強制わいせつ致傷事件で裁判員裁判

2019-10-28

強制わいせつ致傷事件で裁判員裁判

強制わいせつ致傷事件と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県川西市に住むVさんは、アルバイトが終わり最寄駅から自宅まで徒歩で帰宅していました。
すると、人気のない場所で、突然背後から何者かに羽交い絞めにして引き倒され、「大声出したらしばくからな。」と言われ、服の中に手を入れられ胸を鷲掴みにされました。
Vさんは必死に抵抗したため、犯人はそのまま走り去っていきました。
Vさんは引き倒された際に膝や腕に怪我をしていました。
Vさんは兵庫県川西警察署に被害届を提出し、同署は捜査に着手しました。
後日、兵庫県川西警察署は、市内に住むAさんを強制わいせつ致傷の容疑で逮捕しました。
強制わいせつ致傷事件は裁判員裁判対象事件やからな。」と警察から言われたAさんは、接見に訪れた弁護士に裁判員裁判について質問しました。
(フィクションです)

強制わいせつ致傷罪について

強制わいせつ致傷罪は、強制わいせつ罪または強制わいせつ未遂罪を犯し、その結果人を負傷される犯罪です。
強制わいせつ致傷罪は、強制わいせつ罪には暴行・脅迫という手段をもって実行され、被害者に致傷結果が生じることが多いため、これを重く処罰するものです。
強制わいせつ致傷罪の法定刑は、無期または3年以上20年以下の有期懲役です。

裁判員裁判とは

通常、裁判は、裁判官が行います。
これは、民事事件も刑事事件も変わりありません。
しかし、一定の事件については、裁判官3名と、一般市民から選ばれた裁判員6名の合計9名で裁判が開かれます。
このような裁判のことを「裁判員裁判」といいます。

裁判員裁判対象事件は、①死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる事件、そして、②法定合議事件(短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪の事件の一部)であって故意の犯罪により人を死亡させた事件(①に当たるものを除く)です。
殺人罪や放火罪は①に当たり、傷害致死罪は②になります。
また、法定刑に死刑又は無期の刑がある事件は、人が死亡したかどうかを問いませんから、殺人未遂罪も①によって対象事件となります。
これらに対し、過失運転致死罪は、故意の犯罪ではありませんから、①②のいずれにも当てはまらず、裁判員裁判対象事件ではありません。
Aさんは、強制わいせつ致傷罪で起訴される可能性がありますから、そうなればAさんは裁判員裁判で裁かれることになります。

裁判員裁判の進み方

裁判員裁判は、通常の裁判とは異なる進み方をします。
通常の裁判では、法廷に裁判官・検察官・弁護人・被告人が出席したうえで、公開の法廷で議論が進められます。
これに対し、裁判員裁判では、実際の裁判が開かれる前に、公判前整理手続という手続きが行われます。
公判前整理手続とは、裁判員に実際に審理をしてもらう前に、裁判官・検察官・弁護人の三者により、本件事件の争点や、実際に裁判に提出する証拠を整理する手続きをいいます。
このような手続きの中で、事件の争点や、重要な事実が整理され、裁判員には、最初から争点や判断の対象が提示されるようになっています。
公判前整理手続を経た事件の場合、この手続きが終結した後には、特別の事情がない限り新たな証拠の提出が許されなくなります。

このように、裁判員裁判は、裁判員には負担が少ないように設計されていますが、当事者の立場から見れば、適切な時期に適切な主張をしなければならないという制度になっています。
裁判員裁判には、刑事事件に強い弁護士に弁護を依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱っており、裁判員裁判を経験した弁護士も多数所属しております。
ご家族が裁判員裁判対象の事件を起こしてしまいお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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