Archive for the ‘経済事件’ Category
盗品譲受け等事件で故意否認
盗品譲受け罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神戸市須磨区の骨とう品店を営むAさんは、盗まれた絵画と知りながら代金を支払って買い受けたとして、兵庫県須磨警察署に有償盗品譲受けの容疑で逮捕されました。
Aさんは、「盗品であることの認識がない。」と故意を否認しています。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、急いで接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)
盗品譲受け等罪について
盗品譲受け等罪は、刑法第256条に規定されています。
第二百五十六条 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。
盗品譲受け等罪の構成要件は、以下の通りです。
【1項】①盗品、その他財産に対する罪にあたる行為によって領得された物を
②無償で譲り受けたこと。
【2項】①盗品、その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を
②運搬し、保管し、もしくは有償で譲り受け、またはその有償の処分をあっせんしたこと。
◇主体◇
本犯者(窃盗などの犯罪行為を行った者)以外の者が、本罪の主体です。
本犯者が、その犯罪によって取得した物を処分する行為は、通常、本犯についての不可罰的事後行為であり、別罪を構成しないとされます。(最高判昭24・10・1)
共同正犯も正犯として本犯者となるので、本罪の主体とはなりません。
しかし、本犯の共犯者(教唆者・幇助者)は、本罪の主体となります。
なぜならば、共犯行為は本犯に通常含まれる行為とはいえず、盗品罪が不可罰的事後行為といえないからです。
◇客体◇
本罪の客体は、「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」です。
(1)盗品等
「盗品等」とは、財産罪によって取得した財物で、被害者が法律上追求し得る権限を有するものをいいます。
(2)財産罪によって取得した物
本犯は財産罪に限られ、文書偽造罪、通貨偽造罪、賭博罪、賄賂罪などにおいて収受された物は、本罪の客体には含まれません。
本犯は、財産罪に「当たる行為」であればよく、犯罪として成立している必要はありません。つまり、本犯の行為は、構成要件に該当する違法な行為であれば足りるのです。
そのため、無責任能力者の行為であってもよく、親族相盗例の適用される者の間でおこなわれた犯罪によって取得された物も盗品性を失いません。
また、公訴時効が完成しても、被害者に返還請求権が認められる限り、盗品性は失われません。
(3)被害者の追求権
本罪の客体は、被害者が法律上追求しうる権限を有する物でなければなりません。
そのため、民法第192条により第三者が所有権を即時取得した場合には盗品性は消滅します。
しかし、盗品や遺失物は即時取得の要件が具備されたとしても、民法第193条により所有権が元の所有者に残るため、盗難・遺失のときから2年間は盗品性を失いません。
また、加工によって財物の同一性が失われ、所有権が工作者に帰属するときには、民法第246条により盗品性が失われます。
◇行為◇
(1)無償譲受け
「無償で譲受ける」とは、盗品を無償、つまりただで自己の物として取得することをいいます。
使用貸借は、無償ではあるけれども、所有権に基づく処分権を取得していないため、盗品無償譲受け罪は成立せず、盗品保管罪が成立するにとどまります。
(2)運搬
「運搬」とは、委託を受けて盗品の所在を移転することをいいます。
有償・無償、移転の距離の遠近は問いません。
(3)保管
「保管」は、委託を受けて盗品等の保管をすることで、有償・無償を問いません。
保管罪は、継続犯であるので、保管後に盗品であることを知ったが、そのまま本犯のために保管をしていた場合は、本罪が成立することになります。
(4)有償譲受け
「有償で譲り受ける」とは、盗品を売買・交換・責務の弁済等の名目で有償に取得することをいいます。
本犯者から委託を受けたか否かは問われません。
盗品有償譲受け罪が成立するためには、単に契約が成立しただけでは足りず、代金は未払いであっても盗品が引き渡されれば本罪が成立することになります。
また、盗品であることの認識は、契約時にはなかったとしても取得時にあれば足ります。
他方、取得した後に盗品であると認識した場合には、保管罪と異なり有償譲受け罪は成立しません。
(5)有償の処分のあっせん
「有償の処分のあっせん」とは、盗品の有償的な法律上の処分行為(売買、交換、質入れ等)を媒介・周旋することです。
本犯者から委託を受けたか否かを問わず、あっせんそれ自体は有償・無償を問いません。
◇故意◇
盗品譲受け等罪は、故意犯です。
盗品譲受け等罪のどの犯罪類型においても、行為者に客体が「盗品であることの認識」が必要となります。
盗品であることの認識は未必的なもので足ります。
保管罪と運搬罪は継続犯であるため、行為の開始後に認識した場合、認識した以降に犯罪が成立することになります。
一方、有償・無償譲受け罪と有償処分のあっせんの場合は、即成犯であるので、行為の開始時に認識がない場合には犯罪は成立しません。
上のケースにおいて、Aさんは盗品有償譲受け罪に問われています。
Aさんは、「買い取った商品が盗品であるとの認識はなかった。」と故意を否認しています。
Aさんが盗品である商品を取得した時に盗品を認識していた場合には、盗品有償譲受け罪が成立するでしょう。
しかし、梱包されたままの商品を複数買い取りに出す場合、買取側も「盗品かもしれないな。」と思ったであろうと判断される余地もあり、未必の故意が認められる可能性もあります。
