Archive for the ‘刑事事件’ Category
ペット虐待で動物愛護法違反
ペット虐待で動物愛護法違反となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県淡路市内で、飼い犬とみられる数匹の犬に対して暴力を振るう様子を撮影した動画がSNSに複数回投稿されました。
動画を見た県内外の人から警察への通報が相次ぎ、動物虐待事件として捜査が開始されました。
動画に映っていた人物を特定した兵庫県淡路警察署は、市内に住むAさん宅を訪れ、事件について任意で話を聞いたところ、Aさんは容疑を認めました。
警察は、動物愛護法違反の疑いで身体拘束せずに捜査を進めることにしました。
(フィクションです)
動物愛護法違反とは?
動物の愛護及び管理に関する法律(以下、「動物愛護法」といいます。)は、「動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もって人と動物の共生する社会の実現を図ること」を目的とする法律です。
動物愛護法で対象となる動物は、家庭動物、展示動物、産業動物、実験動物等の人の飼養に係る動物です。
動物愛護法第44条1項は、「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処する」と定めています。
ここでいう「愛護動物」とは、
①牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、そしてあひる
②その他、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの
をいいます。
また、動物愛護法第44条2項は、「愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であって疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であって自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行った者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」と定めています。
加えて、動物愛護法第44条3項は、「愛護動物を遺棄した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」と定めています。
飼い犬に対して暴力を振るい、その結果犬に怪我を負わせたのであれば、動物愛護法第44条1項に反し、怪我を負わせなかったものの身体に外傷が生じるおそれのある暴行を加えた場合は同法第44項2項に違反することになるでしょう。
上のケースでは、自分の飼い犬に対する虐待ですが、他人の飼っている犬に対して虐待を行い死なせてしまったり怪我などを負わせた場合には、器物損壊罪が成立する可能性があります。
動物愛護法違反事件で逮捕される可能性は?
「逮捕」は、被疑者の身柄を拘束し、引き続き短時間その拘束を続けるものです。
逮捕には、「通常逮捕」、「現行犯逮捕」、「緊急逮捕」の3種類があります。
ここでは、通常逮捕について説明します。
通常逮捕は、裁判官から事前に逮捕状の発布を受けておこなわれます。
通常逮捕の要件としては、「逮捕の理由」と「逮捕の必要性」の2つがあります。
「逮捕の理由」とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」のことです。
「逮捕の必要性」は、「逃亡のおそれ」や「罪証隠滅のおそれ」がある場合です。
以上の要件を充たしている場合には、裁判官が逮捕状を発布し、捜査機関により逮捕が執行されるのです。
逆に言えば、それらの要件を充たしていなければ逮捕されることはありません。
逮捕により報道される可能性や身体拘束により会社に行けなくなってしまいますので、出来る限り回避したいものです。
万が一、逮捕されてしまった場合でも、その後の勾留を避け、早期に釈放となるよう動くことが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
動物愛護法違反事件を含む刑事事件・少年事件で捜査機関からの取調べを受けてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。
トイレでの盗撮事件
トイレでの盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
会社員のAさんは、兵庫県三木市にある商業施設内の男子トイレで小便中だった小学生の男児の横に立ち、スマートフォンで男児を盗撮しました。
Aさんの行為に気づいた男児は、すぐにトイレの外で待っていた母親に知らせ、母親は商業施設の警備員に通報しました。
警備員はすぐにトイレに駆け付け、近くにいたAさんに任意同行を求め、Aさんのスマートフォンを確認したところ画像が残っていたため、兵庫県三木警察署に通報し、Aさんは駆け付けた警察官に逮捕されました。
(フィクションです)
トイレでの盗撮事件~成立し得る罪名は?~
盗撮は、盗撮場所、対象、態様によって成立する罪が異なります。
