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コンビニコーヒーで窃盗事件
コンビニコーヒーで窃盗事件
コンビニコーヒーで窃盗事件となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県西脇市にあるコンビニエンスストアで、100円のホットコーヒーレギュラーサイズを注文したAさん。
店員は、100円コーヒー用のカップをAさんに渡し、Aさんは100円を支払いました。
Aさんは、カップをコーヒーメーカーにセットし、150円のカフェオレのボタンを押し、カフェオレをカップに注ぎました。
すると、待機していた兵庫県西脇警察署の警察官に、Aさんの行為は窃盗罪に当たると言われ、警察署へ連れて行かれました。
実は、Aさんは、これまで何度も同様の行為を行っており、他の常連客が店員に報告し、店側が警察に相談したことで、今回の事件が発覚したのです。
(実際の事件を基にしたフィクションです)
100円のコーヒーカップ購入し150円のカフェオレを入れるのは窃盗罪?詐欺罪?
手軽に本格的なコーヒーが楽しめるとあって、コンビニコーヒーは大人気です。
セルフ方式で、レジでコーヒーの種類や大きさを伝え、料金を払い、専用のカップをもらう。そして、専用機器にカップをセットし、自分が注文した商品のボタンを押す。
とても簡単なプロセスですが、初めての人にとっては、「どのボタンを押せばよいのか分からない」、何回か使用している人でも「押し間違えてしまいそう」という意見が多く寄せられているようです。
上記ケースでは、Aさんは100円を支払ってホットコーヒーのレギュラーサイズを購入しました。
店員も、Aさんが注文した通り、ホットコーヒーレギュラーサイズの専用カップを渡しました。(①)
しかし、Aさんは、ホットコーヒーレギュラーサイズのボタンではなく、150円のカフェオレのボタンを押して、カフェオレをカップに注ぎました。(②)
この行為が、「窃盗罪」に問われているようですが、窃盗罪とはどのような犯罪をいうのでしょうか。
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
犯罪が成立するためには、構成要件に該当し、違法性が認められ、かつ、責任能力があることが必要です。
構成要件というのは、刑罰法規によって定義された犯罪行為の類型であり、窃盗罪を例にとれば、「他人の財物を窃取した」ことが構成要件です。
窃盗罪における構成要件を、もう少し詳しくみていきましょう。
「他人の財物」とは、「他人の占有する他人の財物」のことで、自己の財物といえども、他人の占有に属し、または公務所の命令によって他人が看守しているものは、他人の財物とみなされます。
不動産については、刑法第235条の2の客体となるので、窃盗罪の客体からは除かれます。
ここでいう「占有」というのは、「人が財物を事実上支配し、管理する状態」をいいます。
また、「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいうと解されています。
窃取の方法や手段に制限はありません。
欺罔行為を手段とする場合、窃盗罪が成立するか、はたまた、詐欺罪が成立するかが問題となりますが、財物奪取の手段として人を騙しても、占有移転行為時に瑕疵ある意思に基づく占有移転がなければ、窃盗罪が成立することになります。
つまり、詐欺罪と窃盗罪の区別は、占有移転が被害者の意思に基づく処分行為によるか否かということによります。
この点、上記ケースでは、店員から100円用のカップの交付を受けた①の場面において、100円のコーヒーを買うとみせかけて150円のカフェオレを注ぐつもりで、店員を騙してカップの交付を受けたのであれば、詐欺罪が成立するでしょう。
しかし、この時点で相手を騙す意図がなければ詐欺罪は成立しません。
一方、実際にカップにコーヒーを注ぐ②の場面で、コーヒーを注ぐべきであるのに、わざと150円のカフェオレを注いだのであれば、窃盗罪となるでしょう。
この場合、店員から財物が交付されたのではなく、機械から財物を取得したのですから、人を騙す行為はこの場面ではありません。
もちろん、窃盗罪の場合にも、故意がなければ犯罪は成立しません。
窃盗罪の成立には、主観的要件として、他人の財物を窃取することの認識(故意)のほかに、不法領得の意思(権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用、処分する意思)を要求するのが判例および通説となっています。
たかが50円のことですが、理論上は犯罪が成立する可能性もありますし、実際に逮捕された事例もあります。
コンビニコーヒーの件に限らす、ご自身の行った行為が犯罪と成り得るのかお悩みであれば、刑事事件に強い弁護士にご相談されてはいかがでしょう。
お問い合わせは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイアル0120-631-881まで。
窃盗症と執行猶予
窃盗症と執行猶予
窃盗症と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