「盗品とは知らなかった。」と故意を否認する場合には、捜査段階で不利な供述がとられないよう、早期に刑事事件に精通する弁護士に取調べ対応について相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
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事後強盗事件で少年が逮捕
少年が事後強盗事件を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県加古川市の家電量販店で、Amazonギフト券(2万円分)を万引きしたとして、市内に住むAくん(16歳)は店の出口付近で店員に声をかけられました。
驚いたAくんは、自分の腕を掴んでいた店員の手を振りほどき、そのまま全速力で店外へと逃亡しました。
しかし、数日後、兵庫県加古川警察署の警察官が、早朝にAくん宅を訪れ、事後強盗の容疑でAくんを逮捕しました。
突然の逮捕に驚いたAくんの両親は、すぐに接見に行ってくれる弁護士はいないかとネットで検索しました。
(フィクションです)
事後強盗とは
上のケースでは、Aくんは商品の代金を支払わずに商品を店外へ持ち去ろうとしています。
このような行為を、「万引き」といいます。
みなさんも一度は耳にされた言葉だと思います。
通常、万引き行為を行った場合、「窃盗罪」が適用されることになります。
しかし、上記のケースでは、Aくんは「事後強盗罪」に問われていますね。
それでは、事後強盗罪とはどのような犯罪なのでしょうか。
事後強盗罪は、刑法第238条に規定されています。
第二百三十八条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
事後強盗罪の成立要件は、次のとおりです。
①窃盗が、
②財物を得てこれを取り返されるのを防ぎ、逮捕を免れ、または罪責を隠滅するために、
③暴行または脅迫をしたこと。
①主体:窃盗
「窃盗」というのは、「窃盗犯人」のことです。
未遂犯であると既遂犯であるとを問いません。
②目的:財物を得てこれを取り返されるのを防ぎ、逮捕を免れ、または罪責を隠滅するため
「財物を得てこれを取り返されることを防ぐ」目的というのは、他人の占有を侵奪して事実上自己の占有下にある財物を被害者側に取り返されるのを阻止しようとする意図をいいます。
「逮捕を免れる」目的は、窃盗未遂・既遂の行為者が、被害者などから取り押さえられて身柄を拘束されるのを阻止しようとする意図です。
そして、「罪責を隠滅する」目的とは、窃盗犯人が後日窃盗犯人として捜査官に検挙され、処罰されることとなると認められる罪責を無にする意図をいいます。
③行為:暴行・脅迫
ここでいう「暴行又は脅迫」というのは、相手方に対する有形力の不法な行使(暴行)、そして、害悪の告知(脅迫)をいいます。
暴行・脅迫の程度は、相手方の反抗を抑圧するに足りるものであることが必要となります。
この暴行・脅迫の相手方は、窃盗の被害者に限定されません。
また、暴行・脅迫は「窃盗の機会」、つまり、窃盗の現場およびその継続的延長とみられる場所で行われることが必要とされます。
「窃盗の機会」についての判断は、窃盗行為と暴行・脅迫行為との場所的・時間的な近接等を基礎に行われます。
上のケースでは、家電量販店内で窃盗行為を行ったAくんが、店の出口付近で万引きに気づいた店員に声を掛けられ、Aくんの腕を掴んでいた店員の手を振り払うという「暴行」と加えて、逃走しています。
ですので、窃盗犯人であるAくんが、万引きした商品を取り返されるのを防ぎため、もしくは店員に捕まらないために、腕を掴んでいた店員の手を振り払うという暴行を加えていますので、Aくんに対して事後強盗罪が成立するものと考えられます。
窃盗罪の法定刑が10年以下の懲役または50万円以下の罰金であるのに対して、事後強盗罪は強盗と同様に、5年以上の有期懲役と、重くなっています。
少年が事件を起こした場合、原則として、捜査機関の捜査終了後に、事件は家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所は、調査・審判を行い、最終的な処分を決定します。
少年事件は、罪名が重いからといって必ずしも少年院送致のような厳しい保護処分を決定するわけではありません。
逆に言えば、比較的軽微な犯罪であっても、少年の更生には少年院送致が適していると判断されることもあるのです。
家庭裁判所の審判は、非行事実と要保護性を審理対象としています。
非行事実は、成人の刑事裁判でいう公訴事実です。
一方、要保護性とは、概して、①再非行性の危険性、②矯正可能性、③保護相当性の3要素で構成されている概念です。
つまり、①少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があるか、②保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性があるか、③保護処分に寄る保護がもっとも有効でかつ適切な処遇であるか、の3点が考慮されて要保護性の有無が判断されるのです。
事後強盗という重い罪名であったとしても、少年自身が真摯に反省しており、家庭や学校の協力も積極的に期待でき、被害者への謝罪・被害弁償等も済んでいるなど、要保護性が高くはないと判断されれば、最終的な処分が保護観察処分となる可能性はあります。
このように、少年事件の場合には、成人の刑事事件とは手続も異なりますので、お子様が事件を起こして対応にお困りであれば、少年事件に精通する弁護士に相談するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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少年による特殊詐欺事件
少年が特殊詐欺事件を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
