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ストーカー事件で禁止命令
ストーカー事件で禁止命令
ストーカー事件での禁止命令について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
Aさんは、Bさんと長年交際関係にあり、結婚を約束していました。
しかし、Bさんは他に好きな人が出来たため、Aさんとの関係を解消したいと言い出しました。
Aさんは、Bさんと別れたくないため、その後も、Bさんに一日に何度も電話やメールをし、Aさんとやり直すよう求めていました。
Aさんは、Bさんの自宅で待ち伏せしたり、勤務先に押し掛けたりしており、困ったBさんは、兵庫県たつの警察署に相談しました。
Aさんは、禁止命令が出されましたが、それでもBさんと連絡をとろうと試みたため、兵庫県たつの警察署は、Aさんをストーカー禁止法違反の容疑で逮捕することになりました。
(フィクションです)
ストーカー規制法違反
ストーカー規制法(「ストーカー行為等の規制等に関する法律」)は、ストーカー行為を処罰する等、ストーカー行為等について必要な規制を行う法律です。
ストーカー規制法における「ストーカー行為」とは、「同一の者に対し、つきまとい等を反復してすること」です。
「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその家族(配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者)に対し、次のいずれかに掲げる行為をすることをいいます。
①つきまとい、見張り、おしかけ、うろつきなど
②監視していることを知らせる行為
③面会や交際などを要求すること
④乱暴な言動等
⑤無言電話、繰り返しの電話・FA・メール送信等
⑥汚物などの送付
⑦名誉を傷つけること
⑧わいせつな言葉を投げかけたり、わいせつな画像を送りつけたり、インターネット掲示板に掲載するなど
ただし、「つきまとい等」のうち、①~④については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、または行動の事由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われた場合に限られます。
ここでいう「身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、または行動の事由が著しく害される不安を覚えさせるような方法」とは、社会通念上、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害されるのではないか、または行動の自由が著しく害されるのではないかと相手方に不安を覚えさせると評価できる程度のものである必要があると理解されています。
「同一の者」とは、男女問わず同じ人物であることを意味しますので、男性が女性に対してのみならず、男性が男性に、女性が女性に、と同性に対するつきまとい等の反復行為を含みます。
「反復して」とは、複数回繰り返して行うことを指します。
「つきまとい等」のうち、いずれかの行為をすることを反復する行為を「ストーカー行為」といい、特定の行為や特定の号に掲げられた行為を反復する場合に限るものではありません。
つまり、各号を一回ずつ行った場合、全体として反復されたと認められ、ストーカー行為が成立することになります。
ストーカー規制法の手続の流れ
警告
被害者等からの相談を受け、警察署本部長等は、(1)つきまとい等の行為があり、(2)その行為を行っている者が、さらに反復してその行為を行うおそれがあると認められる場合に、「さらに反復してその行為を行ってはならない」と警告することができます。
警告は、被害者の申出によって行われます。
禁止命令
被害者の申出または職権に基づき、(1)つきまとい等の行為があり、(2)その行為を行っている者が、さらに反復してその行為を行うおそれがあると認められる場合、都道府県公安委員会は、禁止命令をすることができます。
当該禁止命令を行う前に、行為者の言い分を聞くなどする聴聞を実施します。
この禁止命令に違反した場合、禁止命令違反罪となり、以下のように刑罰が科される可能性があります。
・禁止命令に違反してストーカー行為をした者…2年以下の懲役または200万円以下の罰金。
・禁止命令に違反してつきまとい等をすることによりストーカー行為をした者…同上。
・禁止命令に違反した者…6月以下の懲役または50万円以下の罰金。
ストーカー行為罪
「ストーカー行為」に該当し、被害者から告訴された場合には、警告・禁止命令などを踏まずに、いきなり刑事事件となることもあります。
ストーカー行為罪の法定刑は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
兵庫県のストーカー事件で、警告・禁止命令が出されて対応にお困りの方、ご家族が逮捕されてお悩みの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の刑事事件専門弁護士にご相談ください。
DV事件で逮捕
DV事件で逮捕
DV事件で逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県加古郡播磨町に住むAさんは、妻のVさんが勝手に携帯電話を見たことに腹を立て、口論の末、顔を拳で殴ってしまいました。
