Archive for the ‘性犯罪’ Category

監護者わいせつの容疑で逮捕

2019-12-06

監護者わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県赤穂市に住むAさんは、5年前にBさんと結婚しました。
Bさんには13歳になる娘Vさんがいましたが、ある日学校から、「Vさんがお義父さんから性的虐待を受けているようだ。」との連絡を受けました。
Vさんは児童相談所に保護され、Aさんは兵庫県赤穂警察署から監護者わいせつの容疑で取り調べを受けています。
Aさんは、今後逮捕されるのではないかと思い、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

監護者わいせつ罪について

2017年の刑法改正に伴い、「監護者わいせつ罪」および「監護者性交等罪」が新設されました。
改正以前は、「強制わいせつ罪」および「強姦罪」は、13歳以上の者に対しては、「暴行または脅迫」を用いて、わいせつ行為や性行為が行われる必要がありました。
しかし、被害者と加害者が親子関係にある場合、支配関係に置かれ、被害者が心理的に抵抗することが困難な状態であることが多く、「強制わいせつ罪」や「強姦罪」では処罰することができませんでした。
そこで、監護者によるわいせつ及び性交等の行為を処罰する規定が新たに設けられたのです。

今回は、監護者わいせつ罪について解説します。

第百七十九条 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条の例による。

◇主体と客体◇

客体は、18歳未満の男女です。
行為者との関係では、現に監督されている者であることが必要となります。

主体は、18歳未満の者を法律上または事実上「現に監護する者」です。
「監護する」とは、監督し、保護することです。
法律上の監護権に基づかなくても、事実上、現に18歳未満の者を監督し、保護する者であれば、「現に監護する者」となりますが、法律上の監護権を有している者であっても、実際に監護している実態がなければ「現に監護する者」に当たらないことになります。
「現に監護する者」に当たるか否かは、同居しているかどうか、居住場所に関する指定等の状況、指導の状況、身の回りの世話等の生活状況、生活費の支出などの経済的状況、未成年者に関する諸手続等を行う状況などを考慮して判断されます。
ですので、教師やクラブ活動のコーチ等の指導者などについては、上のような点を考慮すると、「監護者」には当たらないことになります。

◇行為◇

監護者わいせつ罪の構成要件的行為は、「現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をする」ことです。
前半の「現に監護する者であることによる影響力」というのは、監護者が、被監護者の生活全般にわたし経済的・精神的な観点から、現に被監護者を監督し、保護することにより生じる影響力(人の意思決定に何らかの作用を及ぼし得る力)のことです。
そのような影響力が一般的に存在し、当該行為時においてもその影響力を及ぼしている状態で、わいせつな行為をすることが、当該影響力があることに「乗じて」となります。

◇故意◇

本罪の成立には、被害者の年齢および実行行為の認識が必要です。
監護者の立場を利用して行う行為を処罰するものであるため、被害者が同意していたか否かは問題となりません。
ですので、行為者が被害者の同意があるものと誤信していた場合にも、故意の存否には影響しないことになります。

◇処罰◇

刑法第176条に規定される強制わいせつ罪と同様の法定刑となりますので、監護者わいせつ罪で起訴され有罪が言い渡されると、6月以上10年以下の懲役が科される可能性があります。

監護者わいせつ罪は、その法定刑には罰金刑がなく懲役刑のみとなっています。
また、被害者との関係性から、罪証隠滅のおそれが認められ、逮捕後に勾留に付され、長期の身体拘束が強いられる可能性は高いでしょう。

監護者わいせつ罪を含めた刑事事件でお困りであれば、刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

ストーカー規制法違反で警告されたら

2019-11-30

ストーカー規制法違反での警告について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、元交際相手のVさんが住むマンションへ複数回押し掛けたとして、兵庫県福崎警察署からストーカー規制法違反の疑いで警告を受けました。
警察からは、「今後Vさんと連絡をとったり、家に押し掛けたりしないように。」と言われました。
Aさんは、「Vさんから突然別れを切り出されたので、ただその理由を聞きたかっただけだ。」と供述しています。
Aさんは、今後逮捕される可能性はあるのか心配になり、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

