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業務上横領事件で起訴回避
業務上横領事件で起訴回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県丹波篠山市にある会社で経理業務を担当していたAさんは、管理していた現金を横領していました。
家庭の都合でAさんが会社を退職した後に、横領に気づいた会社は、すぐにAさんに連絡しました。
「全額返済してくれないなら、兵庫県篠山警察署に被害届を提出する。」と言われたAさんは、このまま業務上横領で起訴されてしまうのかと心配しています。
(フィクションです)
業務上横領罪とは
業務上横領罪は、①業務上の委託に基づき、②自己の占有する他人の物を、③横領する犯罪です。
①業務上
「業務」というのは、委託を受けて他人の物を占有または保管する事務を反復継続して行う地位のことを意味します。
例えば、質屋や倉庫業者、職務上金銭を保管する役職員などが、業務上の占有者です。
上記ケースでは、Aさんは、会社で経理を担当していたので、「業務上」の要件を満たすでしょう。
②自己の所有する他人の物
これは、業務と関連して理解自己が占有する他人の物を指します。
「占有」とは、物に対して事実上または法律上支配力を有する状態のことをいいます。
他人から預かった金銭を預金した者や小切手振出をゆだねられた者は、その人の金銭が入っている預金を占有していると理解されます。
③横領
「横領」の意義については、不法領得の意思を実現する一切の行為と理解する「領得行為説」と、委託の趣旨に反する権限逸脱行為と理解する「権限行為説」とが主張されていますが、判例及び通説は、前者の「領得行為説」の立場を採っています。
この説によれば、横領とは、「委託物につき不法領得の意思を実現するすべての行為」を含みます。
ここでいう「不法領得の意思」というのは、「他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その者につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思」をいいます。
よって、領得行為説において、「横領」行為は、「不法領得の意思を表現する一切の行為」のことで、売買、贈与、質入れ、抵当権の設定、消費、着服などが含まれます。
「不法領得の意思」は、自己のために領得する意思に限定せず、行為者と特殊の関係を有する第三者に領得させる意思があってもよいとされます。
委託者本人のために物を処分した場合、原則としては「不法領得の意思」は認められませんが、その処分が委託の趣旨に反し許されないものであるときには、不法領得の意思が認められます。
また、処分したものを後日補填する意思があった場合でも、「不法領得の意思」が認められることがあります。
上記ケースにおいて、Aさんがもっぱら自分のために使う目的で、会社のお金を着服していたのであれば、業務上横領罪が成立すると考えられます。
業務上横領事件で起訴を回避するためには
業務上横領事件で捜査機関が刑事事件として捜査を開始する場合、その多くが、被害者からの被害届や告訴を受理したことによります。
ほとんどの場合、被害者が横領に気が付いた時点で、警察に相談する前に、被疑者を呼び出し事情を聞き、横領額の返済を求めることになります。
横領した者に刑事処分が下ったところで、被害が回復されなければ被害者にとって意味がありませんので、まずは被害弁償がなされることを優先するのです。
警察に事件が発覚する前に、被害弁償が完了すると、被害者によっては、問題となっている横領の件について被害届の提出や告訴をしないこともあります。
しかし、早期の被害弁償が叶わない場合や、被害者の処罰感情が強い場合には、捜査機関に被害届を提出、あるいは告訴をすることもあります。
警察が被害届や告訴を受理すると、捜査を開始することになります。
最終的に、起訴するか否かの判断は、警察ではなく検察官が行います。
起訴された場合、かなりの確率で有罪となりますので、公判請求にしろ、略式起訴にしろ、前科が付く可能性は高いでしょう。
そのため、検察官が起訴しないように早期に動く必要があります。
業務上横領事件において、起訴を回避するためには、何よりもまず、被害弁償がなされていることが重要なポイントとなります。
業務上横領罪は財産犯にあたるため、被害が回復したか否かという点が起訴・不起訴を判断する際に考慮されます。
起訴を回避するためには、早期に被害弁償をすることが重要です。
被害弁償を行うにあたって、被害者との交渉が求められますが、当事者同士の交渉は、感情論的になり交渉がなかなか進まないこともありますし、お互いに主張する横領額が大きく異なることもあります。
そのため、業務上横領事件において、交渉を円滑にすすめるために、弁護士を介して行われることが多くなっています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、業務上横領事件も含めた刑事事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
痴漢事件で前科回避に動く弁護士
痴漢事件で前科回避に向けた弁護活動について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
JR神戸線の姫路行快速電車に乗車していた会社員のAさんは、隣に座っていた若い女性の太ももを触るなどの痴漢行為を行いました。
垂水駅で下車したAさんは、後ろから誰かに声を掛けられ、振り返ると車内で隣に座っていた被害女性でした。
「痴漢しましたよね。一緒に来てください。」と腕を掴まれて、そのまま駅の事務室に連れていかれました。
その後、Aさんは兵庫県垂水警察署で取調べを受け、翌日に釈放されました。
Aさんは、自分の軽率な行為を反省しており、今回の事件で前科が付いてしまうのか心配しています。
(フィクションです)
前科について
刑事事件を起こし、被疑者となってしまった場合、必ずしも前科が付くわけではありません。
前に罪を犯して、有罪の判決を受けたことを「前科が付く」といいます。
前科の定義については、法律で定められたものがあるわけではありませんが、一般的には有罪判決を受けた事実を「前科」と理解されています。
このように、前科は、有罪判決を受けた場合に付くことになります。
有罪判決を受けたというのは、公開の法廷で審理を受け、裁判官から有罪判決の言い渡しを受けた場合に限らず、略式手続で略式命令を受けた場合も含みます。
前科が付くことによって生じる影響とは、以下のようなものが考えられます。
①再犯した場合に処分が重くなる
残念ながら、再び罪を犯してしまった場合、初犯としては扱われず、受ける処分が重くなることになります。
②資格が制限される
前科が付くことにより、ある一定の資格を取得すること、もしくは、資格を取得している場合には資格がはく奪されることがあります。
資格の種類や前科の内容によっては、必ず資格が取得できなくなったり、取り消されたりするようなものもあります。
例えば、弁護士は、執行猶予が付いていても禁固以上の刑に処せられた場合には、資格を取り消されることになります。
