覚せい剤取締法違反で起訴~公判手続の流れ~

覚せい剤取締法違反で起訴~公判手続の流れ~

公判手続の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市須磨区に住むAさんは、覚せい剤取締法違反の疑いで兵庫県須磨警察署に逮捕されました。
逮捕・勾留後に、神戸地方検察庁は同罪で神戸地方裁判所公判請求を行いました。
Aさんは、公判手続の流れについて、弁護人に説明を受けています。
(フィクションです)

検察官が裁判所に対して公判請求を行うと、裁判所、検察官、被告人・弁護人が出席し公開の法廷で審理を行うことになります。

公判期日における手続は、(1)審理手続、そして、(2)判決の宣告手続とに大きく分けられます。

1.審理手続

審理手続は、①冒頭手続、②証拠調べ手続、③弁論手続から成ります。

①冒頭手続
冒頭手続とは、(a)人定質問、(b)起訴状朗読、(c)権利告知、(d)被告人および弁護人の陳述という手続からなるものです。

人定質問
裁判長は、出席した被告人に対し、人違いでないことを確かめるため、被告人の氏名・年齢・職業・住所・本籍などを質問します。

起訴状朗読
人定質問に続いて、検察官が起訴状を朗読します。
これは、裁判所に対して審理の対象を、被告人に対して防御の対象を明らかにするために行われるものですので、起訴状に記載されている公訴事実、罪名、罰条が朗読されます。

権利の告知
裁判長は、被告人に対して、黙秘権やその他の権利を告知します。

被告人および弁護人の陳述
裁判長は、被告人および弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければなりません。
この際に、被告人に対し、起訴状の記載内容に間違いはないどうかを尋ね、公訴事実の認否をさせ、争点を明確にします。

②証拠調べ手続
裁判所が書証や証人等の証拠を取り調べる手続で、最初に検察側から立証が行われ、その後被告人側の立証が行われます。
証拠調べ手続は、検察側の立証が先立ち、(a)冒頭陳述、(b)証拠調べ請求、(c)証拠調べ請求に対する意見、(d)証拠決定、(e)証拠調べとなり、次に弁護側の立証に移り、(a)証拠調べ請求、(b)証拠調べ請求に対する意見、(c)証拠決定、(d)証拠調べ、(e)被告人質問という流れとなります。

冒頭陳述
証拠調べの始めに、証拠により証明すべき事実を明らかにするための手続です。
これは、証拠調べの冒頭で検察官に事件の全貌を明らかにする主張を行わせることにより、裁判所に対し、審理方針の樹立及び証拠の関連性等の判断材料を提供するとともに、被告人の防御の便に資するようにする趣旨に基づくものです。
検察官の冒頭陳述の後に、裁判所の許可を得て、被告人・弁護人も冒頭陳述をすることができます。

証拠調べ請求
検察官、被告人及び弁護人の請求に基づき証拠調べの請求がなされます。
証拠調べとは、証人などの尋問、証拠書類・証拠物の取調べ、検証、鑑定などをいいます。

証拠決定
証拠調べ請求に対して、裁判所は、証拠調べの決定または請求却下の決定を行います。
証拠決定を行うにあたって、裁判所は、請求に基づく場合は相手方の意見を聴きます。

証拠調べ
証拠書類や証拠物の取調べ、証人尋問、鑑定人の尋問などを実施します。

被告人質問
被告人は黙秘権を有しているので、終始沈黙したり、ここの質問に対し供述を拒むことができます。
被告人が任意でした供述は、証拠となります。

③弁論手続
証拠調べ手続が終ると、検察官は事実および法律の適用について意見を陳述しなければなりません。
これを「論告」といいます。
検察官が有罪を主張する際、量刑についても意見を述べるのが通常であり、この意見を「求刑」といいます。
被告人・弁護人は、最後に意見を陳述する機会が与えられています。

2.判決の宣告手続

判決は、公判廷において宣告し、これを告知します。
裁判長が、主文および理由を朗読し、または主文の朗読と同時に理由の要旨を告げなければなりません。

公判では、無罪や無実を訴える、執行猶予や減刑を求めるなど争い方も事件により異なります。
公判における弁護活動については、法廷における弁護士の技術が判決結果に大きく影響を与えることになります。

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