「接見禁止」といいます。)

一方、弁護人弁護人となろうとする者との接見には、一般面会のような制限はありません。
接見時には立会人はいませんし、時間制限もありません。
接見禁止が付されている場合でも、弁護人等であれば接見することができます。

であれば、次に気になるのが、「いつ弁護士を呼べるのか?」です。
「逮捕されたら、すぐに呼べる?」、「どうやって呼ぶの?」など疑問に思われるでしょう。
実は、逮捕された場合、いつでも弁護士を呼ぶことはできるのです。

逮捕された人が呼べる弁護士には、次のように種類分けすることができます。

(1)当番弁護士

刑事事件で逮捕された被疑者が、検察官に起訴される前の段階でも、弁護士を通じた弁護権を保障することを目的として、日本弁護士連合会によって提唱・設置された「当番弁護士制度」というものがあります。
当番弁護士制度は、1回の接見に限り無料で弁護士との接見を提供するもので、弁護士と接見することで、被疑者は法的助言を得ることができます。
逮捕後、警察に当番弁護士を呼んでほしい旨を伝えると、警察は所管の弁護士会へ連絡し、当番弁護士との接見依頼があることを伝えます。
当番弁護士を呼べるのは、逮捕されている被疑者だけでなく、その家族や友人が弁護士会へ連絡して呼ぶこともできます。
1回だけの接見となるので、引き続き弁護を依頼する場合は、別途私選弁護人として当番弁護士と契約することになります。

逮捕されたら、いつでも呼ぶことができる当番弁護士制度ですが、警察は被疑者に対して「弁護士を呼ぶ権利がある」と口頭で説明するものの、どのような制度があるかまで細かく説明してくれるとは限りません。
ですので、逮捕から勾留決定までの間、どうやって弁護士を呼ぶか分からず、そのまま勾留決定となってしまうケースも少なくありません。

このような当番弁護士の他に、国選弁護人私選弁護人がありますが、これらについては次回みていきたいと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が刑事事件を起こし逮捕されてお困りであれば、弊所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスを24時間受付ております。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

被害者との示談交渉は弁護士に!

2019-08-14

被害者との示談交渉は弁護士に!

被害者との示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県尼崎市の居酒屋で会社の同僚と飲んでいたAさん。
店を出て帰路につく途中、すれ違いざまに見知らぬ男性Vさんと肩がぶつかってしまいました。
するとVさんから「どこ見とんねん!」と暴言を吐かれたことにカッとなり、Aさんが「お前からぶつかってきといて、なんやねん!」と言い返し、口論に発展しました。
その最中、AさんはVさんの顔面を殴ってしまいました。
通行人が警察に通報し、兵庫県尼崎南警察署の警察官が現場に駆け付けました。
その後、署で事情を聴くことなり、警察からは、弁護士にVさんとの示談をしてもらったらどうかと言われています。
(フィクションです)

警察庁の統計によると、平成29年における刑法犯の検挙人員の罪名別構成比は、以下の順となっています。

1.窃盗(全体の50.8%)
2.暴行(12.0%)
3.傷害(9.8%)
4.横領・遺失物等横領(8.3%)
5.詐欺(4.6%)

全体の半分を窃盗が占めていますが、暴行や傷害といった暴力事件も刑法犯の中で多いと言えるでしょう。
上の犯罪には、被害者がいます。
このように被害者がいる事件における重要な弁護活動の一つが、被害者との示談交渉です。

示談について

示談というのは、加害者が被害者に対して相応の弁償金を支払う一方、被害者は被害届や告訴状の提出を行わない、若しくは、それらを取り下げるなど、当事者間では今回の事件は解決したと約束することをいいます。
被害者のいる事件では、事件の早期解決を図る方法として用いられます。

示談を成立させ、被害届や告訴の提出回避や取下げとなれば、被害者の告訴が公訴を提起するためには必要となる親告罪の場合はもちろんのこと、示談成立の有無は検察官が起訴・不起訴を決める際にも考慮される要素となりますので、示談成立により刑事事件を早期に解決する可能性を高めることができるのです。

しかし、示談の締結は1回限りの行為ですので、加害者本人が直接被害者と行うことには注意が必要です。

まず、加害者が被害者に対して示談をしたいと思っても、被害者と連絡をとることは容易ではありません。
特に、被害者とは全く面識のない場合、警察や検察を通じて被害者の連絡先を教えてもらわなければなりませんが、捜査機関は被害者の連絡先を加害者に直接教えることはあまりありません。
また、被害者は、加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いていることが多く、加害者と直接連絡をとることを望まないケースも多々あります。
まれに、被害者側が加害者と連絡をとることを希望する場合もありますが、当人同士の話し合いは感情的になる傾向がありますし、被害者が一方的に高額な示談金を請求するといったケースもあります。