主婦のAさんは、兵庫県加古川市にある商業施設内のスーパーマーケットで食料品3点を万引きしたところ、警備員に見つかってしまいました。
Aさんは、当時商品を買えるだけのお金を持っていたにもかかわらず、商品を万引きしたということです。
その後、Aさんは兵庫県加古川警察署に行き取調べを受け、Aさんの家族が身元引受人となり、釈放されました。
Aさんは、窃盗の前科前歴があり、今回は執行猶予期間中の犯行ということで、AさんもAさんの家族も今度こそ実刑になるのではないかと不安でたまりません。
(フィクションです)
窃盗症とは
常習窃盗を大きく分類すると以下の3つに分けられます。
①経済的利益のために金目の物品や金銭を盗む職業的犯罪者
②飢えて食べ物や生活必需品を盗む貧困者
③金があるのに些細なものを盗む病的窃盗者
③のように、十分な資産を有しているにもかかわらず、繰り返し数百円の物を盗む者は、窃盗症(クレプトマニア)と呼ばれる精神障害を患っている可能性があります。
アメリカ精神医学会により「精神障害の診断と統計マニュアル」において、窃盗症の診断基準が以下のように挙げられています。
A.個人的に用いるためでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物をとろうとする衝動に抵抗できなくなることを繰り返される。
B.窃盗に及ぶ直前の緊張の高まり。
C.窃盗に及ぶときの快感、満足、または解放感。
D.その盗みは、怒りまたは報復を表現するためのものではなく、妄想または幻覚への反応でもない。
E.その盗みは、素行症、躁病エピソード、または反社会性パーソナリティ障害ではうまく説明されない。
Aの基準は、他の常習窃盗と区別するものですが、窃盗症であっても、その物の用途や経済的価値を完全に切り離すことは難しく、欲しい・必要な物を盗むつつも、必要以上の量を盗んだり、結局は使用せずに放置していたり、後から考えると何故それを盗んだか分からない場合に該当すると広く理解されます。
万引き行為は、初犯であり、本人も反省しており、被害弁償も済んでいる場合であれば、微罪処分となる可能性もあります。
しかし、何度も万引きを繰り返すと、受ける処分も重くなり、実刑判決が下ることもあります。
自分ではやめたいと思っているのに、万引きを繰り返してしまう、そのような場合には、窃盗症が疑われるかもしれません。
窃盗症は一種の精神疾患ですので、刑罰を科すことでは再発防止は望めないでしょう。
何よりも専門の治療を受ける必要があります。
ですので、窃盗症と診断される場合には、治療に専念するため社会内処遇が適していることを説得的に主張することが重要です。
上記ケースにように、窃盗症を患う方が執行猶予期間中に再度犯行に及んでしまうケースは少なくありません。
窃盗症であると診断された場合には、医師による専門的治療を受けたり、支援組織による講義に参加したりと、窃盗症を克服できる環境づくりが必要です。
その上で、弁護士は、裁判において、常習窃盗の原因が窃盗症であること、専門的治療を受ける環境がととのっていること、本人も治療に専念し再発防止に意欲的であることや、家族からの支援が期待できることなど、もう一度社会内で更生する機会を与えてもらうよう、弁護活動に取り組みます。
兵庫県加古川市の常習窃盗事件で、窃盗症が疑われる方、執行猶予となり社会内での更生をご希望の方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。
刑事事件専門の弁護士が、初回に限り無料で法律相談を行います。
少年事件で観護措置回避
少年事件で観護措置回避
少年事件で観護措置回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県西宮市に住む少年Aさん(16歳、高校1年生)が、友人と共謀し、ドラッグストアの化粧品など計5点を万引きしたとして兵庫県甲子園警察署に逮捕されました。
Aさんらは、今回の他にも、同様の手口で万引きを繰り返しており、Aさんは見張り役として関与していました。
Aさんは、逮捕後に勾留され、心配した両親が少年事件専門の弁護士に弁護を依頼することになりました。
Aさんは、その後、神戸家庭裁判所尼崎支部に送致されましたが、付添人の働きかけにより、観護措置をしない旨の決定をしました。
(フィクションです)
観護措置について
観護措置とは、家庭裁判所が調査・審判を円滑に行うために、一定期間少年を少年鑑別所に収容し、調査や鑑別などを行い、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護し少年の安全を図る措置のことをいいます。
逮捕・勾留されている身柄事件の場合、家庭裁判所に送致された日に、裁判官による審問手続を経た上で、その日のうちに決定されます。
観護措置には、家庭裁判所調査官の観護に付する在宅看護と、少年鑑別所に収容する収容観護の2種類がありますが、実務上、前者はほとんど活用されることはなく、観護措置という場合は後者を指すのが通例となっています。
観護措置の期間は、法律では原則2週間とされていますが、実務上は、ほとんどの事件で1回更新されていますので、4週間が通例となっています。
少年法は、観護措置の要件について、「審判を行うために必要があるとき」と規定しており、その詳細については定めていませんが、一般的には以下の要件をみたす必要があると考えられています。
