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強制わいせつ事件で逮捕されたら

2021-01-27

強制わいせつ事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県飾磨警察署は、強制わいせつの疑いで、兵庫県姫路市に住むAさんを逮捕しました。
逮捕容疑は、X年X月X日午後X時X分ごろ、姫路市内の路上で、歩いていた女子高生に後ろから近づき、胸や尻などを触ったということです。
Aさんは容疑を認めています。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、今後どうなるのか不安で仕方ありません。
すぐに刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

強制わいせつ事件で逮捕されたら

強制わいせつ罪は、①13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をし、或いは、②13市未満の者に対し、わいせつな行為をした場合に成立する犯罪です。
本罪の法定刑は、6月以上10年以下の懲役となっており、起訴され有罪となればこの範囲内で刑が言い渡されることになります。

ここでは、強制わいせつの容疑で逮捕された場合の流れについて説明していきます。

1)勾留

逮捕から48時間以内に、警察は被疑者の身柄を証拠や関係書類と共に検察庁に送ります。
これを「送致」と言い、検察庁に送致しない場合には、警察は被疑者を釈放します。
強制わいせつ事件では、警察の段階で釈放されることはあまりありません。
検察庁に送致された後、検察官は被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放する、或いは裁判官に対して被疑者の勾留を請求します。
「勾留」というのは、逮捕に引き続き比較的長期間身柄を拘束するもので、検察官は、被疑者の取調べを行い、送られてきた証拠や関係書類を検討した結果、引き続き被疑者の身柄を拘束して捜査をする必要があると判断すれば、勾留請求を行います。
検察官からの請求を受けて、裁判官が勾留の判断を行います。
裁判官は、被疑者と面談し、送られてきた証拠等を検討し、当該被疑者を勾留すべきか否かを判断します。
勾留すべきではない場合には、検察官の請求を却下し、被疑者を釈放します。
他方、勾留の決定をした場合には、被疑者は、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長が認められれば最大で20日間の身体拘束を余儀なくされます。
強制わいせつ事件では、電車内でのわいせつ行為のような痴漢類型であれば勾留されない可能性は高い一方、それ以外の類型であれば一般的に勾留される可能性は比較的に高いと言えるでしょう。
しかしながら、被害者と面識がない場合や行為態様が悪質ではない場合には、勾留とならないケースもあります。
ですので、強制わいせつ事件においても、早期に弁護士に相談し、身柄解放に向けて活動することは重要です。

2)起訴

起訴するか否か決めるのは、検察官です。
強制わいせつ罪は親告罪ではありませんが、起訴・不起訴の判断においては、被害者との示談が成立しているか否かといった点が重視されます。
そのため、示談が成立していれば起訴猶予となる可能性が高く、示談できていなければ公判請求となる可能性が高くなります。
つまり、不起訴を獲得するために捜査段階で最も重要な弁護活動のひとつに被害者との示談交渉が挙げられます。
もちろん、これは容疑を認めている場合のことですので、否認している場合には最後まで争い嫌疑不十分での不起訴や無罪獲得を目指した活動を行います。

3)裁判

公判請求された場合、保釈制度を利用し釈放される可能性はあります。
捜査段階で勾留されていた場合でも、起訴後であれば保釈が認められ釈放となるケースは多いので、起訴後すぐに保釈請求できるように準備しておく必要があります。
また、捜査段階で示談が成立しなかった場合でも、粘り強く交渉を続けることは重要です。
裁判までに示談が成立すれば、被告人に有利な事情として考慮してもらえ、言い渡される刑にも影響を及ぼすことになります。
示談が困難であっても、被害弁償、贖罪寄附、供託などの方法を試みることもあります。
一方、事実を争う場合には、被告人の主張が通るよう、被告人に有利な証拠を収集し、無罪獲得に向けた活動を行います。

強制わいせつ罪は、決して軽くはない犯罪です。
前科・前歴、行為態様、被害の程度、被害者との示談の有無などによっては、実刑が言い渡される可能性も十分あります。
容疑を認める場合でも、争う場合でも、早期に弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強制わいせつ事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年事件における被害者対応

2021-01-17

少年事件における被害者対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市灘区の路上を歩いていた女性の背後からいきなり抱き着き胸を服の上から触って逃走するという事件が起きました。
兵庫県灘警察署は、市内に住むAくん(高校1年生)を強制わいせつの疑いで逮捕しました。
Aくんは容疑を認めているとのことですが、Aくんの両親は被害女性への対応をどのようにすべきか分からず困っています。
(フィクションです)

被害者対応について

窃盗・詐欺・傷害・盗撮・痴漢などといった犯罪には、犯罪によって被害を被った被害者が存在します。
民事上の責任として、加害者は、自身の行為によって身体的・精神的・財産的損害を被った被害者に対して、損害賠償責任を負う可能性があります。

それでは、刑事事件においては、被害者対応の如何が最終的な処分やその後にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