ストーカー規制法について

「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(以下、「ストーカー規制法」といいます。)は、ストーカー行為を処罰の対象としており、つきまとい等の行為を取り締まる法律です。

ストーカー規制法で対象となる行為は「つきまとい等」と「ストーカー行為」です。

「つきまとい等」

「つきまとい等」とは、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」で、「当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し」、次の8つの類型の行為をすることです。

①つきまとい、待ち伏せ行為など
 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居・勤務先・学校その他その通常所在する場所の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること。
②監視していると告げる行為
 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
③面会・交際などの要求
 面会・交際その他義務のないことを行うことを要求すること。
④乱暴な言動
 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
⑤無言電話、電子メールなどの送付
 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず連続して電話をかけ、FAXを送信し、若しくは電子メールを送信すること。
⑥汚物などの送付
 汚物・動物の死体その他著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
⑦名誉を害する行為
 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
⑧性的羞恥心を害する行為
 その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、若しくはその知り得る状態に置くこと。

「ストーカー行為」

「ストーカー行為」とは、「同一の者に対し、つきまとい等(①~④までの行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復して行うこと」をいいます。

「つきまとい等」、「ストーカー行為」の処罰規定

1.ストーカー行為に対する罪

ストーカー行為をした者に対して、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金を科すと規定しています。
ストーカー行為に対する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」です。

2.禁止命令等に違反する罪

ストーカー規制法は、禁止命令等違反に対する罰則を3種類に分けて規定しています。
(a)禁止命令等に違反してストーカー行為を行った者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(b)禁止命令等に違反してつきまとい等をすることにより、ストーカー行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(c)禁止命令等に違反した者は、50万円の罰金に処する。

警告・禁止命令等について

警察本部長等は、警告を求める旨の申出を受けた場合、つきまとい等の行為者に対して、さらに反復してつきまとい等を行ってはならない旨を警告することができます。
都道府県公安委員会は、警告を受けた者が警告に従わず、さらにつきまとい等を行った場合において、行為者がさらに反復してつきまとい等を行うおそれがあると認めるときには、さらに反復してつきまとい等をしてはならない旨の命令を発することができます。

Aさんの場合、Vさんが警察に相談したところ、まずは警察からAさんに「警告」がなされました。
警告されたことで、逮捕されることはありませんが、その後も、Vさんに対してつきまとい等に該当する行為を繰り返したのであれば、公安委員会から禁止命令等が出される、もしくは、ストーカー行為をしたとしてVさんから告訴がなされ、いきなり逮捕されるという可能性もあります。

ストーカー規制法違反で加害者となり対応にお困りであれば、刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。
問題の行為が「つきまとい等」や「ストーカー行為」に当たるのか、逮捕された場合の流れ等について、しっかりと相談しておきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡を。

強制わいせつ事件で被害者と示談

2019-11-29

強制わいせつ事件で被害者との示談に向けた活動やその効果について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
SNSで知り合った相手と食事をした後、無理やりキスをされ、胸やお尻を触わられたとして、女性が兵庫県たつの警察署に被害届を出しました。
強制わいせつの容疑で出頭要請を受けたAさんは、警察に「拒絶されなかったので好意があったと思ってした。」と供述しており、被害女性に謝罪したいと申し出ました。
警察から弁護士を介して示談交渉をやるよう勧められたAさんは、その後、刑事事件専門の弁護士に事件について相談することにしました。
(フィクションです)

強制わいせつ罪について

強制わいせつ罪は、刑法第176条に次のように規定されています。

第百七十六条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

被害者が13歳以上の者の場合、「暴行または脅迫」を手段としてわいせつな行為をしたことが必要となります。
強制わいせつ罪が成立するためには、「暴行・脅迫」は、その犯行を著しく困難にさせる程度のものであることが必要です。

「わいせつな行為」とは、性的な意味を有し、被害者の性的羞恥心の対象となるような行為をいいます。
強制わいせつ罪においては、本人の性的自由が保護法益となるため、性的秩序が問題となる公然わいせつ罪の「わいせつな行為」とは内容が異なります。

