窃盗事件で審判不開始

窃盗事件で審判不開始

窃盗事件での審判不開始について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県宍粟市に住むAさん(15歳)は、市内のコンビニさんで商品を万引きしたとして、店員に呼び止められました。
Aさんは、通報を受けて兵庫県宍粟警察署から駆け付けた警察官に現行犯逮捕されました。
警察で取調べを受けたAさんは、両親が身元引受人となり、釈放されました。
後日、今後どのような処分を受けることになるのか不安になり、少年事件に強い弁護士に相談し、弁護を依頼することになりました。
(フィクションです)

終局決定の種類

家庭裁判所が少年保護事件について行う決定には、事件自体について判断し、最終的な少年の処分を決定する終局決定と、終局決定前の中間的な措置としてなされる中間決定とがあります。
終局決定としては、次の5種類があります。

審判不開始
②不処分
③保護処分
 (ア)保護観察
 (イ)児童自立支援施設又は児童養護施設送致
 (ウ)少年印送致
④検察官送致
⑤知事又は児童相談所長送致

審判不開始

家庭裁判所は、調査を行った結果、審判に付することができず、又は審判に付することが相当でないと認めるときは、審判を開始しない旨の決定をしなければなりません。
この決定を「審判不開始決定」といいます。
審判不開始決定は、調査の結果に基づいてなされる決定であり、その要件は、審判に付することができないとき、及び審判に付するのが相当でないときです。
(1)審判に付するのが相当でないとき
審判に付するべき事由はあるけれども、少年に要保護性の存在する蓋然性が認めらず、裁判官による直接の審理を必要としないため、審判を行う必要性がない場合をいいます。
つまり、上の②~⑤のいすれの処分も必要がない場合に限られます。
(2)審判に付することができないとき
法律上または事実上、審判を行うことができない場合をいいます。
これは、次の3つに分けられます。
・非行なし
 非行事実の存在の蓋然性が認められないときで、これは、少年の行為が非行構成要件に該当せず 、非行として成立しない場合と、証拠上、非行事実の存在の蓋然性すら認められない場合を指し ます。
・所在不明等
 調査・審判を行うことが法律上又は事実上不可能であると認められる場合で、少年の心神喪失、 死亡、所在不明、疾病、海外居住等の場合です。
・その他

審判不開始をめざす活動

審判不開始を目指す場合、付添人である弁護士は、捜査段階から弁護人として活動していたのであれば、それまでの弁護活動の成果を早期に裁判所に伝え、審判不開始を求める意見書を提出するなどの活動を行います。
例えば、事件後すぐに、被害者に謝罪と被害弁償、示談ができていることや、少年が自身の行為を振り返りしっかりと反省できていること、保護者や学校の監督が期待でき、カウンセリング等を受けており更生に向けた環境が整っていることなど、少年に要保護性がないことを主張します。
家庭裁判所の調査や付添人である弁護士の活動の結果、少年への教育的な働きかけにより、要保護性が解消された場合、あえて審判を行う必要はなく、審判不開始となる可能性があります。

このような活動を依頼するのは、少年事件に精通した弁護士がよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
少年の更生のため、少年一人ひとりに適した弁護活動、付添人活動を行えるよう尽力します。

お子様が事件を起こしてしまった、家庭裁判所に送致されたがどのような処分を受けるのか不安だ、とお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイアル0120-631-881まで。

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