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少年に対する処分②~保護処分~
少年に対する処分②~保護処分~
少年に対する処分(保護処分)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
前回のブログでは、少年に対する処分のうち、中間処分である試験観察、そして終局処分の審判不開始決定および不処分決定について紹介しました。
今回は、終局処分である保護処分について解説していきます。
保護処分
家庭裁判所に送致された少年を構成させるために行われる少年法上の処分です。
保護処分には、①保護観察、②少年院送致、③児童自立支援施設または児童養護施設送致、の3つがあります。
1.保護観察
保護観察処分は、少年が保護観察官や保護司の指導監督の下、社会内で更生できると判断された場合に付される保護処分です。
保護観察に付された場合、少年は決められた遵守事項を守りながら家庭等で生活し、保護観察官や保護司と定期的に面会し現状報告した上で、彼らから生活や交友関係などについて指導を受けることになります。
保護観察の期間は、原則として、少年が20歳に達するまでです。
ただし、決定時から少年が20歳になるまでの期間が2年に満たない場合は、2年となります。
また、少年の改善更正に役立つと判断される場合には、期間を定めて保護観察を一時的に解除することもあり、保護観察継続の必要性がなくなったと認められるときは、保護観察は解除されます。
2.少年院送致
少年院送致は、再非行のおそれが高く、社会内での更生が期待できない場合に、少年院に収容して矯正教育を受けさせる保護処分です。
収容される少年院は、第1~4種少年院があり、どの少年院に収容されるかは、保護処分として少年院送致となる少年の入院時の年齢、犯罪的傾向の程度、心身の状況等に応じて家庭裁判所が決定します。
●第1種少年院
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がないおおむね12歳以上23歳未満の者が収容されます。
●第2種少年院
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない犯罪傾向が進んだおおむね16歳以上23歳未満の者が収容されます。
●第3種少年院
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害があるおおむね12歳以上26歳未満の者が収容されます。
●第4種少年院
少年院において刑の執行を受ける者が収容されます。
少年院に収容することができる期間は、原則として少年が20歳に達するまでですが、少年院送致決定時に少年が19歳を超えている場合には、決定の日から1年間に限り、収容を継続することができます。
収容期間は本来不定期ですが、標準的な期間は2年以内とされており、第1種少年院については、6ヶ月以内とするものもあります。
家庭裁判所が、収容期間について処遇勧告を行う場合があります。
家庭裁判所から短期間または特別短期間の処遇勧告があった場合には、少年院はこれに従うとされています。
特段、収容期間について勧告がなされていない場合には、収容期間はおおむね1年となる傾向にあります。
①特別短期間
収容期間は、4か月以内で、一般短期処遇の少年よりも非行の傾向が進んでいない少年が該当します。
②短期間
収容期間は、原則6ヶ月以内で、少年が抱く問題がそれほど大きいものではなく、短期間の少年院での矯正教育により、矯正と社会復帰が期待できる少年が対象となります。
③長期間
収容期間は、原則2年以内です。第1種少年院で家庭裁判所の処遇勧告がない場合と、第2種及び第3種少年院では、長期間となります。
3.児童自立支援施設または児童養護施設送致
児童自立支援施設は、不良行為をなし、またはなすおそれのある児童および家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、または保護者の下から通わせて、ここの児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者についてその他の援助を行うことを目的とした施設です。
児童自立支援施設送致が選択される場合は、年齢が中学生相当の少年で、少年自身の非行性はさほど進んでいないが、保護者が養育を放棄していたり、少年を虐待しているなど家庭環境に大きな問題がある場合が多くなっています。
児童養護施設は、保護者のない児童、虐待されている児童、その他環境上養護の必要がある児童を入所させ、これらの児童を養護し、退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行う施設です。
実務上、児童養護施設送致が選択されるケースはそう多くありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、経験豊富な少年事件・刑事事件専門の弁護士が、少年やご家族としっかりとコミュニケーションズをとしながら、少年の更生にとって最善となるよう尽力していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