強制わいせつ事件と示談

強制わいせつ事件のような被害者が存在する事件では、被害者対応が最も重要な弁護活動のひとつとなります。
被害者感情が重視される昨今、検察官が起訴するかしないかを判断する際、または裁判官がどのような刑を科すべきかを決めるにあたって、被害者との間で示談が成立しているか否かといった点が考慮されます。

示談」というのは、加害者が被害者に対して相応の弁償金を支払う一方、被害者は被害届の提出を行わない、或いは被害届を取り下げるなど、当事者間では今回の事件は解決したと約束することをいいます。
強制わいせつ罪は、被害者の告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」ではありませんので、被害者との示談が成立したからといって、検察官が起訴することができないわけではありません。
しかし、被害者からの許しが得られていることを重視し、起訴をしない処分(不起訴処分)とする可能性は高いでしょう。

示談交渉は、当事者間で行うことはあまりお勧めできません。
なぜなら、捜査機関から加害者に対して被害者の連絡先を教えることはほとんどなく、また、被害者も加害者によって精神的苦痛を負わされ直接連絡をとることに応じるケースは多くありません。
ですので、第三者である弁護士を介して行うのが一般的です。
特に、刑事事件に精通しており示談交渉にも豊富な経験のある弁護士を代理人として被害者との示談交渉を進めることで、円滑な交渉が期待できるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
強制わいせつ事件を起こし、対応にお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

強制性交等事件で逮捕

2019-11-28

強制性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県美方郡新温泉町に住むAくん(18歳)は、知人のVさんに対して無理やり性交したとして、兵庫県美方警察署強制性交等の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、急いで接見に行ってくれる弁護士に連絡を入れました。
(フィクションです)

強制性交等罪とは

平成29年の刑法改正により、「強姦罪」は「強制性交等罪」に改められました。
強制性交等罪は、刑法第177条に以下のように規定されています。

第百七十七条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛こう門性交又は口腔くう性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

【客体】
改正前の強姦罪では、女性を被害者とする性交のみを対象としていましたが、改正後の強制性交等罪においては、行為者および被害者の性別は問いません。
つまり、女性でも行為者となり得ますし、男性でも被害者となり得ます。

【行為】
強制性交等罪の行為は、「性交、肛門性交又は口腔性交」です。
「性交」とは、男性性器を女性世紀に挿入する行為をいい、陰茎の少なくとも一部を膣に挿入することを意味します。
陰茎以外の異物を挿入する行為は、「わいせつな行為」となります。
「肛門性交」とは、肛門内に陰茎を挿入する行為をいい、「口腔性交」とは、口腔内に陰茎を挿入する行為をいいます。

【暴行・脅迫】
強制性交等罪が成立するためには、13歳以上の者に対しては、「暴行・脅迫」を用いて性交等を行うことが必要となります。
このような「暴行・脅迫」は、必ずしも相手方の反抗を抑圧する程度のものであることを要せず、その犯行を著しく困難にする程度のものであれば足りると解されます。(最判昭24・5・10)

少年が強制性交等事件で逮捕されたら

強制性交等罪は、その法定刑が5年以上の懲役と、罰金刑もなく刑法犯の中でも重い罪となっています。
少年であっても、強制性交等事件を起こした場合には、逮捕・勾留され長期の身体拘束を余儀なくされる可能性が高いと言えます。
捜査機関による捜査が終了後には、事件が家庭裁判所に送致されることになりますが、家庭裁判所に送致後、少年鑑別所収容の観護措置がとられる可能性も高いでしょう。
強制性交等事件という重大事件の場合には、少年の身体を拘束し少年を鑑別する必要があると判断される傾向にあるからです。
このように、強制性交等事件を少年が起こした場合には、逮捕から長期間身体が拘束されることになるでしょう。

大人であっても、突然日常と切り離された環境に身を置き、連日取調官から取り調べを受けることは、身体的にも精神的にも大きなストレスを抱えることになります。
ましてや心身共に発展途上の少年であれば、抱える不安も大きく、精神的に不安定になり取調官に誘導されるままの調書が作成されてしまうおそれも否定できません。
そのような事態を回避するためにも、逮捕されたら早期に少年事件に精通した弁護士に少年との接見を依頼することが重要です。
弁護士は、少年から事件について詳しく聞いた上で、今後の流れや取調べ対応についてのアドバイスを分かりやすく丁寧に説明します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が強制性交等事件で逮捕されお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

