公衆トイレ放火で逮捕②

公衆トイレ放火で逮捕②

少年事件(公衆トイレ放火)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県佐用郡佐用町にある公園で、公衆トイレから煙が出ていると、通行人から通報がありました。
兵庫県佐用警察署は、付近の防犯カメラの様子などから、市内に住む中学生のAくん(13歳)とBくん(14歳)による犯行であることを特定しました。
同署は、Bくんを非現住建造物等放火の疑いで逮捕しました。
(フィクションです)

前回は、非現住建造物等放火罪について説明しました。
法定刑には罰金刑がなく懲役刑のみとなっており、刑法犯の中でも重い犯罪です。

それでは、今回は、20歳未満の者が事件を起こした場合の捜査段階の流れについてみていきたいと思います。

20歳未満の者(「少年」といいます。)が犯罪を犯した場合、成人の場合と同様に、警察に逮捕される可能性があります。
少年の犯罪事件は、原則として、成人の場合と同様に被疑事件として捜査機関による捜査がなされた後、その全事件が家庭裁判所に送致されます(これを「全件送致主義」といいます。)。
家庭裁判所に送致された事件は、家庭裁判所において少年保護事件として審理され、大部分の事件が家庭裁判所で終了します。
しかし、刑事処分が相当であるとされる事件については、検察官に送致されます。

少年の刑事事件とは、少年の犯罪事件が
①家庭裁判所に送致される以前の段階における少年の被疑事件
②家庭裁判所から検察官への逆送から刑事裁判所へ公訴を提起される以前の段階における少年の被疑事件
③公訴提起後の事件
をいいます。
少年の刑事事件の処理手続きについては、原則として、一般の成人の刑事事件における手続と同様に取り扱われます。

さて、上記ケースでは、AくんとBくんは共謀して公衆トイレ放火したことが特定されています。
しかし、警察に非現住建造物等放火罪の容疑で逮捕されたのは、Bくんだけです。
なぜでしょう。

刑法には、以下のように規定されています。

第四十一条 十四歳に満たない者の行為は、罰しない。

14歳未満の者が、刑罰法令に触れる行為をしたとしても、刑法上の犯罪にはならないのです。
犯罪が成立しないので、逮捕されることもありません。
しかし、少年法上は「触法少年」として保護処分の対象となりますので、家庭裁判所に送致された場合には、審判を経て処分が言い渡されることになります。

14歳以上20歳未満の少年が罪を犯した場合には、逮捕の要件を満たしていれば逮捕される可能性があるのです。
逮捕されると、警察は逮捕から48時間以内に被疑者である少年を検察に送致するか、釈放するかを決めます。
検察に送致した場合には、検察は少年の身柄を受けてから24時間以内に少年を釈放するか、裁判所に勾留請求をするかを判断します。
検察官が勾留請求をすると、裁判官は少年を勾留するか釈放するかを決定します。
勾留が決定すると、検察官が勾留請求をした日から10日間、延長されると20日間の身柄拘束となります。
少年の場合には、勾留に代わる観護措置がとられる場合があります。
この場合、留置先は少年鑑別所となり、身体拘束期間は10日間です。

14歳未満の者が刑罰法令に触れる行為を行った場合、警察は逮捕や捜査を行うことが出来ませんので、警察は児童相談所に送致します。

このように、少年の年齢によって、後の手続が異なりますので、お子様が事件を起こしてしまったのであれば、少年事件に強い弁護士に相談されることをお勧めします。
少年事件でお困りの方は、少年事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。
少年事件専門の弁護士による無料法律相談初回接見サービスをご提供いたします。

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