被害者がいる事件では、被害弁償や示談が成立しているか否かといった点が最終的な処分に大きく影響します。
示談というのは、被害者との合意のことを意味しますが、通常は、加害者が被害者に対して慰謝料を含めた被害弁償を行う一方、被害者から許しを得、今回の事件は当事者間では解決したとする約束のことをいいます。
被害者のいる事件では、被害が金銭的に回復されたか否か、被害者が加害者に対してどのような感情を抱いているのか(厳しい処罰感情があるのか、処罰を求めていないのか)といった点が、処分を決めたり、宣告刑を決めるにあたって重要な意味を持ちます。
特に、被害者等の告訴権者からの告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」に該当する罪を犯した場合には、被害者との示談が成立し、被害者からの許しを得ているのであれば、検察官は起訴することができませんので、不起訴処分で事件を終了させることになります。
親告罪ではない場合でも、被害者との示談が成立していることが考慮され、不起訴処分となるケースは多くなっています。
起訴後であっても、被害弁償や示談は量刑上重要な要素となりますので、捜査段階で示談が成立していない場合でも、公判期日までに示談が成立するよう示談交渉に動くことは重要です。

以上のように、容疑を認めている場合には、被害弁償や示談成立に向けて活動することは、最終的な処分への影響という点で重要です。

また、刑事事件の段階で被害者と示談を成立させることにより、別途民事訴訟を起こされる危険性を回避することができます。

少年事件における被害者対応

刑事事件における被害者対応、つまり被害弁償や示談は、最終的な結果に大きく影響するという意味で重要であると言えますが、少年事件においても同様のことが言えるのでしょうか。

少年審判では、非行事実と要保護性の2点について審理されます。
非行事実は、成人の刑事事件でいう公訴事実です。
要保護性は、一般的に次の3要素から構成されるものと理解されます。
①再非行性
少年の現在の性格、環境に照らして、将来再び非行をする危険性があること。
②矯正可能性
少年法上の保護処分による矯正教育によって再非行性を除去できること。
③保護相当性
少年法上の保護処分が更生のために有効適切であること。
少年審判では、非行事実と要保護性が審理されるので、例え非行内容が重いものであっても、要保護性が解消されていると判断されれば、保護観察処分などの社会内処遇が言い渡される可能性があります。
逆に言えば、比較的軽い罪に当たる非行内容であったとしても、要保護性が高いと判断されると、少年院送致などの重い処分となる可能性もあるということです。

このように、少年事件では、要保護性が最終的な処分に大きく影響します。
そして、この要保護性という観点からも、少年事件においても被害者対応が重要であると言えるのです。
少年事件では、被害者との示談成立が直接処分に影響することはありません。
つまり、成人の刑事事件のように、被害者と示談が成立していることをもって事件を終了させることはありません。
しかし、家庭裁判所は、少年が、被害者への被害弁償や示談を通して、被害者の気持ちを考え、自分の行った行為を振り返り、その反省を深めることができたかどうかを見ており、その意味で、被害者対応が要保護性の減少につながり、処分にあたっても考慮される事情となります。
つまり、少年事件では、被害弁償や示談成立の有無それだけが考慮されるのではなく、例え示談が最終的には成立していなくとも、その過程で少年が被害者の気持ちを理解しようとし、事件と向き合い内省を深めたか否かも最終的な処分を決める際に考慮されることになるのです。

このように、成人の刑事事件における被害者対応と少年事件における被害者対応とでは、幾分か異なるところがあるため、少年事件でお困りであれば少年事件に強い弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし、被害者への対応にお困りであれば、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

盗撮で逮捕されたら

2021-01-03

盗撮逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、駅構内の階段で、女性のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮したところ、後ろにいた男性に、「盗撮しましたよね。」と言われ、腕を掴まれました。
Aさんは、最初は盗撮を否定していましたが、最終的には犯行を認めました。
その後、Aさんは、兵庫県芦屋警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
Aさんの帰りが遅いことを心配したAさんの母親は、警察署に連絡したところ、Aさんが盗撮逮捕されたことを知らされました。
Aさんの母親は、ショックを受けたと同時に、この後どのような流れでいかなる処分が言い渡されるのか不安で仕方ありません。
(フィクションです)

盗撮事件は、弊所の扱う刑事事件で最も多い事件のひとつです。
携帯電話やスマートフォンにカメラ機能が付いていることが通常であり、駅のエスカレーターや階段などといった場所で、自分のスマホを用いて、衝動的に盗撮を行うケースから、靴やカバン、さらにはペンなどといった物に小型カメラを仕込んで女性のスカート内を盗撮する計画的な盗撮のケースまで様々です。
メディアなどから得た誤った情報を基に、「盗撮は簡単にできる」、「身体に触れるわけじゃないから、相手もそんな嫌な気持ちにはならないだろう」、「ばれなければ大丈夫」などといった歪んだ認識を持ち、犯行に及ぶ傾向が見られます。
しかしながら、盗撮は犯罪です。
犯罪に軽いも重いもありません。

盗撮で逮捕された場合の流れ

盗撮逮捕される場合には、2つのケースがあります。
1つは、盗撮を行った際に、被害者や目撃者に身柄が拘束されてしまう場合です。
いわゆる「現行犯逮捕」です。
盗撮事件で逮捕されるケースの多くが、現行犯逮捕となっています。
見つからないと思っていても、不自然な行動は周囲に目立ちやすく、その場で犯行が発覚することが多いのです。
このように犯行現場で逮捕された場合、その後に警察に引き渡されることになります。

