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少年法の適用される事件②
少年法の適用される事件②
少年法の適用される事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県朝来市に住む高校生のAくんは、交際相手を巡って同級生のVくんともめていました。
ある日、Aくんは仲間2人とともに、Vくんを公園に呼び出し、話をつけようと考えました。
Vくんが反抗的な態度をとったので、Aくんは頭にきて、仲間とともにV君に対して殴る蹴るの暴行を加えました。
Vくんが兵庫県朝来警察署に被害届を出したことで、今回の事件が警察に発覚し、Aくんらは傷害の容疑で逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんのお母さんは、慌てて兵庫県朝来警察署に面会に行きましたが、まだ会えないと言われ、どうしたものかと困っています。
(フィクションです)
どのような事件に少年法が適用されるのか
前回に引き続き、少年法が適用される事件について紹介していきたいと思います。
今回は、3つ目の「少年の刑事事件」について概観します。
少年の刑事事件
少年が犯罪を犯した場合、成人の場合と同様に被疑事件として捜査機関による捜査を受けます。
捜査機関による捜査が終了すると、原則、全ての事件が家庭裁判所に送致されます。
これらの事件は、「少年保護事件」として家庭裁判所において審理され、ほとんどの場合、家庭裁判所で終了することになります。
しかし、刑事処分を相当とする事件については、検察官に送致され、刑事事件として刑事手続に基づいて事件が処理されることになります。
犯行時16歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件については、原則、検察官に送致されます。
送致を受けた検察官は、原則として刑事裁判所に公訴を提起しなければなりません。
検察官に事件が送致された場合であっても、家庭裁判所に再送致されたり、刑事裁判所から少年の被告人を保護処分に付するのが相当であると認めて移送され、再び家庭裁判所で少年保護事件として処理される場合もあります。
このように、少年の刑事事件とは、少年の犯罪事件が、
①家庭裁判所に送致される前の段階における少年の被疑事件
②家庭裁判所から検察官へ送致され刑事裁判所へ公訴を提起される前の段階における少年の被疑事件
③公訴提起後の被告事件
といいます。
少年の刑事事件の処理手続については、原則、成人の刑事事件における手続と同様に取り扱われますが、少年法は、刑法、刑事訴訟法、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律等の一般法に対する特則を定めています。
例えば、以下のような点があげられます。
・少年の勾留は、「やむを得ない場合」にとられ、勾留に代わる観護措置が設けられています。
・審理の妨げとならない限り、他の被告事件から手続を分離しなければならず、刑事施設・留置施設・海上保安留置施設においては、成人と分離して収容しなければなりません。
・刑事裁判所は、家庭裁判所の取り調べた証拠をつとめて取り調べるようにしなければなりません。
・少年に対する刑罰は、犯行時18歳未満であった場合、死刑と無期刑が緩和されます。
このように、少年が犯罪を犯した場合、事件の進行段階により、成人の刑事事件における手続が適用されることもあれば、少年法が適用されることもあります。
ですので、お子様が事件を起こしたしまったのであれば、すぐに刑事事件・少年事件に強い弁護士に相談することをおすすめします。
逮捕されてから勾留までの間、少年の家族であっても少年と面会することはできません。
そのような段階においても、弁護士であれば、いつでも少年と面会することができます。
成人であっても逮捕され身柄が拘束されると、身体的にも精神的にも大きな苦痛を感じるものです。
心身ともに発達途上の少年であれば、なおさら不安に駆られることでしょう。
早く釈放されたいという思いから、自分に不利な供述をしてしまう可能性も大いにありますので、逮捕されたらすぐに弁護士に接見をご依頼ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
お子様が逮捕された場合には、弊所の弁護士が留置施設に赴きお子様と直接接見を行う「初回接見サービス」をご案内いたします。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までご連絡ください。
専門スタッフがご対応させていただきます。
少年法の適用される事件①
少年法の適用される事件①
少年法の適用される事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県朝来市に住む高校生のAくんは、交際相手を巡って同級生のVくんともめていました。
ある日、Aくんは仲間2人とともに、Vくんを公園に呼び出し、話をつけようと考えました。
Vくんが反抗的な態度をとったので、Aくんは頭にきて、仲間とともにV君に対して殴る蹴るの暴行を加えました。
Vくんが兵庫県朝来警察署に被害届を出したことで、今回の事件が警察に発覚し、Aくんらは傷害の容疑で逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんのお母さんは、慌てて兵庫県朝来警察署に面会に行きましたが、まだ会えないと言われ、どうしたものかと困っています。
