Archive for the ‘経済事件’ Category
無賃乗車で詐欺罪
無賃乗車で詐欺罪に問われる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
岡山県の駅でタクシーを拾ったAさんは、タクシー運転手に「赤穂駅までお願いします。」と告げました。
目的地に到着したため、タクシー運転手はタクシー代を請求したところ、Aさんは「お金がない。」と答えました。
タクシー運転手は、警察に通報し、Aさんは駆け付けた兵庫県赤穂警察署に事情を聴かれています。
Aさんの所持金は1000円でした。
(フィクションです)
無賃乗車
はじめから自分がお金を持っていないことがわかっていながら、タクシーに乗車することを「無賃乗車」といいます。
このように、乗車する前から十分な現金やカードなどを所持していないことを認識しているにもかかわらず、タクシーに乗車し、目的地まで送ってもらった場合には、どのような罪に問われる可能性があるのでしょうか。
詐欺罪について
詐欺罪は、①人を欺いて、②財物を、③交付させたこと、
または、①人を欺いて、②財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させた
場合に成立します。
◇客体◇
詐欺罪の犯行の対象は、(a)他人の占有する財物、そして、(b)財産上の利益です。
(a)他人の占有する財物
「財物」は、有体物および有体物でなくとも物理的に管理可能なものであり、かつ、価値があるものをいいます。
ここでいう価値とは、主観的・感情的価値でも社会観念上刑法的保護に値するものであれば財物といえ、財産的価値は必ずしも必要とはされません。
(b)財産上の利益
「財産上の利益」とは、財物以外のすべての財産上の利益をいい、該当するものとしては、債務の免除、履行期の延長、債務負担の約束、財産的価値のある役務の提供などがあります。
◇行為◇
詐欺罪の実行行為は、「人を欺いて財物を交付させる」または「人を欺いて財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させる」ことです。
(a)欺く行為として、(b)それに基づき相手方が錯誤に陥り、(c)その錯誤によって相手方が処分行為をし、(d)それによって財物の占有が移転し(あるいは、財産上不法の利益を行為者が得、または他人に得させ)、(e)財産的損害が生ずること、が必要となります。
(a)欺く行為
「欺く」行為とは、人を錯誤に陥らせる行為のことです。
「人」を騙されている状態に陥れることが必要とされるので、「機械」を相手とする行為は該当しません。
欺く行為の手段や方法に制限はなく、言語、態度、動作、文書の方法によっても構いません。
代金を支払う資力も意思もないのに、飲食物を注文する行為、宿泊を申込む行為、タクシーに乗車し行き先を告げる行為は、この欺く行為に該当します。
(b)錯誤
「錯誤」とは、観念と真実の不一致をいい、財産的処分行為をするように動機付けられるものであれば足ります。
(c)処分行為
詐欺罪の本質は、欺く行為により、相手方が錯誤に陥り、その錯誤に基づいて財産的処分行為を行い、財物の交付がなされるという一連の流れにあります。
財産的処分行為が成立するためには、財産を処分する事実と処分する意思が必要となります。
そのため、自己の行動の意味を理解していない幼児や精神障害者を欺き、その財物を取得したとしても、幼児や精神障害者に財産を処分する意思が認められない以上、財産的処分行為がないことになり、その財物の取得は詐欺ではなく窃盗となります。
(d)財物の交付/財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させる
詐欺罪の成立には、相手方の財産的処分行為の結果、行為者に財物の占有が移転すること、あるいは、行為者または一定の第三者が、不法に財産上の利益を取得することが必要となります。
◇主観的要件◇
詐欺罪の成立には、行為者が相手方を欺いて、錯誤に陥らせ、その錯誤に基づく財産的処分行為によって財物を交付させ、自己または第三者が占有を取得すること(財産上の利益を得ること)及びその因果関係を認識・認容すること(=故意)が必要であることに加えて、不法領得の意思が求められます。
不法領得の意思は、条文にはありませんが、判例上認められた要件となっています。
不法領得の意思とは、権利者を排除する意思及び他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、これを利用しまたは処分する意思のことをいいます。
以上が詐欺罪が成立する要件となります。
上の事例においても詐欺罪が成立し得るのか否かについて検討してみましょう。
Aさんは、タクシーに乗車し、運転手に行き先を告げており、タクシー運転手はこれによりAさんがタクシー代金を支払う資力と意思があると信じ、目的地を目指して運転しています。
Aさんの所持金は、1000円だったことから、乗車当初からタクシー代を支払う資力も意思もなかったと考えられます。
つまり、Aさんが最初からタクシー代を支払う資力も意思もないのに、それを秘してタクシーに乗車し目的地を告げる行為は、欺く行為であり、それによって錯誤に陥った運転手が目的地に向かって運転している(有償役務の提供という財産的処分行為)ため、2項詐欺罪が成立することになります。
詐欺罪は財産犯であるため、生じた損害を回復させることが最終的な処分にも影響します。
そのため、被害者に対する謝罪及び被害弁償を行い、示談に向けた交渉を行うことが重要です。
被害者との示談交渉は、弁護士を介して行うのが一般的です。
被害者との示談が成立している場合には、不起訴で事件を終了させる可能性を高めることができます。
ご家族が無賃乗車の詐欺事件で逮捕されてお困りの方は、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。
置き引き事件で逮捕
置き引き事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~事例~