口の中を切ったVさんは、警察に通報し、すぐに兵庫県加古川警察署から警察官がAさん宅に駆け付けました。
Aさんは、傷害の容疑でその場で逮捕となりました。
(フィクションです)
DV事件と刑事事件
DVとは、ドメスティック・バイオレンスの略語です。
誰もがこの言葉を聞いたことがありますよね。
特に、最近ではDVが社会問題として大きく取り沙汰されていますので、その言葉をニュースで耳にすることも多いと思います。
DVの定義について、明確に定められたものはありませんが、配偶者や恋人などから受ける暴力といった意味で使用されています。
DV事件の多くは、被害者が警察に被害届を出すことにより、捜査機関に事件が発覚します。
かつては、夫婦間のトラブルは、民事不介入で警察が介入することはあまりなかったようですが、些細なトラブルから殺人などの悲惨な事件へ発展するケースが増え、その反省からも、警察がDV事件の通報を受けてすぐに対応するようになったと言われています。
警察は被害届を受けて、報告された犯罪事実が存在すると判断した場合には、捜査を開始し、犯罪に該当する場合には被疑者を逮捕することもあります。
DV事件で問われる犯罪は、主に以下の罪です。
・身体的DV…暴行罪、傷害罪。結果、相手を死亡させてしまった場合には、傷害致死罪。殺意があった場合には、殺人罪。
・精神的DV…傷害罪、脅迫罪。
・性的DV…強制性交等罪、強制わいせつ罪。
すべての刑事事件で被疑者が逮捕されるわけではありませんが、捜査機関が逮捕の理由と必要性があると判断した場合に、被疑者を逮捕します。
第百九十九条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
逮捕の理由とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある」ことです。
第百四十三条の三 逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らし、被疑者が逃亡する虞がなく、かつ、罪証を隠滅する虞がない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない。
逮捕の必要性とは、被疑者が逃亡や罪証隠滅をするおそれがあることを言います。
DV事件では、被害者である家族や恋人の居場所や連絡先を知っていることが多く、被疑者が被害者と接触を図り被害届の取下げや証言を変更するよう迫る可能性があるため、身体拘束されることが多くなっています。
逮捕に引き続き勾留されると、10日間(最大20日間)身柄が拘束されることになります。
その間留置施設にいることになりますので、職場や学校にも行くことは出来ません。
職場に事件のことが発覚してしまったり、無断欠勤扱いで解雇となったりと多大な不利益を被ることになりかねません。
そのような事態を避けるためには、何よりも、出来るだけ早い段階で弁護士に相談し、身柄解放活動を依頼することです。
弁護士は、検察官や裁判官に、逃亡や罪証隠滅のおそれがないことを説得的に主張し、勾留を請求しない、或いは決定しないよう働きかけます。
刑事事件はスピードが重要です。
DV事件でご家族が逮捕されてしまったら、すぐに刑事事件専門の法律事務所である弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお問合せ下さい。
(加古川警察署までの初回接見費用:39,300円)
不正アクセスで逮捕
不正アクセスで逮捕
不正アクセス禁止法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
Aさんは、知人女性VさんのアカウントでSNSに勝手にログインし、プライベート写真などを覗き見ていました。
ある日、兵庫県川西警察署の警察官がAさん宅を訪れ、不正アクセスの疑いで家宅捜索後にAさんを逮捕しました。
(フィクションです)
不正アクセス禁止法とは
不正アクセス行為の禁止等に関する法律(以下、「不正アクセス禁止法」という。)は、不正アクセス行為を禁止するとともに、これについての罰則およびその再発防止のための都道府県公安委員会による援助措置等を定めることにより、コンピューターネットワークを通じて行われるコンピューターに係る犯罪防止と、アクセス制御機能により実現される電気通信に関する秩序維持を図り、高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的として、平成11年に制定された法律です。
不正アクセス罪
第三条 何人も、不正アクセス行為をしてはならない。
「不正アクセス」については、不正アクセス禁止法第2条4項において定義されています。
この法律において「不正アクセス行為」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。
一 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)
二 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報(識別符号であるものを除く。)又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者の承諾を得てするものを除く。次号において同じ。)
三 電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為
少しわかりにくい用語がありますので、いくつかピックアップして説明していきます。