ですので、被害者との示談交渉には、弁護士を介して行うことが通常です。
弁護士は、示談交渉を数多く経験しているため、交渉のノウハウを持っています。

暴力事件では、被害者が負った怪我について、通院費や治療費などの損害実費を弁償し、精神的損害についても慰謝料を支払うことで示談が成立するケースが多いです。
その示談金の額は、被害者が負った怪我の程度によって異なります。

示談交渉に優れた弁護士に依頼し、適切な法的サポートを受け、加害者と被害者がお互いに納得できるような示談をしましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
所属弁護士は、これまで数多くの刑事事件を取り扱ってきており、被害者との示談交渉にも豊富な経験があります。
あなたが、刑事事件を起こしてしまい、被害者への被害弁償・示談をお考えなら、弊所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

客引きで風営法違反

2019-08-12

客引きで風営法違反

客引きでの風営法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース①~
兵庫県神戸市中央区にあるパブの従業員であるAさんは、同区の路上で不特定多数の通行人に「3000円でいいから、行こうよ」などと言いながらつきまとい、腕を引っ張るなどの客引きをした疑いで、兵庫県生田警察署風営法違反で逮捕されました。

~ケース②~
兵庫県神戸市中央区にある多国籍料理店の従業員であるAさんは、同区の路上で不特定多数の通行人にしつこくつきまとい、腕を引っ張るなどの客引きをした疑いで、兵庫県生田警察署風営法違反で逮捕されました。

神戸市中央区で客引き行為を規制する法令

神戸市中央区客引き行為を行った場合、以下の法令違反となる可能性があります。

1.客引き行為等の防止に関する条例

当該条例は、公共の場所において客引き行為等及び客引き行為禁止地区における客引き行為等を禁止しています。
禁止地区において客引き行為等をした者に対して、知事は指導・勧告・命令を行うことができ、命令に違反した者は、5万円以下の過料に処される可能性があります。

2.軽犯罪法

軽犯罪法は、他人の進路に立ちふさがる、その身辺に群がって立ち退こうとしない、不安や迷惑を覚えるような仕方で他人につきまとう行為を禁止しており、違反者に対しては、拘留(1日以上30日未満)又は科料(千円以上1万円未満)の刑罰が設けられています。

3.迷惑防止条例

迷惑防止条例は、公共の場所における不当な客引き行為等を禁止しています。
性的な要素や異性による接待があるサービス以外の業種については、「人の身体又は衣類をとらえ、所持品を取り上げ、進路に立ちふさがり、身辺に付きまとう等の執拗な方法で」の客引きのみを規制しています。
違反者に対する罰則は、50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっており、常習としての違反者に対しては、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

4.風営法

風営法においても、客引き行為は禁止されており、違反者に対しては罰則が設けられています。

客引き行為で風営法違反となる場合

風営法とは、「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律」の略称です。
風営法は、客引き行為を禁止しています。

第二十二条 風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 当該営業に関し客引きをすること。
二 当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。

ここでいう「風俗営業」は、風営法において、以下のものと定義されています。

一 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
二 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)
三 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの
四 まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
五 スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)

風俗営業に関する客引き行為をすると、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金となる可能性があります。

風営法というと、「風俗営業」のみが対象になると思われがちですが、風俗営業に当たらない飲食店であっても深夜営業に関しての客引き行為を禁止しているのです。

第三十二条

3 第二十二条第一項(第三号を除く。)の規定は、飲食店営業を営む者について準用する。この場合において、同項第一号及び第二号中「当該営業」とあるのは「当該営業(深夜における営業に限る。)」と、同項第四号中「業務」とあるのは「業務(少年の健全な育成に及ぼす影響が少ないものとして国家公安委員会規則で定める営業に係るものを除く。)」と、同項第五号中「十八歳未満」とあるのは「午後十時から翌日の午前六時までの時間において十八歳未満」と、「を営業所」とあるのは「を営業所(少年の健全な育成に及ぼす影響が少ないものとして国家公安委員会規則で定める営業に係るものを除く。)」と、「第二条第一項第五号の営業に係る営業所にあつては、午後十時から翌日の午前六時までの時間において客として立ち入らせること」とあるのは「保護者が同伴する十八歳未満の者を客として立ち入らせる場合を除く」と読み替えるものとする。