③海外への渡航が制限される
国によっては、前科を有していることが入国やビザの取得できないことがあります。
前科を回避するためには
上のような不利益が生じる前科を回避するには、不起訴を獲得することが重要です。
「不起訴」というのは、公訴を提起しないとする処分のことです。
不起訴処分には、①罪とならず、②嫌疑なし、③嫌疑不十分、④起訴猶予の種類があります。
不起訴となる場合の多くが、④の「起訴猶予」です。
起訴猶予は、被疑者が犯罪を犯したという証拠が十分あり起訴することも可能であるが、被疑者の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯罪後の情況を考慮し、起訴する必要がないと判断され、不起訴となることです。
上のケースでは、Aさんは容疑を認めていますので、起訴猶予での不起訴の獲得を目指すことになるでしょう。
起訴猶予を獲得するためには、被疑者が反省していることや、被害者との示談が成立していることなどが重要なポイントとなります。
示談が成立することによって、被疑者の反省の態度を示すことにもなりますし、被害者との和解が成立しているとして被疑者にとって有利な材料にもなります。
示談交渉は、通常、弁護士を介して行います。
罪証隠滅の関係で、加害者が、警察から被害者の連絡先を教えてもらうことは稀ですし、被害者は加害者に対して怒りや恐怖の感を抱いていることが多いので、連絡先を教えることを拒否したり、連絡をとることができたとしても、感情的になり交渉がうまく進まないことが多いのです。
ですので、弁護士を介して冷静に交渉を行うことにより、当事者両方が納得のいく内容での合意締結が期待されます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件も含めた刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
痴漢事件を起こしてお困りの方、示談交渉でお悩みの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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薬物事件の身柄解放
薬物事件の身柄解放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県尼崎東警察署の警察官は、兵庫県尼崎市の路上を歩いていたAさんに職務質問を行いました。
所持品検査を行ったところ、持っていたバックから乾燥大麻が入った小袋が見つかりました。
Aさんは、大麻取締法違反(大麻所持)の容疑で現行犯逮捕されました。
Aさんは、どの程度身体拘束が続くのか不安です。
(フィクションです)
薬物事件における身体拘束
大麻や覚せい剤といった薬物事件で逮捕された場合、逮捕後勾留となる可能性は高いでしょう。
薬物事件では、余罪がある可能性や共犯者がいる可能性が高いので、被疑者を釈放すると、証拠を隠滅するおそれがあると判断される傾向にあると言われています。
有罪にするために充分な証拠を収集し終わるまで、被疑者の身体を拘束したままで捜査が行われ、勾留期間いっぱいまで、10日間の勾留では不十分な場合には勾留延長となりさらに10日間の身体拘束となることが多いです。
さらに、共犯者と接触し証拠の隠滅を図ることを防ぐために、弁護士以外との接見を禁止する接見禁止が付される場合がほとんどです。
このように、薬物事件においては、ほとんどの場合、長期の身体拘束を余儀なくされるのです。
それでは、薬物事件での身柄解放は不可能だと言うことなのかと言えば、それは違います。
起訴される前の段階であっても、勾留を阻止することや勾留の取消しを求めることはできます。
しかし、残念ながら、薬物事件において、捜査段階においてそのような申立てが認められ釈放される確率はそう高くありません。
一方、捜査が終了し起訴された後であれば、比較的保釈が認められる可能性が高いので、起訴後に釈放となるケースが多くなっています。
保釈とは
一定額の保釈保証金を納付することを条件として、被告人に対する勾留の執行を停止し、その身柄拘束を解く裁判及びその執行を「保釈」といいます。
保釈には、以下の3つの種類があります。
1.権利保釈(必要的保釈)
裁判所は、権利保釈の除外事由に該当しない場合には、保釈請求があったときは、原則として保釈を許可しなければなりません。
除外事由は、以下の通りです。
①被告人が、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁固に当たる罪を犯したものであるとき。
②被告人が、前に、死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由のあるとき。
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。
2.裁量保釈(任意的保釈)
裁判所は、上の権利保釈の除外事由がある場合であっても、適当と認めるときは、職権で保釈を許可することが出来ます。
3.義務的保釈
裁判所は、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求により、又は職権により、保釈を許可しなければなりません。
保釈は、検察官が起訴した時点から、請求することができます。
保釈の条件として、一定額の保釈保証金を納付しなければなりません。
裁判所に保釈が許可されたとしても、保釈保証金を納付しなければ、実際に被告人の身体拘束が解かれることにはなりません。
保釈保証金の金額は、被告人の経済力に比例して決められるようです。
一般的な相場は、150万から300万円です。
保釈保証金は、判決後に戻ってきます。
しかし、保釈が取り消された場合、保釈保証金の全部または一部が没収されることにもなりますので、保釈中の行動には気を付けなければなりません。
薬物事件であっても、保釈が認められるケースもありますので、起訴後すぐに保釈請求を行い、釈放されることを目指します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件を含めた刑事事件専門の法律事務所です。
薬物事件で逮捕・勾留されてお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
侵入盗で執行猶予獲得
侵入盗事件において、執行猶予獲得を目指す弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県淡路市の敷地内に何者かが侵入し、銅線や電動工具が盗まれるという事件が起こりました。
被害者からの被害届の提出を受理した兵庫県淡路警察署は、侵入盗事件の捜査に着手しました。
後日、同署は県内に住むAさんを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、Aさんにどのような処分が下されるのか心配になり、刑事事件に強い弁護士に相談の連絡を入れました
(フィクションです)
侵入盗で成立し得る犯罪は?