(フィクションです)
どのような事件に少年法が適用されるのか
少年法は、少年保護手続に関する刑事訴訟法の特則を規定した法律です。
その第1条は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とすることを規定しています。
この少年法が適用される事件は、「少年保護事件」、「準少年保護事件」、「少年の刑事事件」の3つです。
今回は、少年保護事件と準少年保護事件について概観します。
(1)少年保護事件
家庭裁判所が取り扱う非行少年に対する事件を「少年保護事件」といいます。
また、家庭裁判所が非行少年の性格の矯正及び環境の調整に関する措置を行う手続を「少年保護手続」といいます。
ここでいう「非行少年」とは、20歳未満の者であり、犯罪少年、触法少年、虞犯少年の総称で、「審判に付すべき少年」ともいいます。
①犯罪少年
犯罪少年とは、犯罪に該当する行為をした少年をいいます。
刑事未成年者である14歳未満の者は、これに含まれません。
犯罪の種類は限定されていないことから、刑法犯に限らず、道路交通法違反や大麻取締法などの特別法犯も対象となります。
犯罪少年について、構成要件該当性、違法性の各要件を満たす必要があることに異論はありません。
したがって、構成要件に該当する行為を行ったとしても、違法性阻却事由に該当する場合には、犯罪は成立せず、犯罪少年に当たらないことになります。
一方、有責性の要件の具備については、裁判例や学説が分かれています。
②触法少年
触法少年とは、14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年をいいます。
14歳未満の者の行為は、刑法上の犯罪にはなりません。
しかし、少年法上は保護処分の対象となります。
③虞犯少年
虞犯少年とは、次に掲げる事由(虞犯事由)があり、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年をいいます。
虞犯事由は、次の通りです。
・保護者の正当な監督に服しない性癖のあること
・正当な理由がなく家庭に寄り付かないこと
・犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入りすること
・自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること
このような虞犯少年を家庭裁判所の審判に付すこととなっているのは、いまだ犯罪又は刑罰法令に触れる行為をするに至っていない不良少年を早期に発見し、少年の行状・性格・環境等から犯罪的危険性が看守される場合には、少年に適切な保護を加え、少年の健全な育成を図るとともに、犯罪の発生を未然に防ぐ目的があります。
(2)準少年保護事件
「準少年保護事件」とは、①保護処分取消事件、②収容継続申請事件、③戻し収容申請事件、そして、④施設送致申請事件の4種類の事件を指します。
上の「少年保護事件」が「非行少年」を対象とするのに対し、「準少年保護事件」は保護処分中又は保護処分終了後の少年について、その保護処分を対象とする事件です。
少年法が適用される事件は、成人の刑事事件とは異なる手続に基づいて処理されます。
ですので、お子様が事件を起こしてしまった場合には、早期に少年法に精通する弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件と刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
兵庫県朝来市でお子様が事件を起こしてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。
少年事件と観護措置
少年事件と観護措置
少年事件と観護措置について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県多可郡多可町に住む中学3年生のAくんは、同級生のBくんとCくんとともに、他の学校に通うVくんを呼び出し、殴る蹴るなどの暴行を加えました。
Vくんが兵庫県西脇警察署に被害届を提出したことにより、事件が発覚しました。
Aくんらは、中学校卒業直後に兵庫県西脇警察署に逮捕されました。
Aくんは、最初はVくんに暴行を加えることに乗り気ではなかったのですが、その場の雰囲気に流され、Vくんを2回ほど蹴ってしまったと供述しています。
Aくんの両親は、このまま身体拘束が続くと高校の入学式にも出席することが出来ないのではないかと心配しています。
(フィクションです)
少年の身体拘束~観護措置について~
14歳以上20日未満の少年が事件を起こしてしまった場合、長期の身体拘束を受ける可能性があります。
捜査段階では、成人の刑事事件と同様に、逮捕・勾留による身体拘束が予想されます。
事件が発覚し、少年を逮捕・勾留する必要があると判断される場合には、手続に従い裁判所の判断の基、逮捕・勾留されることとなります。
少年の場合には、勾留に代わりに「勾留に代わる観護措置」がとられることもあります。
捜査が終了し、事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は「観護措置」をとり、審判までの数週間にわたって少年を少年鑑別所に収容することができます。