少年に対する処分①~試験観察、審判不開始、不処分~
少年に対する処分①~試験観察、審判不開始、不処分~
少年に対する処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
少年が事件を起こしたら
20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が、犯罪行為を行った場合、捜査機関による捜査が終了すると、おおむねすべての事件が家庭裁判所に送られます。
家庭裁判所は、調査の結果、審判を開始するか否かを決定します。
審判開始の決定がされた場合は、家庭裁判所は審判を経て、少年に対する処分を決定します。
家庭裁判所が決定する処分には、中間処分と終局処分とがあります。
中間処分
終局処分決定前に、中間的な措置としてなされる中間決定です。
試験観察
終局処分の決定を一定期間保留する中間処分で、少年を家庭などに戻し、その経過を見た上で、終局処分を決定するものです。
試験観察には、少年を家庭に戻す在宅試験観察と、適当な施設、団体や個人に少年の補導を委託する補導委託とがあります。
前者の措置では、普段の生活を送りながら、定期的に家庭裁判所に出向き調査官と面接をすることが求められることが多く、試験観察の期間は、おおむね3~6ヶ月となっています。
後者の措置は、家庭環境や交友関係が非行の原因となっているなど、少年を元の生活に戻すと更生に支障をきたすのではないかという不安がある一方、少年院に収容するよりも社会内での処遇が適切である事案などで、補導委託先に少年を預け、その指導監督のもとでの更生に期待してとられるものです。
こちらの期間は、通常6ヶ月ほどです。
試験観察は、少年院送致とするか決めかねる際にとれらることが多く、期間中問題がなければ、最終審判で不処分や保護観察となるケースが多くなっています。
終局処分
1.審判不開始
家庭裁判所は、調査の結果、審判に付すことができず、又は審判に付するのが相当でないと認めるときは、審判を開始しない旨の決定をしなければなりません。
この決定を「審判不開始決定」といいます。
審判不開始の決定には、次の2種類があります。
①審判に付することができない場合
法律上または事実上、審判に付することができない場合であって、以下の場合です。
(1)非行事実なし
(2)所在不明等
(3)その他(審判条件が存在しないとき等)
②審判に付するのが相当でない場合
審判に付するべき事由はあるけれども、少年の要保護性が既に解消し、不処分、保護処分、児童福祉法上の措置、刑事処分のいずれも必要がなく、審判をする必要がない場合であって、以下の3つに分けられます。
(1)保護的措置
調査官からの訓戒、教育的指導、被害者について考えたり話を聞く機会を設け少年の内省を求めるなどの保護的措置によって、少年の要保護性が既に解消した場合。
(2)別件保護中
少年が他の事件で既に保護処分に付されており、本件では特に保護処分に付する必要がない場合。
(3)事案軽微
非行事実が極めて軽微で、警察・家庭・学校などで適切な措置がとられており、既に要保護性が解消され再非行のおそれもない場合。
2.不処分
家庭裁判所は、審判の結果、保護処分に付することができず、又は保護処分に付する必要がないと認めるときは、その旨の決定をしなければなりません。
この決定を、「不処分決定」といいます。
審判不開始決定とは異なり、調査官による調査を経て、審判が開かれます。
不処分の決定には、次の2つに分けられます。
①保護処分に付することができない場合
法律上または事実上、保護処分に付することができない場合であって、以下の場合です。
(1)非行事実なし
(2)住所不明等
(3)その他(審判条件が存在しないとき等)
②保護処分に付する必要がない場合
審判を行った結果、要保護性が認められず、保護処分、児童福祉法上の措置、刑事処分のいずれの必要もない場合です。
審判不開始と同様に、保護的措置、別件保護中、事案軽微の3つに分けられます。
非行事実を認めている場合、審判不開始、不処分となるには、調査又は審判時に、要保護性が解消されていると判断されることが必要です。
そのためには、できるだけ早い段階から要保護性解消に向けて少年や家庭・学校などに働きかける必要があります。
少年事件への対応には、少年事件に精通した弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談や初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

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刑事事件で執行猶予
刑事事件で執行猶予
刑罰の種類と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県加西警察署に詐欺容疑で逮捕された会社員のAさんは、借金返済のためにネットで募集していた高額アルバイトに応募し、いわゆる「受け子」として特殊詐欺に関与していました。
警察からは、正式裁判になると言われているAさんは、どうにか実刑判決は避けられないものかと、接見にきた弁護士に執行猶予について聞いています。
(フィクションです)
刑罰にはどんなものがあるの?