①審判条件があること
②少年が非行を犯したことを疑うに足りる事情があること
③審判を行う蓋然性があること
④観護措置の必要性が認められること
④の要件については、以下の事由がある場合に認められます。
ア 調査・審判・決定の執行を円滑・確実に行うために少年の身体を確保する必要があること
イ 緊急に少年の保護が必要であること
ウ 少年を収容し心身鑑別をする必要があること
実務上、身柄事件として家庭裁判所に送致された少年の多くについて、観護措置の決定がなされています。
しかし、観護措置により、少年の身柄を約4週間拘束することになりますから、少年の学業や就業にとって大きな障害となり、ひいては少年の更生への妨げとなる場合も少なくありません。
そのような場合には、弁護士は付添人として、観護措置決定を回避するための活動を積極的に行う必要があります。
観護措置の決定がなされた場合であっても、観護措置決定に対する不服申し立てを検討すべき場合もあります。
観護措置決定を回避するために、付添人は、具体的には以下のような活動を行います。
・少年が家庭裁判所に送致される日を確認し、送致されたらすぐに付添人選任届、観護措置をとる必要がない旨の意見書及び保護者の陳述書や身元引受書、少年作成の反省文など、必要な資料を家庭裁判所に提出。
・家庭裁判所の裁判官との面談を申し入れ、事件について説明し、かつ、裁判官が把握していないであろう少年に有利な事情を説明し、観護措置をとる必要がない旨を主張。
このような活動により、身柄事件であっても、観護措置がとられない可能性を高めることができます。
お子様が事件を起こしてしまい、逮捕・勾留された、家庭裁判所に送致され観護措置がとられる可能性があると心配されているのであれば、今すぐ少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。
(兵庫県甲子園警察署までの初回接見費用:36,200円)
特殊詐欺事件で試験観察を経て保護観察処分へ
特殊詐欺事件で試験観察を経て保護観察処分へ
特殊詐欺事件での試験観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
少年(19歳)は、他の共犯者らと共謀の上、特殊詐欺組織の現金受け取り役として被害者宅に赴き、被害者から現金300万円を受け取ろうとしていたところ、待機していた兵庫県淡路警察署の警察官に逮捕されました。
少年は、逮捕・勾留後、家庭裁判所に送致され、観護措置がとられました。
本件の他にも、同様の特殊詐欺事件に関与したとして、余罪についても家庭裁判所に追送致されました。
少年の両親は、このままでは少年院送致となるのではないかと心配になり、少年事件専門の弁護士に相談しました。
少年事件専門の弁護士を付添人に選任し、第一回審判では試験観察となり、3か月間の試験観察を経て、第二回審判では保護観察処分が言い渡されました。
(事実を基にしたフィクションです)
特殊詐欺事件と少年事件
「高額アルバイト」などと称して、少年に特殊詐欺の片棒を担がせるケースが後を絶ちません。
特殊詐欺に関与した少年たちは、何も非行歴のある少年に限りません。
その多くが、非行歴や補導歴もない少年たちなのです。
「簡単」「高収入」といった甘い言葉を鵜呑みにして、犯罪組織の末端の役割を担った結果、捜査機関に逮捕されてしまうケースが多く見受けられます。
特殊詐欺事件は、被害額も多く、社会的な影響が大きいことや、組織犯罪の資金源となっていることが多く、近年厳しく処罰される傾向にあります。
20歳未満の少年の場合、初犯であっても、いきなり少年院送致の処分となる可能性もあるのです。
試験観察とは
少年事件は、原則、すべての事件が、捜査機関による捜査が終了すると、家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致されると、調査官による調査、少年審判を経て、少年の更生に適した処分が決定されます。
その処分には、中間処分と終局処分とがあります。
相当の期間、少年を調査官の観察に付すとする家庭裁判所の決定を「試験観察」といいます。
試験観察は、少年に対する終局処分を一定期間保留し、その期間に少年の行動等を調査官の観察に付するために行われる中間処分です。
少年の更生にとって保護観察がいいのか、少年院送致がよいのか、すぐに判断することが出来ない場合に、試験観察とし、その期間に少年の要保護性に関する十分な調査を行い、また少年自身の更生に向けた行動や態度の改善を期待する制度です。
少年が日記をつけることや、定期的に家庭裁判所に出向き調査官と面接することなどといった遵守事項が定められることが多くなっています。
試験観察の期間は、通常3か月から半年ほどです。
特殊詐欺事件の様な少年院送致の可能性がある少年事件の場合で、審判準備をする中で、ただちに終局的処分を決めるよりも、調査官による調査や関係者による働きかけや環境調整を行う方が、少年の更生のためになり、終局処分が少年にとってより良いものになると考えられる場合には、試験観察を利用することが良いこともあります。
この期間中における少年の様子から、社会内処遇での更生が可能だと判断されると、保護観察処分となる可能性は高まります。