・特定電子計算機:インターネットに接続しているコンピューターのような「電気通信回線に接続している電子計算機」。
・特定利用:特定電子計算機を電気通信回線を通じて利用すること。例えば、インターネットへの接続、電子メールの送受信、ウェブサイトの閲覧等。
・アクセス管理者:「特定電子計算機」の「特定利用」について、当該「特定電子計算機」の動作を管理する者。例えば、インターネットへの接続については、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)。
・識別符号:コンピューターネットワークにおいて、特定電子計算機を誰にどの範囲で特定利用させるかを管理するに当たり、コンピューターでの情報処理の際に、特定利用をさせることとした相手方を識別できるようにするため、その相手方に対し、①特定利用を認める相手方ごとに異なり、②その相手方以外に用いることができない、番号や記号等。多くは、IDとパスワードが用いられています。
アクセス制御機能:特定電子計算機の特定利用を正規の利用権者等以外の者ができないように制御するために、アクセス管理者が特定電子計算機または特定電子計算機と電気通信回線で接続されている電子計算機に持たせている機能。インターネットに接続されたコンピューターで、SNSを利用する際には、ログインIDとパスワードの入力が要求されますが、正しい情報を入力した場合にだけ、当該SNSが利用できるといった機能のことです。
というわけで、要約すると、不正アクセス禁止法で禁止されている「不正アクセス」とは、
①他人のIDやパスワードを無断で入力する不正ログイン行為
②コンピュータープログラムの不備を衝くセキュリティ・ホール攻撃
です。
上記ケースでは、AさんがVさんのアカウントに無断でログインしているので、「不正アクセス」(第2条4項1号)に該当するでしょう。
不正アクセス罪の法定刑は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
ご家族・ご友人が、不正アクセス事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弊所では、不正アクセス事件のようなサイバー犯罪を含めた数多くの刑事事件を取り扱っています。
詳しくは、0120-631-881までお問い合わせください。
児童買春事件に強い弁護士
児童買春事件に強い弁護士
児童買春事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
会社員のAさん(40代、男性)は、ネットの投稿サイトに援助交際の相手を探す内容の書き込みをしていた女子高生V(16歳)さんと連絡をとりました。
Aさんは、Vさんに3万円を渡す約束で、ホテルでわいせつな行為をしました。
ある日、兵庫県東灘警察署からAさんに連絡があり、児童買春の件で話が聞きたいと言われました。
Aさんは、任意での取調べに応じるつもりですが、警察署に出頭する前に、児童買春事件に強い刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
児童買春事件について
金銭などの対価を受ける代わりに、性行為などを行う売春の一形態を「援助交際」といい、18歳未満の児童が行っているケースが多く見受けられます。
そのため、「援助交際」=「児童買春」と捉えられることもあります。
18歳未満の者に、金銭などの対価を与える代わりに性行為を行った場合、児童買春罪が成立し、刑事事件の加害者となる可能性があります。
児童買春罪は、児童買春・児童ポルノ規制法(正式には、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」という。)に規定されています。
2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者(同法第2条2項)
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。(同法第4条)
児童買春事件が発覚するきっかけの多くは、相手の児童が他の件で警察に補導されて本事件が発覚するケースや、児童の保護者から警察に相談することで事件が発覚するケースが多く見受けられます。
児童買春事件の場合、突然警察官が自宅を訪れ、家宅捜索後に逮捕されることが多いです。
被害児童とのやりとりなど、証拠物を押さえるため、家宅捜索が行われる可能性は高くなっています。
上記のケースでは、任意出頭が求められていますので、素直に応じていればそのまま在宅捜査となる可能性は高いでしょう。
しかし、取調べを受けるということは、通常ほとんどの人が経験しないことなので、実際に自分が警察から取調べを受けることになったとしたら、どのように対応すればいいのか分からず、とても不安に感じられることでしょう。
ですので、あなたが刑事事件の加害者として警察からの出頭要請を受けているのであれば、その前に、刑事事件に強い弁護士に相談されるのがよいでしょう。
刑事事件に精通する弁護士に相談することで、刑事事件の流れや見込まれる処分などについて詳しい説明を受けることができます。
また、これから受ける警察官や検察官からの取調べに対して、どのように対応すべきかについても適切なアドバイスを受けることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、全国でも数少ない刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