ほとんどの場合、盗撮行為は各都道府県が定める迷惑防止条例違反となります。
兵庫県では、盗撮を禁止する条文が次のように規定されています。
第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。
兵庫県の迷惑防止条例では、次の行為を禁止し、違反者に対する罰則を定めています。
①公共の場所・乗物における盗撮行為および盗撮目的でのカメラ等の設置行為。
②不特定多数の者が利用する場所・乗物における盗撮行為、盗撮目的でのカメラ等の差し入れおよび設置。
③人が通常衣類の全部または一部を着けない状態でいるような場所での盗撮行為、盗撮目的でのカメラ等の差し向けおよび設置。
違反者に対しては、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、常習として違反した者には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
盗撮の対象が18歳未満の者であった場合には、児童ポルノ規制法違反に当たる可能性もあります。
児童ポルノ規制法(正式名称:児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)は、第7条5項において盗撮による児童ポルノの製造を禁止しています。
5 前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
当該条項に違反した場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。
盗撮事件で逮捕されたら
盗撮事件で逮捕された場合、主に次のような弁護活動を行います。
◇身柄解放活動◇
逮捕後に勾留となると、最大で逮捕から23日もの間身体が拘束されるおそれがあります。
長期間の身体拘束は、解雇や退学の可能性を生じさせますので、できる限り回避する必要があります。
ですので、逮捕されたら早期に弁護士に相談・依頼し、勾留を回避するよう関係各所に働きかけてもらうことが重要です。
◇被害者との示談交渉◇
盗撮事件のように被害者が存在する事件では、被害者との示談を成立させることが事件を穏便に解決するための重要な要素となります。
上で挙げた罪名のどちらも親告罪ではありませんので、被害者との示談が成立したからといって必ずしも検察官が起訴しないとは限りません。
しかし、検察官が起訴・不起訴の判断をする際、被害者との示談が成立しているか否かという点を十分考慮しますので、早期に被害者との示談を成立させる必要があります。
捜査機関が被疑者に直接被害者の連絡先を教えることはありませんし、被害者も被疑者に自身の連絡先を教えることには消極的です。
ですので、代理人である弁護士を介して被害者との示談交渉を行うのが一般的です。
このような活動は、刑事事件に精通した弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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大麻所持で逮捕されたら
大麻所持で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県東灘警察署は、大学生のAさん(21歳)を大麻所持の疑いで逮捕しました。
離れて暮らすAさんの両親は、警察から逮捕の連絡を受けました。
Aくんの両親は、警察から詳しいことは教えてもらえず、何をしたのかもはっきりと分かりませんでした。
心配になったAくんのお父さんが、面会の申出をしましたが、「すぐには面会できない。明後日には面会できるかもしれない。」と言われました。
「そんなに待っていられない。どうしたらいいのか。」と藁にも縋る想いで、ネットで検索したところ、すぐに接見に行ってくれる刑事事件専門弁護士がいることが分かりました。
Aくんのお父さんは、急いで刑事事件専門弁護士に接見依頼の電話をしました。
(フィクションです)
大麻所持罪
有名人が大麻事件で逮捕されるというニュースが後を絶ちません。
大麻は、有名人に限らず、一般人でも比較的手に入りやすい薬物です。
許可された者以外が大麻を所持することは、大麻取締法で禁止されています。
第二十四条の二 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、七年以下の懲役に処し、又は情状により七年以下の懲役及び二百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
「所持」は、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為」です。
大麻について所有権や処分権を有していることまで求められません。
所持の形態は、自ら保管・携帯している場合だけでなく、他人に保管させる場合、他人の依頼によって保管する場合、運搬する場合、隠匿する場合など社会通念上実力支配関係にあると認められるすべての場合が含まれます。
大麻所持で逮捕されたら
大麻をはじめ薬物事件で逮捕された場合、その後に勾留となる可能性は高いでしょう。