もう1つは、盗撮時には誰にも犯行がばれなかった場合や犯行が発覚したものの逃亡に成功した場合であっても、被害者が被害届を提出したり、目撃者が警察に通報するなどし、盗撮が警察に発覚すれば、警察は盗撮事件として捜査を開始します。
被害者や目撃者からの供述や周囲の防犯カメラの映像などから、犯人を特定します。
このように、捜査によって犯人が発覚した場合、かつ、被疑者の身柄を確保する必要があると判断されれば、警察は逮捕状を持って被疑者を逮捕します。
このような逮捕を「通常逮捕」といいます。
通常逮捕の場合、早朝に被疑者の自宅を訪れて逮捕したり、警察へ呼び出した後に逮捕するなどして逮捕が執行されることが多いようです。

どちらのケースであっても、盗撮逮捕されると、通常の刑事事件と同様に、逮捕後、まずは警察署で取り調べを受けます。
警察は、犯人をさらに拘束して取り調べる必要があると判断すれば、逮捕から48時間以内に、証拠や関係書類と共に被疑者を検察に送ります。
これを「送致」と呼びます。
盗撮事件では、初犯であり、容疑を認めており、家族などの身元引受人がいる場合には、検察に送致されずに、48時間以内に釈放となることも少なくありません。
しかしながら、職場や学校などでの盗撮事件のように、被害者との接触可能性がある場合や、余罪が疑われていたり、盗撮の常習者である場合には、検察に送致されることになるでしょう。

検察に送致されると、今度は検察官による取り調べを受けます。
検察官は、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放するか、裁判官に勾留の請求をするかを決めます。
被疑者をさらに拘束して捜査をする必要があると判断すれば、検察官は裁判官に勾留の請求を行います。
検察官からの請求を受けた裁判官は、被疑者と面談を行った上で、送られてきた事件資料に目を通し、当該被疑者を勾留すべきか否かを判断します。
裁判官が勾留を決定すると、被疑者は検察官が勾留請求を行った日から原則10日間の身体拘束を受けることになります。
他方、裁判官が勾留請求を却下すると、検察官が却下決定に対して不服申し立てを行わない限り、当該被疑者は即日釈放されることになります。

事件について起訴する起訴しないの判断を行うのは、検察官です。
捜査を遂げた結果、被疑者が犯罪を犯したことが証拠上明白であり、その訴追が必要であると判断する場合に、検察官は裁判所に起訴状を提出して起訴します。
逆に言えば、そのような場合でなければ、検察官は起訴しない、つまり不起訴で事件を終了させることになります。
勾留されている場合には、検察官は、勾留期間内に起訴不起訴の判断を行います。
既に釈放されていれば、比較的ゆっくりと捜査が進み、検察官の終局処分判断までにも時間を要します。

検察官による起訴の種類も1つではなく、盗撮の場合には、略式起訴による略式手続に付されることも多いです。
略式手続は、簡略化された手続であり、検察官による簡易裁判所への略式命令の請求により、法廷での審理を行わず、検察官が提出した証拠のみに基づき、簡易裁判所が罰金・科料を科す略式命令を言い渡すものです。
勾留されているケースでは、勾留期間満期日に、検察官に略式手続についての説明を受け、被疑者の了解を得たうえで、即日略式起訴され、罰金を納めて釈放となります。

盗撮などの同種前科があったり、犯行態様が悪質であるなど、略式手続に付するのが相当ではないと判断されれば、検察官は公判請求を行います。
この場合、公開の法廷で審理されることになります。
起訴されると、被疑者段階での勾留が被告人勾留に切り替わり、原則2か月の勾留となります。
起訴後は、保釈制度が利用できるため、捜査段階では身体拘束を解くことが困難であった場合には、起訴後すぐに保釈を請求し、釈放されるよう準備しておく必要があるでしょう。

盗撮逮捕された後の流れは、以上のようになります。
ただ、盗撮の内容や前科の有無、被害者との示談成立の有無などにより、釈放の可能性や最終的な処分結果も異なります。
ご家族が盗撮逮捕されたのであれば、早期釈放やできる限り穏便に事件を解決するために、早期に弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

公務執行妨害で逮捕

2020-11-22

公務執行妨害逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県尼崎市の路上に車を駐車していたAさんは、駐車監視員が自身の車を取り締まっている場面に遭遇しました。
Aさんは駐車監視員に対して、「他の車も駐車しているだろう。なぜ俺のだけ取り締まっているんだ。」などと言ったところ、駐車監視員は相手にしなかったため、怒ったAさんは駐車監視員の男性の顔を殴りました。
通報を受けて駆け付けた兵庫県尼崎東警察署の警察官は、Aさんを公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕しました。
(フィクションです)

公務執行妨害罪

刑法第95条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

◇公務員◇
「公務員」とは、公務員の身分を有する者、及び公務員の身分は有しないが法令により公務に従事する議員・委員その他の職員のことをいいます。
駐車監視員は、放置車両確認事務の業務を委託された民間法人の従業員です。
しかし、警察署長から放置車両確認事務を受託している法人(放置車両確認機関)に従事する役員や駐車監視員は、公務員ではありませんが、業務を行っている最中は公務員とみなされる、いわゆる「みなし公務員」の立場にあります。