18歳未満との性交等で刑事事件(児童買春)に

2019-11-27

18歳未満との性交等刑事事件児童買春)に発展する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、SNSで知り合ったVさん(16歳)と性行為を行い、現金2万円を渡しました。
その後、AさんはVさんと連絡をとっていませんでしたが、兵庫県佐用警察署から突然連絡があり、「Vさんとの児童買春の件で話が聞きたい。」と言われ、出頭要請を受けました。
Aさんは、一週間後に警察署に出頭する予定ですが、その前に取り調べ対応や今後の流れについて刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

18歳未満の者と性交等を行った場合、犯罪が成立し刑事事件に発展するケースがあります。
前回のブログでは、18歳未満の者との性交等を行った場合に成立し得る犯罪として淫行条例違反について紹介しました。
今回は、児童買春の罪について説明したいと思います。

2.児童買春・児童ポルノ処罰法違反(児童買春の罪)

児童買春・児童ポルノ処罰法(正式には、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」といいます。)は、児童買春、児童ポルノ、そして児童売春に係る行為等を処罰することと定めています。

児童買春・児童ポルノ処罰法における「児童買春」とは、児童(18歳未満の者)、児童に対する性交等の周旋をした者、あるいは児童の保護者もしくは児童をその支配下に置いている者に対して、対償を供与し、又はその供与を約束し、当該児童に対し、性交等をすることをいいます。(児童買春・児童ポルノ処罰法第2条第2項)

「対償」は、児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益です。
単にお金を渡すといったものだけでなく、児童と食事をしてその食事代を払ったり、プレゼントを渡したり、児童やその親の雇用を約束をして、児童と性交等をしたのであれば、それが性交等をすることに対する反対給付といえ、食事やプレゼントが経済的な価値としてどの程度のものであるか、雇用の約束が経済的な利益となるか否かを考慮して判断されることになります。

また、「性交等」とは、性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます。
性交類似行為は、手淫・口淫等、性交と同視し得る態様での性的な行為をいいます。
加えて、児童の性器等を触る行為、若しくは児童に自己の性器等を触らせる行為には、性的好奇心を満たす目的がなければなりません。

児童買春に係る罪として、「児童買春罪」、「児童買春周旋罪」、「児童買春勧誘罪」が規定されています。

児童買春罪」は、児童買春をした場合に成立し、罰則は5年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。

18歳未満だと知らなかった!」といった主張がなされるケースがありますが、単に知らなかったことを主張するだけでは捜査機関や裁判所は納得しないでしょう。
例えば、身分証明書を確認したが18歳以上との表記がされていた、相手児童が18歳以上であると言い、会話の内容からもそれが伺える状況であった等であれば、故意はなかったとして児童買春罪は成立しません。
しかし、児童の容姿や児童との会話から「18歳未満かもしれない。」と思ったのであれば、未必の故意が認められ犯罪が成立する可能性があります。

捜査機関からの取調べでも、「18歳未満であるとの認識」について厳しく問われるところですので、自らの認識と異なる調書が作成されないよう注意しなければなりません。
ですので、取調べを受ける前に、刑事事件に詳しい弁護士に取り調べ対応についてアドバイスを受けるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

18歳未満との性交等で刑事事件(淫行条例違反)に

2019-11-26

18歳未満との性交等刑事事件淫行条例違反)に発展する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、SNSを通じて知り合ったVさん(16歳)と実際に会う約束をしました。
Vさんからはっきりとは年齢を確認していませんでしたが、メール等のやり取りで、Vさんが高校生であることは知っていました。
Aさんは、Vさんと食事やカラオケを楽しんだ後に、ホテルでVさんと性交しました。
その後も、AさんはVさんと連絡を取り合っていましたが、突然連絡が取れなくなり不安に思っていたところ、兵庫県川西警察署からAさんに「Vさんとの件について話が聞きたい」との連絡が入りました。
(フィクションです)