ですので、上記ケース②のように、風俗営業以外であっても客引き行為で風営法違反となる可能性があるのです。

風営法違反事件を含めた刑事事件でお困りであれば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

痴漢事件、会社への発覚阻止

2019-08-11

痴漢事件、会社への発覚阻止

痴漢事件で会社への発覚阻止について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
JR神戸線の快速電車に乗っていたAさんは、隣に座っている若い女性が眠っているものと思い、女性の臀部をしばらく触っていました。
三ノ宮駅に着くと、電車乗り換えのためAさんは電車を下車しましたが、後方から声を掛けられ振り返ると、さきほど隣に座っていた女性が「痴漢しましたよね。駅員室に行きましょう。」とAさんに言ってきました。
Aさんはとっさに「なんのことですか。」と否定しましたが、女性に腕を掴まれ、そのまま駅員室に行くことになりました。
その後、通報を受けて駆け付けた警察官と共に兵庫県葺合警察署に連れて行かれ、調べを受けました。
Aさんは、容疑を素直に認めていますが、会社に事件のことが発覚するのではないかと心配しています。
(フィクションです)

痴漢をするとどんな犯罪が成立するの?

相手の意に反して身体を触るなどの卑わいな行為を「痴漢」といいます。
電車内での痴漢が最もよく知られるところではないでしょうか。
電車内で相手の臀部を服の上から触ったという場合には、迷惑防止条例違反が成立すると考えられます。

痴漢行為は、その形態により、迷惑防止条例違反、若しくは強制わいせつ罪に問われることになります。
簡単に言うと、衣類の上から身体を触る場合には、前者に該当することになります。

迷惑防止条例違反

「兵庫県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(以下、「迷惑防止条例」といいます。)では、「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人にしてて、不安を覚えさせるような卑猥な言動をしてはならない」と規定されています。

「公共の場所」とは、不特定多数の人が自由に出入りし、利用できる場所を指します。
「卑猥な言動」とは、性的道義観念に反する下品でみだらな言語や動作をいうと理解されています。
強制わいせつにおける「わいせつな行為」よりも広義に捉えられています。
迷惑防止条例違反で起訴された場合、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。

強制わいせつ罪

強制わいせつ罪における「わいせつな行為」とは、その行為者またはその他の者の性欲を刺激興奮または満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいいます。
一般的には、着衣の上から触った場合には迷惑防止条例違反、着衣に手を差し入れて触った場合には強制わいせつ罪が適用されることが多いです。
強制わいせつ罪は、暴行・脅迫を用いていることが要件となります。

痴漢事件が会社に発覚する場合とは?

あなたが痴漢事件を起こし、その事件が会社発覚するのは、
①事件について報道される。
②会社が捜査機関からの捜索や聴取を受ける。
③長期の身体拘束となる。
場合が考えられます。

①事件が報道される場合
痴漢事件をはじめ、刑事事件で被疑者として取調べを受けた場合、全ての事件について報道されるわけではありません。

報道されやすい事件の特徴としては以下のようなものになります。
・殺人事件などの重大な事件
・振り込め詐欺や児童買春といった社会問題となっている事件
・被疑者が、政治家・公務員・教師・医師・大手会社員など公的な側面を持った職業に就いている

各警察署がマスコミに発表する事件を決定し、発表すると決めた事件について各マスコミに伝えます。
報道の必要性が高く、報道によって被害者等に不利益が生じないといったことが考慮されるようです。
次に、マスコミ各社は、ニュースバリューが高いものを選び、当該事件について報道します。
警察署が発表した事件すべてが報道されることはなく、マスコミが振るいにかけているわけです。

②会社が捜索や聴取を受ける場合
事件現場が会社であったり、捜査機関が会社への聴取が必要だと判断すると、捜査機関は会社に事件のことを伝えて上で、捜索や聴取などを行います。
そうなれば、会社に事件のことが発覚することは避けられません。

③長期の身体拘束となる場合
逮捕後、勾留が決定すると、逮捕から13日間、最大で23日もの間刑事施設での身体拘束を余儀なくされます。
その間、会社に行くことはできませんので、家族から会社に欠勤の連絡を入れることになります。
数日であれば、体調が悪い等を理由に休むことも可能ですが、欠勤が長引けば事件のことを伝えざるを得なくなります。

事件について会社発覚することを回避するためには、身体拘束を免れることが重要です。
痴漢事件の場合、容疑を認めており、初犯かつ犯行形態も悪質でなければ、逮捕されたとしても釈放される可能性はあります。
早期に弁護士に相談・依頼し、身柄解放に向けて動くことをおすすめします。
刑事事件は時間との勝負です。
そのうち釈放されると思っていると、勾留され長期の身体拘束となることもあります。

ご家族が痴漢事件で逮捕されたら、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

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