所属弁護士は、これまで、児童買春事件を含めた数多くの刑事事件を取り扱ってきております。
その豊富な知識と経験を基に、事案毎に適した弁護活動を行います。
兵庫県の児童買春事件で、警察から呼び出しを受けてお困りの方、ご家族やご友人が児童買春事件で逮捕されてお悩みの方は、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
弊所の弁護士が、無料で法律相談を行います。
また、ご家族やご友人が逮捕されている場合には、弊所の弁護士が留置先に赴きご本人と接見を行う初回接見サービスをご案内させていただきます。
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専門スタッフが丁寧に対応させていただきます。
勾留阻止で早期釈放
勾留阻止で早期釈放
勾留阻止で早期釈放に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県洲本市に旅行中の大学生のAさん(20歳)は、酒に酔った勢いで、深夜、友人のBさんと市内の学校に許可なく入り、肝試しと称して校内をうろついていました。
異変に気付いた近所の住民が、兵庫県洲本警察署に通報したことで事件が発覚しました。
間もなく、AさんとBさんは、駆け付けた警察官に建造物侵入の容疑で現行犯逮捕されました。
AさんもBさんも容疑を認めていますが、どうにか釈放とならないかと困っています。
(フィクションです)
勾留とは
「勾留」とは、被疑者または被告人の身体の自由を拘束する裁判とその執行のことをいいます。
ちなみに、同じ読みの「拘留」は、1日以上30日未満の間刑事施設に収監する刑罰で、「勾留」との区別に注意が必要です。
勾留は、起訴される前の被疑者段階での勾留(被疑者勾留)と起訴された後の勾留(被告人勾留)に分けられ、ここでは、前者について概観していきます。
勾留は、検察官の請求を受けて、裁判官が行います。
勾留までの流れを上記ケースを例に説明してみましょう。
Aさんは、警察官に現行犯逮捕されました。
警察は、Aさんを逮捕してから48時間以内に、Aさんを釈放するか、検察に送致するかを決めます。
検察に送致されると、Aさんは検察官からの取調べを受けます。
検察官は、Aさんを起訴するか不起訴にするかを判断しなければならいのですが、検察官はAさんの身柄を受けて24時間以内に判断しなければならず、そのような短時間に起訴不起訴の判断にまで至るケースはめったにありません。
そこで、Aさんを起訴するか不起訴とするかしっかりと判断するため継続して捜査を行う必要があります。
しかし、Aさんが逃亡したり、証拠を隠滅したりするおそれがあると疑われる場合には、Aさんに対する勾留請求を行います。
勾留請求を受けて、Aさんは裁判所に移動し、裁判官と直接面談します(勾留質問)。
裁判官は、Aさんを勾留する必要があるのか否かを判断し、ある場合には勾留の決定を下します。
勾留は、①勾留の理由、および②勾留の必要性があると判断された場合に決定されます。
「勾留の理由」とは、(ア)被疑者が「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」、(イ)住所不定、罪証隠滅・逃亡のおそれのいづれかがあることをいいます。
「勾留の必要性」は、事案の軽重、捜査の進展の程度、被疑者の年齢・身体の状況等から判断した勾留の相当性を意味します。
勾留の要件に該当し、勾留決定がなされると、検察官が勾留請求をした日から原則10日間身体拘束が継続することになります。
勾留の延長が決定すると、最大で20日間となります。
勾留を阻止するために
勾留されると、その間、職場や学校に行くことはできません。
数日の欠勤・欠席であれば、体調不良の口実が通じますが、10日以上となると、事件のことが周囲に知られる可能性も高まりますし、そうなれば懲戒解雇や退学のおそれもでてきます。
そのような事態を避けるためにも、逮捕されたら早期に弁護士に相談し、勾留阻止に向けて活動してもらうのがよいでしょう。
具体的には、勾留請求前であれば、検察官に勾留の要件に該当しない旨の主張をし、勾留請求しないよう働きかけます。
勾留請求後には、裁判官に対して勾留決定しないよう意見書を提出するなどします。
勾留決定がされてしまった場合には、勾留決定に対する不服申立てを行います。
不服申立ての結果、裁判所が、原裁判を取消し、検察官の勾留請求を却下した場合には、勾留とはならず釈放されます。
刑事事件はスピードが重要です。
ご家族やご友人が刑事事件を起こし逮捕されてしまった場合には、すぐに刑事事件に精通する弁護士にご相談・ご依頼されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件でお困りの方は、今すぐ弊所(フリーダイアル0120-631-881)までお問い合わせください。
準強制性交等事件で保釈
準強制性交等事件で保釈
保釈制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
会社員のAさんは、Bさんと共謀し、知り合いの女性Vさんとの飲み会で、Vさんの飲み物に睡眠薬を入れ、Vさんの意識を朦朧とさせ、タクシーに乗せて自宅に連れ込み、性的暴行を加えたとして、兵庫県尼崎東警察署に準強制性交等の容疑で逮捕されました。
Aさんは、逮捕後、勾留・勾留延長となりました。
Aさんは、起訴後すぐに保釈で身柄解放してほしいと弁護人に頼んでいます。
(フィクションです)
保釈
保釈とは?