18歳未満の者と性交等を行った場合、犯罪が成立し刑事事件に発展するケースがあります。
以下では、18歳未満の者との性交等を行った場合に成立し得る犯罪について説明します。

1.青少年愛護条例違反(淫行条例違反)

都道府県あるいは市町村は、青少年保護育成とその環境整備を目的にした青少年保護育成条例を制定しています。
当該条例において、青少年とは、18歳未満の者をいうとされます。
兵庫県は、「青少年愛護条例」という名称です。
青少年愛護条例を含めた青少年保護育成条例は、青少年との「淫行」を規制する条文、いわゆる「淫行条例」を設けています。

兵庫県青少年愛護条例は、以下のように規定しています。

第21条 何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。

禁止されているのは、「みだなら性行為又はわいせつな行為」をすること、そして、そのような行為を教え・見せること、です。
「みだらな性行為」に関して、福岡県青少年保護育成条例により規制される「淫行」についてですが、最高裁判所が次のように解釈しています。

本条例10条1項の規定にいう「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である。けだし、右の「淫行」を広く青少年に対する性行為一般を指すものと解するときは、「淫らな」性行為を指す「淫行」の用語自体の意義に添わないばかりでなく、例えば婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある青少年との間で行われる性行為等、社会通念上およそ処罰の対象として考え難いものを含むこととなつて、その解釈は広きに失することが明らかであり、また、前記「淫行」を目にして単に反倫理的あるいは不純な性行為と解するのでは、犯罪の構成要件として不明確であるとの批判を免れないのであつて、前記の規定の文理から合理的に導き出され得る解釈の範囲内で、前叙のように限定して解するのを相当とする。(最大判昭60・10・23)

第21条第1項の規定に違反した場合の罰則は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
第21条第2項の規定に違反する行為を業として行った場合の罰則は、50万円以下の罰金です。
また、第21条第2項の規定に違反した場合の罰則は、30万円以下の罰金または科料です。

上の判例が示すように、18歳未満の者との性交等すべてが淫行条例違反となるわけではありません。
結婚を前提として真剣な交際関係にあった場合には、罪とはなりません。
しかし、買春でもなくレイプでもなく、青少年の合意の下に行った場合でも、当事者の年齢差や行為に至るまでの経緯なども考慮して、淫行条例違反に当たるかどうかが判断されるので、単に「交際していました!」という主張だけでは通らないことが多いでしょう。
最近では、ネットを通じて知り合ったというケースが多く見受けられますが、お互いにメールや電話でのやり取りの中で交際関係を認めたとしても、はじめて実際に会った日に性交等の行為に及ぶといった経緯がある場合には、真摯な交際関係にあったというのは難しいでしょう。

いずれにせよ、個々のケースによりどのような対応を行うべきかは異なりますので、淫行条例違反でお困りであれば、刑事事件に強い弁護士に一度相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

わいせつ物頒布等事件で逮捕

2019-11-25

わいせつ物頒布等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県美方郡新温泉町に住むAさんは、自分の性器などを撮影したわいせつな画像をインターネットのオークションサイトで販売したとして、兵庫県美方警察署わいせつ物頒布の疑いで逮捕されました。
Aさんは容疑を認めていますが、今後どのような流れになるのか不安で、弁護士との接見を希望しています。
(フィクションです)

わいせつ物頒布等罪とは

わいせつ物頒布等罪は、刑法第175条に次のように規定されています。

第百七十五条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

1.「わいせつ」の意義

判例は、わいせつとは「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」であるとしています。(最判昭26・5・10)
わいせつ性の判断は、一般社会の良識・社会通念を基準として行われます。

わいせつ性と芸術表現とを区別する基準については、常に論争の的となってきました。
最近では、漫画家の女性が自身の女性器の3Dデータを配ったり、女性器をかたどった作品を展示したとして、わいせつ物頒布やわいせつ物陳列の罪で起訴された事件がありましたが、女性は「芸術活動の一環」であり「わいせつ物」ではないとわいせつ性を争っていました。
第一審では、アダルトショップで展示していた女性器をかたどった石膏が、その着色や装飾によってポップアートの一種ととらえることが可能だとして、アート作品として認めた一方、3Dデータについては、女性器の形状を立体的、忠実に再現しているとしてわいせつ物として認め、有罪となりました。