関東に住む大学生のAくん(18歳)は、「高額バイト」と謳ったネット上のアルバイト募集広告を見て、連絡をとりました。
相手からは、「指示された場所に行って、封筒を受け取るだけで、数万円は稼げる。」と言われ、Aくんは仕事を請け負うことにしました。
Aくんは、Bと名乗る男から電話で兵庫県淡路市にある民家に行き、弁護士の秘書と名乗り封筒を受け取るよう指示を受けました。
Aくんは、指示された民家へ行き、住人である高齢女性から封筒を受け取り、近くのATMで封筒の中に入っていたキャッシュカードで現金50万円を引き出しました。
すると、Aくんは、警戒していた兵庫県淡路警察署の警察官に逮捕されてしまいました。。
Aくんは、「これはいわゆる特殊詐欺だ。」と分かってはいましたが、Bからは「法的に問題ない。」と言われ、自分が警察に捕まることはないと思っていました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、遠方に住んでいるためすぐに接見に向かってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)
少年による特殊詐欺事件
少年による特殊詐欺への関与は後を絶ちません。
マスメディアが、社会問題として特殊詐欺について大々的に取り上げており、頻繁に特殊詐欺犯逮捕のニュースが報道されているにもかかわらず、なぜ少年たちの特殊詐欺への関与がなくならないのでしょうか。
少年が特殊詐欺に関与する場合の多くが、いわゆる「受け子」や「出し子」といった役割を担うものです。
特殊詐欺は組織的に行われており、組織の上層部の者が被害者に電話をかけ、被害者の親族や警察官・弁護士・銀行員など社会的に信頼のある者と偽り、被害者からキャッシュカードや現金などを騙し取るよう仕向けます。
これらの役割は、いわゆる「かけ子」と呼ばれます。
一方、騙された被害者から実際に現金やキャッシュカードを受け取り、ATMから現金を引き出す役割は、組織の外部の人間に行わせることが多くなっています。
なぜならば、「受け子」や「出し子」といった役割は、被害者と直接接するため、警察に逮捕されるリスクが大きく、組織の人間には行わせず、外部の人間に委託させるからです。
「簡単に大金が稼げる。」などと甘い言葉で誘惑し、興味を示した者に「受け子」や「出し子」を担わせるのが特殊詐欺のやり方です。
そのような甘い言葉に乗り、特殊詐欺に関与してしまう少年は少なくありません。
組織の者から、「犯罪ではない。」「逮捕されることはない。」「大丈夫。」などと説き、社会経験も少ない少年たちは簡単にそのような言葉を信じ、悪いことをしているかもしれないと思いつつも、犯罪に手を染めてしまう傾向にあります。
少年が特殊詐欺事件で逮捕されたら
20歳未満の少年であっても、特殊詐欺に関与すれば、成人の場合と同様に逮捕される可能性は大いにあります。
逮捕される大半が、事件現場やその付近で警戒していた警察官に現行犯逮捕されるものとなっています。
少年が逮捕されると、逮捕に引き続き勾留となる可能性が高いでしょう。
少年の場合は、勾留に代えて「勾留に代わる観護措置」がとられ、警察署の留置場ではなく、少年鑑別所に収容されることもあります。
捜査段階では、捜査を担当している警察署の留置場やその周辺の警察署の留置場に留置されることになります。
上のケースでは、兵庫県淡路警察署が捜査を担当していますので、同警察署での留置、もしくはその周辺の警察署の留置施設に留置されることになります。
しかし、捜査が終了し、事件が家庭裁判所に送致されると、少年の身柄は少年鑑別所に移ることになります。
家庭裁判所は、事件を受理すると、少年に対して「観護措置」をとるか否かを判断します。
観護措置とは、家庭裁判所が調査・審判を行うため、少年の心情の安定を図りつつ、少年の身体を保護しその安全を図る措置のことです。
ですので、事件が家庭裁判所に送致されると、少年に対して観護措置をとるか否かについて家庭裁判所が判断することになります。
しかし、実務上、捜査段階で逮捕・勾留されていた少年は、家庭裁判所に送致されると観護措置をとられるのがほとんどです。
さて、少年事件の管轄は、「少年行為地、住所、住居又は現在地による」と少年法で定められています。
実務上、事件の捜査を担当した警察署から、その対応する検察庁に事件が送致され、さらにその検察庁に対応する家庭裁判所に送致されますが、家庭裁判所送致後、行為地と少年の住所地が異なる場合には、「保護の適正を期するため特に必要がある」として、少年の住所地を管轄する家庭裁判所に移送されることが多くなっています。
つまり、Aくんは兵庫県淡路市で事件を起こし、兵庫県淡路警察署が捜査を担当しています。
兵庫県淡路警察署は、事件を神戸地方検察庁洲本支部に送致し、神戸地方検察庁洲本支部は神戸家庭裁判所洲本支部に送致します。
神戸家庭裁判所洲本支部は、事件を受理しましたが、Aくんの両親も関東のX県に住んでおり、学校もX県である場合、神戸家庭裁判所洲本支部で調査・審判を行うことは、裁判所にとっても、少年や保護者にとっても不便であり、適当ではないため、Aくんの自宅を管轄する家庭裁判所に移送することになります。
特殊詐欺事件は、都道府県をまたいで行われることが多く、逮捕された少年が、住所地から遠く離れた警察署に留置されることも少なくありません。
そのような場合、少年の家族はすぐに少年に会いにいくことは出来ず不安になられることと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所で、全国に事務所を展開しております。
お子様が逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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自転車に火をつける行為は放火罪?器物損壊罪?