兵庫県西脇市にあるパチンコ店で、席に置いてあった他人の財布を持ち逃げしたとして、会社員のAさんは兵庫県西脇警察署から取調べのため出頭するよう連絡を受けました。
Aさんは、どのような罪に問われるのか、今後どのように対応すればよいのか不安で仕方ありません。
(フィクションです。)
置き引き事件について
置き引きというのは、一般的に、置いてある他人の荷物を持ち逃げすることをいいます。
例えば、パチンコ店やゲームセンターで置き忘れた財布、スーパーマーケットのトイレに忘れてあったカバンなどを勝手に持ち帰ってしまう行為のことを指します。
このような行為は、窃盗罪もしくは占有離脱物横領罪に当たる可能性があります。
1.窃盗罪とは
窃盗罪は、①他人の財物を、②不法領得の意思をもって、③窃取したこと、により成立する犯罪です。
①他人の財物
「他人の財物」とは、他人の占有する他人の財物を意味します。
ここでいう「占有」というのは、人が財物を事実上支配し、管理する状態のことです。
占有は、「占有の事実」と「占有の意思」の2要素で構成されています。
まず、「占有の事実」というのは、占有者が財物を事実上支配している状態のことです。
事実上の支配があるかどうかは、財物自体の特性、占有者の支配の意思の強弱、距離などによる客観的かつ物理的な支配関係の強弱を考慮して判断されます。
財物が占有者の物理的支配力の及ぶ場所にある場合や、社会通念上その財物の支配者を推知し得る状態にある場合には、占有の事実が認められます。
次に、「占有の意思」についてですが、これは、財物を事実上支配する意欲や意思を指します。
この意思は、包括的な意思であったり抽象的な意思であっても構わず、財物に対する事実的支配が明確な場合には、睡眠中であっても占有の意思が認められます。
②不法領得の意思
窃盗罪の成立には、故意(法定の構成要件たる事実について認識のあること)だけでなく、不法に物を領得する意思があることが必要とされます。
不法領得の意思は、権利者を排除し他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従いこれを利用もしくは処分する意思です。
他人の財物を一時使用した後に返還する意思でその占有を侵害する場合や嫌がらせでその物を壊したり隠すつもりで占有を侵害する場合は、不法領得の意思がなく窃盗罪は成立しないことになります。
③窃取
窃盗罪の行為である「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。
以上が窃盗罪の構成要件となります。
置き引きが窃盗罪に該当するかは、犯行時、問題となる財物に対して他人の占有が及んでいたと言えるかどうかによります。
置き引きは、置いてある他人の荷物を持ち逃げする行為ですが、その置いてある荷物に対する占有が誰にあるのか、ということが問題となります。
荷物と持ち主の時間的・場所的接近性、置き忘れた場所の見通し情状、置き忘れた場所の状況、持ち主の認識・行動などを事情を総合して、一時的に財物に対する事実上の支配が失われたかのように思える場合でも、事実上の支配が直ちにかつ容易に回復できる状況にあったのであれば、占有が肯定されることもあります。
また、持ち主の占有が失われたとされる場合でも、置き忘れられた場所、例えば店内や銀行内であれば、その管理者の占有に属すると認められることがあるため、持ち主の占有が失われたことをもって直ちに窃盗罪が成立しないとは限りません。
ただ、持ち主の占有が失われたのであり、かつ財物に対しての占有が誰にも属さない場合には、窃盗罪ではなく占有離脱物横領罪が成立することがあります。
2.占有離脱物横領罪とは
占有離脱物横領罪は、①遺失物、漂流物、その他占有を離れた他人の物を、②横領したこと、によって成立する罪です。
これは、他人の占有に属さない他人の物を領得する行為を処罰するものです。
いずれの罪が成立するにせよ、被害者に対してはしっかりと被害弁償をする必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
置き引き事件で検挙され対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。
落とし物の取得は窃盗?
他人の落とし物を取得した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~事例~
Aさんは、兵庫県豊岡市のホテルに宿泊していました。
Aさんは、ホテルのエレベーター内に財布が落ちているのを見つけ、その財布を拾い上げ自分のポケットに入れました。
後日、Aさんは、兵庫県豊岡北警察署から「△△ホテル内で財布を拾われた件について話を聞きたい。」と連絡を受けました。
ホテルの防犯カメラの映像からAさんが特定されたようですが、Aさんは自分がどのような罪に問われるのか心配しています。
(フィクションです。)
他人の落し物を自分のものとして取った場合、窃盗罪、あるいは占有離脱物横領罪が成立するものと考えられます。
1.窃盗罪
窃盗罪は、他人の財物を、不法領得の意思をもって窃取する罪です。
◇客体◇
窃盗罪の客体は、「他人の財物」です。
「他人の財物」とは、「他人の占有する財物」のことをいいます。
つまり、窃取時に、他人の占有下にある物のことです。
刑法上の「占有」は、支配意思をもって財物を支配することにより、これを事実上支配することをいうとされています。
つまり、「占有」は、占有の事実(客観的要素)と占有の意思(主観的事実)という2つの要素から構成されているものと考えられているのです。
占有の事実については、占有者が財物を事実上支配している状態をいい、事実上の支配の有無の客観的な基準として、財物自体の特性、占有者の支配の意思の強弱、距離などの客観的物理的な支配関係の強弱が考慮されます。
例えば、被害者が身辺約30センチの箇所にカメラを置いたが、バスの列が進んだためカメラを置いたまま前進したものの、カメラを置き忘れたことに気付き置いた場所まで戻ったが既にカメラが持ち去られた事件で、列が動き始めてからその場所に引き返すまでの時間が約5分、カメラを置いた場所と引き返した地点との距離は約19.58メートルにすぎないような場合は、未だ被害者の占有を離れたものとはいえないとした判例があります。(最高裁判決昭和32年11月8日)