一定額の保釈保証金を納付することを条件として、被告人に対する勾留の執行を停止し、その身柄拘束を解く裁判及びその執行を「保釈」といいます。
保釈には、以下の3つの種類があります。
1.権利保釈(必要的保釈)
裁判所は、権利保釈の除外事由に該当しない場合には、保釈請求があったときは、原則として保釈を許可しなければなりません。
除外事由は、以下の通りです。
①被告人が、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁固に当たる罪を犯したものであるとき。
②被告人が、前に、死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由のあるとき。
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。
2.裁量保釈(任意的保釈)
裁判所は、上の権利保釈の除外事由がある場合であっても、適当と認めるときは、職権で保釈を許可することが出来ます。
3.義務的保釈
裁判所は、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求により、又は職権により、保釈を許可しなければなりません。
いつから保釈請求できる?
保釈は、検察官があなたを起訴した時点から、裁判で判決が言い渡されるまでの間、請求することができます。
被疑者段階で勾留され、身体拘束を受けたまた起訴された場合は、裁判所が起訴状を受理した時点から、保釈請求をすることができます。
一方、被疑者段階では在宅であったものの、起訴後に勾留された場合には、勾留された時から保釈請求をすることができます。
保釈保証金の相場とは?
保釈の条件として、一定額の保釈保証金を納付しなければなりません。
裁判所に保釈が許可されたとしても、保釈保証金を納付しなければ、実際に被告人の身体拘束が解かれることにはなりません。
保釈保証金の金額は、被告人の経済力に比例して決められるようです。
一般的な相場は、150万から300万円です。
保釈保証金は、判決後に戻ってきます。
しかし、保釈が取り消された場合、保釈保証金の全部または一部が没収されることにもなりますので、保釈中の行動には気を付けなければなりません。
逮捕・勾留により長い間身体拘束を受けている場合、その間、会社や学校に行くことはできないので、復職・復学について悩まれることでしょう。
あなたやご家族が、いつ保釈されるのか、不安でいらっしゃる方は、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が、刑事事件を起こし、逮捕・勾留されてお困りの方、保釈でお悩みの方は、弊所の刑事事件専門弁護士にご相談されてみてはいかがでしょうか。
弊所では、無料法律相談(初回に限り)や初回接見サービスをご提供しております。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までご連絡ください。
少年の保護事件
少年の保護事件
少年の保護事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県小野市に住む中学生のAくんは、商業施設内で見知らぬ女性のスカート内をスマートフォンで盗撮したところ、被害者女性の知人に見つかってしまいました。
通報を受けて駆け付けた兵庫県小野警察署の警察官に逮捕されましたが、その日、Aくんの両親が身元引受人となることで釈放されました。
警察で何度か取調べを受けた後、神戸地方検察庁から呼び出しがありました。
今後、神戸家庭裁判所姫路支部に送致すると言われましたが、一体どのような流れになり、どんな処分を受けるのか不安になったAくんと両親は、慌てて少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
少年の保護事件
家庭裁判所における非行少年の事件を「少年保護事件」といいます。
家庭裁判所は、非行があるとされる少年について、非行事実の有無を確定し、非行のある少年の性格や環境の問題点に応じて、当該少年の更生に向けて適した処分を決定します。
この手続は「少年保護手続」と呼ばれます。
家庭裁判所の審判に付すべき少年(=非行のある少年)は、以下の3つに分類されます。
(1)犯罪少年
14歳以上20歳未満の法律上の犯罪を犯した少年です。
刑法はもちろん、道路交通法などの特別法に触れる場合もすべて含まれます。
構成要件該当性、違法性、有責性の要件を充たせば、犯罪が成立するため、審判に付すべき犯罪少年となります。
(2)触法少年
14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年です。
14歳未満の少年は、刑事責任が問われないため、刑事未成年で行った行為が犯罪とならず、犯罪少年と区別されます。
年齢は、行為時が基準となります。
(3)虞犯少年
犯罪に結びつくような問題行動があって、要保護性は高いが、犯罪に至っていない少年です。