「観護措置」とは、家庭裁判所が調査・審判を円滑に行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護し、その安全を図る措置のことをいいます。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する措置(在宅観護)と、少年鑑別所に収容する措置(収容観護)とがありますが、実務上、前者はほとんど活用されておらず、観護措置という時には後者を指すものとされています。
家庭裁判所は、家庭裁判所に事件が係属している間は、いつでも観護措置をとることができますが、捜査段階で身体拘束を受けていた少年が家庭裁判所に送致されると、送致時にそのまま観護措置をとるケースがほとんどです。
捜査段階で身体拘束がされていない場合であっても、家庭裁判所に送致された後、観護措置をとる必要があると判断されれば、観護措置がとられることがあります。
観護措置の期間は、法律上では原則2週間とし、とくに継続の必要があるときに1回に限り更新することができるとされているものの、実務上は、ほとんどの事件で更新されており、観護措置の期間は通常4週間となっています。
そのような長い期間、少年鑑別所に収容されることになれば、少年はその間学校や職場に行くことはできませんので、少年の社会復帰に影響を及ぼすことになりかねません。
特に、捜査段階から身体拘束を受けている少年にとっては、逮捕から1か月半もの間収容されることになり、少年の更生にも影響を及ぼしかねません。
そこで、観護措置を回避するため、付添人である弁護士は、身体拘束の長期化を避けるよう活動します。
事案や生活状況を鑑みて、観護措置の必要性がないと判断する場合や、観護措置を避ける必要がある場合には、弁護士は、家庭裁判所の送致される時期を事前に確認し、送致後すぐに付添人届を提出するとともに、裁判官・調査官との面談や意見書の提出を行い、家庭裁判所が観護措置をとる必要がないと判断するよう働きかけます。
このような活動は、少年事件に精通する弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こして身体拘束を受けてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までご連絡ください。
少年の刑事事件
少年の刑事事件
少年の刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神戸市西区に住む高校生のAくん(17歳)は、勉強のストレスを発散するため、夜中ジョギングをしていました。
Aくんがいつものように近所をジョギングしていると、前方にミニスカートをはいた大学生ぐらいの女性が帰宅しているのを見かけました。
Aくんは、その女性の後を付け、背後から女性に抱きつき、服の中に手を入れ、女性の胸を鷲掴みにしました。
女性の叫び声を聞き、我に返ったAくんは、そのまま逃走しました。
後日、兵庫県神戸西警察署の警察官がAくん宅を訪れ、Aくんはそのまま連れて行かれました。
Aくんの両親は、訳が分からず慌てて少年事件に詳しい弁護士に相談の電話を入れました。
(フィクションです)
少年の刑事事件
上記のケースでは、Aさんに対して強制わいせつ罪が成立するでしょう。
少年事件も、警察や検察庁で捜査を受けている段階では、概ね成人の場合と違いはありません。
しかし、たとえば以下の点が異なります。
(1)捜査部門が異なる場合がある
強制わいせつ事件の場合、多くの警察署では刑事課で取り扱われています。
しかし、少年が犯した罪の場合には、生活安全課の中にある少年係(警察署の規模によって、これらの呼び方は異なります)によって取り扱われることが多くなっています。
(2)逮捕に続く身体拘束に種類がある
逮捕された後、更に捜査のため、必要がある場合には、裁判所の決定により、さらに身体拘束をすることができます。
成人の場合には、勾留という制度しかなく、10日間(場合によってはさらに10日間の合計20日間)身体拘束が継続されます。
これに対し、少年の場合には、勾留することも可能ですが、勾留に代えて観護措置をとることもできます(これを「勾留に代わる観護措置」と呼んでいます)。
少年でも勾留された場合には、最長20日間の身体拘束が可能ですが、勾留に代わる観護措置がとられた場合には、10日間の身体拘束しかできません。
また、成人の場合には勾留されると警察署又は拘置所に留置されるのに対し、少年の場合には、少年鑑別所に留置される場合もあります(勾留に代わる観護措置の場合には、必ず少年鑑別所に留置されます)。
(3)勾留要件が異なる
少年でも勾留できるのは既に述べた通りですが、検察官が勾留を請求した場合であっても、「やむを得ない事由」がなければ勾留できないとされています(少年法43条3項)。
この要件の意味はそれほど明確ではありませんが、本来少年は、その未成熟さから身体拘束の長期化や、警察署での身体拘束は控えるべきであると考えられているところ、そのような要請があってもなお勾留という20日間の身体拘束によらなければ捜査が終了しないという状況であると考えられます。
少年と学校の問題
少年が学校に通っている場合、少年が身体拘束を受けている間は、学校に行くことができません。
長期欠席により、定期試験を受けることができない、更には事件のことが学校に発覚し退学となってしまう可能性もあります。
都道府県によっては、警察が少年を逮捕した段階で、警察から学校に通報が行くという制度が設けられているところがあります。
事件が学校に発覚すると、ご両親の所に学校から事情を尋ねる問い合わせがあるのはもちろんのこと、最終的には本人に停学や退学などの処分がなされる可能性があります。