占有の意思とは、財物を事実上管理・支配しようとする意欲・意思をいいます。
この意思は、時間的にも対照的にも包括的なもので足りるとされており、着衣内の財布、所持しているカバンの中にある財物、自宅内や事故の経営する会社の事務所内にある財物等といった事故の支配領域内に存在する財物に対しては、一般的に占有の意思があるものと考えられます。
◇行為◇
「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。
◇主観的要件◇
窃盗罪の成立には、①財物が他人の占有に属していること、および、②その占有を排除して財物を自己または第三者の占有に移すことを認識すること、つまり、「故意」が必要となります。
加えて、「権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用、処分する意思」である不法領得の意思も必要となります。
2.占有離脱物横領罪
占有離脱物横領罪は、遺失物、漂流物その他戦y封を離れた他人の物を横領した場合に成立する罪です。
◇客体◇
「遺失物」とは、占有者の意思によらずにその占有を離れ、いまだ誰の占有にも属していないものをいいます。
「漂流物」は、水中にある遺失物のことです。
「占有の離れた」とは、占有者の意思に基づかないでその占有を離れたことを意味します。
◇行為◇
「横領」とは、委託物につき不法領得の意思を実現するすべての行為をいいます。
それでは、上記事例について考えてみましょう。
まず、Aさんのした行為についてどのような罪が成立し得るかを考える際、落とし物である財布に対する「占有」が誰にあるのかについて問題となります。
財布の持ち主については、その者が財布を落としてから財布を落としたことに気が付くまでの時間や、気付いたときに居た場所から財布を落とした場所までの距離や戻るまでにかかる時間等にもよりますが、仮に、持ち主が落としたことに全く気が付かずホテルを出て、だいぶ後になって気が付いたとしたら、持ち主の財布に対する「占有」が失われたと考えられるでしょう。
しかしながら、元の占有者(財布の持ち主)の占有が喪失したからといって、直ちにAさんの行為が占有離脱物横領罪しか該当しないことになるわけではありません。
所有者がその占有を失った場合には、当該領域を支配している者に占有は移行すると考えられるため、旅館内のトイレや脱衣所に忘れた財布に対しては旅館主に占有があるとした判例があり(大判大正8年4月4日)、ホテル内で財布を落としたケースでは、持ち主の占有が喪失した場合には、ホテルに占有が移行するものと考えられます。
よって、Aさんが取得した財布は窃盗の客体になるものと考えられるでしょう。
このように、他人の落し物を取得した場合には、窃盗罪、あるいは占有離脱物横領罪が成立する可能性がありますので、弁護士に相談し、しっかりと対応することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件の被疑者・被告人となり対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。
強盗・強制性交等罪で逮捕
強盗・強制性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~事例~
Aは、兵庫県高砂市にあるアパートの一室に侵入し、その場にいたVに対し、包丁を突きつけ、「静かにしろ。」などと脅迫し、抵抗できなくなったVに馬乗りになり性交しました。
さらに、Aは、Vが抵抗できなくなっている状態にあることから、「金を出せ。」などと脅迫し、Vから現金2万円を奪って逃亡しました。
翌年、兵庫県高砂警察署の警察官がA宅を訪れ、住居侵入、強盗・強制性交等の容疑でAを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAの家族は、罪名を告げられ、ショックを受けています。
しかし事件の詳細や今後の流れについて分からず不安になったAの家族は、刑事事件専門の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
強盗・強制性交等罪とは
平成29年の刑法改正以前は、強盗犯人が強姦行為をした場合、強盗強姦罪が成立し、その法定刑は無期懲役または7年以上の有期懲役とされていました。
一方、強姦犯人が強盗行為をした場合、強姦罪と強盗罪の併合罪となり、その法定刑は5年以上30年以下の有期懲役とされており、強盗行為と強姦行為のどちらが先行したかによって刑に差が生じていました。
しかし、平成29年の刑法改正において、同一の機会に、強盗と強制性交等罪の行為が行われた場合につき、その行為の先後関係を問わず、強盗・強制性交等が成立し、その法定刑は無期懲役または7年以上の有期懲役とされました。
刑法第241条
強盗の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強制性交等の罪(第179条第2項の罪を除く。以下この項において同じ。)若しくはその未遂罪をも犯したとき、又は強制性交等の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪若しくはその未遂罪をも犯したときは、無期又は7年以上の懲役に処する。
◇主体◇
強盗・強制性交等罪の犯行の主体は、
①強盗の罪もしくはその未遂罪を犯した者、
②強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯した者
です。
①には、強盗罪の他、事後強盗罪、昏睡強盗罪を含みます。
②には、強制性交等罪の他、準強制性交等罪も含みます。
◇行為◇
強盗・強制性交等罪の実行行為は、
強盗の罪もしくはその未遂罪を犯した者の場合は、①強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯すこと、
強制性交等の罪もしくはその未遂罪を犯した者の場合は、②強盗の罪もしくはその未遂罪を犯したこと、
です。
強盗の罪(未遂を含む。)と強制性交等の罪(未遂を含む。)は、同一の機会に行われていることが必要です。