2.客体

わいせつ物頒布等罪の客体は、わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物、わいせつな電磁的記録その他の記録、です。
「図画」には、写真、映画フィルム、ビデオテープなどが含まれます。
わいせつ画像データを記憶・蔵置させたパソコンネットのホスト・コンピュータのハードディスクは、電磁的記録に係る記録媒体に含まれます。

3.構成要件的行為

わいせつ物頒布等罪の構成要件的行為は、頒布・公然陳列・所持・保管です。
「頒布」というのは、不特定又は多数の人に、わいせつ物を有償または無償で交付することをです。(大判大6・5・19)
「頒布」には、電子メールでわいせつ画像を不特定または多数の人に送信して取得させたり、インターネットを通じてわいせつ画像をパソコンにダウンロードさせる行為も含まれます。
「公然陳列」とは、不特定または多数の人が観覧できる状態に置くことをいいます。(最決平13・7・10)
これには、映画の映写や、インターネットによりホストコンピュータのハードディスクに記憶・蔵置させた画像データを閲覧可能にすることも含まれます。

また、「保管」とは、電磁的記録を自己の管理・実力支配に置くことを意味し、「所持」とは、物を携帯に限らず事実上支配することをいいます。
所持・保管については、有償で頒布する目的が必要となります。

4.故意

判例によれば、文書等の客体がわいせつであるか否かは事実認定の問題ではなく法解釈の問題であるとして、問題となる記載の存在およびその頒布の認識があれば故意が認められ、その記載のある客体がわいせつ性を具備しているとの認識まで必要とするものではないとの立場をとっています。(最大判昭32・3・13)
判例の立場に立てば、客観的にわいせつ性が認められる場合、行為者がわいせつではないと信じていたとしても、違法性の錯誤して故意を阻却しないことになります。

このように、自身では「わいせつ」な物ではないと芸術性を主張したとしても、それが認められずわいせつ物頒布等罪に当たる可能性もあるのです。

ご家族がわいせつ物頒布等事件で逮捕されてお困りの方は、刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

公然わいせつで未成年の子供が逮捕されたら

2019-11-24

未成年の子供公然わいせつ逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県朝来市の路上で、一人で帰宅中の女児に自己の陰部を露出したとして、同市に住む中学生のAくん(14歳)が兵庫県朝来警察署に公然わいせつ容疑で逮捕されました。
早朝にAくんの自宅に警察官が訪れ、「公然わいせつ事件でAくんに話が聞きたい。」と言われ、Aくんの部屋を家宅捜索後に、警察官はAくんを警察署に連れて行きました。
自宅に居たAくんの母親は、詳細を警察官に尋ねましたが、詳しいことは教えてくれず、Aくんを連行後しばらくして「Aくんを公然わいせつ容疑で逮捕しました。」との連絡がAくんの母親宛てにありました。
Aくんの母親は急いで父親に事件について連絡したところ、父親は急いですぐに接見に行ってくれる弁護士を探し接見を依頼しました。
(フィクションです)

公然わいせつ罪とは

公然わいせつ罪は、刑法第174条に次のように規定されています。

第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

公然わいせつ罪は、「公然と」「わいせつな行為」をすることによって成立する犯罪です。

「公然」とは、「不特定または多数人が認識することのできる状態」をいいます。(最決昭32・5・22)
不特定であれば少数でもよく、多数であれば特定人の集団でも構いません。
また、特定かつ少数の者にわいせつな行為を見せた場合であっても、不特定多数の者を勧誘した結果集まったのであれば公然性が認められます。(最決昭31・3・6)

「わいせつな行為」の意義については、判例は、「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」をいうと解しています。(最判昭26・5・10、最大判昭32・3・13、最判昭55・11・28など)
わいせつ性の判断は、一般社会の良識・社会通念を基準として行われます。

未成年の子供が逮捕されたら

20歳未満の未成年が事件を起こした場合、成人の刑事事件の場合と同様に、逮捕される可能性はあります。
ただし、14歳未満の少年の場合は、刑法上の規定により刑事責任に問われることがないため、逮捕されることはありません。