刑罰は、犯罪に対する反作用であり、犯罪を行った者に対して科される制裁であるとされます。
刑法および特別刑法において「刑」とされる刑罰は、刑法第9条に定められる主刑または付加刑としての7種類の刑を指します。
第九条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。
「主刑」とは、独立に科し言い渡すことができる刑罰をいい、「付加刑」とは、主刑に付加してのみ科し言い渡すことができる刑罰をいいます。
刑罰を科せられることによって受刑者がはく奪される法益という観点から、刑罰を種類分けすると、次のように分けられます。
(1)生命刑:受刑者の生命を剥奪する刑罰(死刑)
現行法上最も重い究極の刑罰です。
死刑は、刑事施設内において、絞首して執行されます。
(2)自由刑:受刑者の自由を剥奪する刑罰(懲役刑、禁錮刑、拘留刑)
①懲役
懲役は、最も主要な刑罰ですが、死刑に次ぐ重い刑罰となっています。
「所定の作業を行わせる」点で禁錮や拘留とは異なります。
無期及び有期の場合があり、有期は1月以上20年以下とされています。
ただし、有期懲役を加重減軽する場合には、30年にまで引き上げることができ、1月未満に引き下げることができます。
②禁錮
所定の作業がない点で懲役と異なりますが、希望により許可されることもあります。
③拘留
30日未満の短期自由刑で、軽微な犯罪に対する刑として定められています。
(3)財産刑:受刑者から一定額の財産を剥奪する刑罰(罰金刑、科料刑、没収)
①罰金
1万円以上の財産刑です。
②科料
千円以上1万円未満の軽微な財産刑で、軽微な犯罪に対する刑として定められています。
罰金・科料を完納することができない場合には、労役場に留置されます。
③没収
上の主刑に付加して科される財産刑で、物の所有権を剥奪して、国庫に帰属させる処分をいいます。
没収の対象となるのは、以下のものです。
・偽造通貨行使罪における偽造通貨など、犯罪行為を組成した物。
・殺人に使用された凶器であるナイフなど、犯罪行為のために用い、又は用いようとした物。
・通貨偽造罪における偽造通貨など、犯罪行為によって生じた物、又は賭博によって得た金銭など、犯罪行為によって得た物、犯罪行為の報酬として得た物。
・犯罪行為によって生じた物、犯罪行為によって得た物、犯罪行為の報酬として得た物の対価として得た物。
没収は、その物が共犯者を含む犯人以外の者に帰属しない場合に限り許可されます。
有罪判決が言い渡されると、上のような刑罰が科される可能性があるわけですが、検察官に起訴され、有罪となった場合、必ずしも言い渡された刑罰がすぐに執行されるわけではありません。
執行猶予とは
執行猶予とは、一定の期間他の刑事事件を起こさないことを条件として、刑の執行を猶予する制度をいいます。
執行猶予付きの判決が言い渡された場合、すぐに刑務所に行くことはなく、執行猶予期間中に無事に経過すれば、裁判官から言い渡された刑罰を実際に受けなくて済むのです。
執行猶予の対象となる要件は、
①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者、
②前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者
について、3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金を言い渡す場合となります。
しかし、以上の要件は執行猶予の対象となる要件であり、執行猶予を付けるか否かは、裁判官が決めます。
上の要件を満たしており、かつ、「本人が反省している」「犯罪が悪質でない」「執行猶予を付しても再犯のおそれがない」といった情状が考慮され、執行猶予を付けるか否かを判断します。
刑事事件を起こし、有罪となった場合でも、執行猶予により直ちに刑務所に入ることなく社会に復帰することができるのです。
執行猶予とならないかお困りの方は、刑事事件に精通する弁護士に執行猶予獲得に向けた弁護活動を依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談や初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

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強制わいせつ致傷事件で裁判員裁判
強制わいせつ致傷事件で裁判員裁判
強制わいせつ致傷事件と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県川西市に住むVさんは、アルバイトが終わり最寄駅から自宅まで徒歩で帰宅していました。
すると、人気のない場所で、突然背後から何者かに羽交い絞めにして引き倒され、「大声出したらしばくからな。」と言われ、服の中に手を入れられ胸を鷲掴みにされました。
Vさんは必死に抵抗したため、犯人はそのまま走り去っていきました。
Vさんは引き倒された際に膝や腕に怪我をしていました。
Vさんは兵庫県川西警察署に被害届を提出し、同署は捜査に着手しました。
後日、兵庫県川西警察署は、市内に住むAさんを強制わいせつ致傷の容疑で逮捕しました。
「強制わいせつ致傷事件は裁判員裁判対象事件やからな。」と警察から言われたAさんは、接見に訪れた弁護士に裁判員裁判について質問しました。
(フィクションです)
強制わいせつ致傷罪について
強制わいせつ致傷罪は、強制わいせつ罪または強制わいせつ未遂罪を犯し、その結果人を負傷される犯罪です。