◇故意◇
強盗・強制性交等罪の成立には、強盗の罪(未遂を含む。)および強制性交等の罪(未遂を含む。)の認識・認容が必要となります。
強盗・強制性交等罪で逮捕されたら
強盗・強制性交等罪で逮捕された場合、非常に重い罪であるため、逮捕後に勾留される可能性は高いと言えるでしょう。
事件について身に覚えがない場合、弁護士を通して冤罪を証明する証拠を収集し、捜査機関の主張が十分な証拠に裏付けられていないことを指摘し、冤罪を主張する必要があります。
また、虚偽の自白がとられることのないよう、弁護士から取調べ対応について的確なアドバイスを受けることも大切です。
他方、容疑を認める場合には、被害者に対して真摯に謝罪し、被害弁償を行うことが重要です。
強盗・強制性交等罪は親告罪ではないため、被害者等の告訴がない場合でも、公訴の提起が可能です。
被害者への被害弁償が済んでいることにより必ずしも起訴されないというわけではありませんが、きちんと被害者に謝罪や被害弁償をしていることが裁判で被告人に有利な事情として考慮されることはありますので、被害者への対応は重要です。
また、強盗・強制性交等事件は、裁判員裁判の対象事件となりますので、裁判員裁判にも豊富な経験を持つ弁護士に弁護を任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
ご家族が強盗・強制性交等罪で逮捕されてお困りの方は、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。
盗撮犯を恐喝し逮捕
盗撮犯を恐喝した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神戸市兵庫区の駅で、女性を盗撮していた男性から、現金を脅し取った疑いで、兵庫県兵庫警察署は、Aさんを逮捕しました。
男性から現金を受け取る様子を目撃した、警察官がAさんに職務質問をしたところ、Aさんが逃亡したため、警察官は男性に事情を聞き、その後、Aさんの身柄を確保しました。
Aさんは、「盗撮なんかしとったあいつが悪いんちゃうのか。」と供述しています。
(フィクションです)
恐喝罪について
刑法第249条
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
◇犯行の対象◇
恐喝罪の客体は、「他人の占有する財物」と「財産上の利益」です。
「財物」は、有体物と、電気など物理的に管理可能なものを含みます。
刑法にいう「占有」とは、財物に対する事実上の支配をいいます。
占有があるかないかを判断するときには、占有の事実と占有の意思を総合して、社会通念に従い判断されます。
物を客観的に支配している場合はもちろんのこと、物の支配を取り戻そうと思えばいつでも取り戻せる状態も「占有」に含まれます。
「財産上の利益」は、財物以外の全ての財産上の利益を指します。
例えば、債務の免除、履行期の延期、債務負担の約束などです。
◇行為◇
恐喝罪の実行行為は、「恐喝し、財物を交付させる」又は「恐喝し、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させる」ことです。
恐喝罪が成立するには、相手方を恐喝し、畏怖した相手方が財産的処分行為を行い、財物又は財産上の利益が交付されるといった、一連の因果関係が必要です。
①恐喝
「恐喝」は、脅迫又は暴行により人を畏怖させることです。
暴行・脅迫は、財物又は財産上の利益の交付に向けられたものでなければなりません。
暴行・脅迫の程度は、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度に至らず、相手方を畏怖させるに足りるものであればよく、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度に達したときには強盗罪となります。
恐喝罪における「脅迫」は、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいい、相手を単に困惑させるにとどまる場合は含まれません。
また、告知された害悪の内容は、必ずしもそれ自体が違法であることを要しません。
例えば、他人の犯罪を知る者が、捜査機関にその犯罪事実を申告する旨告知して、口止め料として現金を提供させた場合も、恐喝罪における「脅迫」に当たるとした判例があります。(最判昭29・4・6)
そのため、上のケースにおいて、Aさんが盗撮犯に対して犯罪行為を指摘したとしても、単なる指摘にとどまらず、捜査機関への申告をしない代わりに金銭を要求するなど、金銭を支払わなければ犯罪行為を捜査機関に申告されてしまうと相手方を畏怖させる害悪の告知をしたのであれば、「脅迫」に当たるでしょう。
②財産的処分行為
恐喝罪が成立するためには、畏怖により生じた瑕疵ある意思に基づいて、物・財産上の利益が交付される必要があります。
財産的処分行為が成立するためには、財産を処分する事実と処分する意思が必要となります。
◇結果◇
相手方の財産的処分行為の結果として、行為者側に財物の占有や財産上の利益が移転することが必要となります。
恐喝行為によって、相手方が畏怖し、畏怖に基づく財産的処分行為によって財物の占有又は財産上不法の利益が行為者又は第三者に移転した時に恐喝罪が完成した(既遂)ことになります。
恐喝罪の成立のためには、①恐喝行為⇒②畏怖⇒③畏怖に基づく財産的処分行為⇒④財物の交付又は財産上不法の利益を得る、の因果の流れが成立することが必要です。
◇故意◇
他人を恐喝して、畏怖に基づく財産的処分行為により、財物又は財産上不法の利益を得、又は他人に得させること及びその因果関係を認識することが必要です。
この故意とは別に、条文にはありませんが、不法領得の意思も判例上認められた要件です。
恐喝事件における弁護活動
(1)被害者対応
被害者がいる事件においては、被害者対応が重要な弁護活動のひとつとなります。
被害者への謝罪・被害弁償が済んでいることや示談が成立しているかどうかといった点は、検察官が起訴・不起訴を判断する際や裁判官が量刑を決める際に考慮される重要な要素だからです。