特に私立学校ではこのような傾向が強いということができます。
少年が事件を起こし逮捕されてしまった場合、学校に継続的に通学をするためには、早期の身体拘束からの解放が不可欠です。
逮捕の種類にもよりますが、通常逮捕日の次の日には勾留(ないしは勾留に代わる観護措置)をするかしないかの手続きが行われます。
早期の段階に弁護士をつけ、勾留を判断する裁判官に対し、事情を説明するなどして、身体拘束を継続しないよう説得することが必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を専門に扱う法律事務所です。
所属弁護士は、強制わいせつ事件を含め数多くの刑事事件・少年事件を扱ってきております。
お子様が事件を起こして捜査機関に逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談、初回接見サービスのご予約は、フリーダイアル0120-631-881までご連絡ください。
ぐ犯少年の少年事件手続
ぐ犯少年の少年事件手続
ぐ犯少年の少年事件手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
Aさん(16歳)は、私立の高校に進学しましたが、学校に馴染めず、3か月で高校を中退しました。
その後、家にもあまり帰らなくなり、友人宅を転々とするようになりました。
ある日、友人数名と他人に傷害を負わせたとして、兵庫県兵庫警察署に身柄が拘束されたとAさんの両親に連絡が入りました。
Aさんは、現場にはいたものの事件には関与していないとして釈放されましたが、警察からは、Aさんの生活状況から家庭裁判所に送致すると言われました。
Aさんの両親は、今後どのような流れになるのか心配になり、少年事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
ぐ犯少年とは
「ぐ犯少年」とは、ぐ犯事由があり、その性格や環境からみて、将来罪を犯すおそれ(ぐ犯性)のある20歳未満の少年のことをいいます。
「ぐ犯事由」というのは、次に掲げる事由です。
①保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
②正当な理由なく家庭に寄り附かないこと。
③犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること。
④自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
ぐ犯性があるか否かは、知能や性格等の本人の問題点だけでなく、家庭や学校、友人関係等の環境的要因等も総合的に検討されます。
ぐ犯少年の事件における手続
ぐ犯少年発見から家庭裁判所送致まで
警察は、ぐ犯少年を発見した場合、当該少年が18歳以上20歳未満である場合には、家庭裁判所に送致・通告します。
14歳以上18歳未満のぐ犯少年の場合、事案の内容、家庭環境等から判断して家庭裁判所または児童相談所のいずれかに送致・通告し、14歳未満の場合には児童相談所に通告します。
家庭裁判所送致後
家庭裁判所は事件を受理すると、家庭裁判所調査官が少年の要保護性に関しての調査を行います。
審判では、非行事実と要保護性について審理されますが、保護事件としての性質上、要保護性の有無・程度の判断が重要な意味を持ちます。
そして、調査官の調査結果が、要保護性判断の最も重要な資料となります。
事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は「観護措置」をとるか否かを決定します。
「観護措置」とは、家庭裁判所が調査・審判を行うために、少年の身柄を保全し、調査・鑑別などを行いながら少年を保護するための措置のことです。
観護措置の期間は、原則2週間とされていますが、ほとんどの事件で更新され、原則4週間といえる運用がなされているが実情です。
審判では、調査官による調査結果や鑑別所の行った鑑別結果を総合的に考慮し、裁判官は少年の更生に適した処分を決定します。
審判で決定される保護処分として、以下のものがあります。
・保護観察:少年を施設に収容せず、在宅で、保護観察所の指導監督の下、少年の更生を図る社会内処遇。
・児童自立支援施設・児童養護施設送致決定:施錠のなし開放的な施設で生活指導等を行う処遇。
・少年院送致決定:少年の身柄を収容し、少年に対して矯正教育を施す処遇。
これらの終局的な保護処分以外に、終局処分の決定を一定期間留保する中間処分として「試験観察決定」がなされる場合があります。
また、死刑・懲役・禁錮に当たる罪を犯した少年について、家庭裁判所が保護処分ではなく刑事処分を相当と認める場合に、「検察官送致」がさなれることもあります。
お子様がぐ犯少年として家庭裁判所に送致され、対応にお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の少年事件専門の弁護士にご相談ください。
少年事件では、非行事実のみならず要保護性も審判の審理対象となりますので、非行事実が軽微であっても、要保護性が高いとみなされると少年院送致といった厳しい処分となる可能性もあります。
そのような事態を回避するためにも、早い段階から少年事件に精通した弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。
少年の保護事件
少年の保護事件