逮捕」は、被疑者の身柄を拘束し、引き続き短時間その拘束を続ける処分のことです。
この逮捕には、通常逮捕、現行犯逮捕、緊急逮捕の3種類があります。
逮捕されると、身柄は警察署に移され、逮捕から48時間以内に警察から検察に事件に送られるかどうかが判断されます。
警察から検察に事件が送致された場合、検察は少年の身柄を受けてから24時間以内に勾留請求をするか、それとも釈放するかを決めます。
検察が勾留請求した場合、請求を受けて裁判官が勾留するか釈放するかを判断します。
少年の場合は、検察が「勾留に代わる観護措置」を裁判官に請求することができます。
勾留に代わる観護措置となれば、留置先が少年鑑別所となり、期間は10日間です。

逮捕から勾留が決定するまでの間は、少年の家族であっても少年と会うことは基本的に認められません。
成人であっても突然の逮捕をうけて大きな不安を抱くものですので、未だ心身ともに発展段階の未成年の子供であればなおさらそうでしょう。
ですので、逮捕の連絡を受けたら、できるだけ早く弁護士に接見を依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
未成年の子供が事件を起こし逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

強制わいせつ致傷事件で裁判員裁判

2019-10-28

強制わいせつ致傷事件で裁判員裁判

強制わいせつ致傷事件と裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県川西市に住むVさんは、アルバイトが終わり最寄駅から自宅まで徒歩で帰宅していました。
すると、人気のない場所で、突然背後から何者かに羽交い絞めにして引き倒され、「大声出したらしばくからな。」と言われ、服の中に手を入れられ胸を鷲掴みにされました。
Vさんは必死に抵抗したため、犯人はそのまま走り去っていきました。
Vさんは引き倒された際に膝や腕に怪我をしていました。
Vさんは兵庫県川西警察署に被害届を提出し、同署は捜査に着手しました。
後日、兵庫県川西警察署は、市内に住むAさんを強制わいせつ致傷の容疑で逮捕しました。
強制わいせつ致傷事件は裁判員裁判対象事件やからな。」と警察から言われたAさんは、接見に訪れた弁護士に裁判員裁判について質問しました。
(フィクションです)

強制わいせつ致傷罪について

強制わいせつ致傷罪は、強制わいせつ罪または強制わいせつ未遂罪を犯し、その結果人を負傷される犯罪です。
強制わいせつ致傷罪は、強制わいせつ罪には暴行・脅迫という手段をもって実行され、被害者に致傷結果が生じることが多いため、これを重く処罰するものです。
強制わいせつ致傷罪の法定刑は、無期または3年以上20年以下の有期懲役です。

裁判員裁判とは

通常、裁判は、裁判官が行います。
これは、民事事件も刑事事件も変わりありません。
しかし、一定の事件については、裁判官3名と、一般市民から選ばれた裁判員6名の合計9名で裁判が開かれます。
このような裁判のことを「裁判員裁判」といいます。

裁判員裁判対象事件は、①死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる事件、そして、②法定合議事件(短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪の事件の一部)であって故意の犯罪により人を死亡させた事件(①に当たるものを除く)です。
殺人罪や放火罪は①に当たり、傷害致死罪は②になります。
また、法定刑に死刑又は無期の刑がある事件は、人が死亡したかどうかを問いませんから、殺人未遂罪も①によって対象事件となります。
これらに対し、過失運転致死罪は、故意の犯罪ではありませんから、①②のいずれにも当てはまらず、裁判員裁判対象事件ではありません。
Aさんは、強制わいせつ致傷罪で起訴される可能性がありますから、そうなればAさんは裁判員裁判で裁かれることになります。