保護者の正当な監督に服さない、正当な理由がないのに家庭に寄り付かない、犯罪性のある人や不道徳な人と交際する、いかがわしい場所に出入りする、自分や他人の徳性を害する行為をする性癖があるなどという一定の事由があり、その性格や環境からみて、将来罪を犯すおそれがある場合に、虞犯少年となります。
非行少年は、その多くが、警察や検察からの送致、児童相談所長等の送致・通告によって家庭裁判所に係属し、調査、審判、処遇決定が行われます。
少年保護手続は、「少年の健全な育成を期し」て、非行少年に対して「性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う」ものとされます。(少年法第1条)
つまり、少年に再非行を防止するために必要な教育を行って、少年の社会復帰を果たさせるよう、保護観察、児童自立支援施設送致、少年院送致といった保護処分を決定・実施する手続です。
家庭裁判所に係属する少年保護事件において、全ての少年が保護処分に付されるわけではありません。
問題の程度に応じて手続の各段階で、少年の自立的な立ち直りを期して手続が終了となることもあります。
・簡易送致:非行が軽微であり、教育の必要がない場合、警察は、証拠書類の添付を省略し、簡易な書類の送致だけ行います。簡易送致がされた場合、家庭裁判所が事件を受理した後、基本的に少年に対する調査を行うことなく、審判を開始しない決定をします。
・児童相談所長等送致:調査の結果、児童福祉法上の措置が相当な場合、児童相談所長等に送致されます。
・審判不開始:調査および保護的措置の結果、それ以上の処分が必要ないと判断した場合には、審判を開始しない旨の決定をします。
・不処分:調査の結果、審判は行うが、審判において保護処分に付すまでの必要がないと判断されると、不処分決定となります。
一方、14歳以上の少年の犯罪は、罪質や情状により、事件が検察官に送致され、刑事手続による刑事裁判を受ける場合もあります。(「検察官送致」)
以上のように、少年保護手続は、福祉的な処分から刑事処分まで幅広い処分が設けられており、専門的な調査結果を参考に、少年の健全な育成のために最も適した処分が選択されます。
兵庫県内の少年事件でお困りの方、どのような処分となるのかご不安な方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
少年事件・刑事事件を専門に扱う弁護士が、少年一人ひとりと向き合い、更生に適した処分となるよう尽力します。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までご連絡ください。
淫行条例事件で逮捕
淫行条例事件で逮捕
淫行条例事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
会社員のAさんは、出会い系アプリで知り合った少女と会う約束をしました。
Aさんと少女は食事をした後、ホテルに行き同意のもと性行為をしました。
Aさんは、アプリでのやり取りで特に少女の年齢確認をしたわけではありませんが、見た目や会話の内容から「18歳未満かもしれない」とは思っていました。
後日、兵庫県福崎警察署が早朝にAさんの自宅を訪れ、家宅捜索後にAさんを淫行条例違反の容疑で逮捕しました。
Aさんが関係を持った少女が別件で補導された際に、今回の事件のことが発覚したようです。
(フィクションです)
淫行条例とは
「淫行条例」とは、青少年の健全な保護育成を図ることを目的として各地方公共団体が定めた青少年保護育成条例(兵庫県では、「青少年愛護条例」という名称)の中にある青少年との淫行を禁止する条文の通称です。
兵庫県の青少年愛護条例では、第21条で「青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為」をすることを禁止しています。
(みだらな性行為等の禁止)
第21条 何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
青少年愛護条例における「青少年」とは、18歳未満の者です。
青少年愛護条例で禁止している「みだらな性行為」について、過去の最高裁判決による「淫行」(=「みだらな行為」)の解釈では、
「青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である」
とされています。
また、「わいせつな行為」についてですが、過去の判例では、
「徒に性欲を興奮または刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反すること」
と定義しています。
淫行条例違反の法定刑は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっています。
18歳未満と知りながら、金銭のやりとりはなく性行為をした場合、淫行条例違反に問われる可能性があります。