少年の保護事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県小野市に住む中学生のAくんは、商業施設内で見知らぬ女性のスカート内をスマートフォンで盗撮したところ、被害者女性の知人に見つかってしまいました。
通報を受けて駆け付けた兵庫県小野警察署の警察官に逮捕されましたが、その日、Aくんの両親が身元引受人となることで釈放されました。
警察で何度か取調べを受けた後、神戸地方検察庁から呼び出しがありました。
今後、神戸家庭裁判所姫路支部に送致すると言われましたが、一体どのような流れになり、どんな処分を受けるのか不安になったAくんと両親は、慌てて少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
少年の保護事件
家庭裁判所における非行少年の事件を「少年保護事件」といいます。
家庭裁判所は、非行があるとされる少年について、非行事実の有無を確定し、非行のある少年の性格や環境の問題点に応じて、当該少年の更生に向けて適した処分を決定します。
この手続は「少年保護手続」と呼ばれます。
家庭裁判所の審判に付すべき少年(=非行のある少年)は、以下の3つに分類されます。
(1)犯罪少年
14歳以上20歳未満の法律上の犯罪を犯した少年です。
刑法はもちろん、道路交通法などの特別法に触れる場合もすべて含まれます。
構成要件該当性、違法性、有責性の要件を充たせば、犯罪が成立するため、審判に付すべき犯罪少年となります。
(2)触法少年
14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年です。
14歳未満の少年は、刑事責任が問われないため、刑事未成年で行った行為が犯罪とならず、犯罪少年と区別されます。
年齢は、行為時が基準となります。
(3)虞犯少年
犯罪に結びつくような問題行動があって、要保護性は高いが、犯罪に至っていない少年です。
保護者の正当な監督に服さない、正当な理由がないのに家庭に寄り付かない、犯罪性のある人や不道徳な人と交際する、いかがわしい場所に出入りする、自分や他人の徳性を害する行為をする性癖があるなどという一定の事由があり、その性格や環境からみて、将来罪を犯すおそれがある場合に、虞犯少年となります。
非行少年は、その多くが、警察や検察からの送致、児童相談所長等の送致・通告によって家庭裁判所に係属し、調査、審判、処遇決定が行われます。
少年保護手続は、「少年の健全な育成を期し」て、非行少年に対して「性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う」ものとされます。(少年法第1条)
つまり、少年に再非行を防止するために必要な教育を行って、少年の社会復帰を果たさせるよう、保護観察、児童自立支援施設送致、少年院送致といった保護処分を決定・実施する手続です。
家庭裁判所に係属する少年保護事件において、全ての少年が保護処分に付されるわけではありません。
問題の程度に応じて手続の各段階で、少年の自立的な立ち直りを期して手続が終了となることもあります。
・簡易送致:非行が軽微であり、教育の必要がない場合、警察は、証拠書類の添付を省略し、簡易な書類の送致だけ行います。簡易送致がされた場合、家庭裁判所が事件を受理した後、基本的に少年に対する調査を行うことなく、審判を開始しない決定をします。
・児童相談所長等送致:調査の結果、児童福祉法上の措置が相当な場合、児童相談所長等に送致されます。
・審判不開始:調査および保護的措置の結果、それ以上の処分が必要ないと判断した場合には、審判を開始しない旨の決定をします。
・不処分:調査の結果、審判は行うが、審判において保護処分に付すまでの必要がないと判断されると、不処分決定となります。
一方、14歳以上の少年の犯罪は、罪質や情状により、事件が検察官に送致され、刑事手続による刑事裁判を受ける場合もあります。(「検察官送致」)
以上のように、少年保護手続は、福祉的な処分から刑事処分まで幅広い処分が設けられており、専門的な調査結果を参考に、少年の健全な育成のために最も適した処分が選択されます。
兵庫県内の少年事件でお困りの方、どのような処分となるのかご不安な方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
少年事件・刑事事件を専門に扱う弁護士が、少年一人ひとりと向き合い、更生に適した処分となるよう尽力します。
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少年事件における勾留に代わる観護措置
少年事件における勾留に代わる観護措置
少年事件における勾留に代わる観護措置について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
中学生のAくん(15歳)は、見知らむ女の子(6歳)に声をかけ、長時間連れまわしたとして、兵庫県赤穂警察署の警察官に未成年者誘拐の容疑で逮捕されました。
その後、検察官は勾留に代わる観護措置を請求し、裁判官は勾留に代わる観護措置をとる決定を行いました。
Aくんの両親は、逮捕後に釈放されるものだと思っていたので、今後どのような流れになるのか心配になり、慌てて少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
捜査段階における流れ
14歳以上20歳未満の者が、犯罪を犯した場合(14歳以上で罪を犯した少年を「犯罪少年」といいます。)、成人の場合と同様に、警察に逮捕されることがあります。