恐喝事件においても、弁護士は早期に被害者と示談交渉を行い、被害弁償の上、処罰を求めないなどの約束をしてもらえるよう動きます。
示談が成立した場合、不起訴となる可能性が高くなりますし、起訴後であっても、執行猶予となる可能性を高めることになります。
(2)身柄解放活動
逮捕されてしまった場合には、その後に勾留となり長期の身体拘束を強いられないよう身柄解放に努めます。
検察官に対して、勾留の要件を満たしていないことや勾留によって被り得る不利益が大きいことを主張し、勾留請求しないことを求めます。
検察官が勾留請求した場合には、今度は裁判官に対して、勾留の決定をしないよう意見書の提出や面談を通じて説得的に主張し、勾留回避に動きます。
勾留が決定した後であっても、勾留に対する準抗告を行い、早期の身柄解放を目指します。
このような活動は、刑事事件に精通する弁護士に依頼するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
恐喝事件でご家族が逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881へお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。
運転手役は共同正犯?幇助犯?②
運転手役が共同正犯となるか幇助犯となるかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
Aは、先輩Bから、Bと知り合いのCを指定された場所まで送り迎えをするよう頼まれました。
兵庫県養父市のとある事務所までBとCを車で送り、その場で待機していました。
BとCは、帽子を被りマスクを着用した姿で車を降り、15分後、大きな袋に荷物を詰めて戻ってきました。
そして、AはBとCを指定された場所まで送り届けました。
Aは、Bから謝礼として3万円を受け取りました。
後日、兵庫県養父警察署がAさん宅を訪れ、窃盗容疑でAさんを逮捕しました。
(フィクションです。)
共謀共同正犯の成立は、
①共同実行の意思の連絡(=共謀)、
②犯行実現への強い動機、関心、利害があり、これに基づいて犯行を実現するのに重要な役割を果たすこと、
③共謀者の少なくとも1人による実行
が要件となります。
共謀共同正犯が成立する場合、すべての者が正犯として処罰されることになります。
一方、共犯の一種である幇助犯は、正犯の犯罪行為を容易にするなど、手助けをする行為を行った者をいいます。
2.幇助犯について
幇助犯については、刑法第62条に次のように規定されています。
正犯を幇助した者は、従犯とする。
幇助犯の成立要件は、
(1)正犯者を幇助すること(幇助行為と幇助の犯意)
(2)正犯が犯罪を実行すること
(3)幇助の因果関係
の3つです。
(1)正犯者を幇助すること
①幇助行為
正犯の犯罪行為を手助けすること。
その手段や方法に制限はありません。
道具や場所などの提供といった有形的な方法や、犯行場所の情報提供や精神的に決意を維持させるなどの無形的な方法でも構いません。
②幇助の犯意
正犯の犯罪行為を手助けする意思があること。
正犯者が幇助の意思に気が付いていない場合でも幇助犯は成立します。
(2)正犯が犯罪を実行すること
幇助行為の対象となる正犯は、不作為犯でもよいのですが、過失犯は含まれません。
また、幇助意思に基づき幇助したとしても、正犯が実行しない場合は幇助犯は成立しません。
(3)幇助の因果関係
幇助が正犯の実行に役立った、容易にした場合でないと幇助犯は成立しません。
幇助行為が正犯者の実行行為を物理的・心理的に容易にすれば足りるとされます。
幇助犯は、正犯の刑が減軽されます。
運転手役は、共同正犯か?幇助犯か?
それでは、侵入盗の運転手役は、共同正犯(共謀共同正犯)となるのか、それとも幇助犯となるのか、について考えてみましょう。
共謀共同正犯と幇助犯の要件を比較してみると、「正犯意思があるか否か」という点が両者の違いであることに気付くでしょう。
つまり、犯行実現への強い動機、関心、利害があって、これに基づき、犯行を実現するために重要な役割を果たしているか否か、という点です。
侵入盗の実行行為は、BおよびCが行っており、Aは実行行為ではない「送迎行為」を行いました。
「送迎行為」は実行行為ではありませんので、当該行為を行ったAは、窃盗の幇助犯となるのか、それとも共謀共同正犯となるのかが問題となります。
繰り返しになりますが、共謀共同正犯と幇助犯の要件の違いは、「正犯意思があるか否か」という点ですので、ここで2つを区別するために、「送迎行為」が「正犯意思に基づく行為」か否かを検討する必要があるわけです。
つまり、正犯意思に基づく場合は窃盗の共謀共同正犯、正犯意思に基づかない場合は窃盗の幇助犯となるのです。
そこで、Aについて、①犯行実現への強い動機・関心・利害があるか、②犯行を実現するために重要な役割を果たしたか、を検討する必要があります。
①犯行実現の強い動機・関心・利害がある場合
事前に分け前の約束に基づいて送迎行為をしている場合や、組織的な窃盗グループの一員で、組織の指示に従って送迎行為をしている場合などは、犯罪実現の強い動機・関心・利害があると考えられます。
②犯行の実現に重要な役割を果たした場合
送迎行為は、実行行為(窃盗)を直接援助する行為とは言えません。
しかし、盗品を持って現場からすぐに逃走するためにはAの送迎行為、一般的に犯行の実現に重要な行為であると言えます。
Aが、事前にBから、侵入盗の計画について聞いていた、もしくは、Bの話からAが侵入盗について認識していたり、報酬についても事前に決められていた上で、Aが運転手役を積極的に担ったのであれば、共謀共同正犯が成立すると考えられるでしょう。
一方、AとBとの関係から、Aが運転手役を引き受ける以外に選択肢がなかった場合には、幇助犯にとどまる可能性もあります。
共謀共同正犯が成立する場合に科され得る刑罰と幇助犯が成立する場合の刑罰とは異なりますので、どちらが成立するかによりその後の処分が大きく変わることになります。
刑事事件でお困りの方は、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。
運転手役は共同正犯?幇助犯?