「勾留」とは、被疑者・被告人の身柄を拘束する裁判およびその執行をいいます。
逮捕から48時間以内に、警察は被疑者を釈放するか、検察官に被疑者の身柄とともに証拠や関係書類を送致するかを決めます。
検察官に送致された場合、検察官は被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放するか、もしくは裁判官に勾留請求を行います。
検察官からの勾留請求を受けた裁判官は、被疑者を勾留するかどうかを判断し、勾留しないとの決定(勾留請求却下)がなされた場合は、被疑者の身柄は釈放されます。(ただし、検察官からの勾留に対する準抗告が申し立てられ、準抗告が認められれば、当該被疑者の身柄は引き続き拘束されることになります。)
勾留となった場合には、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長が認められれば、最大で20日間身柄が拘束されることになります。
逮捕から勾留までの間は、原則、家族であっても逮捕された被疑者と面会することはできません。
しかし、弁護士は、いつでも被疑者と面会(接見)することが法律で認められており、勾留前でもすぐに接見することができます。
加えて、薬物事件の場合、その背後に犯罪組織の存在が疑われたり、売人や譲受け人など共犯者がいるため、罪証隠滅のおそれがあると判断され、勾留とともに接見禁止が付されることもあります。
接見禁止は、弁護人以外の者との面会を禁止する決定です。
接見禁止が付せられると、事件には無関係な被疑者の家族とも面会することができない可能性があります。
外界から閉ざされた空間で連日の取調べを受けるといった非日常的な生活の中、被疑者は身体的にも精神的にもストレスを感じるものです。
そのような状態で、家族との面会も出来なくなれば、被疑者も精神的に益々追い詰められてしまいかねません。
そのような場合には、弁護士に相談し、家族との面会を許可してもらうよう接見禁止一部解除申請を行い、家族との接見禁止を解除してもらうよう動く必要があるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、大麻を含む薬物事件も取り扱う刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
大麻所持でご家族が逮捕されてお困りの方は、すぐに弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。
業務上横領事件における示談
業務上横領事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県西脇市の中小企業に勤めていたAさんは、経理を担当していました。
Aさんは、帳簿を修正し、差額を自分の物にするという行為を2年ほど続けており、くすねた金はギャンブルにつぎ込んでいました。
Aさんは転職を機に退社しましたが、その後、会社がAさんの不正に気付き、Aさんに連絡を入れました。
会社からは、「全額返済できなければ、兵庫県西脇警察署に被害届を出す。」と言われています。
困ったAさんは、刑事事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
業務上横領罪
業務上横領罪は、刑法第253条に次のように規定されています。
第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
業務上横領罪の構成要件は、
①業務上
②自己の占有する他人の物を
③横領したこと
です。
①業務上
「業務」とは、委託を受けて他人の物を占有・保管する事務を反復継続しておこなう地位をいいます。
業務の根拠は、法令・契約、公的・私的を問わず、職業としてなされるものに限定されません。
②自己の占有する他人の物
業務と関連して保管・占有する他人の物を指します。
③横領
判例・通説によれば、「横領」とは、委託物につき不法領得の意思を実現するすべての行為をいいます。
「不法領得の意思」の内容については争いがありますが、判例は、他人の物の占有者が委託の任務に背いてその者につき権限がないのに、所有者でなければできないような処分をする意思と解しています。(最判昭24・3・8)
業務上横領事件における示談
業務上横領事件で法律相談に来られる方の多くが、会社に横領行為が発覚し、上司や顧問弁護士から話を聞かれ、対応に困っていらっしゃるケースです。
会社側からは、「弁償しなければ、警察に被害届を出す。」と言われていることが多く、横領行為が会社に発覚した時点では、刑事事件として捜査機関が捜査を開始していない場合が多く見受けられます。
ですので、この場合の対応としては、会社が警察に被害届を提出する前に、被害弁償を行い、示談を成立させることにより、刑事事件化を阻止することを目指します。
横領事件、特に業務上横領事件の場合には、被害者に多大な経済的損害が発生しており、加害者が横領した金額を回収することが被害者にとって最優先事項となることがほとんどです。
警察に被害を訴え、加害者が刑事事件の被疑者・被告人として刑事罰を受けたとしても、加害者が横領した金額がすべて被害者に戻ってくるとも限りません。