少年であっても、捜査段階では基本的に刑事訴訟法が適用されます。
つまり、逮捕された場合、警察は48時間内に、少年を釈放するか検察に送致するかを決定します。
検察に送致した場合、検察官は少年の身柄を受けて、少年を釈放するか勾留請求をするかを決定します。
この点、少年法は、少年被疑者の身体拘束について、成人の場合とは異なる規定を設けています。
その一つが、「勾留に代わる観護措置」の制度です。
勾留に代わる観護措置とは
第四十三条 検察官は、少年の被疑事件においては、裁判官に対して、勾留の請求に代え、第十七条第一項の措置を請求することができる。但し、第十七条第一項第一号の措置は、家庭裁判所の裁判官に対して、これを請求しなければならない。
2 前項の請求を受けた裁判官は、第十七条第一項の措置に関して、家庭裁判所と同一の権限を有する。
3 検察官は、少年の被疑事件においては、やむを得ない場合でなければ、裁判官に対して、勾留を請求することはできない。
少年の場合には、検察官は、刑事訴訟法上の勾留の要件を満たすと判断した場合であっても、裁判官に対して、勾留に代わる観護措置の請求をすることができ、裁判官は、この措置をとることができます。
勾留に代わる観護措置の手続は、基本的に勾留に関する規定が準用されていますが、以下の点で勾留と異なります。
・少年鑑別所収容の観護措置のほかに、家庭裁判所調査官による観護の方法もとることができます。
・勾留は延長が可能ですが、勾留に代わる観護措置の期間は、検察官が請求した日から10日で、延長は認められません。
・勾留に代わる観護措置として少年鑑別所収容がとられた事件が、家庭裁判所に送致された場合、当然に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされます。
身体拘束は、心身ともに未熟で発達途中である少年にとっては、成人以上の大きな影響を及ぼしかねませんので、警察留置施設に勾留される場合であっても、少年を成人と同じ留置施設に勾留することには様々な悪影響があることが考慮され、成人とは分離して留置されます。
少年の年齢が14~15歳の場合に、勾留に代わる観護措置がとられることが多いようです。
勾留に代わる観護措置がとられた場合、その期間は10日と延長はありませんが、その後家庭裁判所に送致された後に、当然に少年鑑別所収容の観護措置とみなされますので、引き続き審判終了までの間、身体拘束となります。
もちろん、その間、学校には行くことができません。
長期間欠席することで、退学となったり、事件のことが周囲に知られたりと、少年の更生に悪影響を及ぼしてしまうおそれもあります。
そのような事態を防ぐためにも、逮捕されたら、すぐに少年事件に強い弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士は、少年と接見し、事情を聴いた上で、少年が逃亡・罪証隠滅するおそれがないこと説得的に検察官や裁判官に主張し、勾留、或いは、勾留に代わる観護措置がとられることのないよう働きかけます。
このような活動は、刑事事件のみならず少年事件にも精通する弁護士にお任せされるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし、逮捕されてお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
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弁護人・付添人の選任
弁護人・付添人の選任
少年事件における弁護人・付添人の選任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県明石市に住むAくん(18歳)は、深夜の公園で仲間数人と集まっていました。
警戒中の兵庫県明石警察署の警察官は、Aくんらに職務質問をしました。
しかし、Aくんらの様子がおかしいことから、所持品検査を行うと、ポケットから大麻とみられる植物片が見つかりました。
そのままAくんらは兵庫県明石署に連行され、その後、逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、すぐに対応してくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)
少年事件における弁護人・付添人
被疑者段階
事件の発覚から家庭裁判所送致までの被疑者段階では、少年と成人の手続に顕著な差異はありません。
少年であっても、少年または少年と一定の関係にある者は、いつでも、弁護人を選任することができます。(刑事訴訟法第30条)
第三十条 被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。
2 被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。
弁護人は、違法・不当な捜査活動がなされないよう監視したり、被疑事実を認めている場合には示談交渉を行うなど、被疑者である少年の権利・利益を擁護する役割を担っています。
この弁護人には、「私選弁護人」と「国選弁護人」とがあります。
私選弁護人
少年または少年の家族などから選任された弁護人で、弁護士費用は自己負担となります。
身体拘束の有無にかかわらず、被疑者その他の選任権者は、いつでも弁護人を選任することができます。
私選弁護人は最大3人までつけることができます。
国選弁護人