そのため、付添人は、試験観察期間中、少年と定期的に連絡を取り、少年の生活を把握するとともに、面会を行い、少年の更生への意欲を高め、引き続き少年の生活環境の改善を行う等、試験観察の成果がより上がるよう努めます。
兵庫県の少年事件でお困りの方、少年院に収容されるのではと心配されていらっしゃるのであれば、少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談されてはいかがでしょうか。
詳しくは、フリーダイアル0210-631-881までお問い合わせください。
業務上横領事件で私選弁護人
業務上横領事件で私選弁護人
業務上横領事件で私選弁護人を選任する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県丹波市の会社で経理を担当していたAさんは、勤務先から計1000万円を横領したとして、兵庫県丹波警察署から取調べを受けていました。
その後、神戸地方検察庁での取調べを受け、業務上横領罪で起訴されました。
Aさんは、国選弁護人が付いていましたが、刑事事件を専門としていなかったので、刑事事件専門とする弁護士を私選弁護人に選任しようか迷っています。
(事実を基にしたフィクションです)
業務上横領罪とは
刑法第253条(業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。
業務上横領罪は、①業務上の委託に基づき、②自己の占有する他人の物を、③横領する犯罪です。
①業務上
「業務」というのは、委託を受けて他人の物を占有または保管する事務を反復継続して行う地位のことを意味します。
例えば、質屋や倉庫業者、職務上金銭を保管する役職員などが、業務上の占有者です。
上記ケースでは、Aさんは、会社で経理を担当していたので、「業務上」の要件を満たすでしょう。
②自己の所有する他人の物
これは、業務と関連して理解自己が占有する他人の物を指します。
「占有」とは、物に対して事実上または法律上支配力を有する状態のことをいいます。
他人から預かった金銭を預金した者や小切手振出をゆだねられた者は、その人の金銭が入っている預金を占有していると理解されます。
③横領
「横領」の意義については、不法領得の意思を実現する一切の行為と理解する「領得行為説」と、委託の趣旨に反する権限逸脱行為と理解する「権限行為説」とが主張されていますが、判例及び通説は、前者の「領得行為説」の立場を採っています。
この説によれば、横領とは、「委託物につき不法領得の意思を実現するすべての行為」を含みます。
ここでいう「不法領得の意思」というのは、「他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その者につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思」をいいます。
よって、領得行為説において、「横領」行為は、「不法領得の意思を表現する一切の行為」のことで、売買、贈与、質入れ、抵当権の設定、消費、着服などが含まれます。
「不法領得の意思」は、自己のために領得する意思に限定せず、行為者と特殊の関係を有する第三者に領得させる意思があってもよいとされます。
委託者本人のために物を処分した場合、原則としては「不法領得の意思」は認められませんが、その処分が委託の趣旨に反し許されないものであるときには、不法領得の意思が認められます。
また、処分した者を後日補填する意思があった場合でも、「不法領得の意思」が認められることがあります。
上記ケースにおいて、Aさんがもっぱら自分のために使う目的で、会社のお金を着服していたのであれば、業務上横領罪が成立すると考えられます。
国選弁護人と私選弁護人
被疑者及び被告人には、弁護人を選任する権利が保障されます。
あなたが、刑事事件の被疑者・被告人となった場合、あたなはいつでも弁護人を選任することができます。
刑事事件の手続において、被疑者・被告人のために様々な弁護活動を行う弁護士を弁護人といい、この弁護人は「国選弁護人」と「私選弁護人」とに分けることができます。
国選弁護人というのは、貧困などの事情により、自分で弁護人を選任し弁護を依頼することができない場合に、国(裁判所)が弁護人を選任し、その費用を負担するものです。
費用がかかりませんので、経済的な負担はぐっと減ります。
しかし、選任された弁護士が必ずしも刑事事件に精通しているとは限りませんし、被疑者・被告人本人やその家族が選ぶことができないので、弁護人と弁護される側との相性がいいのかも判断しかねることがあります。
一方、私選弁護人は、自身で費用も負担しなければなりませんが、刑事事件に強い弁護士を選ぶこともできますので、そのような弁護士に弁護を依頼した場合には、迅速かつ適切な弁護活動を期待できるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所です。
あなたやあなたの家族が、刑事事件の被疑者・被告人となりお困りの方、一度弊所の弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。
窃盗事件で審判不開始決定
窃盗事件で審判不開始決定