窃盗犯を、その手口ごとに分類したもののうち、建物に侵入し金品や財物を窃取する窃盗を「侵入盗」と呼びます。
空き巣、忍び込み、居空き、金庫破り、出店荒らし、事務所荒らし、など、侵入盗もその手口によってより細かく分類されます。
このように、建物に侵入して窃盗行為を行った場合、住居侵入および窃盗の2罪が成立することが多くなっています。
侵入盗は、犯罪の手段・結果である行為が、他の罪名に触れる場合である「牽連犯」に当たります。
つまり、窃盗を行うために、住居等に侵入しているため、窃盗の手段である侵入行為が住居侵入という別の犯罪を構成することになるのです。
このような牽連犯の場合、「その最も重い刑により処断する」ことになります。
該当する罪のうち最も重い刑を定めている罪の法定刑によって処断するということであって、他の罪の法定刑の最下限よりも軽く処断することはできません。
ですので、侵入盗の場合であれば、住居侵入の法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金で、窃盗罪は10年以下の懲役または50万円以下の罰金となっていますので、窃盗罪の法定刑のほうがより重い刑といえ、窃盗罪の法定刑により処断されることになります。
執行猶予を獲得するために
窃盗罪と一口にいっても、該当する行為は、万引きから空き巣、特殊詐欺事件での受け子や出し子まで様々です。
被害金額が少ない万引きであれば、初犯であり、かつ、被害弁償が済んでおれば、微罪処分や不起訴処分となる可能性はあります。
しかし、侵入盗のように、手口も悪質で、被害金額も多いような場合、公判請求され正式裁判となる可能性は高いでしょう。
ただ、裁判になったからといって、必ずしも判決後すぐに刑務所に入ることになるとは限りません。
言い渡された刑の執行が猶予された場合、刑務所に入所することなく社会に復帰することができるのです。
有罪判決に基づく刑の執行を一定期間猶予し、その期間内に再度罪を犯さずに過ごせたときは、刑罰権の消滅を認める制度を「刑の執行猶予」といいます。
執行猶予には、刑の一部の執行猶予と刑の全部の執行猶予とがありますが、ここでは後者について説明します。
有罪判決を受けた場合でも、すぐに刑務所に入ることを回避できるため、公判請求され、起訴内容を認めるケースでは、執行猶予獲得を目指すことになります。
しかしながら、すべての事件で執行猶予が認められるわけではありません。
執行猶予の要件は、以下のとおりです。
①(a)前に禁錮以上の刑の処せられたことがないこと、もしくは(b)前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わらせた日またはその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがないこと。
②3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金の言渡しをする場合であること。
③執行猶予を相当とするにたりる情状があること。
ここで侵入盗について考えてみると、①については個々の被告人によりますので、仮に①の要件には該当することにすると、②については前述のように窃盗罪の法定刑で処断されることになりますので、10年以下の懲役または50万円以下の罰金とその範囲は1~10年の懲役か1~50万円の罰金となり、②の要件の3年以下の懲役または50万円以下の罰金を言い渡すことも可能ですので、②の要件に該当することになります。
さて、③についてですが、「執行猶予を相当とするにたりる情状」とは、どのようなものをいうのでしょうか。
一般的には、犯行方法や犯行態様が悪質ではないこと、犯罪結果が軽微であること、動機に汲むべき事情があること、被告人の年齢、被告人に反省が見られること、被害者の許しを得ていることなどがあります。
窃盗は財産犯であるので、被害が回復したか否かといった点が量刑上大きく考慮されます。
つまり、被害弁償の有無や被害者との示談の有無は、執行猶予獲得には非常に重要ということです。
そこで、被害者との示談交渉を行う必要があるのですが、加害者が直接被害者と交渉することはあまりお勧めしません。
というのも、被害者は加害者に対して嫌悪感を抱いている場合がほとんどですので、感情的になり交渉もうまく進まないことが多いからです。
そのため、交渉は弁護士を介して行うのが一般的です。
侵入盗事件を起こしお困りの方、示談交渉にお悩みのかたは、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
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少年事件における示談
少年事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神戸市東灘区に住むAくんは、市内の商業施設で盗撮行為を行ったとして、兵庫県東灘警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
その日の夜に釈放されたAくんですが、Aくんの両親は被害者の方にきちんと謝罪と被害弁償をしたいと考えています。
しかし、どのようにすればよいのか分からず、少年事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
示談とは
「示談」というのは、加害者が被害者に対して、相応の賠償を行う代わりに、被害者は被害届の提出を行わないなど、今回の事件については当事者間では解決したとする約束のことです。
多くの場合、被害者に対する賠償は金銭的なものとなります。
示談が成立している場合には、起訴・不起訴の判断をする検察官は、不起訴とする可能性が高いと言えます。
告訴権者からの告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」においては、被害者との示談が成立し、被害者から告訴されていなければ、検察官は起訴することはできませんので、この場合不起訴となります。
非親告罪においては、検察官は、被害者との示談が成立している場合であっても、起訴することはできます。