ですので、被害者が警察に被害を申告する前に、横領した金額を返済すること(もしくは、返済する約束)が出来れば、被害者が警察に被害届等を出さないと約束してもらえる可能性も十分あるのです。
このように、被害弁償を行う代わりに被害届の提出などを行わないとし、当該事件に関しては当事者間で解決したとする約束を「示談」といいます。
この示談に向けた話し合いは、当事者間で行った場合には、感情論で交渉が円滑に進まないなどのデメリットもありますので、示談交渉には弁護士を介して行うのがよいでしょう。
業務上横領事件でお困りであれば、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
痴漢事件の身柄解放活動
痴漢事件の身柄解放活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
会社の飲み会の帰りに電車に乗車したAさんは、膝上のスカートをはいた若い女性の隣に座りました。
酒に酔っていたこともあり、Aさんは気が大きくなって、眠っている様子の女性の太ももやお尻を手で何度も触りました。
電車を乗り換えるため下車したAさんでしたが、後から女性が追いかけてきて、「痴漢しましたよね。駅員室に行きましょう。」と声をかけられ、女性に腕を掴まれたAさんは、抵抗することなく駅員室に行きました。
その後、Aさんは駆け付けた警察官に逮捕され、兵庫県芦屋警察署に連れて行かれました。
翌朝、逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、会社には「体調が悪く休む。」とだけ連絡を入れましたが、このまま釈放されなければ会社に発覚してしまうのではと大変心配しています。
Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士に身柄解放活動について相談しました。
(フィクションです)
刑事事件を起こし逮捕されたら
あなたが何らかの罪を犯したとしましょう。
被害者から被害届が提出された、目撃者からの通報を受けた、警察の職務質問から発覚した、などなど、事件が捜査機関に発覚するケースは幾つか考えられますが、捜査機関が事件を認知すると、捜査が開始されます。
被疑者が特定されれば、被疑者に対する取調べが行われることになりますが、被疑者の身体を拘束する理由や必要性があると判断された場合には「逮捕」されます。
逮捕から48時間以内に、警察は被疑者を釈放するか、それとも、被疑者の身柄、書類や証拠物とともに事件を検察に送る(これを「送致」といいます。)かを決めます。
検察に送致した場合には、検察官が被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放する、もしくは勾留請求を行います。
検察官が勾留請求を行うと、今度は、請求を受けた裁判官が被疑者を勾留するか否かを判断します。
裁判官が勾留を決定した場合、被疑者は、検察官が勾留請求を行った日から原則10日、延長が認められれば最大で20日もの間、留置場で身柄が拘束されることになります。
身柄解放活動
このように、逮捕から勾留まで3日ほどしかありません。
「逮捕された!」と思ったら、あっという間に勾留となり、長期間の身体拘束を余儀なくされてしまう可能性があるのです。
長期の身体拘束は、退学や解雇といった結果を生じさせる可能性も高く、その後の生活にも大きな影響を及ぼすおそれがあります。
そのような事態を回避するためにも、早期の釈放に向けた身柄解放活動を行うことが重要です。
(1)勾留が決まる前
勾留が決まる前の段階においては、検察官や裁判官に対して勾留請求・勾留をしないよう働きかけることが重要です。
具体的には、勾留の要件を満たさないことを主張した意見書を客観的な証拠と共に検察官や裁判官に提出したり、検察官や裁判官と面談しその旨を伝えます。
これにより、検察官が勾留請求をせず被疑者を釈放したり、検察官が勾留請求したとしても裁判官がこれを却下することにより被疑者が釈放される可能性を高めることができます。
(2)勾留が決まった後
一旦勾留が決まってしまっても、勾留を決定した裁判に対する不服申立てを行うことが法律で認められています。
ここでも、勾留の要件を満たさないため勾留とした原裁判は取り消されるべきであり、検察官が行った勾留請求も却下されるべきであるとの主張を展開することになります。
痴漢事件の場合、容疑を認めており、家族などの身元引受人による釈放後の監視監督が期待できるなど、逃亡や罪証隠滅のおそれがないと判断されれば、早期に釈放される可能性はあります。
逆に言えば、痴漢事件であっても、否認している場合や、被害者に接触するおおれがあると判断されると、身体拘束が長引く可能性もあります。
ですので、痴漢事件だと軽く考えずに、ご家族が逮捕されたのであれば、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談し、身柄解放活動を依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。
盗撮事件で示談成立を目指す!