審判不開始決定について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県赤穂郡上郡町に両親と同居しているAくん(17歳)は、地元の高校を中退し、飲食店でアルバイトとして勤務していました。
Aくんは、友人Bくんと駐車中のバイクを盗んだとして、兵庫県相生警察署で取調べを受けました。
Aくんの両親は、どのような処分が下されるのか心配になり、少年事件に強い弁護士に相談し、弁護を依頼することにしました。
その後、事件は神戸家庭裁判所姫路支部に送致されましたが、審判不開始決定となりました。
(フィクションです)
家庭裁判所が事件を受理すると
原則、すべての少年事件は、捜査機関による捜査が終了すると、家庭裁判所に送致されます。(「全件送致主義」)
少年事件においては、科学的な調査機関を有する家庭裁判所が、専門的に少年の処遇を選択するのが相当であることから、全件送致主義が採られています。
家庭裁判所は、事件を受理すると、書記官と裁判官が事件記録に基づいて、審判条件や非行事実の存否について審査・検討を行います。(「法的調査」)
この法的調査では、管轄、少年の年齢などといった審判条件や、事件が原則検察官送致事件・検察官関与対象事件・国選付添人対象事件・被害者審判傍聴対象事件・被害者配慮制度の案件対象事件などに該当するか否か、少年が非行事実を否認しているか否か、自白事件について補強証拠の有無といった事実認定上の問題の有無などについて、事前に事件記録を精査します。
成人の刑事事件では、公判当日まで裁判官は証拠を見ることはありませんが、少年事件では、裁判官は、捜査機関や付添人から送致された証拠書類等を精査し、非行事実の存否に関して一応の心象を得た上で審判に臨みます。
法的調査の結果、非行事実が存在することについて裁判官が蓋然的心証を得た場合には、家庭裁判所の調査官に要保護性の判断をするための調査(「社会調査」)をするように命じます。
調査官は、社会学・心理学・教育学などを専門とし、法律の専門家である裁判官とは異なる観点から少年の問題性を探り、少年の更生に最も適した処分について意見を出します。
社会調査が終了すると、調査官は、裁判官に対して調査結果を提出し、裁判官は、法律記録と共に検討します。
その結果、家庭裁判所は、審判に付することができない(形式的審判不開始)、又は、審判に付するのが相当でないと認める場合(実体的審判不開始)には、審判を開始しない決定をしなければなりません。
この決定を「審判不開始決定」といいます。
審判に付することが出来ない場合というのは、法律上又は事実上審判に付することが出来ない場合です。
審判条件の不存在や非行事実の不存在、事実上の審判不能などの場合です。
審判に付するのが相当でない場合というのは、審判条件や非行事実の存在が認められ、審判を行うことは可能であるが、保護処分等を行うことが妥当ではなく、裁判官による直接審理の必要性もない場合のことをいいます。
例えば、事実が軽微な場合、別件保護中の場合、保護的措置による要保護性解消の場合などがあります。
審判不開始をめざす付添人活動
捜査段階から弁護人として活動していた場合には、それまでの弁護活動の成果を早期に家庭裁判所に伝え、審判不開始を求める意見書を提出するなどの活動を行います。
審判不開始の多くは、実体的審判不開始であるので、家庭裁判所の調査や付添人の活動により、要保護性が解消されており、あえて審判を行う必要はないことを、裁判官に説得的に主張する必要があります。
例えば、既に被害者への被害弁償が済んでおり示談が成立していることや、少年が真摯に反省していること、保護者や学校による監督が期待できること、また、カウンセリングに通うなどして更生に向けた環境が整っていることなどが、要保護性が解消されたと認める重要な要素となります。
このような活動は、少年事件に強い弁護士に任せることをお勧めします。
お子様が事件を起こしてお困りであれば、少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお電話ください。
少年事件と面会
少年事件と面会
少年との面会について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
Aくん(18歳)は、先輩の誘いで、いわゆる特殊詐欺の受け子をしていました。
ある日、指示役の男から連絡があり、兵庫県川辺郡猪名川町に住む女性宅に行き、封筒を受け取るよう指示され、その場に向かい、女性から封筒を受け取りました。
Aくんは女性宅を離れ、指示された駅のコインロッカーに封筒を入れようとしたところで、兵庫県川西警察署の警察官に逮捕されました。
Aくんは、その後勾留され、接見禁止が付いており、Aくんの両親は面会できずに大変困っています。
(フィクションです)
お子様が逮捕されたら~少年との面会~
もし、あなたのお子様が何らかの事件を起こし、警察に逮捕されてしまったら、不安ですぐにでも会いにいきたいと思われることでしょう。
しかし、身体拘束されてしまうと、自由にお子様と会うことは出来なくなります。
(1)逮捕から勾留までの段階
原則、逮捕から勾留が決定するまでの間は、ご家族であっても逮捕された方に面会することは出来ません。