しかし、起訴・不起訴を判断する際に、被害者との示談成立の有無は考慮される要素のひとつですので、他の考慮要素と併せて検討した上で、不起訴とするケースは少なくありません。
また、起訴された場合であっても、被害者との示談成立は、被告人に有利な事情として裁判で主張することができ、量刑にも反映するものとなります。
このように、刑事事件において、被害者との示談が成立しているか否かといった点は、最終的な処分にも大きく影響することになりますので、非常に重要だと言えるでしょう。
少年事件における示談の効果
さて、成人の刑事事件における示談の効果について先述しましたが、少年事件の場合も同様の効果をもつのでしょうか。
少年事件においては、示談が成立したことが直ちに少年の処分に影響するということではありません。
しかしながら、被害者に誠実に対応し、被害者に謝罪・被害弁償を行うという経験が、少年自身の内省を深めるという場合があります。
この点、少年の更生に有利であることはもちろん、審判での審理対象でもある少年の要保護性の解消にもつながり、ひいては処分を決める際にも考慮される要素となります。
その意味で、少年事件においても、示談は重要であると言えるでしょう。
また、被害者感情が重要視される昨今では、家庭裁判所も被害弁償の有無や経緯には大きな関心を持っています。
そのため、早い段階から積極的に被害者との示談や被害弁償を試みる必要があるでしょう。
示談交渉は、一般的に、弁護士を介して行われます。
捜査機関が加害者に直接被害者の連絡先を教えることはあまりありませんし、事件で被害にあった被害者が加害者と直接連絡をとりたくないケースも少なくありません。
ですので、弁護士を通して示談交渉を行うほうが、交渉が円滑に進む場合が多いのです。
被害者との話し合いの状況や示談成立の見込みなどについては、随時、弁護士から裁判官に報告し、示談が成立した場合には速やかに示談書を提出し、示談成立の報告を行います。
そして、少年の反省の度合いや意識の変化、保護者の関与の度合い、示談に向けた努力の程度などについても報告し、少年の要保護性の解消につながる事情をしっかりと伝えます。
示談が成立しなかった場合であっても、被害者に対応するなかで、少年が内省を深めたことなどを伝えることが重要です。
このように、少年事件においては、単に示談が成立したか否かが重要なのではなく、被害者に対応する中で、如何に少年が事件や自身の問題を向き合い、被害者の気持ちを考え、自身の行為について反省することができたかが重要となります。
お子様が事件を起こしお困りの方は、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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監護者性交等と児童福祉法違反
監護者性交等と児童福祉法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神戸市長田区に住むAさんは、Bさんと交際していました。
Bさんには、14歳の子供Vさんがいます。
Aさんは、Bさん親子と同居はしていませんでしたが、週末にはBさん宅で過ごすなど、Vさんとも仲良くしていました。
しかし、年頃になったVさんは、Aさんと肉体関係を持つようになりました。
Aさんは、何度もVさんとの関係を断ち切ろうとしましたが、ずるずると関係は継続していました。
二人の関係に気づいたBさんが、兵庫県長田警察署に相談しに行ったことで事件が発覚しました。
Aさんは、警察署から「Vさんとのことについて話が聞きたい。」と言われています。
(フィクションです)
監護者性交等と児童福祉法違反の違いについて
18歳未満の者と性交等をした場合、淫行条例や児童買春などの罪が成立する可能性があります。
しかし、児童と行為者の関係性によっては、その他の罪に問われることもあります。
(1)監護者性交等
まずは、児童と行為者が親子、もしくはそれに違い関係性にあった場合には、監護者性交等罪が成立する可能性があります。
監護者性交等罪は、平成29年の改正刑法により新設された罪です。
第百七十九条 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条の例による。
監護者性交等罪は、
①18歳未満の者に対し、
②その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて
③性交等する
罪です。
犯行の主体は、「現に監護する者」で、18歳未満の者を現に監督し、保護している者です。
その典型例としては親権者があげられますが、親権者であっても、実際に監護している実態がなければ、該当しません。
一方、親権者のような法律上の監護権を有していないとしても、事実上、現に18歳未満の者を監督し、保護する者であれば、該当し得ることになります。
この点、18歳未満の者と行為者との関係性が問題となりますが、継続的な依存・被依存ないし保護・被保護の関係が認められることが必要となります。
具体的には、同居の有無、居住場所に関する指定等の状況、生活費の支出などの経済的状況、未成年者に関する諸手続等を行う状況、指導状況、身の回りの世話等の生活状況、そして、生活を共にしている期間の長さや生活を継続する可能性や意思が考慮されます。
一般的に、同居の親(養親)、同棲相手、子を引き取った親族は、「現に監護する者」に該当しやすいと言えます。
「現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて」とは、監護者が、被監護者の生活全般にわたって、衣食住などの経済的な観点や生活上の指導・監督などの精神的な観点から、現に被監護者を監督し、保護することにより生ずる影響力を及ぼしている状態を意味します。
上のケースを検討すると、AさんとVさんとの関係性が、監護者と被監護者の関係にあったのかが問題となります。
AさんとVさんは、交際相手の子供と母親の交際相手という間からです。
AさんはVだんと同居してはおらず、週末Bさん宅で過ごすという生活を送っていました。