自転車に火をつけた場合、如何なる罪が成立し得るのか、放火罪および器物損壊罪の違いを説明しながら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神崎郡福崎町の集合住宅で自転車が焼けた火事で、兵庫県福崎警察署は、Aさんを器物損壊の疑いで逮捕しました。
逮捕容疑は、〇月△日午後6時頃、集合住宅の共有スペースに停めてあった自転車の前かごに火をつけて壊したということです。
(実際の事件を基にしたフィクションです)
自転車に火をつけた場合、何罪に問われるの?
上のケースでは、Aさんは集合住宅の共有スペースに停めてあった自転車の前かごに火をつけて壊したとの疑いがかけられています。
自転車の前かごに「火をつけて」壊したのだから、「放火罪」が成立するように思えますが、警察は器物損壊の容疑でAさんを逮捕しています。
なぜ放火罪ではなく器物損壊罪が適用されたのでしょうか。
放火罪について
まずは、放火罪についてみていきたいと思います。
刑法は「放火及び失火の罪」として、第108条から第118条まで規定しています。
そのうち、第108条は現住建造物等放火罪、第109条は非現住建造物等放火罪、そして第110条は建造物等以外放火罪について規定しています。
集合住宅の共有スペースに停めてあった自転車の前かごに火をつけた場合、抵触する可能性があるのは第110条の「建造物等以外放火罪」です。
第百十条 放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
◇客体◇
本罪の客体は、「現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物・汽車・電車・艦船・鉱坑」や「現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物・艦船・鉱坑」以外のすべての物です。
建造物等には当たらない建造物や自動車・バイクなどへの放火に適用されることが多いようです。
自転車の前かごも、本罪の客体に当たるでしょう。
◇行為◇
本罪の実行行為は、火を放って目的物を焼損することです。
「火を放つ」とは、目的物の焼損の原因力を与える行為をいい、媒介物を利用する場合も含まれます。
◇公共の危険◇
本罪が成立するためには、実行行為の結果、「公共の危険」が発生することが必要となります。
「公共の危険」の発生は、放火行為によって一般不特定の多数人をして、所定の目的物に延焼しその生命・身体・財産に対し危害を感ぜしめるにつき相当の理由がある状態をいいます。(大判明44・4・24)
ただ、必ずしも108条および109条1項に規定する建造物等に対する延焼の危険のみに限られるものではなく、不特定または多数の人の生命・身体・建造物等以外の財産に対しする危険も含まれるとされます。(最決平15・4・14)
◇故意◇
客体に放火して焼損することの認識に加えて、「公共の危険」の発生についての認識を要するかいなかについて、学説には争いがありますが、判例は不要との立場をとっています。(最判昭60・3・28)
さて、建造物等以外放火罪が成立するポイントとして、「公共の危険」の発生の有無があります。
公共の危険が発生しなかった場合、客体が他人所有のものであり、焼損が器物損壊罪における「損壊」といえる程度に達していれば、「器物損壊罪」が成立することになります。
過去の判例では、具体的状況のもとで、人家等との距離、人家等の構造や材質、火力の程度、被害物件の状況、可燃物の有無や天候などといった周囲の状況を考慮し、一般人の蓋然性判断を基準に危険発生の有無が判断されています。
上のケースは、集合住宅の共有スペースに停めてあった自転車の前かごを放火していますが、当該客体に放火することで、住居スペースなどにも燃え移り不特定多数の人や物に損害を与えるおそれがあったと判断されれば「建造物等以外放火罪」が成立する可能性があります。
一方、そのような「公共の危険」を生じさせたとまでは言えないと判断されれば、「器物損壊罪」が成立することになります。
「建造物等以外放火罪」の法定刑は、1年以上10年以下の懲役であるのに対し、「器物損壊罪」は3年以下の懲役または30万円以下の罰金若しくは科料と大きく異なります。
自身の行った行為が如何なる罪に当たるのか、一度刑事事件に強い弁護士にご相談されてはいかがでしょう。
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器物損壊事件で逮捕されたら
器物損壊事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県西脇市のアパートの窓ガラスに石のようなものが投げつけられ窓ガラス2枚が割られるという事件が発生しました。
住人のVさんが、兵庫県西脇警察署に通報したことで事件が発覚しました。
付近の防犯カメラの映像から、県内に住むAさんの犯行である可能性が浮上しました。
Aさんは、兵庫県西脇警察署の任意同行に応じ、容疑を認めたため、その後器物損壊の容疑で逮捕されることとなりました。
警察は、AさんとVさんとの間に何らかのトラブルがあったとみて調べているとのことです。
(フィクションです)
器物損壊罪について
器物損壊罪は、刑法第261条に規定されています。
第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
器物損壊罪は、他人の物を損壊・傷害した場合に成立する犯罪です。
◇客体◇
器物損壊罪の客体は、公用文書等、他人の私用文書等、建造物・艦船以外のすべての物です。
「公用文書等」とは、刑法第258条の客体である「公務所の用に供する」文書のことで、その作成者、作成の目的等にかかわらず、現に公務所において使用に供せられ、または使用の目的で保管されている文書のことをいいます。
「私用文書等」は、刑法第259条の客体である「権利又は義務に関する他人の文書または電磁的記録」を指し、権利義務の存否、得喪、変更等を証明する文書・電磁的記録のことです。
また、「建造物・艦船等」は、刑法第260条の客体であり、「建造物」とは、家屋その他これに類似する建築物であって、屋蓋を有し、障壁または柱材で支持され、土地に定着し、その内部に人が出入りすることができることが必要となります。「艦船」は、軍艦および船舶を意味します。
これらのものに該当しないすべての物が、器物損壊罪の客体となります。
土地などの不動産、動物も本罪の客体に含まれます。
◇行為◇
器物損壊罪の構成要件的行為は、「損壊」または「傷害」です。
「損壊」とは、物質的に物の全部または一部を害し、または物本来の効用を失わせる行為をいいます。
判例は、食器に放尿する行為、他人の挿苗を引き抜き投棄した行為などが「損壊」に当たるとしています。