共同正犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
Aは、先輩Bから、Bと知り合いのCを指定された場所まで送り迎えをするよう頼まれました。
兵庫県養父市のとある事務所までBとCを車で送り、その場で待機していました。
BとCは、帽子を被りマスクを着用した姿で車を降り、15分後、大きな袋に荷物を詰めて戻ってきました。
そして、AはBとCを指定された場所まで送り届けました。
Aは、Bから謝礼として3万円を受け取りました。
後日、兵庫県養父警察署がAさん宅を訪れ、窃盗容疑でAさんを逮捕しました。
(フィクションです。)
共同正犯と幇助犯
1.共同正犯について
2人以上の行為者が、意思の連絡に基づき、共同して犯罪を実現する場合を「共犯」といいます。
「共犯」にも、2人以上の者が共同して犯罪を実行する「共同正犯」、他人をそそのかして犯罪実行の決意を生じさせ、その決意に基づいて犯罪を実行させる「教唆犯」、実行行為以外の行為で実行行為者の実行行為を容易にさせて犯罪を実現する「幇助犯」とがあります。
「共同正犯」は、2人以上の者が、共同して犯罪を実行するもので、すべての者が正犯として処罰されます。
共同正犯が成立するためには、
(1)共同実行の意思に基づき、
(2)共同実行の事実
が必要となります。
(1)共同実行の意思
2人以上の者が、共同してある特定の犯罪を行おうとする意思を「共同実行の意思」といい、この意思の連絡が必要となります。
共同実行の意思の連絡を「共謀」といいます。
共同実行の意思は、必ずしも犯行の細部にわたって認識していたことまでも必要とされません。
(2)共同実行の事実
共同実行の意思の連絡に基づいて、共謀者の全部又は一部が犯罪の実行行為をおこなったことが必要となります。
共同正犯の成立には、(1)共同実行の意思、そして、(2)共同実行の事実が必要となるのですが、共同実行の事実を欠いた場合でも、共同実行の事実がある場合と実体的に共同実行したのと変わりない関与をした場合には、共同正犯が成立します。
これは、いわゆる「共謀共同正犯」といいます。
共同実行の事実と変わらない関与をした場合とは、①犯行実現への強い動機、関心、利害があり、②これに基づいて犯行を実現するのに重要な役割を果たした場合です。
①犯行実現の強い動機・関心・利益
利益の分配があること、犯罪の実現によって利益を得る関係にあること、暴力団・過激派・会社犯罪のような組織犯罪であることなどから、犯罪実現に強い動機・関心・利益があるか否かが判断されます。
②犯罪の実現に重要な役割を果たした
時間的・場所的に実行行為に近接し、実行行為を直接援助する行為や、実行行為を直接援助する行為とは言えないけれど、犯行遂行上、重要かつ不可欠な行為を担った場合には、犯罪の実現に重要な役割を果たしたと考えられます。
以上のように、実行行為を行っていない場合であっても、共謀共同正犯が成立し、正犯と同じように処罰されることがあります。
共謀共同正犯の場合、実行していないため、本当に犯罪の共謀をしたのかについて争われることがあります。
例えば、上のケースにおいて、Aさんが共謀共同正犯の成立を争う場合には、Aさんが、共同実行の意思を欠いており、共謀共同正犯が成立しないことを主張することがあります。
そのような場合には、単に「共同実行の意思はない!」と述べるだけではなく、客観的な証拠に基づいて説得的に主張していかなければならず、刑事事件に精通する弁護士による弁護が必要となるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。
業務上横領事件で起訴回避
業務上横領事件で起訴回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県丹波篠山市にある会社で経理業務を担当していたAさんは、管理していた現金を横領していました。
家庭の都合でAさんが会社を退職した後に、横領に気づいた会社は、すぐにAさんに連絡しました。
「全額返済してくれないなら、兵庫県篠山警察署に被害届を提出する。」と言われたAさんは、このまま業務上横領で起訴されてしまうのかと心配しています。
(フィクションです)
業務上横領罪とは
業務上横領罪は、①業務上の委託に基づき、②自己の占有する他人の物を、③横領する犯罪です。
①業務上
「業務」というのは、委託を受けて他人の物を占有または保管する事務を反復継続して行う地位のことを意味します。
例えば、質屋や倉庫業者、職務上金銭を保管する役職員などが、業務上の占有者です。
上記ケースでは、Aさんは、会社で経理を担当していたので、「業務上」の要件を満たすでしょう。
②自己の所有する他人の物
これは、業務と関連して理解自己が占有する他人の物を指します。
「占有」とは、物に対して事実上または法律上支配力を有する状態のことをいいます。
他人から預かった金銭を預金した者や小切手振出をゆだねられた者は、その人の金銭が入っている預金を占有していると理解されます。
③横領
「横領」の意義については、不法領得の意思を実現する一切の行為と理解する「領得行為説」と、委託の趣旨に反する権限逸脱行為と理解する「権限行為説」とが主張されていますが、判例及び通説は、前者の「領得行為説」の立場を採っています。
この説によれば、横領とは、「委託物につき不法領得の意思を実現するすべての行為」を含みます。
ここでいう「不法領得の意思」というのは、「他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その者につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思」をいいます。
よって、領得行為説において、「横領」行為は、「不法領得の意思を表現する一切の行為」のことで、売買、贈与、質入れ、抵当権の設定、消費、着服などが含まれます。