AさんとBさんが単なる交際関係ではなく、内縁の夫婦のような関係であり、生活費やVさんの学費などもAさんが負担していたり、Vさんに対して生活指導や身の回りの世話をしていたのであれば、Aさんの監護者としての地位が認められる可能性はあるでしょう。
しかし、Aさんが監護者に該当しない場合は、監護者性交等罪は成立しません。
(2)児童福祉法違反
監護者性交等に該当しない場合でも、児童福祉法違反(児童に淫行させる行為)に当たる可能性があります。
三十四条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
(略)...
六 児童に淫行をさせる行為
監護者性交等とは異なり、犯行の主体には制限がありません。
ここでいう「淫行」とは、児童(18歳未満)の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為をいい、児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準ずる性交類似行為は「淫行」に含まれます。
また、「させる行為」とは、児童に働きかけて淫行をするように仕向ける行為をいいますが、直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為も含みます。
そのような行為に当たるか否かは、行為者と児童の関係、助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯、児童の年齢、その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断されます。
「させる」とありますが、自己を相手に性交等させる行為も含まれます。
AさんとVさんとの関係性を検討した結果、Vさんに対して事実上の影響力を行使して、VさんがAさんと性交をすることを助長し促進したと判断されれば、児童福祉法違反に該当するでしょう。
本罪の法定刑は、10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金です。
児童と行為者の関係性から、監護者性交等にも児童福祉法違反にも該当しない場合には、淫行条例違反や児童買春罪が成立する余地はあるでしょう。
監護者性交等や児童福祉法違反は、その法定刑も重いため、見込まれる処分も厳しいものとなる可能性があります。
監護者性交等や児童福祉法違反で被疑者となり対応のお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
児童ポルノ提供で書類送検
児童ポルノ提供で書類送検された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県南あわじ市に住む高校生のAさんは、同じ学校に通うVさんの性的な動画をLINEを通して他人に提供したとして、兵庫県南あわじ警察署に児童ポルノ提供の容疑で取り調べを受けました。
問題の動画は、Vさんの元交際相手が撮影したものですが、この交際相手からAさんは動画を入手し、遊び半分で同級生の何人かに動画をLINEで送っていました。
Aさんは、遊びのつもりでしたが警察沙汰となってしまったことを非常に不安に思っています。
警察からは、「身体不拘束のまま事件を検察に送る。その後、事件は家庭裁判所に送られることになる。また、関係機関から連絡が行くだろう。」と言われました。
AさんとAさんの両親は、今後の対応について少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
児童ポルノ提供罪
平成11年に制定・施行された「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春・児童ポルノ処罰法」といいます。)は、児童買春、児童ポルノ及び児童売春に係る行為等を処罰することとしています。
このうち、児童ポルノに係る行為については、次の行為を処罰の対象としています。
(1)児童ポルノ所持
対象行為:自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持する行為、これに係る電磁的記録を保管する行為。
法定刑:1年以下の懲役または100万円以下の罰金。
(2)児童ポルノ提供
対象行為:児童ポルノを提供する行為。
法定刑:3年以下の懲役または300万円以下の罰金。
(3)児童ポルノ提供目的の製造・所持・運搬・輸入・輸出
対象行為:児童ポルノを提供する目的で、製造、所持、運搬、日本への輸入、日本からの輸出する行為。
法定刑:3年以下の懲役または300万円以下の罰金。
(4)児童ポルノ製造
対象行為:児童ポルノを単純に製造する行為。
法定刑:3年以下の懲役または300万円以下の罰金。
(5)盗撮による児童ポルノ製造
対象行為:盗撮によって児童ポルノを製造する行為。
法定刑:3年以下の懲役または300万円以下の罰金。
(6)不特定多数の者への児童ポルノ提供・公然陳列
不特定もしくは多数の者に、児童ぽるのを提供したり、公然と陳列する行為。
法定刑:5年以下の懲役または500万円以下の罰金または併科。
(7)不特定多数の者への提供・公然陳列目的での児童ポルノ製造・所持・運搬・輸入・輸出
対象行為:不特定もしくは多数の者に提供または公然と陳列する目的で、児童ポルノを製造、所持、運搬、日本への輸入、日本から輸出する行為。
法定刑:5年以下の懲役または500万円以下の罰金または併科。
(8)不特定多数の者への提供・公然陳列目的での児童ポルノ輸出入
対象行為:不特定もしくは多数の者に提供または公然と陳列する目的で、児童ポルノを輸入または輸出する行為。
法定刑:5年以下の懲役または500万円以下の罰金または併科。
児童買春・児童ポルノ処罰法において規制される「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、①児童を相手方とする、または、児童による性交または性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの、②他人が児童の性器等を触る行為または児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させまたは刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの、③衣服の全部または一部を着けない児童であって、殊更に児童の性的な部位が露出され、または強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させまたは刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したものをいいます。
