少年事件における示談の効果

2019-12-31

少年事件における示談の効果について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県相生市の商業施設内で、女子中学生のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮したとして、高校生のAくん(16歳)が逮捕されました。
兵庫県相生警察署からの連絡を受け、Aくんを迎えに来た両親は、すぐにでも被害者の方に謝罪と被害弁償をしたいと思っています。
(フィクションです)

示談とは

示談は、加害者が被害者に対して相応の被害弁償金を支払うことで、被害者は被害届を提出しないなど、今回の事件は当事者間では解決したとする約束のことです。
一言で「示談」といっても、その内容は、単に被害弁償を行ったとするものから、加害者を許し更正に期待するという文言(「宥恕条項」といいます。)が入ったものまで様々です。
告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪の場合であれば、被害者と示談を成立させ、告訴を取り下げる、もしくは告訴をしない約束をしてもらえれば、起訴されることはありません。
また、非親告罪の場合においても、告訴が起訴の前提条件とはなってはいませんが、示談を成立させ被害者から許しを得ている場合であれば、事件の最終的な処分として、起訴をしないとする処分(「不起訴処分」といいます。)として終了する可能性は高くなります。

このように、示談を成立させることで、刑事事件を早期に解決する可能性を高めることができます。

少年事件において示談を成立させることの意義

成人の刑事事件においては、早期に被害者と示談を成立させ、事件を穏便に終了させることはできます。
それでは、少年事件においても同じことが言えるのでしょうか。

少年事件は、原則として、捜査機関が捜査を遂げた結果、少年が犯罪を行ったとの嫌疑がある場合、そして、犯罪の嫌疑は認められないけれども、家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合には、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
ですので、少年事件においては、成人の刑事事件のように、被害者と示談が成立したからといって、そこで事件が終了することはないのです。

だからといって、被害者との示談をすることに意味がないということではありません。

被害者が事件に対してどのような感情を抱いているかは、審判において処遇を決定する際の一つの考慮要素とされています。
また、家庭裁判所では、少年の保護者が事件に対してどのように向き合い対応したかという部分を見ています。
少年の保護者が示談に消極的であった場合、保護者が十分に事件に向き合っていないと判断され、保護者の監督能力が否定されてしまう可能性があります。

そのため、少年事件であっても示談は重要だと言えるでしょう。

示談の締結は1回限りの行為ですので、加害者本人が直接被害者と行うことには注意が必要です。
まず、加害者が被害者に対して示談をしたいと思っても、被害者と連絡をとることは容易ではありません。
特に、被害者とは全く面識のない場合、警察や検察を通じて被害者の連絡先を教えてもらわなければなりませんが、捜査機関は被害者の連絡先を加害者に直接教えることはあまりありません。
また、被害者は、加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いていることが多く、加害者と直接連絡をとることを望まないケースも多々あります。
ですので、被害者との示談交渉には、弁護士を介して行うことが通常です。
弁護士は、示談交渉を数多く経験しているため、交渉のノウハウを持っています。
示談交渉に優れた弁護士に依頼し、適切な法的サポートを受け、加害者と被害者がお互いに納得できるような示談をしましょう。

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