18歳未満だと知らなかった、或いは、合意の上だったと弁解される場合もありますが、18歳以上であることを出会い系サイトで確認したとしても、実際に会い会話や服装から18歳未満と疑わせる状況であったり、18歳未満かもしれないとの認識であった場合には、淫行条例違反となります。
また、「相手の同意があったから、淫行には該当しない」と主張されることが多いのですが、相手の同意があったからといって、必ずしも「淫行」に該当しないわけではありません。
例え、形式上交際関係にあったとしても、両者の年齢差、性行為に至る過程、交際の態様などの要件が考慮された結果、淫行条例違反か否かが判断されます。
上記ケースでは、二人が知り合った経緯が出会い系アプリであり、初めて会った日に性行為を行うなど、Aさんの行為は「淫行」にあたると考えられます。
淫行条例違反事件で逮捕された場合、逮捕から48時間以内に、警察はあなたを釈放するか検察に送致するかを決めます。
警察が、あなたを検察に送致すると、検察官はあなたの身柄を受け取ってから24時間以内に、あなたを釈放するか裁判官に勾留請求するかを判断します。
検察官からの勾留請求を受けた裁判官は、あなたを勾留するか釈放するかを決定し、勾留決定を出した場合、検察官が勾留請求した日から10日間あなたの身柄は拘束されることになります。
勾留延長となれば、最大で20日間の身体拘束が続きます。
長期の身体拘束となれば、その間職場や学校に行くことはできませんので、解雇や退学となる可能性もあります。
そのような事態を回避するためにも、逮捕されたらすぐに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、これまで数多くの事件で身柄解放に成功した実績があります。
ご家族が逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所にご相談ください。
死体遺棄事件で執行猶予
死体遺棄事件で執行猶予
死体遺棄事件での執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県芦屋市に住むAさんは、高齢の母親と二人で暮らしていました。
ある日、Aさんの母親が起きてこないことを不思議に思ったAさんは、母親の様子を見に行ったところ、母親が息をしていないことに気が付きました。
Aさんは、母親が亡くなったことを認識していましたが、母親としばらく一緒に居たいと思い、どこにも通報せず、そのまま布団に寝かしたままにしていました。
数日後、兵庫県芦屋警察署へ匿名で通報が入り、Aさん宅に母親の死体が放置されていることが発覚しました。
Aさんは、死体遺棄の容疑で逮捕されることとなりました。
(フィクションです)
死体遺棄罪とは
死体遺棄罪とは、死体を遺棄する犯罪です。
死体遺棄罪は、刑法第190条(死体損壊等)において、以下のように規定されます。
第190条(死体損壊等)
死体,遺骨,遺髪又は棺に納めてある物を損壊し,遺棄し,又は領得した者は,3年以下の懲役に処する。
死体
「死体」とは、死亡した人の身体またはその一部をいいます。(大判大14・10・16)
死胎も、死体に含まれます。
遺棄
本罪における「遺棄」とは、習俗上埋葬と認められる方法によらないで放棄することをいいます。
遺棄の方法は、作為・不作為を問いません。
法令・契約・慣習などにより、法律上、埋葬義務を負う者は、単に死体を現場に放置する行為が「遺棄」に当たります。
上記ケースでは、Aさんは、亡くなった母親の娘ですので、母親を埋葬する義務を負っていると言えるでしょう。
ですが、Aさんは、どこに通報・届出するでもなく、母親の死体を自宅に数日放置していました。
また、Aさんは母親が息をしていないことに気づいています。
母親が死亡していることを認識していながら、埋葬せずにそのままにしていますので、当該ケースにおいては、死体遺棄罪は成立するでしょう。
死体遺棄罪の法定刑は、3年以下の懲役です。
罰金刑はなく、起訴されると正式裁判となります。
しかし、Aさんに、考慮すべき事情がある場合には、執行猶予判決が言い渡される可能性があります。
執行猶予とは
執行猶予とは、一定の期間他の刑事事件を起こさないことを条件として、刑の執行を猶予する制度をいいます。
執行猶予付きの判決が言い渡された場合、すぐに刑務所に行くことはなく、執行猶予期間中に無事に経過すれば、裁判官から言い渡された刑罰を実際に受けなくて済むのです。
執行猶予の対象となる要件は、
①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者、
②前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者
について、3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金を言い渡す場合となります。
しかし、以上の要件は執行猶予の対象となる要件であり、執行猶予を付けるか否かは、裁判官が決めます。