上のケースで問題となっているのは、Vさんの性的な動画です。
Vさんは18歳未満であり、元交際相手との性交の様子やVさんの裸の様子が撮られた動画だとすれば、児童買春・児童ポルノ処罰法で規制される「児童ポルノ」に該当することになります。
さて、そのような児童ポルノを特定の少人数にLINEで送った場合には、上の(2)児童ポルノ提供が成立する可能性があります。
ここでいう「提供」とは、問題の児童ポルノまたは電磁的記録その他の記録を相手方において利用することができる状態に置く法律上・事実上の一切の行為をいいます。
必ずしも相手方が実際受領することまで必要とされません。
LINEで児童ポルノの動画を送信し、受信者が見れるような状態にすることは、「提供」に該当します。
なお、提供が不特定または多数の者に対するものである場合には、法定刑は加重されます。
LINEで個々人に送信するのではなく、誰でも自由に閲覧できるようなネット上の掲示板に児童ポルノを投稿した場合などは、不特定多数人への提供となるでしょう。
このように、Aさんの行為は、児童ポルノ提供罪に当たる可能性があります。
遊び半分で行った行為であっても、罪が成立することもあります。
Aさんは、20歳未満であるため、基本的には家庭裁判所が処分を決めることになります。
警察に逮捕されない場合でも、家庭裁判所送致は免れませんので、捜査段階から少年の更生のためにきちんと環境調整を行う必要があります。
お子様が事件を起こし、対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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児童売春でぐ犯事件
児童売春をしぐ犯事件として家庭裁判所に送致される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県三木市に住むAさん(16歳)は、高校に進学したものの、夏休みに入り無断外泊を繰り返し、2学期に入ってからは家出を繰り返すようになりました。
その間、知人の男性を通じて、児童売春をしていました。
ある日、Aさんが深夜に繁華街にいたところ、警ら中の兵庫県生田警察署の警察官に声を掛けられ、補導されました。
警察官から話を聞かれる中で、Aさんが家出をしていることや、売春をしていることも発覚しました。
その後、何度か警察署で話を聞かれた後に、Aさんは警察官から「神戸家庭裁判所に送致するから、また裁判所から連絡がある。」と言われました。
AさんとAさんの両親は、今後どのような流れになるのか分からず心配しています。
(フィクションです)
児童売春について
児童買春は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春規制法」といいます。)で禁止されており、違反した者に対する刑事罰が定められています。
児童買春規制法における「児童買春」とは、児童(18歳未満の者)、児童に対する性交等の周旋をした者、または、児童の保護者または児童をその支配下に置いている者に対して、対償を供与し、またはその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、または自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせること。)をすることをいいます。(児童買春規制法第2条2項)
つまり、児童と金銭等を渡し、または渡す約束をして性交等をする行為を禁止しており、それに違反した者には、5年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
その他、児童買春を周旋したり勧誘したりする行為も処罰の対象となっています。
一方、売春した児童については、処罰の対象とはなっていません。
買春の相手方となった児童は、児童買春規制法において保護の対象となります。
つまり、売春をしたことに自体について罪に問われることはありません。
しかしながら、このような場合であっても家庭裁判所が保護事件として事件を受理する可能性はあります。
家庭裁判所が少年事件として取り扱うものには、主に次のような少年の事件です。
①犯罪少年
罪を犯した14歳以上20歳未満の少年。
②触法少年
刑罰法令に触れる行為をしたが、行為時において14歳未満であったので法律上罪を犯したことにならない少年。
③ぐ犯少年
20歳未満で、保護者の正当な監督に従わないなどの不良行為があり、その性格や環境からみて、将来罪を犯すおそれのある少年。
Aさんは、売春をしていましたが、これ自体は罪になりません。
しかし、家出を繰り返していることなどから、③のぐ犯少年として事件が家庭裁判所に送致される可能性はあります。
ぐ犯少年について
前述しましたが、ぐ犯少年とは、少年法第3条1項3号イないしニに定められている一定の事由(ぐ犯事由」)があって、その性格または環境に照らして、将来、罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれ(「ぐ犯性」)のある少年のことをいいます。
ぐ犯事由は、次の4つです。
(1)保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
(2)正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと。
(3)犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること。
(4)自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