強制わいせつ致傷罪は、強制わいせつ罪には暴行・脅迫という手段をもって実行され、被害者に致傷結果が生じることが多いため、これを重く処罰するものです。
強制わいせつ致傷罪の法定刑は、無期または3年以上20年以下の有期懲役です。
裁判員裁判とは
通常、裁判は、裁判官が行います。
これは、民事事件も刑事事件も変わりありません。
しかし、一定の事件については、裁判官3名と、一般市民から選ばれた裁判員6名の合計9名で裁判が開かれます。
このような裁判のことを「裁判員裁判」といいます。
裁判員裁判対象事件は、①死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる事件、そして、②法定合議事件(短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪の事件の一部)であって故意の犯罪により人を死亡させた事件(①に当たるものを除く)です。
殺人罪や放火罪は①に当たり、傷害致死罪は②になります。
また、法定刑に死刑又は無期の刑がある事件は、人が死亡したかどうかを問いませんから、殺人未遂罪も①によって対象事件となります。
これらに対し、過失運転致死罪は、故意の犯罪ではありませんから、①②のいずれにも当てはまらず、裁判員裁判対象事件ではありません。
Aさんは、強制わいせつ致傷罪で起訴される可能性がありますから、そうなればAさんは裁判員裁判で裁かれることになります。
裁判員裁判の進み方
裁判員裁判は、通常の裁判とは異なる進み方をします。
通常の裁判では、法廷に裁判官・検察官・弁護人・被告人が出席したうえで、公開の法廷で議論が進められます。
これに対し、裁判員裁判では、実際の裁判が開かれる前に、公判前整理手続という手続きが行われます。
公判前整理手続とは、裁判員に実際に審理をしてもらう前に、裁判官・検察官・弁護人の三者により、本件事件の争点や、実際に裁判に提出する証拠を整理する手続きをいいます。
このような手続きの中で、事件の争点や、重要な事実が整理され、裁判員には、最初から争点や判断の対象が提示されるようになっています。
公判前整理手続を経た事件の場合、この手続きが終結した後には、特別の事情がない限り新たな証拠の提出が許されなくなります。
このように、裁判員裁判は、裁判員には負担が少ないように設計されていますが、当事者の立場から見れば、適切な時期に適切な主張をしなければならないという制度になっています。
裁判員裁判には、刑事事件に強い弁護士に弁護を依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱っており、裁判員裁判を経験した弁護士も多数所属しております。
ご家族が裁判員裁判対象の事件を起こしてしまいお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談や初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
覚せい剤取締法違反で起訴~公判手続の流れ~
覚せい剤取締法違反で起訴~公判手続の流れ~
公判手続の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神戸市須磨区に住むAさんは、覚せい剤取締法違反の疑いで兵庫県須磨警察署に逮捕されました。
逮捕・勾留後に、神戸地方検察庁は同罪で神戸地方裁判所に公判請求を行いました。
Aさんは、公判手続の流れについて、弁護人に説明を受けています。
(フィクションです)
検察官が裁判所に対して公判請求を行うと、裁判所、検察官、被告人・弁護人が出席し公開の法廷で審理を行うことになります。
公判期日における手続は、(1)審理手続、そして、(2)判決の宣告手続とに大きく分けられます。
1.審理手続
審理手続は、①冒頭手続、②証拠調べ手続、③弁論手続から成ります。
①冒頭手続
冒頭手続とは、(a)人定質問、(b)起訴状朗読、(c)権利告知、(d)被告人および弁護人の陳述という手続からなるものです。
人定質問
裁判長は、出席した被告人に対し、人違いでないことを確かめるため、被告人の氏名・年齢・職業・住所・本籍などを質問します。
起訴状朗読
人定質問に続いて、検察官が起訴状を朗読します。
これは、裁判所に対して審理の対象を、被告人に対して防御の対象を明らかにするために行われるものですので、起訴状に記載されている公訴事実、罪名、罰条が朗読されます。
権利の告知
裁判長は、被告人に対して、黙秘権やその他の権利を告知します。
被告人および弁護人の陳述
裁判長は、被告人および弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければなりません。
この際に、被告人に対し、起訴状の記載内容に間違いはないどうかを尋ね、公訴事実の認否をさせ、争点を明確にします。
②証拠調べ手続
裁判所が書証や証人等の証拠を取り調べる手続で、最初に検察側から立証が行われ、その後被告人側の立証が行われます。
証拠調べ手続は、検察側の立証が先立ち、(a)冒頭陳述、(b)証拠調べ請求、(c)証拠調べ請求に対する意見、(d)証拠決定、(e)証拠調べとなり、次に弁護側の立証に移り、(a)証拠調べ請求、(b)証拠調べ請求に対する意見、(c)証拠決定、(d)証拠調べ、(e)被告人質問という流れとなります。
冒頭陳述
証拠調べの始めに、証拠により証明すべき事実を明らかにするための手続です。
これは、証拠調べの冒頭で検察官に事件の全貌を明らかにする主張を行わせることにより、裁判所に対し、審理方針の樹立及び証拠の関連性等の判断材料を提供するとともに、被告人の防御の便に資するようにする趣旨に基づくものです。