「不法領得の意思」は、自己のために領得する意思に限定せず、行為者と特殊の関係を有する第三者に領得させる意思があってもよいとされます。
委託者本人のために物を処分した場合、原則としては「不法領得の意思」は認められませんが、その処分が委託の趣旨に反し許されないものであるときには、不法領得の意思が認められます。
また、処分したものを後日補填する意思があった場合でも、「不法領得の意思」が認められることがあります。
上記ケースにおいて、Aさんがもっぱら自分のために使う目的で、会社のお金を着服していたのであれば、業務上横領罪が成立すると考えられます。
業務上横領事件で起訴を回避するためには
業務上横領事件で捜査機関が刑事事件として捜査を開始する場合、その多くが、被害者からの被害届や告訴を受理したことによります。
ほとんどの場合、被害者が横領に気が付いた時点で、警察に相談する前に、被疑者を呼び出し事情を聞き、横領額の返済を求めることになります。
横領した者に刑事処分が下ったところで、被害が回復されなければ被害者にとって意味がありませんので、まずは被害弁償がなされることを優先するのです。
警察に事件が発覚する前に、被害弁償が完了すると、被害者によっては、問題となっている横領の件について被害届の提出や告訴をしないこともあります。
しかし、早期の被害弁償が叶わない場合や、被害者の処罰感情が強い場合には、捜査機関に被害届を提出、あるいは告訴をすることもあります。
警察が被害届や告訴を受理すると、捜査を開始することになります。
最終的に、起訴するか否かの判断は、警察ではなく検察官が行います。
起訴された場合、かなりの確率で有罪となりますので、公判請求にしろ、略式起訴にしろ、前科が付く可能性は高いでしょう。
そのため、検察官が起訴しないように早期に動く必要があります。
業務上横領事件において、起訴を回避するためには、何よりもまず、被害弁償がなされていることが重要なポイントとなります。
業務上横領罪は財産犯にあたるため、被害が回復したか否かという点が起訴・不起訴を判断する際に考慮されます。
起訴を回避するためには、早期に被害弁償をすることが重要です。
被害弁償を行うにあたって、被害者との交渉が求められますが、当事者同士の交渉は、感情論的になり交渉がなかなか進まないこともありますし、お互いに主張する横領額が大きく異なることもあります。
そのため、業務上横領事件において、交渉を円滑にすすめるために、弁護士を介して行われることが多くなっています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、業務上横領事件も含めた刑事事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。
侵入盗で執行猶予獲得
侵入盗事件において、執行猶予獲得を目指す弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県淡路市の敷地内に何者かが侵入し、銅線や電動工具が盗まれるという事件が起こりました。
被害者からの被害届の提出を受理した兵庫県淡路警察署は、侵入盗事件の捜査に着手しました。
後日、同署は県内に住むAさんを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、Aさんにどのような処分が下されるのか心配になり、刑事事件に強い弁護士に相談の連絡を入れました
(フィクションです)
侵入盗で成立し得る犯罪は?
窃盗犯を、その手口ごとに分類したもののうち、建物に侵入し金品や財物を窃取する窃盗を「侵入盗」と呼びます。
空き巣、忍び込み、居空き、金庫破り、出店荒らし、事務所荒らし、など、侵入盗もその手口によってより細かく分類されます。
このように、建物に侵入して窃盗行為を行った場合、住居侵入および窃盗の2罪が成立することが多くなっています。
侵入盗は、犯罪の手段・結果である行為が、他の罪名に触れる場合である「牽連犯」に当たります。
つまり、窃盗を行うために、住居等に侵入しているため、窃盗の手段である侵入行為が住居侵入という別の犯罪を構成することになるのです。
このような牽連犯の場合、「その最も重い刑により処断する」ことになります。
該当する罪のうち最も重い刑を定めている罪の法定刑によって処断するということであって、他の罪の法定刑の最下限よりも軽く処断することはできません。
ですので、侵入盗の場合であれば、住居侵入の法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金で、窃盗罪は10年以下の懲役または50万円以下の罰金となっていますので、窃盗罪の法定刑のほうがより重い刑といえ、窃盗罪の法定刑により処断されることになります。
執行猶予を獲得するために
窃盗罪と一口にいっても、該当する行為は、万引きから空き巣、特殊詐欺事件での受け子や出し子まで様々です。
被害金額が少ない万引きであれば、初犯であり、かつ、被害弁償が済んでおれば、微罪処分や不起訴処分となる可能性はあります。
しかし、侵入盗のように、手口も悪質で、被害金額も多いような場合、公判請求され正式裁判となる可能性は高いでしょう。
ただ、裁判になったからといって、必ずしも判決後すぐに刑務所に入ることになるとは限りません。
言い渡された刑の執行が猶予された場合、刑務所に入所することなく社会に復帰することができるのです。
有罪判決に基づく刑の執行を一定期間猶予し、その期間内に再度罪を犯さずに過ごせたときは、刑罰権の消滅を認める制度を「刑の執行猶予」といいます。
執行猶予には、刑の一部の執行猶予と刑の全部の執行猶予とがありますが、ここでは後者について説明します。
有罪判決を受けた場合でも、すぐに刑務所に入ることを回避できるため、公判請求され、起訴内容を認めるケースでは、執行猶予獲得を目指すことになります。
しかしながら、すべての事件で執行猶予が認められるわけではありません。
執行猶予の要件は、以下のとおりです。
