盗撮目的でのカメラの設置・差し向け

2019-08-27

盗撮目的でのカメラの設置・差し向け

盗撮目的でのカメラの設置差し向け行為により成立し得る犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県小野市にある施設内の女子トイレに盗撮目的で侵入したAくん(16歳)は、利用中の個室トイレの上から持っていたスマートフォンを差し入れ盗撮しようと試みました。
ところが、個室トイレに入っていた女性Vさんに見つかり大声をあげられ、Aくんは慌ててその場から逃げ出しました。
その後、防犯カメラの映像等からAくんが特定され、事件から数か月後に兵庫県小野警察署に建造物侵入と迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)

迷惑防止条例で禁止される盗撮行為

兵庫県の迷惑防止条例は、第3条の2において盗撮行為を禁止しています。

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

上の規定は、平成28年7月1日から施行されたもので、改正条例では、盗撮を禁止する場所が拡大され、盗撮の目的でカメラなどの撮影機器を設置する行為、差し向ける行為が新たに禁止されました。

本条例が禁止している行為は、次の3つです。

カメラ等を用いて撮影する行為。
撮影する目的で、カメラ等を設置する行為。
撮影する目的で、カメラ等を差し向ける行為。

①が典型的な盗撮行為で、スマートフォンを用いて盗撮する行為はこれに当たります。
②は、盗撮しようとしてトイレや更衣室などにカメラ設置する行為です。
そして、③は、盗撮する目的でスマートフォンを差し向ける、つまり、被写体へ向ける行為を意味します。
上記ケースは、③の行為に当たるでしょう。
②や③に関しては、実際に盗撮に成功していなくとも既遂となります。

また、盗撮行為や、正当な理由なく盗撮目的カメラ等撮影機器を差し向ける設置する行為は以下の場所で禁止されます。

①公共の場所・公共の乗物
②学校の教室・集会所・事務所・タクシー内、貸し切りバス内など
③浴場・更衣室・便所など

改正前は、電車や駅などでの盗撮は「公共の場所・乗物」における盗撮行為として迷惑防止条例違反が成立したものの、トイレなどは「公共の場所・乗物」に該当しないとして本条例が適用できないという状況にありました。
しかし、改正により、トイレ内の盗撮等の行為も禁止対象となり、迷惑防止条例違反が成立し得るようになりました。

このように、盗撮目的でスマートフォンを差し向けたAくんの行為は、兵庫県の迷惑防止条例違反に当たると考えられます。
また、盗撮目的で女子トイレに入った行為については、建造物侵入罪が成立するでしょう。

少年であっても逮捕される可能性はあります。
お子様が盗撮事件を起こし逮捕されてしまったのであれば、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弊所は、刑事事件・少年事件を専門とした法律事務所です。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881まで。