検察官の冒頭陳述の後に、裁判所の許可を得て、被告人・弁護人も冒頭陳述をすることができます。
証拠調べ請求
検察官、被告人及び弁護人の請求に基づき証拠調べの請求がなされます。
証拠調べとは、証人などの尋問、証拠書類・証拠物の取調べ、検証、鑑定などをいいます。
証拠決定
証拠調べ請求に対して、裁判所は、証拠調べの決定または請求却下の決定を行います。
証拠決定を行うにあたって、裁判所は、請求に基づく場合は相手方の意見を聴きます。
証拠調べ
証拠書類や証拠物の取調べ、証人尋問、鑑定人の尋問などを実施します。
被告人質問
被告人は黙秘権を有しているので、終始沈黙したり、ここの質問に対し供述を拒むことができます。
被告人が任意でした供述は、証拠となります。
③弁論手続
証拠調べ手続が終ると、検察官は事実および法律の適用について意見を陳述しなければなりません。
これを「論告」といいます。
検察官が有罪を主張する際、量刑についても意見を述べるのが通常であり、この意見を「求刑」といいます。
被告人・弁護人は、最後に意見を陳述する機会が与えられています。
2.判決の宣告手続
判決は、公判廷において宣告し、これを告知します。
裁判長が、主文および理由を朗読し、または主文の朗読と同時に理由の要旨を告げなければなりません。
公判では、無罪や無実を訴える、執行猶予や減刑を求めるなど争い方も事件により異なります。
公判における弁護活動については、法廷における弁護士の技術が判決結果に大きく影響を与えることになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件を起こしお困りの方は、弊所の刑事事件専門の弁護士に今すぐご相談ください。
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少年審判の流れ
少年審判の流れ
少年審判の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神戸市灘区に住むAくんは、窃盗の容疑で兵庫県灘警察署に逮捕されました。
その後、釈放され在宅事件として捜査は進み、神戸家庭裁判所に送致されました。
Aくんの両親は、少年審判に向けてどう準備すればよいか分からず弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
少年審判の特徴
刑事事件の公判と比べると、少年審判には、次のような特徴があります。
(1)職権主義的審問構造
刑事裁判では、検察官および被告人・弁護人による主張・立証や意見陳述を公判手続の基本に置き、裁判所の職権的な活動は補充的なものにとどめる「当事者主義」に基いて進められます。
一方、少年審判は、家庭裁判所が自ら審判手続を主導し、少年に関する調査を行い、その結果をもとに審理を行って処分を言い渡すものであり、職権主義的審問構造がとられています。
この理由には、裁判所による合理的な職権行使により、非行事実だけではなく、非行に至る動機・背景、少年の成育歴、家庭環境、性格・資質などを柔軟に調査・考慮することが可能となり、少年一人ひとりに合った審理を行うことで、少年の健全育成の確保という少年法の趣旨に沿うことが挙げられます。
(2)非公開
少年審判は原則として非公開とされています。
成長発達途上にある少年の情操を保護し、社会復帰を円滑に進める必要があること、少年やその家族のプライバシーに深くかかわる要保護性の審理を適切に行うためには、手続内容の秘密性が求められるためです。
(3)証拠法則
予断排除の原則や伝聞法則の適用がなく、裁判官が審判期日の前からあらゆる証拠に触れることができます。
少年審判の流れ
少年審判は、審判手続や進行について裁判官の裁量が大きくなっています。
ですので、審判の進行は裁判官によって異なることもありますが、概ね次の順序により行われます。
①人定質問、黙秘権の告知、非行事実の告知、非行事実に関する少年・付添人の陳述
↓
②非行事実の審理(証人尋問、少年本人質問)
↓
③要保護性の審理(少年本人質問、保護者・関係者への質問等)
↓
④調査官・付添人の処遇意見の陳述、少年の意見陳述
↓
⑤決定の言渡し
①人定質問、黙秘権の告知、非行事実の告知、非行事実に関する少年・付添人の陳述
人定質問
裁判官が審判廷の在席者を確認し、少年や保護者等について人定質問(人違いでないかどうかの確認するための質問)が行われます。
黙秘権の告知
少年審判規則は、裁判官が第1回審判期日の冒頭で、少年に対して黙秘権についてわかりやすく説明をしなければならないことを規定しています。
非行事実の告知とこれに対する少年の陳述
裁判官から審判に付すべき事由の要旨が告げられ、これに対する少年の陳述が行われます。
非行事実に関する付添人の陳述
付添人に対しても、非行事実に対する陳述が求められます。
②非行事実の審理
証人尋問
非行事実に争いのある事件では、証人尋問を行うことが多くなっています。
裁判所および付添人は証人に尋問をすることができます。
少年本人質問
次に、裁判官および付添人は、少年に対して質問を行います。
③要保護性の審理
少年本人質問
裁判官および付添人は、要保護性に関する質問を少年に対して行います。
要保護性についての質問は、最後に調査官からも行われます。
保護者・関係者に対する質問
次に、少年の保護者や審判に在席している関係者に対して、要保護性に関連する質問を少年に対して行います。
④調査官・付添人の処遇意見の陳述、少年の意見陳述