Aさんの場合、家出を繰り返していますので、ぐ犯事由の(1)や(2)に該当することが考えられます。
また、売春をしていたことで、性的悪癖や人格を損なうみだらな行為など、社会的倫理的通念に反する行為を自ら行い行動傾向があるとして、ぐ犯事由の(4)に該当すると判断される可能性もあります。
ぐ犯事由があり、かつぐ犯性も認められる場合には、ぐ犯が成立することになります。
ぐ犯少年として家庭裁判所に送致されると、犯罪少年の場合と同様の手続となります。
観護措置の必要があれば観護措置がとられ、少年鑑別所での心身鑑別と家庭裁判所調査官による調査が行われ、審判を経て決定が言い渡されます。
このように、罪を犯していない場合であっても、ぐ犯少年として家庭裁判所に送致されることもあります。
お子様がぐ犯少年として家庭裁判所に送致されて対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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少年事件における処分
少年事件における処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
深夜2時ごろ、兵庫県姫路市の道路を複数のバイクや原動機付自転車で暴走し、信号無視や蛇行運転を繰り返したとして、兵庫県姫路警察署は、市内に住むAくん(16歳)を含む8名を道路交通法違反の容疑で逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの家族は、最終的にどのような処分を受けることになるのか心配しています。
(フィクションです)
少年事件における処分
Aくんは、共同危険行為などの道路交通法違反の疑いで逮捕されました。
Aくんは、16歳ですので、罪を犯した場合、成人の場合と同じように、捜査段階では刑事訴訟法が適用され、逮捕となる可能性はあります。
この点、少年が14歳未満であれば、刑事責任は問われませんので、犯罪は成立せず、警察も逮捕することはできません。
Aくんは、警察に逮捕されてから48時間以内に、釈放される、若しくは検察に証拠や関係書類などと共に送られます。
検察に送られた場合、検察官はAくんの身柄を受けてから24時間以内にAくんを釈放するか、Aくんを勾留することを裁判官に請求するかを決めます。
検察官が勾留請求をした場合には、今度は裁判官がAくんを勾留すべきか否かを判断します。
裁判官が勾留の判断をすると、Aくんは検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長されれば最大で20日間拘束されることになります。
少年の場合、検察官は「勾留に代わる観護措置」を請求することができ、裁判官もこの措置をとることができます。
「勾留に代わる観護措置」となれば、留置先は少年鑑別所になり、勾留期間も10日で延長はありません。
捜査機関による捜査が終了すると、検察官はAくんの処分を決めます。
Aくんの被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑は認められない場合でも家庭裁判所の審判に付すべき事由があるときは、検察官はAくんの事件を家庭裁判所に送致します。
事件を受理した家庭裁判所は、Aくんや保護者に対する調査を行い、審判を開きます。
調査の結果、審判を開くことができない、またはその必要がないと考える場合には、家庭裁判所は審判をしない決定をします。
審判を経て、裁判官はAくんに処分を言い渡します。
この処分には、中間決定と終局決定とがあります。
中間決定は、終局決定前の中間的な措置としてなされ、試験観察などがあります。
試験観察というのは、保護処分を決定するため必要があると認めるときに、相当の期間、家庭裁判所調査官の観察に付する決定のことです。
少年に対する終局処分を一定期間留保し、その期間の少年の行動等を調査官の観察に付すために行われます。
試験観察が行われる期間については、一般的には3~4か月ですが、事案によってその期間は様々です。
終局決定には、①審判不開始、②不処分、③知事・児童相談所長送致、④検察官送致、⑤保護処分の5種類があります。
①審判不開始決定
家庭裁判所は、調査の結果に基づき、審判に付することができないとき、審判に付するのが相当ではないときに、審判を開始しない旨の決定をします。
少年事件では、家庭裁判所が事件を受理したからといって必ずしも審判が開かれるとは限らず、調査の結果、審判を開始するのが相当だと認められるときに、その旨が決定されて審判が開かれます。
審判を開くための要件としては、(a)審判条件が存在すること、(b)非行事実の蓋然性が認められること、(c)審判が事実上不可能ではないこと、(d)審判の必要性があること、の4つがあり、このいづれかが欠ける場合には審判不開始決定がされます。
②不処分決定
家庭裁判所は、審判の結果に基づき、保護処分に付することができないとき、そして、保護処分に付する必要がないと認められるときに、少年を保護処分に付さない旨を決定します。
これを「不処分決定」といいます。
③知事・児童相談所長送致
調査または審判の結果に基づいて、児童福祉法の規定による措置を相当を認めて事件を都道府県知事または児童相談所長に送致する決定です。
家庭裁判所による事件の送致後、児童福祉法上どのような措置を行うかは送致を受けた児童相談所長が決定します。
④検察官送致
調査または審判の結果に基づいて、刑事処分が相当と認められるとき、あるいは、本人が20歳以上であるときには、事件を検察官に送致します。
刑事処分相当を理由とする検察官送致について、少年法20条1項は、「死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして、刑事処分を相当と認めるときは、決定をもって、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。」と規定しています。
また、犯行時16歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件については、原則として検察官送致決定をしなければなりません。