逮捕から48時間以内に警察は、被疑者を検察に送致するか釈放するかを決定し、検察に送致した場合、検察官は24時間以内に被疑者を釈放するか、勾留請求をするかを決定します。
勾留が決定するまでの段階であっても、弁護士であれば、逮捕された方に会うことができます。
(2)勾留から家庭裁判所に送致されるまでの段階
勾留が決定すると、ご家族の方は被疑者と面会することは出来ます。(一般面会)
ただし、一般面会にはいくつか制限があります。
面会できるのは平日の午前9時から午後5時まで(正午~午後1時を除く)で、面会時間も15~20分に限られています。
面会には、警察官が立会います。
一般面会は、1日1組限りで、1回3人までです。
勾留の期間は、10日間ですが、延長されると最大で20日間となります。
接見禁止が付されている場合、ご家族であっても面会することは出来ません。
共犯者などと面会し、罪証隠滅を行うおそれがあると判断される場合になされるもので、弁護士以外の物との面会を禁止する決定です。
また、少年事件の場合には、勾留ではなく「勾留に代わる観護措置」がとられることもあります。
検察官は、勾留に代えて勾留に代わる観護措置を請求することができます。
勾留に代わる観護措置がとられると、少年は警察署の留置場ではなく少年鑑別所に収容されます。
期間は、10日間です。
勾留とは違い、延長は認められません。
ただ、勾留に代わる観護措置がとられた場合、その後に家庭裁判所に送致されると、そのまま観護措置がとられることになります。
(3)家庭裁判所送致後
事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所はいつでも「観護措置」をとることが出来ます。
観護措置とは、家庭裁判所が調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りつつ、少年の身体を保護してその安全を図る措置をいいます。
観護措置には、調査官の観護に付する措置(在宅観護)と少年鑑別所に送致する措置(収容観護)の2種類がありますが、通常観護措置という場合、後者を指すものとされています。
少年鑑別所での一般面会は、平日の9時から午後4時までで、近親者、保護者、その他鑑別所が必要と認める者に限って許可されます。
警察の留置施設では、接見禁止がついていない限り、友人や恋人も面会が許されますが、少年鑑別所では通常許可されません。
面会時間は1回15分程度に限られており、面会には鑑別所の職員が立ち会うことになっています。
このように、少年事件における面会は、ご家族であっても、面会時間や面会できる時間帯が限られており、立会人がいるなど、さまざまな制限がかかります。
更に、接見禁止がついた場合には、面会することは出来ません。
そのような時でも、弁護士であれば、平日・休日問わず、いつでも立会人なく、制限時間なく面会(接見)することが出来ます。
もちろん、取調べ対応についてのアドバイスや、ご家族への伝言も受けることが出来ますので、身体拘束を受けている少年にとって弁護士は心強い味方となるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を専門とする法律事務所です。
あなたのお子様が刑事事件を起こし、身体拘束を受けているのであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881まで。
脱税で告発
脱税で告発
脱税事件で告発された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神戸市須磨区で会社を経営するAさんは、取引先などの口座に架空の外注費を振り込んだ後、現金で戻させる手法で、架空の外注費を計上し、約1億円の所得を隠すなどして脱税していました。
ところがある日、大阪国税局は、会社とその社長Aさんを法人税違反などの疑いで神戸地方検察庁に告発しました。
この先どうなるのか心配になったAさんは、脱税事件にも対応してくれる弁護士を探すことにしました。
(共同通信 2019年1月28日3時11分掲載記事を基にしたフィクションです)
脱税で刑事事件に
違法な手段により納税を免れる行為を「脱税」といいます。
脱税罪なる罪はありませんが、脱税行為はさまざまな税法により禁止されており、違反行為には刑事罰も科されますので、脱税事件は場合によっては刑事事件に発展することもあります。
脱税事件で問題となる税法は、主に、「所得税法」や「法人税法」、それから、「消費税法」などです。
所得税法は、その名の通り所得に対する税について定めた法律ですが、その中でも、個人の所得に対する税金について定めたものです。
一方、法人税法は、法人の所得等に対する税金である法人税について定めた法律です。
どちらも、所得に対して課税されるわけですので、所得が多いほど課税額も増えることになります。
支払う税金を少しでも抑えたいという気持ちから、所得が実際よりも少なく申告するなどの不正行為が行われるケースは少なくありません。
しかし、これらの税法では、「偽りその他不正な行為」により法税を免れる又は還付を受ける行為に対して刑事罰を設けています。