捜査段階においては、少年事件も成人事件と同様に、刑事訴訟法の適用を受けます。
被疑者国選弁護人が選任される要件に該当する場合には、国がその費用を負担する国選弁護人を選任することができます。
被疑者国選弁護人が選任される要件とは、以下のものです。
・対象事件が、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる事件」。
・少年が「貧困その他の事由により弁護人を選任することができない」。
被疑者国選弁護人制度は、逮捕後勾留前の段階では、利用することはできません。
少年事件では、「勾留に代わる観護措置」により少年鑑別所に収容された場合にも、被疑者国選弁護人の選任が可能です。
被疑者国選弁護人制度は、身体拘束されていない在宅事件には適用されません。
家庭裁判所送致後
少年が家庭裁判所に送致された後、少年及び保護者は、家庭裁判所の許可を得て、付添人を選任することができます。
ただし、弁護士を付添人とする場合には、家庭裁判所の許可は要りません。
付添人は、少年の権利を擁護し、その代弁者としての役割と、少年の更生に向けて家庭裁判所と協力し援助する役割を担っています。
私選付添人
少年及び保護者は、自ら付添人を選任することができます。
捜査段階で私選弁護人を選任している場合であっても、弁護人選任の効力は家庭裁判所送致時に失われるので、同じ弁護士を付添人として選任するのであっても、家庭裁判所送致後に改めて家庭裁判所に付添人選任届を提出しなければなりません。
国選付添人
私選弁護人の場合と同様に、捜査段階で被疑者国選弁護人の選任効力は失われるので、被疑者国選弁護人が当然に国選付添人になるわけではありません。
平成26年施行の改正少年法によって国選付添対象事件の範囲が拡大し、被疑者国選弁護対象事件と同じ範囲にまで拡大されましたが、国選付添人を選任するか否かは、家庭裁判所の裁量に委ねられています。
家庭裁判所は、犯罪少年又は触法少年のうち、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪」に該当する非行に及んだ者について、「観護措置」がとられており、弁護士の付添人がいない場合に、事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮して、審判の手続に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは、弁護士である付添人を付けることができます。
ただし、検察官関与決定がなされた事件で、少年に弁護士である付添人がいないときは、家庭裁判所は弁護士である付添人を付けなければなりません。
少年事件も、成人の刑事事件と同様に、少年の権利・利益の擁護や少年の更生に向けた活動を行う弁護士の役割は大きいと言えるでしょう。
しかし、医者にも内科医や外科医といった専門性があるように、必ずしもすべての弁護士が少年事件・刑事事件に精通しているわけではありません。
少年事件・刑事事件でお困りであれば、専門の弁護士にご相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こしてお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
フリーダイアル0120-631-881へご連絡ください。
(兵庫県明石警察署までの初回接見費用:37,800円)
少年事件で観護措置回避
少年事件で観護措置回避
少年事件で観護措置回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県西宮市に住む少年Aさん(16歳、高校1年生)が、友人と共謀し、ドラッグストアの化粧品など計5点を万引きしたとして兵庫県甲子園警察署に逮捕されました。
Aさんらは、今回の他にも、同様の手口で万引きを繰り返しており、Aさんは見張り役として関与していました。
Aさんは、逮捕後に勾留され、心配した両親が少年事件専門の弁護士に弁護を依頼することになりました。
Aさんは、その後、神戸家庭裁判所尼崎支部に送致されましたが、付添人の働きかけにより、観護措置をしない旨の決定をしました。
(フィクションです)
観護措置について
観護措置とは、家庭裁判所が調査・審判を円滑に行うために、一定期間少年を少年鑑別所に収容し、調査や鑑別などを行い、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護し少年の安全を図る措置のことをいいます。
逮捕・勾留されている身柄事件の場合、家庭裁判所に送致された日に、裁判官による審問手続を経た上で、その日のうちに決定されます。
観護措置には、家庭裁判所調査官の観護に付する在宅看護と、少年鑑別所に収容する収容観護の2種類がありますが、実務上、前者はほとんど活用されることはなく、観護措置という場合は後者を指すのが通例となっています。
観護措置の期間は、法律では原則2週間とされていますが、実務上は、ほとんどの事件で1回更新されていますので、4週間が通例となっています。
少年法は、観護措置の要件について、「審判を行うために必要があるとき」と規定しており、その詳細については定めていませんが、一般的には以下の要件をみたす必要があると考えられています。
①審判条件があること
②少年が非行を犯したことを疑うに足りる事情があること
③審判を行う蓋然性があること
④観護措置の必要性が認められること
④の要件については、以下の事由がある場合に認められます。
