死体遺棄事件で執行猶予

2019-03-04

死体遺棄事件で執行猶予

~ケース~
兵庫県芦屋市に住むAさんは、高齢の母親と二人で暮らしていました。
ある日、Aさんの母親が起きてこないことを不思議に思ったAさんは、母親の様子を見に行ったところ、母親が息をしていないことに気が付きました。
Aさんは、母親が亡くなったことを認識していましたが、母親としばらく一緒に居たいと思い、どこにも通報せず、そのまま布団に寝かしたままにしていました。
数日後、兵庫県芦屋警察署へ匿名で通報が入り、Aさん宅に母親の死体が放置されていることが発覚しました。
Aさんは、死体遺棄の容疑で逮捕されることとなりました。
(フィクションです)

死体遺棄罪とは

死体遺棄罪とは、死体を遺棄する犯罪です。

死体遺棄罪は、刑法第190条(死体損壊等)において、以下のように規定されます。

第190条(死体損壊等)
 死体,遺骨,遺髪又は棺に納めてある物を損壊し,遺棄し,又は領得した者は,3年以下の懲役に処する。

死体
「死体」とは、死亡した人の身体またはその一部をいいます。(大判大14・10・16)
死胎も、死体に含まれます。

遺棄
本罪における「遺棄」とは、習俗上埋葬と認められる方法によらないで放棄することをいいます。
遺棄の方法は、作為・不作為を問いません。
法令・契約・慣習などにより、法律上、埋葬義務を負う者は、単に死体を現場に放置する行為が「遺棄」に当たります。

上記ケースでは、Aさんは、亡くなった母親の娘ですので、母親を埋葬する義務を負っていると言えるでしょう。
ですが、Aさんは、どこに通報・届出するでもなく、母親の死体を自宅に数日放置していました。
また、Aさんは母親が息をしていないことに気づいています。
母親が死亡していることを認識していながら、埋葬せずにそのままにしていますので、当該ケースにおいては、死体遺棄罪は成立するでしょう。

死体遺棄罪の法定刑は、3年以下の懲役です。
罰金刑はなく、起訴されると正式裁判となります。
しかし、Aさんに、考慮すべき事情がある場合には、執行猶予判決が言い渡される可能性があります。

執行猶予とは

執行猶予とは、一定の期間他の刑事事件を起こさないことを条件として、刑の執行を猶予する制度をいいます。
執行猶予付きの判決が言い渡された場合、すぐに刑務所に行くことはなく、執行猶予期間中に無事に経過すれば、裁判官から言い渡された刑罰を実際に受けなくて済むのです。

執行猶予の対象となる要件は、
①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者、
②前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者
について、3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金を言い渡す場合となります。
しかし、以上の要件は執行猶予の対象となる要件であり、執行猶予を付けるか否かは、裁判官が決めます。
上の要件を満たしており、かつ、「本人が反省している」「犯罪が悪質でない」「執行猶予を付しても再犯のおそれがない」といった情状が考慮され、執行猶予を付けるか否かを判断します。

執行猶予を目指す活動としては、執行猶予になるための要件を満たしていることを前提に、執行猶予とすべき情状を主張していくことが挙げられます。

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