「傷害」は、動物を毀損することで、物理的に殺傷する場合だけでなく、動物としての本来の効用を失わせる場合も含みます。
例えば、鯉を流出させる行為や、仕切網のロープを解いて捕獲したイルカを逃す行為も「傷害」に当たるとされます。
◇故意◇
器物損壊罪が成立するためには、故意に「他人の物を損壊・傷害」していなければなりません。
つまり、客体が他人の所有に属すること、および当該行為によって客体を物理的に毀損し、または客体の効用を害することの認識が必要となります。
器物損壊事件で逮捕されたら
器物損壊罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪です。
ですので、器物損壊に問われ、容疑を認めているのであれば、被害者との示談を成立させることが何より重要です。
被害者との示談が成立し、告訴を取下げてもらえれば、事件を早期に解決することができます。
つまり、被害者との示談成立により、終局処分として不起訴を獲得し、逮捕されている場合には釈放となります。
しかし、被害者との示談交渉は、加害者やその家族が直接しないほうがよいでしょう。
なぜなら、捜査機関から被害者の連絡先を教えてもらえることは稀ですし、被害者が直接連絡することを拒否する場合も多いからです。
ですので、弁護士を代理人とし、被害者との示談交渉を行うのが一般的です。
刑事事件を起こし、被害者との示談交渉にお困りであれば、刑事事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所の弁護士にいますぐご相談ください。
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窃盗事件で不処分
少年が窃盗事件を起こし不処分となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県三木市に住む中学生のAくん(14歳)は、市内の書店で漫画本を数冊万引きしたとして、店員に取り押さえられました。
その後、兵庫県三木警察署で取り調べを受けましたが、夕方にはAくんの両親が迎えに来て釈放となりました。
Aくんは、以前にも同じ書店で漫画本を万引きしたことがあり、警察にもそのことを正直に話しています。
翌日、AくんとAくんの両親は、少年事件に強い弁護士に事件について相談しました。
(フィクションです)
窃盗事件:少年による万引き
当たり前のことですが、商品を得るためには代金を支払わなければなりません。
後払いの約束をしていた場合を除いて、代金を支払わずに商品を持って帰る行為は「万引き」であり、「窃盗罪」に当たる犯罪行為です。
兵庫県警察によれば、平成30年中の兵庫県内の少年の非行について、刑法犯少年の中では窃盗犯が最も多く、初発型非行の中では万引きが最も多くなっています。
少年は、「ちょっとだけならバレないだろう。」「少しぐらいパクるぐらい、どうってことない。」などと軽い気持ちで、商品を万引きしてしまう傾向にあります。
万引きは犯罪ですので、場合によっては逮捕されることもあるのです。
少年による万引きが発覚した場合、店によっては被害弁償を行えば警察には通報しないとすることもありますが、万引き犯を見つけたら警察に通報することが決まっている店も多く、発覚後に警察署で被疑者として取調べを受ける可能性も大いにあります。
捜査機関での捜査の結果、犯罪の嫌疑がある場合、または犯罪の嫌疑はないが家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料する場合は、捜査機関は事件を家庭裁判所に送致します。
家庭裁判所に送致された場合、調査・審判を経て、少年に対する処分が決定されます。
その処分の中に「不処分決定」というものがあります。
不処分について
家庭裁判所が下す処分には、保護処分(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致)、検察官送致、都道府県知事又は児童相談所長送致、不処分、審判不開始があります。
「不処分」とは、少年を保護処分や検察官逆送などの処分に付さずとも、少年の更生が十分に期待できる場合、少年を保護処分に付さないことをいいます。
裁判官や調査官による訓戒・指導など教育的な働きかけを行い、少年・保護者がどのように受け止めたかを見た上で、裁判官は不処分とするのが適切か否か判断します。
不処分決定の場合は、審判自体は開かれます。
不処分が決定される多くは、保護処分に付するまでの必要がないと判断される場合です。
少年審判までに少年が更生し、要保護性がなくなった場合などです。
それに向けて、付添人である弁護士は、少年審判までに少年に対して教育的な働きかけを行い、少年が事件に対して深く反省するように努め、生活環境を整えていく等の活動を行います。
このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が窃盗事件を起こし、対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
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美人局で恐喝事件
美人局で恐喝事件となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
大学生のAさんは、友人のBさん、交際相手のCさん(17歳)と共謀し、出会い系アプリで知り合った男性とCさんとがホテルに入ろうとしたところを狙い、「俺の妹に何してくれてんねん。こいつ17やで。犯罪やで。どないしてくれるねん。」などといい、解決金名目で20万円を男性に要求し、ATMで現金を下ろさせて奪取したとして、恐喝容疑で兵庫県小野警察署に逮捕されました。
(フィクションです)
インターネットの普及に伴い、容易に見ず知らずの人と連絡がとれるようになりました。
便利である一方で、それが犯罪に利用されることも増えています。
上記ケースのように、若者が出会い系アプリを利用して、成人を未成年者と出合わせ、ホテルへ行こうとするところにその未成年者の交際相手や親族と名乗る者が現れ、示談金名目に高額な金銭を要求するといった事件が後を絶ちません。
金銭を要求された側も、実際に未成年といかがわしいことをしようとしていた手前、警察に被害を届け出ることは少なく、実際にどのくらい美人局が行われているのかは定かではありません。
美人局を行った場合、強盗罪、恐喝罪、詐欺罪、脅迫罪、強要罪などといった罪に問われる可能性があります。
今回は、恐喝罪について説明します。
恐喝罪
第二百四十九条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
恐喝罪は、人を恐喝して財物または財産上の利益を交付させる罪です。
1.財物恐喝罪(刑法第249条第1項)
◇客体◇