◇職務を執行するに当たり◇
「職務」とは、ひろく公務員の職務上取り扱う事務のことをいいます。
職務上の個々の行為のみならず、一定の継続性をもった勤務状態も職務の執行といえます。
「執行に当たり」とは、職務執行に際してを意味します。
まさに職務に着手しようとする場合や、職務の執行直後の職務執行と不可分の関係にある事後行為も含まれますが、職務の執行が終ってしまった後での公務員に対する暴行・脅迫は、公務執行妨害ではなく単なる暴行罪・脅迫罪が成立するにとどまります。

◇暴行・脅迫◇
公務執行妨害罪の成立には、公務の執行を妨害するに足りる「暴行」又は「脅迫」が加えられていることが必要となります。
「暴行」とは、人に対する不法な有形力の行為をいい、「脅迫」とは、恐怖心を起こさせる目的で、他人に害悪を告知することをいいます。
「暴行」は、公務員の身体に直接加えられることは必要ではなく、公務員が携帯している物や公務員の周囲にある物などといった物に対して加えられた有形力の行使であっても、公務員が現に行おうとする行動の自由を侵害するためになされ、それが公務員の身体に感応する作用を持つものであれば、間接的に公務員に対し暴行を加えたことになります。
本罪の「脅迫」は、人を畏怖させるに足りる害悪の告知のすべてを含みます。
暴行・脅迫の結果として、公務員の職務執行が現実に害されたことまでも必要とされません。

◇職務行為の適法性◇
公務執行妨害罪が成立するためには、暴行・脅迫を加えられた公務員の執行している職務が「適法」でなければなりません。
この要件は条文上明示されていませんが、解釈上必要な要件とされています。
職務行為が「適法」とされるためには、次の3つの要件が備わっていることが必要です。
①その行為が、その公務員の一般的権限の範囲内にあること。
②具体的職務行為について法律上の要件を具備していること。
③一定の方式や手続が有効要件とされる行為については、それらを正しく踏んでいること。

◇故意◇
公務執行妨害罪は故意犯であるので、本罪が成立するためには、犯人において、相手方が公務を執行中の公務員であることの認識がなければなりません。
この認識を欠く場合、単に暴行罪や脅迫罪が成立するにとどまります。

公務執行妨害で逮捕されたら

公務執行妨害事件の場合、現行犯逮捕となることがほとんどです。
通常の刑事事件では、逮捕から48時間以内に、被疑者が釈放されるか証拠や関係書類と共に検察庁に送られます。
被疑者の身柄を受けた検察官は、被害者に対して勾留請求をするか否かを決めます。
検察官が勾留請求をした場合、当該被疑者を勾留すべきか否かを裁判官が判断します。
勾留が決定すると、検察官が勾留請求をした日から10日間、被疑者の身柄は拘束されることになります。
公務執行妨害事件の多くが、酒に酔っていたケースやカッとなったやったケースなどであり、そのような場合、本人の住所が定まっており、身元引受人となる家族がいるようであれば、勾留されずに釈放となる可能性が比較的高いと言えます。
ただし、行為態様が悪質であり、罪証隠滅や逃亡のおそれが認められる場合には、勾留となる可能性もあります。

公務執行妨害事件でご家族が逮捕されてお困りであれば、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
早期釈放に向けた活動は、刑事事件・少年事件専門弁護士にお任せください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

強盗・強制性交等罪で逮捕

2020-11-01

強盗・強制性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aは、兵庫県高砂市にあるアパートの一室に侵入し、その場にいたVに対し、包丁を突きつけ、「静かにしろ。」などと脅迫し、抵抗できなくなったVに馬乗りになり性交しました。
さらに、Aは、Vが抵抗できなくなっている状態にあることから、「金を出せ。」などと脅迫し、Vから現金2万円を奪って逃亡しました。
翌年、兵庫県高砂警察署の警察官がA宅を訪れ、住居侵入、強盗・強制性交等の容疑でAを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAの家族は、罪名を告げられ、ショックを受けています。
しかし事件の詳細や今後の流れについて分からず不安になったAの家族は、刑事事件専門の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

強盗・強制性交等罪とは

平成29年の刑法改正以前は、強盗犯人が強姦行為をした場合、強盗強姦罪が成立し、その法定刑は無期懲役または7年以上の有期懲役とされていました。
一方、強姦犯人が強盗行為をした場合、強姦罪と強盗罪の併合罪となり、その法定刑は5年以上30年以下の有期懲役とされており、強盗行為と強姦行為のどちらが先行したかによって刑に差が生じていました。

しかし、平成29年の刑法改正において、同一の機会に、強盗強制性交等罪の行為が行われた場合につき、その行為の先後関係を問わず、強盗・強制性交等が成立し、その法定刑は無期懲役または7年以上の有期懲役とされました。

刑法第241条 
強盗の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強制性交等の罪(第179条第2項の罪を除く。以下この項において同じ。)若しくはその未遂罪をも犯したとき、又は強制性交等の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪若しくはその未遂罪をも犯したときは、無期又は7年以上の懲役に処する。

◇主体◇

強盗・強制性交等罪の犯行の主体は、
強盗の罪もしくはその未遂罪を犯した者、
強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯した者
です。
①には、強盗罪の他、事後強盗罪、昏睡強盗罪を含みます。
②には、強制性交等罪の他、準強制性交等罪も含みます。

