住居侵入罪で逮捕

2019-08-04

住居侵入罪で逮捕

~ケース~
兵庫県三木市に住む知人宅に、正当な理由なく侵入したとして、住人Vさんの通報を受けて駆け付けた兵庫県三木警察署の警察官にAさんは住居侵入の容疑で逮捕されました。
Vさんは、最近兵庫県三木市に引っ越してきており、AさんはVさんが以前住んでいた家の隣人で、Aさんとはゴミの出し方等でよく揉めていたそうです。
今回は、Vさんが引っ越す際に出したゴミが指定日以外の日に出されていたということで、Aさんは文句を言いにVさんの引っ越し先に押し掛けたようです。
Aさんは、「正当な理由なくVさん宅内には入ったのではなく、正当な理由があった」と容疑を否認しています。
(フィクションです)

住居侵入罪について

住居侵入罪は、刑法第130条の前段に規定されており、「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し」た場合に成立する犯罪です。

客体

本罪の客体は、「人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船」です。

①人の住居
「人」の住居とは、自らが居住者でない住居ということを意味します。
以前居住していたとしても、住居から離れた(=離脱した)者が、現に居住する者の許諾なく立ち入る場合には、住居侵入罪が成立し得ることになります(最判昭23・11・25)。
「住居」とは、人の起臥寝食に使用される場所をいいます。
使用が一時的であっても構わず、旅館やホテルなどの客室に関して、その利用が短時間であっても、起臥寝食に使用されるものである限り「住居」にあたるとされます(名古屋高判昭26・3・3)。
住居は、建造物である必要はなく、船、電車、自動車などであっても、起臥寝食に使用されているものである限り本罪にいう「住居」にあたります。

②人の看守する邸宅、建造物、艦船
「人の看守する」というのは、人が事実上管理、支配していることをいいます(最判昭59・12・18)。
「邸宅」とは、住居用の建造物で、住居以外のものをいいます。
集合住宅の通路や階段といった共用部分などです。
「建造物」というのは、住居や邸宅以外の建物を広く含むとされます。
「艦船」は、軍艦及び船舶のことです。
また、住居、邸宅及び建造物については、建物自体だけでなく、付属する囲繞地(土地を囲んでいる他の土地)も本罪の客体に含まれます。
ここでいう「囲繞地」というのは、建物に接してその周囲に存在する付属地であって、管理者が門や塀などを設置することで、建物の付属地として建物利用のために供されるものであることが明示されたものをいいます(最判昭51・3・4)。

行為

本罪の行為は、「正当な理由がないのに侵入する」ことです。

①侵入
「侵入」の意義について、判例は「管理権者の意思に反した建造物への立ち入り」というとしています(最判昭58・4・8)。
つまり、許諾権者である管理権者や住居権者の立ち入りについての許可があるか否かによって本罪の成否が決まるということです。
「住居」について許諾権を持つのは住居者です。
また、「邸宅、建造物、艦船」については看守者(=建物について管理権限を有する者)が許諾権者となります。
許諾権者が許可しているか否かによって本罪が成立するか否かが決まるわけですが、判例は、当該許可が欺罔などによる錯誤に基づいて与えられた場合には、その許可を無効として本罪の成立を肯定しています(最判昭23・5・20、最大判昭24・7・22など)。

②正当な理由なく
「正当な理由がないのに」というのは、「違法に」ということを意味します。
住居等への立ち入りは日常的に頻繁に行われるので、その中でも違法なものだけが本罪の構成要件に該当することを明らかにしたものです。
正当な理由のある侵入というのは、法令により捜索等のために看守者の意に反して立ち入る場合のことをいい、看守者の意に反してまで建造物に立ち入ることを正当視するには極めて強い理由が存在することが必要となります(東京高判昭27・4・24)。
立入の動機が不法なものとは言えないとしても、それだけをもって許諾権者の意思に反してでも住居等に立ち入ってもよいということにはなりません。
ですので、上記ケースのように、AさんがVさんの行為に対して文句を言いに来たことに理由がある立入だとする主張は通らないでしょう。

住居侵入罪で逮捕されたら

住居侵入罪逮捕されたら、早期事件解決には被害者との示談が重要です。
しかし、被害者は自分の住居に勝手に立ち入られているため、加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いていることが多く、被害者は加害者と直接連絡をとることを拒否することがほとんどです。
そのような場合であっても、弁護士限りであれば連絡をとってもいいとする被害者も多く、弁護士を介して示談交渉を行うことがスムーズな解決につながることもあります。
被害者との示談が成立した場合には、不起訴処分となる可能性を高めることになり、前科が付くことを回避することにもなります。

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