本罪の客体は、他人の所有する財物です。
この財物には、不動産を含むとされます。
◇行為◇
本罪の構成要件的行為は、「人を恐喝して、財物を交付させる」ことです。
恐喝
「恐喝」というのは、脅迫または暴行を手段として、その反抗を抑圧するに足りない程度に相手方を畏怖させ、財物の交付を要求することです。
ここでいう「脅迫」とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
また、「暴行」は、人に対する不法な夕景力の行使を意味します。
「強盗罪」においても、「暴行または脅迫」を用いて行うことが求められますが、強盗罪における暴行・脅迫の程度は、犯行を抑圧する程度であることを必要とされ、恐喝罪のそれは相手方を抑圧するに足りない程度でよいとされています。
交付行為
「交付させた」とは、恐喝行為の結果、畏怖した相手方の処分行為に基づく交付によって、財物の占有を取得することをいいます。
よって、恐喝行為と財物の交付との間には、因果関係がなければなりません。
◇主観的要件◇
本罪の故意は、「他人を恐喝して、畏怖に基づく処分行為により、財物又は財産上不法の利益を得もしうは他人に得させること」の認識です。
この他、判例は、不法領得の意思も必要だとしています。
2.利益恐喝罪(同条第2項)
◇客体◇
本罪の客体は、財産上の利益です。
財産上の利益とは、財物以外の財産的利益のすべて、つまり、債券や担保権の取得、労務・サービスを提供させることだけでなく、債務免除や支払猶予も含みます。
◇行為◇
利益恐喝罪においても、相手方を恐喝した結果、相手方が畏怖し、相手方の意思に基づいて財産上の利益を移転させる処分行為が必要となります。
さて、上記ケースでは、Aさんは、BさんとCさんとグルになって、出会い系アプリで知り合った男性に対して、「未成年者とホテルにいこうとした」ことをネタに解決金名目で20万円を要求し、取得しています。
Aさんは、男性に対して、「俺の妹に何してくれてんねん。こいつ17やで。犯罪やで。どないしてくれるねん。」などと申し向けています。
この手のケースでは、未成年者とのいかがわしい行為は犯罪であることを主張し、そのことを公にしたくなければ金銭で解決すること提案するといったものがほとんどです。
相手方も、自分の行為を公にはしてほしくないですので、「もし暴露されたら大変だ!」と恐れおののき、高額な金銭を恐喝相手に渡してしまうのです。
つまり、脅迫を用いて、相手方を畏怖し、相手方の意思に基づいて、お金を交付させており、恐喝罪が成立するものと考えられます。
恐喝罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
恐喝罪で起訴され、有罪となれば、実刑となる可能性があるということです。
そのような事態を回避するためにも、早期の段階から刑事事件に強い弁護士に相談・依頼し、適切な弁護活動を行うこと重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談や初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

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少年事件における身体拘束②:家庭裁判所送致後
少年事件における身体拘束について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県三田市にある民家を訪れ、弁護士の秘書と偽り住民女性からキャッシュカードを盗み取ったとして、兵庫県三田警察署は、Aくん(17歳)を窃盗の疑いで逮捕しました。
Aくんは、「簡単に稼げる仕事がある」と知人から紹介され、これまで数件同様の犯行を行っていました。
「仕事内容が特殊詐欺だということは分かっていたが、簡単に大金が手に入るのと、一度やったらやめるとは言いにくくなった。」と供述しています。
逮捕の連絡を受けたAくんの家族は、警察から「身体拘束期間は長くなることを覚悟してください。」と言われて、今後のことが心配になり、急いで少年事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が事件を起こした場合、少年であっても身体拘束を受ける可能性があります。
前回のブログでは、家庭裁判所送致前の捜査段階における少年の身体拘束の可能性について取り上げました。
今回は、家庭裁判所に送致された後の身体拘束の可能性についてみていきたいとおもいます。
家庭裁判所送致後の身柄拘束
捜査機関は、少年の被疑事件について、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合であっても家庭裁判所に審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
これを「全件送致主義」といいます。
少年事件では、成人の刑事事件のように、起訴猶予や微罪処分といった捜査機関限りで事件を終了させることは認められていません。
事件が家庭裁判所に送致された後に、少年が身体拘束を受けるのは、「観護措置」がとられた場合です。
「観護措置」というのは、家庭裁判所が調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りつつ、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことです。
観護措置には、家庭裁判所調査官の観護に付する措置(「在宅観護」)と、少年鑑別所に収容する措置(「収容観護」)の2種類がありますが、前者は実務上ほとんど活用されていません。
ですので、「観護措置」というときは後者を指すものとなっています。
観護措置の要件
少年法第17条第1項は、観護措置の要件として、「審判を行うため必要があるとき」と規定していますが、その他の要件については明記していません。
一般的には、次のような要件があると言われています。
①審判条件があること。
②少年が非行を犯したことを疑うに足りる相当の理由があること。
③審判を行う蓋然性があること。
④観護措置の必要性が認められること。
④の「観護措置の必要性」については、以下のいずれかの事由がある場合に認められるとされます。
(a)調査、審判および決定の執行を円滑、確実に行うために、少年の身体を確保する必要があること。(住所不定、証拠隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあるため、身体を確保する必要性がある場合など)
(b)緊急的に少年の保護が必要であること。(自殺自傷のおそれがある、家族から虐待を受けるおそれがある、不良集団等の影響により非行性が急速に進行するおそれがある場合など)
(c)少年を収容して心身鑑別をする必要があること。