しかし、調査の結果、犯行の動機や態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状や環境その他の事情を考慮して、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りではありません。
⑤保護処分
保護処分は、非行を行った少年に対して、性格の矯正および環境の調整を目的として行われる処分です。
保護処分には、(a)保護観察、(b)少年院送致、(c)児童自立支援施設または児童養護施設送致、の3種類があります。
(a)保護観察
少年を家庭や職場に置いたまま、保護観察所の行う指導監督と補導援護によって、少年の改善更生を図る社会内処遇です。
保護観察の具体的な実施要領や手続等については法務省通達等に定められており、一般保護観察、一般短期保護観察、交通保護観察、交通短期保護観察の4種類に分類されて運用されています。
(b)少年院送致
少年院は、矯正教育を受けさせるための施設です。
その少年院に収容する処分が少年院送致です。
少年院は、第1種から4種まで4つの種類があります。
少年院送致は、少年の自由を拘束するという点で最も強力な保護処分と言えるでしょう。
(c)児童自立支援施設・児童養護施設送致
不良行為を行い、または行うおそれのある児童や、家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、必要な指導と自立への支援を行う施設を「児童自立支援施設」といいます。
「児童養護施設」は、保護者がいない児童、虐待されている児童、その他環境上養護を要する児童を入所させて、その養護保護を行う施設です。
どちらの施設も児童福祉法上の要保護児童のための施設であるので、保護処分の執行を受ける者を強制収容する少年院とは本質的には異なります。
以上のように、少年事件における処分は多岐に渡ります。
如何なる処分が少年の更生に適切であるか、如何なる処分が見込まれるかについては、事件内容によって異なります。
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窃盗とクレプトマニア
窃盗とクレプトマニアについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
窃盗罪で執行猶予付き判決が言い渡されてから半年後、Aさんは兵庫県赤穂市のスーパーで万引きをしてしまいました。
前回の件で、法廷に立った時の緊張感から、もう二度と万引きはしないと心から誓ったAさんでしたが、またも万引きをしてしまった自分が情けなく、どうしたらよいのか分からない状態です。
Aさんは、窃盗の容疑で兵庫県赤穂警察署に逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、刑事事件に強い弁護士に相談したところ、クレプトマニアの可能性について聞かれました。
(フィクションです)
クレプトマニアとは
クレプトマニア(Kleptomania)は、精神障害の一種です。
「窃盗症」とも呼ばれます。
常習窃盗を大きく3つに大別すると、
①経済的利益のために金目の物品や金銭を盗む職業的犯罪者、
②飢えて食物や生活必需品を盗む貧困者、
③お金はあるのに些細なものを盗む病的窃盗者、
となります。
クレプトマニア患者は、通常の窃盗のように経済的利益のために窃盗を行うのではありません。
支払能力があるにもかかわらず、数百円ほどの商品を万引きするといった窃盗行為を何度も繰り返してしまいます。
盗む物よりも盗みの行為それ自体がクレプトマニア患者にとっては意味があるのです。
盗む際の緊張感の高まりと、盗みの遂行後に得られる充足感、解放感によって、欲求不満、抗うつ気分が一気に解消され、快感がもたらされることを体験するため、何度も繰り返し窃盗行為を行う傾向にあると言われています。
検挙された万引き犯の約5%がクレプトマニアであると言われており、女性に多くみられるようです。
クレプトマニアの診断基準については、以下のものが標準的に使用されています。
A.個人的に用いるためでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
B.窃盗に及ぶ直前の緊張感の高まり。
C.窃盗に及ぶときの快感、満足、または解放感。
D.その盗みは、怒りまたは報復を表現するためのものではなく、妄想または幻覚への反応でもない。
E.その盗むは、素行症、躁病エピソード、または反社会性パーソナリティ障害ではうまく説明されない。
(アメリカの精神障害診断マニュアル『DSM-5精神疾患の分類と診断の手引き』)
以上のような基準に該当している場合には、精神障害としての常習窃盗の可能性も考えられるでしょう。
窃盗事件とクレプトマニア
万引きの窃盗事件であれば、初犯は、微罪処分や起訴猶予で事件が処理されることになります。
しかし、再犯を繰り返すと、下される処分も重くなっていきます。
概ね4~5度目には検察官が公判請求を行い、被告人として公判に立たなければならない状況になるでしょう。
初めての公判では、執行猶予付き判決が言い渡されることが多いのですが、クレプトマニアであれば、執行猶予期間中に再び犯行に及んでしまうケースも少なくありません。
そうなれば、執行が猶予されていた前回の刑も合わせた実刑が科される可能性が高いでしょう。
クレプトマニア患者の場合、病的に常習窃盗を行ってしまうのであって、刑罰を科すことで将来の再犯防止が期待できるとは言えないでしょう。
彼らにとって、再犯防止で最も必要なことは専門的な治療を受けることです。
その点について、専門家により作成された診断書を用い、検察官や裁判官に説得的に主張し、社会内での更生がより適切であることを理解してもらう必要があります。
何度も窃盗を繰り返してしまい、クレプトマニアの疑いがあるが、どのように司法機関に理解してもらうのか分からずにお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
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