◇行為◇

強盗・強制性交等罪の実行行為は、
強盗の罪もしくはその未遂罪を犯した者の場合は、①強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯すこと、
強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯した者の場合は、②強盗の罪もしくはその未遂罪を犯したこと、
です。
強盗の罪(未遂を含む。)と強制性交等の罪(未遂を含む。)は、同一の機会に行われていることが必要です。

◇故意◇

強盗・強制性交等罪の成立には、強盗の罪(未遂を含む。)および強制性交等の罪(未遂を含む。)の認識・認容が必要となります。

強盗・強制性交等罪で逮捕されたら

強盗・強制性交等罪で逮捕された場合、非常に重い罪であるため、逮捕後に勾留される可能性は高いと言えるでしょう。

事件について身に覚えがない場合、弁護士を通して冤罪を証明する証拠を収集し、捜査機関の主張が十分な証拠に裏付けられていないことを指摘し、冤罪を主張する必要があります。
また、虚偽の自白がとられることのないよう、弁護士から取調べ対応について的確なアドバイスを受けることも大切です。

他方、容疑を認める場合には、被害者に対して真摯に謝罪し、被害弁償を行うことが重要です。

強盗・強制性交等罪は親告罪ではないため、被害者等の告訴がない場合でも、公訴の提起が可能です。
被害者への被害弁償が済んでいることにより必ずしも起訴されないというわけではありませんが、きちんと被害者に謝罪や被害弁償をしていることが裁判で被告人に有利な事情として考慮されることはありますので、被害者への対応は重要です。

また、強盗・強制性交等事件は、裁判員裁判の対象事件となりますので、裁判員裁判にも豊富な経験を持つ弁護士に弁護を任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
ご家族が強盗・強制性交等罪で逮捕されてお困りの方は、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
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多目的トイレへの盗撮目的侵入

2020-10-25

多目的トイレへの盗撮目的侵入を行った場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県福崎郡市川町に住むAさんは,かねてより女性がトイレをしているところに興味があったことから,
商業施設の多目的トイレ盗撮用のカメラを仕掛けることにしました。
ある日Aさんは,自宅近くにある商業施設に赴き,多目的トイレの中に入って,盗撮用のカメラを設置しました。
しかし,その後にトイレを使用したBさんに,カメラがあることを見抜かれてしまい,兵庫県福崎警察署の捜査もあって,Aさんは逮捕されしまいました。
(フィクションです)

Aさんの行為について,トイレにカメラを設置すること自体は各都道府県の迷惑防止条例によって処罰される場合がありますが,そもそもトイレに入った行為に何らかの犯罪が成立するのでしょうか。

1 多目的トイレについて

商業施設等にある多目的トイレは,男女両方とも使用できるようになっていることが多く,入り口も男女のトイレとは別のところにあるところも多いです。
また,トイレの前にわざわざ係員などが立っているといったこともなく,営業時間内であれば,誰でも自由に立ち入れる様になっています。

2 建造物侵入罪について

人の住居ではない,商業施設等の建造物に侵入する行為は,建造物侵入罪で処罰されます。
建造物侵入罪は,①正当な理由なく②人の看守する建造物に侵入した場合に成立します。
ただ,「正当な理由なく」という要件には,特別な意味はないと考えられており,実際には
①その建物の管理者等の同意がないのに②人の看守する建造物に侵入した場合に罪が成立すると考えられています。

3 管理者の同意の有無

まず,管理者の同意の有無について考えます。
1つ目の問題として,トイレの前には管理者(商業施設の職員)が立っているわけではないのに,同意の有無をどのように考えるかという問題があります。
これは,もしそこに立っていたらどうなるか,ということを基準に考えることになります。
2つ目の問題は,いちいち立入りの理由を告げることはないが,そこをどのように考えるか,という問題です。
たとえば男性が女子トイレに入る行為などは,立ち入る理由が考えづらく,立ち入ることに管理者が同意するとは考えられません。
しかし,盗撮目的多目的トイレに入る行為は,外から見ているだけでは,本当にトイレを使う目的なのか,そうでないのかがはっきりしません。このような場合に,正当な理由の有無はどのようにして判断するのでしょうか。
これについても,もし本当の目的を知ったら,管理者が同意するのか,という観点から判断することになります。

多目的トイレの中に盗撮用のカメラを仕掛けるということを知っていたら,当然管理者はトイレへの立入りを同意するはずありませんから,管理者の同意はないものと考えられます。

4 人の看守する建造物

「看守」とは,現にそこに人がいて見ているという意味ではなく,その部分を事実上管理・支配していることを言います。
多目的トイレの場合にも,現に警備員や職員が見張っているわけではありませんが,入り口の前の通路には防犯カメラが設置されていたり,
使用を禁止する場合のための鍵などが設置されていることが通常ですから,この部分も人の看守する建造物ということになります。
なお,建造物は,建物全体を念頭に考えても構いませんし,トイレのような一区画を念頭に考えても構いません。
今回のような事例の場合には,そもそも商業施設に立ち入ることさえ,管理者は同意しないでしょうから,商業施設の入り口を入った段階で建造物侵入を認めることもできると思われます。