裁判員裁判の進み方

裁判員裁判は、通常の裁判とは異なる進み方をします。
通常の裁判では、法廷に裁判官・検察官・弁護人・被告人が出席したうえで、公開の法廷で議論が進められます。
これに対し、裁判員裁判では、実際の裁判が開かれる前に、公判前整理手続という手続きが行われます。
公判前整理手続とは、裁判員に実際に審理をしてもらう前に、裁判官・検察官・弁護人の三者により、本件事件の争点や、実際に裁判に提出する証拠を整理する手続きをいいます。
このような手続きの中で、事件の争点や、重要な事実が整理され、裁判員には、最初から争点や判断の対象が提示されるようになっています。
公判前整理手続を経た事件の場合、この手続きが終結した後には、特別の事情がない限り新たな証拠の提出が許されなくなります。

このように、裁判員裁判は、裁判員には負担が少ないように設計されていますが、当事者の立場から見れば、適切な時期に適切な主張をしなければならないという制度になっています。
裁判員裁判には、刑事事件に強い弁護士に弁護を依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱っており、裁判員裁判を経験した弁護士も多数所属しております。
ご家族が裁判員裁判対象の事件を起こしてしまいお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

刑事事件と時効の成立

2019-10-22

刑事事件と時効の成立

刑事事件時効の成立について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県川西警察署は、平成21年に10代の女性に性的暴行を加えたとして、兵庫県内に住むAさんを強姦の疑いで逮捕しました。
時効成立まで27時間と差し迫っており、警察は逮捕後すぐに神戸地方検察庁にAさんを送致し、検察はAさんを時効完成直前に起訴しました。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

時効について

一定の事実状態が一定の期間継続することにより、権利を取得しあるいは喪失するという法律効果を認める制度を「時効」といいます。
時効は、大きく分けて、民法上の時効と刑法上の時効とがあります。
今回は、刑法上の時効についてみていきましょう。

刑法上の時効

刑法上の時効には、刑の時効と公訴の時効の2種類があります。

刑の時効

死刑を除く刑の言渡しが確定した後、刑が執行されずに一定の期間が経過したときに、刑の執行を免除する制度です。

公訴の時効

「公訴時効」とは、一定の期間が経過したことによって公訴の提起ができなくなるという制度です。
公訴時効が完了した場合には、判決で免訴の言渡しをしなければなりません。

この公訴時効の本質については、いろいろと論じられていますが、時の経過によって生じる状態に着目して説明する考え方と、公訴時効制度の機能面から説明する考え方とがあります。
前者には、時の経過によって犯罪に対する社会の応報・必罰感情が沈静し、刑の威嚇力や特別予防力が微弱になるため、刑罰権が消滅するとする実体法説、証人の記憶が曖昧になり、証拠も散逸するため、刑事訴追が困難になるとする訴訟法説、そして、実体法説と訴訟法説とが挙げる両方の現象が併存すると説明する混合説とに考え方が分かれています。
しかし、時の経過によって社会の応報感情が必ずしも弱まっていくわけではないし、証拠の観点からの考え方では、刑の軽重に応じて時効期間を定めている点が十分説明できていないとの批判がなされてきました。
一方、機能面から公訴時効の本質を説明する立場には、犯人が一定期間訴追されていない状態が訴追の利益に優先するという新訴訟法説、そして、長期間訴追されないという事実が処罰制限の根拠となるとする新実体法説とがあります。

公訴時効の期間は、刑の軽重に応じて決められています。

刑事訴訟法
第二百五十条 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については三十年
二 長期二十年の懲役又は禁錮に当たる罪については二十年
三 前二号に掲げる罪以外の罪については十年
○2 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 死刑に当たる罪については二十五年
二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年
三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年
四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年
五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
七 拘留又は科料に当たる罪については一年

以前は人を死亡させた罪であって死刑にあたるものについても公訴時効は適用されていましたが、平成22年の改正法により、これらの罪については時の経過により一律に公訴権を消滅させることは適当ではないとして、公訴時効の対象から除外されました。

時効期間は、訴因として掲げられた犯罪事実の法定刑を基準にして算定されます。
法定刑が複数ある場合は、最も重い刑に従い、刑を加重減軽すべき場合には、処断刑ではなく法定刑に従って算定されます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件を起こしてしまい対応に困っている」、「家族が逮捕されたがどうしたらよいのか」、とお悩みであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見のご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

« Older Entries Newer Entries »

keyboard_arrow_up

0120631881 無料相談予約はこちら LINE予約はこちら