上の要件を満たしており、かつ、「本人が反省している」「犯罪が悪質でない」「執行猶予を付しても再犯のおそれがない」といった情状が考慮され、執行猶予を付けるか否かを判断します。
執行猶予を目指す活動としては、執行猶予になるための要件を満たしていることを前提に、執行猶予とすべき情状を主張していくことが挙げられます。
兵庫県の刑事事件で執行猶予付き判決が獲得できないかとお悩みの方、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。
少年事件における勾留に代わる観護措置
少年事件における勾留に代わる観護措置
少年事件における勾留に代わる観護措置について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
中学生のAくん(15歳)は、見知らむ女の子(6歳)に声をかけ、長時間連れまわしたとして、兵庫県赤穂警察署の警察官に未成年者誘拐の容疑で逮捕されました。
その後、検察官は勾留に代わる観護措置を請求し、裁判官は勾留に代わる観護措置をとる決定を行いました。
Aくんの両親は、逮捕後に釈放されるものだと思っていたので、今後どのような流れになるのか心配になり、慌てて少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
捜査段階における流れ
14歳以上20歳未満の者が、犯罪を犯した場合(14歳以上で罪を犯した少年を「犯罪少年」といいます。)、成人の場合と同様に、警察に逮捕されることがあります。
少年であっても、捜査段階では基本的に刑事訴訟法が適用されます。
つまり、逮捕された場合、警察は48時間内に、少年を釈放するか検察に送致するかを決定します。
検察に送致した場合、検察官は少年の身柄を受けて、少年を釈放するか勾留請求をするかを決定します。
この点、少年法は、少年被疑者の身体拘束について、成人の場合とは異なる規定を設けています。
その一つが、「勾留に代わる観護措置」の制度です。
勾留に代わる観護措置とは
第四十三条 検察官は、少年の被疑事件においては、裁判官に対して、勾留の請求に代え、第十七条第一項の措置を請求することができる。但し、第十七条第一項第一号の措置は、家庭裁判所の裁判官に対して、これを請求しなければならない。
2 前項の請求を受けた裁判官は、第十七条第一項の措置に関して、家庭裁判所と同一の権限を有する。
3 検察官は、少年の被疑事件においては、やむを得ない場合でなければ、裁判官に対して、勾留を請求することはできない。
少年の場合には、検察官は、刑事訴訟法上の勾留の要件を満たすと判断した場合であっても、裁判官に対して、勾留に代わる観護措置の請求をすることができ、裁判官は、この措置をとることができます。
勾留に代わる観護措置の手続は、基本的に勾留に関する規定が準用されていますが、以下の点で勾留と異なります。
・少年鑑別所収容の観護措置のほかに、家庭裁判所調査官による観護の方法もとることができます。
・勾留は延長が可能ですが、勾留に代わる観護措置の期間は、検察官が請求した日から10日で、延長は認められません。
・勾留に代わる観護措置として少年鑑別所収容がとられた事件が、家庭裁判所に送致された場合、当然に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされます。
身体拘束は、心身ともに未熟で発達途中である少年にとっては、成人以上の大きな影響を及ぼしかねませんので、警察留置施設に勾留される場合であっても、少年を成人と同じ留置施設に勾留することには様々な悪影響があることが考慮され、成人とは分離して留置されます。
少年の年齢が14~15歳の場合に、勾留に代わる観護措置がとられることが多いようです。
勾留に代わる観護措置がとられた場合、その期間は10日と延長はありませんが、その後家庭裁判所に送致された後に、当然に少年鑑別所収容の観護措置とみなされますので、引き続き審判終了までの間、身体拘束となります。
もちろん、その間、学校には行くことができません。
長期間欠席することで、退学となったり、事件のことが周囲に知られたりと、少年の更生に悪影響を及ぼしてしまうおそれもあります。
そのような事態を防ぐためにも、逮捕されたら、すぐに少年事件に強い弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士は、少年と接見し、事情を聴いた上で、少年が逃亡・罪証隠滅するおそれがないこと説得的に検察官や裁判官に主張し、勾留、或いは、勾留に代わる観護措置がとられることのないよう働きかけます。
このような活動は、刑事事件のみならず少年事件にも精通する弁護士にお任せされるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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