このように、盗撮目的での多目的トイレへの侵入行為は、建造物侵入罪に該当する可能性があります。

ご家族が盗撮目的での多目的トイレへの侵入で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。。

大麻取締法違反事件で逮捕

2020-10-18

大麻取締法違反事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸西警察署は、兵庫県神戸市西区の路上でAさんに職務質問を行いました。
Aさんの態度を不審がった警察官は、Aさんの所持品検査を行ったところ、持っていたカバンから乾燥大麻の入った袋を見つけました。
Aさんは、大麻取締法違反で現行犯逮捕されました。
Aさんは、容疑を認めていますが、このまま身体拘束がどのくらい続くのか不安でなりません。
(フィクションです)

大麻取締法について

大麻取締法は、昭和23年7月に施行された法律で、その目的は、大麻の所持、栽培、譲渡、譲受、使用、輸出、輸入などについて必要な取締を行うとともに、大麻の濫用による保健衛生上の危害を防止し、もって公共の福祉の増進を図ることにあると解されます。

大麻取締法が規制の対象とする「大麻」とは、「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品」をいい、「大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品」は除外されます。

大麻取締法は、「大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。」としています。(大麻取締法第3条1項)
また、大麻取締法は、何人も、「大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く)」、「大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること」、「大麻から製造された医薬品の施用を受けること」、「医事若しくは薬事又は自然科学に関する記事を掲載する医薬関係者等向けの新聞又は雑誌により行う場合その他主として医薬関係者等を対象として行う場合のほか、大麻に関する広告をおこなうこと」を禁止行為として規定しています。

このような規定を受けて、大麻取締法は、次の行為について罰則を設けています。
大麻の栽培、輸入、輸出:7年以下の懲役
②営利目的での大麻の栽培、輸入、輸出:10年以下の懲役、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金
大麻の所持、譲受、譲渡:5年以下の懲役
④営利目的での大麻の所持、譲受、譲渡:7年以下の懲役、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金

大麻取締法違反は、故意犯ですので、「大麻だと知らなかった」場合には犯罪は成立しません。
しかし、大麻の認識については、その物件が依存性のある薬理作用をもつ有害な薬物であることを未必的であれ認識していれば足りると解されます。
「未必的」に認識しているというのは、意図的に犯罪の実現を図るものではないが、実現されたらされたで構わないとする心情を意味します。
「これは大麻だ。」としっかりと認識している場合だけでなく、「これは大麻かもしれない。」と思っている場合にも未必の故意が認められるのです。

大麻取締法違反に対する刑罰は、懲役刑、もしくは懲役刑と罰金刑の両方と、重くなっています。

大麻取締法違反で逮捕されたら

大麻取締法違反逮捕された場合、他の薬物事件と同様、逮捕後勾留される可能性は非常に高いです。
勾留に付されると、検察官が勾留請求をした日から原則10日間身体が拘束されることになります。
勾留延長が決定すると、最大で勾留請求をした日から20日もの間、身体拘束を受けることになり、外界と遮断された生活が長期に及ぶことになります。
また、勾留と同時に弁護人以外との接見を禁止する接見禁止に付される可能性もあります。

大麻取締法違反事件では、初犯であっても、起訴される可能性があり、この場合、検察官による公判請求を受けて正式な刑事裁判となります。
起訴されると、起訴後勾留に切り替わり、引き続き身体拘束を受けることになりますが、起訴後であれば保釈制度を利用することが可能となります。

大麻取締法違反事件における弁護活動

◇身柄解放◇

長期の身体拘束は、被疑者・被告人だけでなく、その家族の生活にも大きく影響します。
そのため、できる限り早期に釈放となるよう動くことが重要です。
薬物事件では、組織犯罪が疑われたり、共犯者との接触を回避するために勾留となる可能性は非常に高いのが実情です。
しかし、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないことや、身体拘束により被る不利益について客観的な証拠に基づいてしっかりと主張することにより、不当な身体拘束を避けることは重要です。
捜査段階での釈放が難しい場合であっても、保釈が認められる可能性はありますので、起訴されたらすぐに保釈請求書を提出し、身柄解放に向けて動く必要があるでしょう。

◇再犯防止策◇

罪を認めている場合には、再び薬物に手を出すことがないよう再犯防止策を講じることが最終的な処分にも影響します。
家族による被疑者・被告人の監督、専門機関による治療、人間関係の改善などは、被疑者・被告人に有利な事情として働くため、このような再犯防止策を講じ、更生に適した環境を整える支援をことも重要な弁護活動です。

◇取調べ対応のアドバイス・証拠収集◇

罪を争う場合には、被疑者・被告人の主張を裏付ける証拠を収集することが重要です。
また、弁護士は、被疑者・被告人の不利となるような内容の供述調書がとられないよう、取調べに対してどのように対応すべきかについて適切なアドバイスを提供します。
閉鎖的な空間での取調べでは、身体的にも精神的にも疲れ果てた被疑者・被告人が取調官の誘導に乗せられ、自己に不利な供述をしたり、異なるニュアンスで調書が作成されてしまうこともあるため、弁護士に相談し、どのように対応すべきかを把握していることは大切です。

興味本位で安易に手を出してしまうケースも少なくない大麻ですが、大麻取締法違反は軽微な犯罪ではありません。

大麻取締法違反でご家族が逮捕されてしまったのであれば、すぐに弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関する問い合わせ・予約は、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年事件における弁護士の役割