観護措置の期間は、法律上は2週間を超えることはできず、特に継続の必要があるときに1回に限り更新することができるとされていますが、実務上は、更新されるのが通常であり、観護措置の期間は、概ね4週間となっています。
観護措置がとられた場合、家庭裁判所に送致された後、1か月間少年鑑別所に収容されることになります。
そのため、学校や職場に行くことができず、退学や懲戒解雇となる可能性は高まります。
一方で、少年が少年鑑別所に収容されることで、少年が落ち着いた環境で事件や少年自身が抱える問題についてしっかり考えることができるなど、少年の更生に資する機会と成り得るという側面もあります。
もちろん、不当・不要な少年の身体拘束は回避すべきです。
しかし、長期的な観点から、少年の更生にとって何が必要であるか、一度少年事件に精通する弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。
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少年事件における身体拘束①:捜査段階
少年事件における身体拘束について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県三田市にある民家を訪れ、弁護士の秘書と偽り住民女性からキャッシュカードを盗み取ったとして、兵庫県三田警察署は、Aくん(17歳)を窃盗の疑いで逮捕しました。
Aくんは、「簡単に稼げる仕事がある」と知人から紹介され、これまで数件同様の犯行を行っていました。
「仕事内容が特殊詐欺だということは分かっていたが、簡単に大金が手に入るのと、一度やったらやめるとは言いにくくなった。」と供述しています。
逮捕の連絡を受けたAくんの家族は、警察から「身体拘束期間は長くなることを覚悟してください。」と言われて、今後のことが心配になり、急いで少年事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)が事件を起こした場合、少年であっても身体拘束を受ける可能性があります。
捜査段階での身体拘束
少年が事件を起こすと、成人の刑事事件の場合と同様に、捜査段階では刑事訴訟法が適用されることから、捜査機関に逮捕される可能性はあります。
ただし、14歳未満の者に対しては、刑事責任は問われませんので、犯罪は成立せず、捜査機関によって逮捕されることはありません。
逮捕後の流れは、次の通りです。
逮捕から48時間以内に、警察は事件を検察に送るか、それとも少年を釈放するかを決めます。
警察から検察に少年の身柄付きで送致されると、検察は少年の身柄を受けてから24時間以内に、送られてきた関係書類や少年の弁解を聴いた上で、少年を釈放するか、それとも勾留請求をするかを決定します。
勾留請求がなされると、裁判官は少年と面談をした上で、少年を勾留するか、釈放するかを判断します。
勾留が決定すると、勾留請求がされた日から原則10日間身柄が拘束されることになります。
身体拘束は、成人にとっても重大な不利益となりますが、心身ともに未熟で発展途上である少年の場合は、成人以上に重大な悪影響を与えるでしょう。
長期の身体拘束により、学校や職場に行くことができず、退学や懲戒解雇となる可能性も高まります。
そうなれば、身体拘束は少年の更生に資するどころか逆に作用しかねません。
このように、少年にとって身体拘束は重大な不利益を及ぼし得るものですので、少年法は、少年の勾留について、勾留についての特則や勾留に代わる観護措置の制度を設けるなどし、少年に対する身体拘束に配慮しています。
勾留についての特則
少年を勾留する場合、成人の場合と同様の「勾留の要件」に加えて、「やむを得ない場合」であることが必要とされます。
また、少年の勾留場所を、少年鑑別所とすることができます。
少年を警察留置施設で勾留する場合であっても、少年を成人とは分離して収容されます。
勾留に代わる観護措置
検察官は、刑事訴訟法上の勾留の要件を満たすと判断した場合でも、裁判官に対して勾留に代わる観護措置の請求をすることができます。
勾留に代わる観護措置の手続は、基本的に勾留に関する規定が準用されますが、次の点が勾留とは異なります。
●勾留に代わる観護措置には、少年鑑別所収容の観護措置に加えて、家庭裁判所調査官による観護の方法もとることができます。
●勾留は延長が出来るのに対して、勾留に代わる観護措置の期間は、検察官の請求があった日から10日間であり、延長することはできません。
●勾留に代わる観護措置として少年鑑別所収容がとられた事件が、家庭裁判所に送致されると、当然に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされ、引き続き身体拘束を受けることになります。
このように、少年であっても、家庭裁判所に送致される前の捜査段階において身体拘束を受ける可能性はあります。
勾留延長が認められると、逮捕から最大で23日間もの身体拘束を余儀なくされてしまいます。
その間、学校や職場には行くことはできませんので、先述したように退学や懲戒解雇となる可能性は高くなります。
そのような事態を防ぐため、長期の身体拘束を回避すべく関係各所に働きかけることが重要です。
弁護士は、逮捕から勾留請求までの間に、勾留の要件を満たしていないことを客観的な証拠を付して検察官に主張し、検察官が勾留請求しないよう働きかけます。
検察官が勾留請求をした場合には、裁判官に対して、同様に勾留を決定しないよう主張します。
裁判官が勾留を決定した後であっても、勾留に対する準抗告という勾留決定に対する不服申し立てを行います。
このような活動は、刑事事件・少年事件に精通した弁護士に任せるのがよいでしょう。
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お子様が事件を起こしてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
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初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
刑事事件で執行猶予
刑事事件で執行猶予
刑罰の種類と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県加西警察署に詐欺容疑で逮捕された会社員のAさんは、借金返済のためにネットで募集していた高額アルバイトに応募し、いわゆる「受け子」として特殊詐欺に関与していました。
警察からは、正式裁判になると言われているAさんは、どうにか実刑判決は避けられないものかと、接見にきた弁護士に執行猶予について聞いています。
(フィクションです)
刑罰にはどんなものがあるの?
