礼拝所不敬罪で刑事事件

2019-12-15

礼拝所不敬罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県宍粟市のお寺で大暴れした檀家のAさんは、通報を受けて駆け付けた兵庫県宍粟警察署の警察官に、礼拝所不敬などの疑いで逮捕されました。
(実際の事件を基にしたフィクションです。)

礼拝所不敬罪とは

あまり聞き慣れない「礼拝所不敬罪」という罪ですが、実は、滅多に行われない犯罪ではないのです。
礼拝所不敬罪で処理された事件としては、有名な写真家が都内の墓地でヌード撮影を行い罰金30万円の略式命令を受けたもの、靖国神社に対する抗議運動で祭祀業務を妨害したとして台湾の立法委員が書類送検されたもの、御神体の滝である世界遺産の那智の滝でロッククライミングしたとして登山家が書類送検されたものなどがあります。

今回は、礼拝所不敬罪についてみていきます。

礼拝所不敬罪は、刑法第188条1項に規定されています。

第百八十八条 神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処する。

本罪の保護法益は、国民の宗教的感情及び死者に対する敬虔・尊崇の感情です。

◇客体◇
本罪の客体は、「礼拝所」です。
宗教的な崇敬の対象となるべき場所をいい、その例として、神祠、仏堂、墓所があげられています。
「その他の礼拝所」としては、キリスト教や回教などの教会があげられます。
加えて、原爆慰霊碑やひめゆりの塔のように、一般的宗教感情により尊崇されているものであれば礼拝所に当たるとされています。

◇行為◇
本罪の構成要件的行為は、上述の客体に対して「公然と不敬な行為をする」ことです。
「公然と」というのは、不特定または多数の人に覚知しうる状態の下に置くことをいいます。
実際に他人に覚知される必要はなく、その行為時に不特定・多数の人がその場に居合わせたことは必要とされません。
「不敬な行為とは、礼拝所の尊厳または神聖を冒涜する行為をいいます。

上記ケースでは、Aさんは「お寺で大暴れした」との記載しかありませんが、仏堂で住職や他の檀家の前で、侮辱的言辞を浴びせたり、神体を足げにしたりしたのであれば、礼拝所不敬罪が成立すると考えられるでしょう。

関連する罪として、説教等妨害罪(刑法第188条2項)、墳墓発掘罪(刑法第189条)、死体損壊等罪(刑法第190条)、墳墓発掘したい損壊等罪(刑法第191条)、変死者密葬罪(刑法第192条)があります。

ご家族が礼拝所不敬罪逮捕されたのであれば、すぐに弁護士に相談・依頼され、早期釈放に向けて動くことが重要です。
逮捕されると48時間以内に警察は被疑者を釈放するか、検察に送致するかを決めます。
警察が検察に事件を送致すると、検察は被疑者の身柄を受けてから24時間以内に被疑者を釈放するか、勾留請求をするかと決めます。
検察が勾留請求した場合、請求を受けた裁判官は、被疑者を釈放するか勾留するかを判断します。
裁判官が勾留とした場合には、検察官が勾留請求をした日から原則10日、延長が認められると最大で20日もの間身体拘束を余儀なくされます。
しかし、上述したように、勾留が決定するまでには、3段階の判断が存在します。
つまり、警察が検察に送致するか否か、検察官が裁判官に勾留請求するか否か、そして、裁判官が勾留を決定するか否か、という3つの重要ポイントがあり、各所で勾留をする要件を満たさない旨を客観的証拠と共に書面等で主張し、逮捕された方が早期に釈放となるよう迅速かつ適切に働きかけることが重要です。
このような活動は、刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。

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