上記ケースのように、架空の外注費を計上して、実際より所得を少なく申告した場合、10年以下の懲役若しくは1000万円の罰金(納税額が1000万円を超える場合は情状により脱税相当額以下の罰金)または懲役と罰金の併科が科される可能性があります。(法人税法第159条)
また、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業員が、法人の業務または財産に関して脱税行為をした場合は、法人に対しても罰金刑が科されます。
脱税で告発されると
脱税が発覚するきっかけは様々で、国税局が他の事件の捜査中に発覚する場合、内部告発で発覚する場合、所轄税務署の税務調査から発覚することもあります。
国税局は、事前の通告なく、事務所や社長の自宅、取引先等に訪れ、脱税に関する証拠を収集するため査察調査(「犯則調査」)を行います。
査察調査の結果、脱税に関する犯罪が成立すると判断された場合、検察官に告発されることになります。
「告発」は、告訴権者や犯人以外の第三者が、捜査機関に対して、犯罪の事実を申告し、訴追を求める意思表示です。
捜査機関に犯罪事実を申告し、訴追を求める意思表示という点では、「告訴」と同じですが、告訴を行えるのは、告訴権者であり、被害者本人や被害者の法定代理人である点で異なります。
検察官に告発されると、その後は通常の刑事事件の流れとなります。
脱税事件で刑事罰を受けないようにするためには、まずは国税局に告発されないようにすることが重要ですが、査察調査が入った場合、告発される可能性は十分にありますので、告発された後のことも見込んで対応するのがベストでしょう。
ですので、脱税事件が発覚した早い段階から、脱税事件や刑事事件に詳しい弁護士に相談し、今後の流れについて詳しい説明を受け、対応についても適切なアドバイスをもらいましょう。
不安な状態で捜査や調査を受けた結果、予想していた以上に大事になってしまうこともありますので、早期に専門家に相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、脱税事件も含めた刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
脱税事件で国税局からの査察調査を受けた、検察に告発された、とお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。
少年事件で保護観察処分
少年事件で保護観察処分
保護観察処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県西脇市に住む中学生のAさん(15歳)は、ドラッグストアで化粧品など計5点(1万円相当)を万引きしたところ、警備員に見つかり、兵庫県西脇警察署に連れていかれました。
その日の夜に釈放となったAさんですが、余罪が他にもあり、その後、警察で何度か取調べを受けました。
その後、神戸家庭裁判所姫路支部より呼び出しがあり、調査官による調査を受けることになりました。
Aさんの両親は、今後どのような処分になるのか不安になり、少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
保護観察処分とは
少年事件は、原則、すべての事件が家庭裁判所に送致されることになります。
家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所の調査官による調査、そして少年審判を経て、当該少年の更生に適した処分が裁判官によって言い渡されます。
この最終処分には、以下のものがあります。
①保護処分決定
②検察官送致
③不処分
④都道府県知事又は児童相談所長送致
⑤審判不開始
①の保護処分決定には、さらに以下のものがあります。
1.保護観察
2.少年院送致
3.自立児童支援施設等送致
1の保護観察は、少年を家庭や職場などに置いたまま、保護観察官による指導監督という社会内処遇によって、少年の更生を目指す処分です。
期間は、原則、少年が20歳に達するまでですが、その期間が2年に満たない場合は、2年間まで延長されることになります。
保護観察は、少年の居住地の保護観察所が中心となって行われます。
実際に、少年を指導監督・補導援護を行うのは、保護観察官や保護司です。
保護観察官は、保護観察所勤務の国家公務員で、保護司は、地域の有識者が務めることが多く、身分は非常勤の国家公務員ですが、無給で行われています。
家庭裁判所で保護観察の決定が出ると、少年や保護者は、そのまま保護観察所へ行き、保護観察について説明を受け、担当の保護観察官と面接を行います。
その際に、担当の保護司が決定されます。
保護観察中、少年は、月に1~2回、担当の保護観察官または保護司と面会し、近況報告を行います。
保護司らは、少年に対して、必要な指導・助言を行います。
また、保護観察中に遵守すべき事項が定められており、保護司らは、この遵守事項を守るよう少年に対して指導監督を行います。
この遵守事項には、保護観察に付された少年全員が遵守しなければならない「一般遵守事項」と少年ごとに定められた「特別遵守事項」とがあります。
保護観察には、①一般保護観察、②一般短期保護観察、③交通保護観察、④交通短期保護観察の4つの類型があります。
①一般保護観察
交通事件以外の一般事件により保護観察に付された少年が対象となります。