刑罰は、犯罪に対する反作用であり、犯罪を行った者に対して科される制裁であるとされます。
刑法および特別刑法において「刑」とされる刑罰は、刑法第9条に定められる主刑または付加刑としての7種類の刑を指します。
第九条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。
「主刑」とは、独立に科し言い渡すことができる刑罰をいい、「付加刑」とは、主刑に付加してのみ科し言い渡すことができる刑罰をいいます。
刑罰を科せられることによって受刑者がはく奪される法益という観点から、刑罰を種類分けすると、次のように分けられます。
(1)生命刑:受刑者の生命を剥奪する刑罰(死刑)
現行法上最も重い究極の刑罰です。
死刑は、刑事施設内において、絞首して執行されます。
(2)自由刑:受刑者の自由を剥奪する刑罰(懲役刑、禁錮刑、拘留刑)
①懲役
懲役は、最も主要な刑罰ですが、死刑に次ぐ重い刑罰となっています。
「所定の作業を行わせる」点で禁錮や拘留とは異なります。
無期及び有期の場合があり、有期は1月以上20年以下とされています。
ただし、有期懲役を加重減軽する場合には、30年にまで引き上げることができ、1月未満に引き下げることができます。
②禁錮
所定の作業がない点で懲役と異なりますが、希望により許可されることもあります。
③拘留
30日未満の短期自由刑で、軽微な犯罪に対する刑として定められています。
(3)財産刑:受刑者から一定額の財産を剥奪する刑罰(罰金刑、科料刑、没収)
①罰金
1万円以上の財産刑です。
②科料
千円以上1万円未満の軽微な財産刑で、軽微な犯罪に対する刑として定められています。
罰金・科料を完納することができない場合には、労役場に留置されます。
③没収
上の主刑に付加して科される財産刑で、物の所有権を剥奪して、国庫に帰属させる処分をいいます。
没収の対象となるのは、以下のものです。
・偽造通貨行使罪における偽造通貨など、犯罪行為を組成した物。
・殺人に使用された凶器であるナイフなど、犯罪行為のために用い、又は用いようとした物。
・通貨偽造罪における偽造通貨など、犯罪行為によって生じた物、又は賭博によって得た金銭など、犯罪行為によって得た物、犯罪行為の報酬として得た物。
・犯罪行為によって生じた物、犯罪行為によって得た物、犯罪行為の報酬として得た物の対価として得た物。
没収は、その物が共犯者を含む犯人以外の者に帰属しない場合に限り許可されます。
有罪判決が言い渡されると、上のような刑罰が科される可能性があるわけですが、検察官に起訴され、有罪となった場合、必ずしも言い渡された刑罰がすぐに執行されるわけではありません。
執行猶予とは
執行猶予とは、一定の期間他の刑事事件を起こさないことを条件として、刑の執行を猶予する制度をいいます。
執行猶予付きの判決が言い渡された場合、すぐに刑務所に行くことはなく、執行猶予期間中に無事に経過すれば、裁判官から言い渡された刑罰を実際に受けなくて済むのです。
執行猶予の対象となる要件は、
①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者、
②前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者
について、3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金を言い渡す場合となります。
しかし、以上の要件は執行猶予の対象となる要件であり、執行猶予を付けるか否かは、裁判官が決めます。
上の要件を満たしており、かつ、「本人が反省している」「犯罪が悪質でない」「執行猶予を付しても再犯のおそれがない」といった情状が考慮され、執行猶予を付けるか否かを判断します。
刑事事件を起こし、有罪となった場合でも、執行猶予により直ちに刑務所に入ることなく社会に復帰することができるのです。
執行猶予とならないかお困りの方は、刑事事件に精通する弁護士に執行猶予獲得に向けた弁護活動を依頼されるのがよいでしょう。
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