①(a)前に禁錮以上の刑の処せられたことがないこと、もしくは(b)前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わらせた日またはその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがないこと。
②3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金の言渡しをする場合であること。
③執行猶予を相当とするにたりる情状があること。
ここで侵入盗について考えてみると、①については個々の被告人によりますので、仮に①の要件には該当することにすると、②については前述のように窃盗罪の法定刑で処断されることになりますので、10年以下の懲役または50万円以下の罰金とその範囲は1~10年の懲役か1~50万円の罰金となり、②の要件の3年以下の懲役または50万円以下の罰金を言い渡すことも可能ですので、②の要件に該当することになります。
さて、③についてですが、「執行猶予を相当とするにたりる情状」とは、どのようなものをいうのでしょうか。
一般的には、犯行方法や犯行態様が悪質ではないこと、犯罪結果が軽微であること、動機に汲むべき事情があること、被告人の年齢、被告人に反省が見られること、被害者の許しを得ていることなどがあります。
窃盗は財産犯であるので、被害が回復したか否かといった点が量刑上大きく考慮されます。
つまり、被害弁償の有無や被害者との示談の有無は、執行猶予獲得には非常に重要ということです。
そこで、被害者との示談交渉を行う必要があるのですが、加害者が直接被害者と交渉することはあまりお勧めしません。
というのも、被害者は加害者に対して嫌悪感を抱いている場合がほとんどですので、感情的になり交渉もうまく進まないことが多いからです。
そのため、交渉は弁護士を介して行うのが一般的です。
侵入盗事件を起こしお困りの方、示談交渉にお悩みのかたは、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。
窃盗とクレプトマニア
窃盗とクレプトマニアについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
窃盗罪で執行猶予付き判決が言い渡されてから半年後、Aさんは兵庫県赤穂市のスーパーで万引きをしてしまいました。
前回の件で、法廷に立った時の緊張感から、もう二度と万引きはしないと心から誓ったAさんでしたが、またも万引きをしてしまった自分が情けなく、どうしたらよいのか分からない状態です。
Aさんは、窃盗の容疑で兵庫県赤穂警察署に逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、刑事事件に強い弁護士に相談したところ、クレプトマニアの可能性について聞かれました。
(フィクションです)
クレプトマニアとは
クレプトマニア(Kleptomania)は、精神障害の一種です。
「窃盗症」とも呼ばれます。
常習窃盗を大きく3つに大別すると、
①経済的利益のために金目の物品や金銭を盗む職業的犯罪者、
②飢えて食物や生活必需品を盗む貧困者、
③お金はあるのに些細なものを盗む病的窃盗者、
となります。
クレプトマニア患者は、通常の窃盗のように経済的利益のために窃盗を行うのではありません。
支払能力があるにもかかわらず、数百円ほどの商品を万引きするといった窃盗行為を何度も繰り返してしまいます。
盗む物よりも盗みの行為それ自体がクレプトマニア患者にとっては意味があるのです。
盗む際の緊張感の高まりと、盗みの遂行後に得られる充足感、解放感によって、欲求不満、抗うつ気分が一気に解消され、快感がもたらされることを体験するため、何度も繰り返し窃盗行為を行う傾向にあると言われています。
検挙された万引き犯の約5%がクレプトマニアであると言われており、女性に多くみられるようです。
クレプトマニアの診断基準については、以下のものが標準的に使用されています。
A.個人的に用いるためでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
B.窃盗に及ぶ直前の緊張感の高まり。
C.窃盗に及ぶときの快感、満足、または解放感。
D.その盗みは、怒りまたは報復を表現するためのものではなく、妄想または幻覚への反応でもない。
E.その盗むは、素行症、躁病エピソード、または反社会性パーソナリティ障害ではうまく説明されない。
(アメリカの精神障害診断マニュアル『DSM-5精神疾患の分類と診断の手引き』)
以上のような基準に該当している場合には、精神障害としての常習窃盗の可能性も考えられるでしょう。
窃盗事件とクレプトマニア
万引きの窃盗事件であれば、初犯は、微罪処分や起訴猶予で事件が処理されることになります。
しかし、再犯を繰り返すと、下される処分も重くなっていきます。
概ね4~5度目には検察官が公判請求を行い、被告人として公判に立たなければならない状況になるでしょう。
初めての公判では、執行猶予付き判決が言い渡されることが多いのですが、クレプトマニアであれば、執行猶予期間中に再び犯行に及んでしまうケースも少なくありません。
そうなれば、執行が猶予されていた前回の刑も合わせた実刑が科される可能性が高いでしょう。
クレプトマニア患者の場合、病的に常習窃盗を行ってしまうのであって、刑罰を科すことで将来の再犯防止が期待できるとは言えないでしょう。
彼らにとって、再犯防止で最も必要なことは専門的な治療を受けることです。
その点について、専門家により作成された診断書を用い、検察官や裁判官に説得的に主張し、社会内での更生がより適切であることを理解してもらう必要があります。
何度も窃盗を繰り返してしまい、クレプトマニアの疑いがあるが、どのように司法機関に理解してもらうのか分からずにお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。