保護観察に付されてから、1年を経過し3月以上継続して成績良好であれば、解除が検討されます。
②一般短期保護観察
交通事件以外の一般事件により保護観察が付され、短期処遇勧告がなされた少年が対象です。
6月以上7月以内の期間に解除が検討されます。
勿論、このような保護観察は、どの少年事件にも付されるわけではありません。
少年審判において、非行事実および要保護性が審理され、保護観察により少年の改善更正が期待できると判断された場合に付されますので、そのように家庭裁判所が納得するよう活動する必要があります。
そのような活動は、少年事件に精通した弁護士に任せるのが良いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件の刑事弁護を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こしお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
初回の法律相談:無料
問合せ先:フリーダイアル0120-631-881
強盗殺人事件と時効
強盗殺人事件と時効
強盗殺人事件と時効について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
今から30年前、兵庫県佐用郡佐用町にある住宅に住む女性宅に何者かが侵入し、女性を殺害して財布などを奪う事件が起こりました。
兵庫県佐用警察署は、強盗殺人容疑で犯人を探していましたが、事件発生から30年後に犯人と思われる男性Aの身柄を確保しました。
(朝日新聞デジタル 2019年1月21日19時3分配信記事を基にしたフィクションです)
時効とは
刑事法においては、時効には、「刑の時効」と「公訴時効」があります。
刑の時効というのは、死刑を除く刑の言い渡しが確定した後、刑が執行されないまま一定期間を経過したときに、刑の執行を免除するものです。
一方、公訴時効とは、一定の期間が経過することで、公訴の提起ができなくなる制度のことをいいます。
公訴時効が完成した場合、判決で免責の言い渡しをしなければなりません。
公訴時効の期間は、刑の軽重に応じて定められています。
第二百五十条 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については三十年
二 長期二十年の懲役又は禁錮に当たる罪については二十年
三 前二号に掲げる罪以外の罪については十年
○2 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 死刑に当たる罪については二十五年
二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年
三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年
四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年
五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
七 拘留又は科料に当たる罪については一年
まず、「人を死亡させた罪であり禁固以上の刑に該当するもの」については、
①無期懲役・禁錮に該当する罪(強制わいせつ致死罪):30年
②長期20年の懲役・禁錮に該当する罪(傷害致死罪、危険運転致死罪):20年
③上の①②以外の罪(業務上過失致死罪、過失運転致死罪):10年
の期間が経過すると、時効が完成します。
また、「人を死亡させた罪であり禁固以上の刑に該当する以外の罪」については、
①死刑に該当する罪(現住建造物放火罪):25年
②無期懲役・禁錮に該当する罪(強盗致傷罪、強盗・強制性交罪):15年
③長期15年以上の懲役・禁錮に該当する罪(強制性交等罪、強盗罪、傷害罪):10年
④長期15未満の懲役・禁錮に該当する罪(強制わいせつ罪、窃盗罪、詐欺罪、恐喝罪、業務上横領罪、覚せい剤所持・使用):7年
⑤長期10年未満の懲役・禁錮に該当する罪(収賄罪、監禁罪、横領罪、大麻所持):5年
⑥長期5年未満の懲役・禁錮又は罰金に該当する罪(暴行罪、住居侵入罪):3年
⑦拘留・科料に該当する罪(侮辱罪、軽犯罪法違反):1年
の期間が経過すると、時効が完成します。
しかし、「人を死亡させた罪であり死刑に該当する罪」(強盗致死罪、強盗・強制性交致死罪、殺人罪、強盗殺人罪など)に時効はありません。
ですので、上記ケースのような強盗殺人事件においては、事件発生から30年後であっても、公訴を提起することは可能なのです。
時効は、犯罪行為が終わった時から進行します。
このように、一定の凶悪犯罪については、時効の対象とはなりません。
「刑事事件を起こしてしまった…」「家族が逮捕された…」とお困りであれば、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弊所は、全国でも数少ない刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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