ア 調査・審判・決定の執行を円滑・確実に行うために少年の身体を確保する必要があること
イ 緊急に少年の保護が必要であること
ウ 少年を収容し心身鑑別をする必要があること
実務上、身柄事件として家庭裁判所に送致された少年の多くについて、観護措置の決定がなされています。
しかし、観護措置により、少年の身柄を約4週間拘束することになりますから、少年の学業や就業にとって大きな障害となり、ひいては少年の更生への妨げとなる場合も少なくありません。
そのような場合には、弁護士は付添人として、観護措置決定を回避するための活動を積極的に行う必要があります。
観護措置の決定がなされた場合であっても、観護措置決定に対する不服申し立てを検討すべき場合もあります。
観護措置決定を回避するために、付添人は、具体的には以下のような活動を行います。
・少年が家庭裁判所に送致される日を確認し、送致されたらすぐに付添人選任届、観護措置をとる必要がない旨の意見書及び保護者の陳述書や身元引受書、少年作成の反省文など、必要な資料を家庭裁判所に提出。
・家庭裁判所の裁判官との面談を申し入れ、事件について説明し、かつ、裁判官が把握していないであろう少年に有利な事情を説明し、観護措置をとる必要がない旨を主張。
このような活動により、身柄事件であっても、観護措置がとられない可能性を高めることができます。
お子様が事件を起こしてしまい、逮捕・勾留された、家庭裁判所に送致され観護措置がとられる可能性があると心配されているのであれば、今すぐ少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。
(兵庫県甲子園警察署までの初回接見費用:36,200円)
特殊詐欺事件で試験観察を経て保護観察処分へ
特殊詐欺事件で試験観察を経て保護観察処分へ
特殊詐欺事件での試験観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
少年(19歳)は、他の共犯者らと共謀の上、特殊詐欺組織の現金受け取り役として被害者宅に赴き、被害者から現金300万円を受け取ろうとしていたところ、待機していた兵庫県淡路警察署の警察官に逮捕されました。
少年は、逮捕・勾留後、家庭裁判所に送致され、観護措置がとられました。
本件の他にも、同様の特殊詐欺事件に関与したとして、余罪についても家庭裁判所に追送致されました。
少年の両親は、このままでは少年院送致となるのではないかと心配になり、少年事件専門の弁護士に相談しました。
少年事件専門の弁護士を付添人に選任し、第一回審判では試験観察となり、3か月間の試験観察を経て、第二回審判では保護観察処分が言い渡されました。
(事実を基にしたフィクションです)
特殊詐欺事件と少年事件
「高額アルバイト」などと称して、少年に特殊詐欺の片棒を担がせるケースが後を絶ちません。
特殊詐欺に関与した少年たちは、何も非行歴のある少年に限りません。
その多くが、非行歴や補導歴もない少年たちなのです。
「簡単」「高収入」といった甘い言葉を鵜呑みにして、犯罪組織の末端の役割を担った結果、捜査機関に逮捕されてしまうケースが多く見受けられます。
特殊詐欺事件は、被害額も多く、社会的な影響が大きいことや、組織犯罪の資金源となっていることが多く、近年厳しく処罰される傾向にあります。
20歳未満の少年の場合、初犯であっても、いきなり少年院送致の処分となる可能性もあるのです。
試験観察とは
少年事件は、原則、すべての事件が、捜査機関による捜査が終了すると、家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致されると、調査官による調査、少年審判を経て、少年の更生に適した処分が決定されます。
その処分には、中間処分と終局処分とがあります。
相当の期間、少年を調査官の観察に付すとする家庭裁判所の決定を「試験観察」といいます。
試験観察は、少年に対する終局処分を一定期間保留し、その期間に少年の行動等を調査官の観察に付するために行われる中間処分です。
少年の更生にとって保護観察がいいのか、少年院送致がよいのか、すぐに判断することが出来ない場合に、試験観察とし、その期間に少年の要保護性に関する十分な調査を行い、また少年自身の更生に向けた行動や態度の改善を期待する制度です。
少年が日記をつけることや、定期的に家庭裁判所に出向き調査官と面接することなどといった遵守事項が定められることが多くなっています。
試験観察の期間は、通常3か月から半年ほどです。
特殊詐欺事件の様な少年院送致の可能性がある少年事件の場合で、審判準備をする中で、ただちに終局的処分を決めるよりも、調査官による調査や関係者による働きかけや環境調整を行う方が、少年の更生のためになり、終局処分が少年にとってより良いものになると考えられる場合には、試験観察を利用することが良いこともあります。
この期間中における少年の様子から、社会内処遇での更生が可能だと判断されると、保護観察処分となる可能性は高まります。
そのため、付添人は、試験観察期間中、少年と定期的に連絡を取り、少年の生活を把握するとともに、面会を行い、少年の更生への意欲を高め、引き続き少年の生活環境の改善を行う等、試験観察の成果がより上がるよう努めます。
兵庫県の少年事件でお困りの方、少年院に収容されるのではと心配されていらっしゃるのであれば、少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談されてはいかがでしょうか。
詳しくは、フリーダイアル0210-631-881までお問い合わせください。