2020-10-04

少年事件における弁護士の役割について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県伊丹市の駅構内で、女子高生のスカート内をスマートフォンで盗撮したとして、兵庫県内に住む大学生のAさん(18歳)が迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕後、釈放されたAさんは、今後どのような手続きを踏み、如何なる処分が言い渡されるのか不安で仕方ありません。
Aさんは、Aさんの父親と共に、少年事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

少年事件の特色

20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が、罪を犯した場合、あるいは、刑罰法令に触れる行為を行ったり、将来おいてそのおそれがある場合、主に少年法に基づいた手続に付されることになります。

◇少年法の目的◇

少年法は、少年の健全な育成という観点から、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うことを目的としています。
つまり、少年法の目的は、少年の健全育成にあります。
それは、少年法が、少年が行った過去の犯罪に対する応報として少年を処罰するものではなく、将来二度と犯罪ないし非行を行わないよう、その少年の改善教育することを目的とするものだということを意味しています。

◇全件送致主義◇

少年事件では、犯罪の嫌疑があるすべての事件を家庭裁判所に送致することになっています。
これを「全件送致主義」といいます。
少年事件においては、成人の刑事事件における起訴猶予に相当する処分はありません。
また、犯罪の嫌疑がない場合であっても、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがある場合には、ぐ犯事件として家庭裁判所に送致されることがあります。

少年事件における弁護士の役割

少年は、成人と比べて、法的知識はもとより社会的知識が不足しており、表現力にも乏しいため、捜査機関などからの説明を誤解したり、自分の気持ちを上手く言葉にすることができない場合があります。
そのため、捜査官の誘導に乗ってしまい自己に不利な供述がとられてしまうことがあります。
そのようなことがないよう、弁護士は、少年の話をじっくりと聞いた上で、少年に対して少年が持つ権利を丁寧に説明し、取調べにおける対応方法についてアドバイスを行います。
少年が大人に対して不信感を持っていることも少なくないため、少年の話に耳を傾け、少年の気持ちを理解するよう努めることが弁護士に求められます。

また、少年事件では、逮捕・勾留・観護措置といった身体拘束の結果、退学や解雇となる可能性があり、少年の更生を大きく妨げてしまうことがあります。
そのため、弁護士は、事案に応じて、勾留や観護措置を回避するための活動を積極的に行います。

少年事件における弁護士の役割の中でも重要なものに、環境調整があります。
少年を取り巻く環境を調整し、要保護性を減少させる弁護士の活動を「環境調整活動」といいます。
環境調整活動には、主に、少年自身に対するもの、保護者・学校・友人に対するものがあります。
少年自身に対しては、内省を促し、事件や少年自身が抱える問題と向き合い、事件の原因及び結果や被害者の心情・状況について考える機会を提供し、少年の内省を深めるよう支援します。
事件の背景には、少年の家庭環境や人間関係にあることが多く、保護者や学校、職場、友人等との関係を改善し、少年が更生に向けて進んでいけるよう周囲と協力し環境を調整します。
身柄の少年事件の場合、家庭裁判所に送致されてから3~4週間ほどで審判が開かれるのが通常となっており、捜査段階から審判を見据えて、早期に環境調整活動に着手する必要があります。

このように、少年事件において弁護士が果たす役割は大きく、最終的な処分にも影響を与え得ると言えるでしょう。

お子様が事件を起こし、対応にお困りであれば、少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

あおり運転の厳罰化

2020-09-13

あおり運転厳罰化について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県加東市の高速道路で、Vさんが運転する乗用車に左右から幅寄せしたり前方で急制動したりして、Vさんの車を停車させるなどした疑いで、兵庫県警察高速隊は、Aさんを道路交通法違反(妨害運転罪)の容疑で逮捕しました。
Aさんは、「運転の仕方が気に入らず、イラっとしてあおった。」と容疑を認めています。
警察からの連絡で夫の逮捕を知ったAさんの妻は、ニュースであおり運転厳罰化が特集されていることを思い出し、Aさんに対してどのような処分が下されるのか不安で仕方ありません。
(フィクションです)

交通事故に繋がりかねない危険な運転行為である「あおり運転」は、これまで道路交通法や刑法の暴行罪などを適用して対処されてきました。
あおり運転が引き起こす交通事故の危険性・重大性を鑑み、あおり運転に対する厳罰化が求められてきました。

道路交通法改正~妨害運転罪の創設~

令和2年6月10日に公布された道路交通法の一部を改正する法律により、「妨害運転」に対する罰則が創設されました。

道路交通法第117条の2の2第11号は、「他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であって、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者」を、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処すとしています。
本条の対象となる行為は、
①通行区分違反:右折や左折などをする場合に、方向別に区分された車線を通らない。
②急ブレーキ禁止違反:不必要に車を急停止させたり、急激な減速をするような急ブレーキをかける。
③車間距離保持違反:前の車との距離を極端に詰める。
④進路変更禁止違反:みだりにその進路を変更する。
⑤追い越し方法違反:追い越し車線ではない通行帯で追い越す。
⑥車両等の灯火違反:ハイビームでの威嚇。
⑦警音器等使用違反:むやみやたらにクラクションを鳴らす。
⑧安全運転義務違反:幅寄せや蛇行運転。。
⑨最低速度違反:高速道路での最低速度より遅い速度での進行。
⑩停車・駐車禁止違反:高速道路での駐停車。