調査官の処遇意見の陳述
調査官は、審判において、裁判官の許可を得て意見を述べることができますが、調査官の処遇意見は、事前に裁判所に意見書として提出してあるので、審判時に改めて裁判官が調査官に意見を求めることはそう多くありません。
付添人の処遇意見の陳述
付添人も、審判において、裁判官の許可を得て意見を述べることができます。
付添人の意見も、事前に意見書として裁判所に提出してあります。
少年の意見陳述
最後に、裁判官が少年の意見を求め、少年が意見を述べます。
⑤決定の言渡し
審判の全ての手続が終ると、裁判官が決定を言い渡します。
言渡しでは、少年に対する処分の内容を述べ、次に、処分の理由について説明がなされます。
審判の時間は、非行事実に争いがなく、1回の審判で決定まで言い渡す事件では、だいたい40~60分程度となることが多いでしょう。
少年審判の流れは以上の通りとなりますが、少年に対する処分の決定には、少年審判までの活動が大きく影響します。
特に、審理対象のひとつである要保護性の解消については、審判までにしっかりと環境調整を行い、要保護性が解消されたと調査官や裁判官に認めてもらうことが重要です。
お子様が事件を起こしお困りであれば、少年事件・刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
交通事件で在宅起訴
交通事件で在宅起訴
交通事件での在宅起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県豊岡市の交差点で左折しようとしたAさんは、左方向から横断していた自転車に気づかず、自車とぶつかり、自転車を運転していたVさんを転倒させてしまいました。
Aさんは慌てて降車し、Vさんの傍に駆け寄ると、Vさんは怪我をしているようだったので、すぐに救急車を呼び、Vさんはそのまま病院に搬送されました。
Vさんに命の別状はなく、転倒時に左肩を骨折し全治2か月の傷害を負っているとのことです。
Aさんは、駆け付けた警察官から事故についての調べを受けたところ、運転前に飲酒していたことが発覚しました。
Aさんは、過失運転致傷および道路交通法違反の容疑で現行犯逮捕されましたが、その後釈放となりました。
在宅事件として捜査は進み、神戸地方裁判所豊岡支部より起訴状が自宅に郵送され、弁護人をどうするかについても聞かれています。
(フィクションです)
在宅起訴
逮捕なしに、若しくは、逮捕されたけれども勾留されなかった、又は、逮捕・勾留されたがその後準抗告が認められるなどして釈放されるなどして、身体を拘束されることなく捜査が進められる事件を「在宅事件」といいます。
在宅事件では、被疑者は通常通りの生活を送りながら、警察や検察の呼び出しに応じて出頭し、取調べを受けることになります。
身体拘束を受けている場合と異なり、会社や学校にも行くことが出来るので、被疑者の生活に大きな支障をきたすことはそうありません。
捜査が終了すると、検察官は当該事件について裁判所に公訴を提起するか否かを決めます。
被疑者が身体拘束されていない状態で、検察官が起訴することを「在宅起訴」と呼びます。
上記ケースのように逮捕後に釈放され、在宅事件として捜査が進む場合、身体拘束を受けている場合と比べると、緊急性が感じられず捜査段階で弁護士に相談されないケースも多いようです。
そして、検察官に公判請求され、起訴状と共に弁護人の選任について問われる旨の連絡が届いて初めて弁護士に相談するといったことも少なくありません。
刑事事件の被疑者として捜査されていることが分かったら、できる限り早い段階で弁護士に相談されるのがよいでしょう。
捜査段階での対応により、最終的な処分結果が大きく異なることもありますので、早めに法律の専門家に相談・依頼されるのことをお勧めします。
起訴状
さて、上記ケースでは、Aさん宅に起訴状が郵送されました。
みなさん、起訴状には一体何が記載されているのかご存知でしょうか。
検察官が、裁判所に対して審理を求める意思表示(「公訴の提起」)を行う場合、検察官は裁判所に対して書面にて行わなければなりません。
その書面を「起訴状」といいます。
起訴状には、次のことを記載しなければなりません。
(1)被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項
起訴状には、被告人を特定するに足りる事項として、「被告人の氏名その他」を記載しなければなりません。
「その他」には、被告人の年齢、職業、住居および本籍、被告人が逮捕または勾留されているときは、その旨を記載することになっています。(刑事訴訟規則164条1項1号・2号)
(2)公訴事実
検察官が設定した被告人がしたとされる事実を起訴状に記載しなければなりません。
被告人が、いつ、どこで、どういった犯罪行為を行ったとする検察官の主張です。
(3)罪名
構成要件の名称と罰条の双方が記載されています。
どんな罪名で起訴されており、どの法律のどの部分にその罪が定められているのかが明確に記載されています。
その他に、作成・提出の年月日の記載、検察官の署名押印、所属検察庁の表示が必要とされます。
被告人が逮捕・勾留されている場合には、その旨を記載して身柄拘束の有無が明らかにされます。
交通事件を起こし、起訴されてお困りの方は、交通事件も取り扱う刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談や初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで!