また、道路交通法第117条の2の2第11号の罪を犯し、よって高速道路において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。(道路交通法第117条第6号)

このように、あおり運転自体を行った場合には、新たに創設された妨害運転罪に該当する可能性があります。

自動車運転処罰法改正~危険運転致死傷罪の対象~

あおり運転を行った結果、人身事故を起こした場合には、自動車運転処罰法の危険運転致死傷罪に該当することがあります。

危険運転致死傷罪は、自動車の危険な運転によって人を死傷させた場合に成立する犯罪です。
自動車運転処罰法に関する改正法が7月2日に施行され、高速道路などで走行中の車両前方に停止するなど、他の車の通行を妨害する行為が危険運転致死傷罪に追加されました。

法改正以前では、あおり運転による人身事故に危険運転致死傷罪が適用されるのは、「人や車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に侵入し、その他通行中の人や車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」を行い、その結果、人を死傷させた場合でした。
つまり、あおり運転に高速度での運転という要件が課されていたため、適用範囲が限定されていました。

改正後は、先の類型に加えて、「車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為」と「高速道路・自動車専用道路において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。)をさせる行為」も危険運転致死傷罪の対象となりました。
前者は、走行している車の前で急ブレーキをし、その車を停止させたり、極端に接近したりした結果、交通事故を起こし、人を死傷させた場合が該当し、高速道路のような路上で駐停車していることが予想されていないような場所で、前方に割り込んだり、極端に接近したりして走行中の車を停止・徐行させたことで、人を死傷させた場合は後者に当たるでしょう。

以上の様に、危険なあおり運転については、これまで以上に厳しい処罰が科されることになります。

あおり運転で逮捕された方、あおり運転で事故を起こした方、交通事件で対応にお困りの方は、交通事件を含めた刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。

弁護士求人二次募集(73期司法修習生)

2020-08-28

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、第73期司法修習生を対象に、弁護士採用の2次募集を行います。刑事事件・少年事件に興味がある司法修習生で、就職先が未定の方や進路に悩まれている方は是非ご応募下さい。

73期司法修習生向け弁護士採用求人情報の概要は下記のとおりです。求人募集情報にご興味をお持ちいただけた方は電子メール(noritakesaiyou@keiji-bengosi.com)からご応募下さい。申込確認から5日間程度のうちに採用担当者からエントリー情報の確認と追加必要書類の詳細についてメール又は電話でご連絡致します。

採用求人情報

【事務所概要】

日本では稀有な、刑事事件・少年事件のみを専門的に取り扱う全国的刑事総合法律事務所です。創立以来、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動に従事し、重大著名事件から市民生活に密接した事件まで、数多くの刑事事件・少年事件をほぼ全分野にわたって幅広く取り扱ってきました。現在は、札幌、仙台、さいたま、千葉、東京(新宿・八王子)、横浜、名古屋、京都、大阪、堺、神戸、福岡博多まで全国13都市に事務所を構えており、経験豊富な弁護士に加え、元裁判官、元検察官、元警察官等の専門領域を持ったエキスパートが集まる専門性の高い職場環境となっています。高い専門性と全国規模の弁護活動で、年間300件以上の不起訴・不処分(無罪判決含む)及び年間150件以上の身柄解放という圧倒的な解決実績を誇ります。刑事・少年事件のリーディングファームとして、プロフェッショナル養成のための所内研修及び業務支援制度を整え、高レベルの弁護サービス普及を目指しています。

【支部概要】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は,三ノ宮・神戸三宮駅近くにオフィスを構え、兵庫県弁護士会に所属する刑事事件・少年事件の経験豊富な弁護士が刑事事件・少年事件を専門に弁護活動を行う法律事務所です。神戸支部では,全国の主要都市にある各支部と連携を取りながら,南は淡路島から北は豊岡までの兵庫県全域及び関西・中国・四国地方の刑事事件・少年事件により迅速に対応できる環境を強化しております。神戸支部は、刑事事件・少年事件における深い知識と豊富な経験を活かし、これまで数多くの事件を解決してきており、今後も更にレベルの高い弁護活動を行えるよう弁護士・事務員一丸となって取り組んでいます。

【取扱案件】

刑事事件
少年事件
外国人事件
犯罪被害者支援

【募集人数】

若干名

【報酬】

年俸600万円  

【勤務地】

神戸支部   三ノ宮、神戸三宮駅から徒歩7分

【育成・研修制度等】

入所後は、刑事事件・少年事件のリーディングファームとして、重大著名事件から市民生活に密接した事件まで、数多くの刑事事件・少年事件をほぼ全分野にわたって幅広く経験することができます。新人弁護士の育成には、代表弁護士又は先輩弁護士によるマンツーマンでの指導育成方法を採用し、プロフェッショナルを養成するための所内研修及び業務支援制度を整えています。

【執務条件等】

執務日 月曜日~金曜日、土日祝日はシフト制
休暇 夏期休暇、冬期休暇、GW等の休暇あり
弁護士登録料、事件処理費用、書籍購入費用、判例検索システム・データベース等の経費は全額事務所負担

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