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身柄解放~保釈~
身柄解放~保釈~
保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県南あわじ市で侵入盗が多発していました。
兵庫県南あわじ警察署は、犯人特定に向けて捜査を進めていたところ、兵庫県内に住むAとBの犯行であることを突き止めました。
兵庫県南あわじ警察署は、窃盗および住居侵入の疑いでAとBを逮捕しました。
AおよびBは勾留となり、その後神戸地方検察庁洲本支部に同罪で起訴されました。
(フィクションです)
保釈とは
一定額の保釈保証金を納付することを条件に、被告人に対する勾留の執行を停止し、その身体拘束を解く裁判とその執行を「保釈」といいます。
保釈は、被告人に対してのみ認められるものですので、起訴される前の被疑者段階では保釈により釈放されることはありません。
保釈の種類
保釈には、「権利保釈」、「裁量保釈」、義務的保釈」の3種類あります。
1.権利保釈
裁判所は、保釈の請求があったときは、原則として保釈を許可しなければなりません。
例外として、権利保釈の除外事由がある場合には、請求を却下することができます。
除外事由は、次の通りです。
①被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
②被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。
2.裁量保釈
裁判所は、権利保釈の除外事由がある場合でも、適当と認めるときは、職権で保釈を許可することができます。
3.義務的保釈
裁判所は、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求によりまたは職権で、保釈を許可しなければなりません。
保釈保証金の相場
裁判所は、保釈を許可する場合、保釈保証金の金額を決めます。
その金額は、被告人の出頭を確保するものでなければなりません。
犯罪の性質や情状、証拠の証明力、被告人の性格や資産を考慮して、被告人の出頭を確保するのに十分な額が決められます。
ですので、重罪かつ資力のある被告人のであれば、保釈保証金が高額となります。
被告人の資産が特段高額でなく、執行猶予が見込まれるような事件の場合は、保釈保証金は200万円程度となることが多いでしょう。
保釈中に気を付けること
保釈が許可され、保釈保証金を納付し、無事釈放となったからといっても、事件自体は終了していません。
保釈されてから判決までの間に守らなければならない事項があります。
この保釈の条件は、被告人の性格や事件の内容・性質などによって事件毎に異なります。
ほとんどの事件で付される条件は、
・被告人の住居を制限する。
・被害者や共犯者との接触を禁止する。
などが挙げられます。
このような裁判所が定めた条件に違反した場合、裁判所は、検察官の請求により、又は職権で、保釈又は勾留の執行停止を取り消すことができ、取り消されると再び身体拘束されることになります。
また、保釈保証金も没収されてしまう可能性がありますので、定められた条件に違反しないよう十分に気を付けなければなりません。
保釈保証金の返還
保釈の条件を遵守し、裁判が終れば保釈保証金は戻ってきます。
保釈保証金は、被告人をきちんと裁判に出席させるためのものですので、有罪判決・無罪判決、実刑判決・執行猶予付き判決に関係なく、保釈時の条件に違反しなければ返還されます。
保釈保証金の返還時期は、判決後から2,3日ほどとなっています。
逮捕後、勾留となり長期間の身体拘束を余儀なくされていた方も、保釈で釈放される可能性はありますので、保釈について事前に弁護人にご相談されるのがよいでしょう。
ご家族が逮捕・勾留され、お困りの方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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被告人勾留と保釈
被告人勾留と保釈
被告人勾留と保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
大麻取締法違反で逮捕・勾留された大学生のAさん(21歳)は、すぐにでも釈放してほしいと思っています。
勾留に対する準抗告も認められず、勾留満期日まであと少しとなりました。
弁護人からは起訴後すぐに保釈請求すると言われています。
(フィクションです)
被告人勾留
「勾留」とは、被疑者・被告人の身柄を拘束する裁判とその執行をいいます。
この勾留には、被疑者勾留(起訴前勾留)と被告人勾留(起訴後勾留)とがあります。
「被告人勾留」は、その名前からも明らかなとおり、起訴後の勾留です。
被告人勾留は、受訴裁判所が行うことが原則です。
ただし、第1回公判期日前は、原則として控訴の提起を受けた裁判所の裁判官で、事件の審理に関与しない裁判官が行います。
その理由は、勾留に関する処分を行うためには、「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」があるかないかを調査する必要があるので、第1回公判期日前から受訴裁判所がおこなうことは、予断排除の原則に反するおそれがあるからです。
被告人勾留の期間は、公訴の提起があった日から2か月と、被疑者勾留の期間よりも長くなっています。
特に必要がある場合には1か月ごとに更新されます。
被告人勾留は、次の3つに分類されます。
(1)被疑者勾留中の起訴
被疑者段階で、逮捕・勾留され、起訴前から既に身体拘束を受けている場合で、勾留期間中に同一の犯罪事実について起訴されると、起訴と同時に被疑者勾留は自動的に被告人勾留に切り替わります。
(2)逮捕後まで勾留されていない被疑者の起訴
勾留が決定する前に、検察官により起訴された被告人については、裁判官が職権で勾留するか釈放するかを決めます。
(3)逮捕・勾留されていない在宅の被疑者の起訴
逮捕も勾留もされていない被疑者が起訴された場合、そのまま在宅事件として手続が進行することが多いですが、裁判官または裁判所は職権で被告人を勾留することもできます。
被告人勾留から解放するための手段としては、以下のものがあります。
①勾留の取消し
②勾留の執行停止
③保釈
④抗告、準抗告
保釈制度
「保釈」とは、一定額の保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止して、その身体拘束を解く裁判とその執行をいいます。
起訴前の被疑者勾留については保釈は認められませんが、起訴後であれば保釈制度を利用することができます。
裁判所が保釈を認めるときには、保釈金額を定めなければなりません。
その金額は、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければなりません。
ですので、保釈保証金の額は被告人の経済状況によって異なります。
一般的なサラリーマンであれば、だいたい200万円程度が保釈保証金の相場となっています。
当然、経済力がある被告人であれば、それ以上の金額になります。
カルロス・ゴーン被告の最初の保釈にかかる保釈金が10億円であったことも記憶に新しいところですね。
過去最高額は、20億円だといいますから、保釈金の額も様々です。
逮捕・勾留されている場合には、既に長期間の身体拘束を強いられていることになります。
それ以上の身体拘束により被る損害が大きくならないよう、早期に保釈請求をし、釈放されるよう動くことが重要です。
ただし、再逮捕が見込まれる事件では、起訴後すぐに保釈に成功したとしても、その後再逮捕されて再度勾留される可能性も大いにありますので、保釈請求をかけるタイミングは慎重に見極めなければなりません。
ご家族が逮捕・勾留されており、保釈で釈放とならないかお困りの方は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
刑事事件と時効の成立
刑事事件と時効の成立
刑事事件と時効の成立について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県川西警察署は、平成21年に10代の女性に性的暴行を加えたとして、兵庫県内に住むAさんを強姦の疑いで逮捕しました。
時効成立まで27時間と差し迫っており、警察は逮捕後すぐに神戸地方検察庁にAさんを送致し、検察はAさんを時効完成直前に起訴しました。
(実際の事件を基にしたフィクションです)
時効について
一定の事実状態が一定の期間継続することにより、権利を取得しあるいは喪失するという法律効果を認める制度を「時効」といいます。
時効は、大きく分けて、民法上の時効と刑法上の時効とがあります。
今回は、刑法上の時効についてみていきましょう。
刑法上の時効
刑法上の時効には、刑の時効と公訴の時効の2種類があります。
刑の時効
死刑を除く刑の言渡しが確定した後、刑が執行されずに一定の期間が経過したときに、刑の執行を免除する制度です。
公訴の時効
「公訴時効」とは、一定の期間が経過したことによって公訴の提起ができなくなるという制度です。
公訴時効が完了した場合には、判決で免訴の言渡しをしなければなりません。
この公訴時効の本質については、いろいろと論じられていますが、時の経過によって生じる状態に着目して説明する考え方と、公訴時効制度の機能面から説明する考え方とがあります。
前者には、時の経過によって犯罪に対する社会の応報・必罰感情が沈静し、刑の威嚇力や特別予防力が微弱になるため、刑罰権が消滅するとする実体法説、証人の記憶が曖昧になり、証拠も散逸するため、刑事訴追が困難になるとする訴訟法説、そして、実体法説と訴訟法説とが挙げる両方の現象が併存すると説明する混合説とに考え方が分かれています。
しかし、時の経過によって社会の応報感情が必ずしも弱まっていくわけではないし、証拠の観点からの考え方では、刑の軽重に応じて時効期間を定めている点が十分説明できていないとの批判がなされてきました。
一方、機能面から公訴時効の本質を説明する立場には、犯人が一定期間訴追されていない状態が訴追の利益に優先するという新訴訟法説、そして、長期間訴追されないという事実が処罰制限の根拠となるとする新実体法説とがあります。
公訴時効の期間は、刑の軽重に応じて決められています。
刑事訴訟法
第二百五十条 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については三十年
二 長期二十年の懲役又は禁錮に当たる罪については二十年
三 前二号に掲げる罪以外の罪については十年
○2 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 死刑に当たる罪については二十五年
二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年
三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年
四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年
五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
七 拘留又は科料に当たる罪については一年
以前は人を死亡させた罪であって死刑にあたるものについても公訴時効は適用されていましたが、平成22年の改正法により、これらの罪については時の経過により一律に公訴権を消滅させることは適当ではないとして、公訴時効の対象から除外されました。
時効期間は、訴因として掲げられた犯罪事実の法定刑を基準にして算定されます。
法定刑が複数ある場合は、最も重い刑に従い、刑を加重減軽すべき場合には、処断刑ではなく法定刑に従って算定されます。
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