盗撮事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県三田市にある書店で、女子高生のスカート内を盗撮したとして会社員のAさんが逮捕されました。
Aさんがスマートフォンを差し入れ、被害者のスカート内を盗撮していたところ、被害者に気づかれてしまいました。
被害者はすぐに店員を呼び、駆け付けた店員によってAさんは取り押さえられました。
その後、通報を受けて駆け付けた兵庫県三田警察署の警察官に身柄が引き渡され、Aさんは警察署で取調べを受けています。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、すぐに面会したいと申し出ましたが、現段階ではできないと回答されたため、刑事事件に精通する弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです)
盗撮事件での逮捕
盗撮事件で逮捕される場合には、大きく分けて
①被害者や目撃者により現場で現行犯逮捕されるケース
②防犯カメラの映像などから、犯行後に犯人が特定されて通常逮捕されるケース
の2つのパターンがあります。
盗撮は、迷惑防止条例違反に当たることが多く、兵庫県では、6月以下の懲役または50万円以下の罰金、常習性が認められれば1年以下の懲役または100万円以下のの罰則が科される可能性があります。
盗撮事件における示談を成立させるメリット
「示談」は、加害者が被害者に対して相応の弁償金を支払う一方、被害者は被害届の提出を行わない、或いは被害届を取り下げるなど、当事者間では今回の事件は解決したと約束することです。
迷惑防止条例違反は、被害者の告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」ではありませんので、被害者との示談が成立したからといって、検察官が起訴することができないわけではありません。
しかし、被害者からの許しが得られていることを重視し、起訴をしない処分(不起訴処分)とする可能性は高いでしょう。
示談交渉は、当事者間で行うことはあまりお勧めできません。
なぜなら、捜査機関から加害者に対して被害者の連絡先を教えることはほとんどなく、また、被害者も加害者によって精神的苦痛を負わされ直接連絡をとることに応じるケースは多くありません。
ですので、第三者である弁護士を介して行うのが一般的です。
特に、刑事事件に精通しており示談交渉にも豊富な経験のある弁護士を代理人として被害者との示談交渉を進めることで、円滑な交渉が期待できるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
盗撮事件を起こし、対応にお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
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なりすましで不正アクセス禁止法違反
なりすましで不正アクセス禁止法違反となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
同僚の女性になりすまし、SNSで女性のアカウントにアクセスし、勝手にコメントやメッセージを送ったとして、兵庫県有馬警察署は被害者の同僚の男性Aさんを不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕しました。
(フィクションです)
不正アクセス禁止法とは
「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(以下、「不正アクセス禁止法」といいます。)は、不正アクセス行為を禁止するとともに、これについての罰則や再発防止のための都道府県公安委員会による援助措置等を定めることにより、コンピュータ・ネットワークを通じて行われるコンピュータに係る犯罪の防止と、アクセス制御機能により実現される電気通信に関する秩序の維持を図り、高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的として平成11年に制定された法律です。
不正アクセス禁止法は、その第3条において、「不正アクセス行為」を禁止しています。
ここでいう「不正アクセス行為」とは、以下の3つの場合をいいます。
①アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をしうる状態にさせる行為。(不正アクセス禁止法2条4項1号)
②アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報(識別符号であるものを除く)又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をしうる状態にさせる行為。(同法2条4項2号)
③電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をしうる状態にさせる行為(同法2条4項3号)
ややこしい言葉がいろいろと出てきていますね。
順に解説しましょう。
インターネットに接続しているコンピュータのような「電気通信回線に接続している電子計算機」を「特定電子計算機」といい、特定電子計算機を電気通信回線を通じて利用することを「特定利用」といいます。
インターネットへの接続、電子メールの送受信、ウェブサイトの閲覧などが「特定利用」に当たります。
単に、電気通信回線を通じないで手元の端末機器を利用する行為は「特定利用」には当たりません。
コンピュータ・ネットワークにおいて、特定電子計算機を誰にどの範囲で特定利用をさせるのかについて管理する時、コンピュータでの情報処理の際に、特定利用をさせることを許可した相手方を識別できるようにするため、その相手方に対して、特定利用を許可した相手方ごとに異なったその相手方以外に用いることができない番号や記号などを与えることが必要となっています。
不正アクセス禁止法では、この番号や記号を「識別符号」と呼んでおり、IDやパスワードなどが含まれます。
ネットワークに接続されたコンピュータの動作を管理するアクセス管理者は、利用権利者等に識別符号を与えて、利用権利者等であるかを識別符号で認識し、識別符号が入力された場合にその利用を認めるという機能が「アクセス制御機能」です。
①は、他人の識別符号を無断で入力する、いわゆる不正ログインです。
②と③は、識別符号の入力によらずに、アクセス制御機能による特定利用の制限を免れる情報・指令を入力する、いわゆるセキュリティ・ホール攻撃といわれるものです。
①~③に該当する「不正アクセス行為」を行った場合、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。
不正アクセス禁止法は、これらに「不正アクセス行為」の他にも、他人の識別符号を不正に取得する行為、不正アクセス行為を助長する行為、他人の識別符号を不正に保管する行為、識別符号の入力を不正に要求する行為を禁止しており、違反者に対しては罰則が定められています。
興味本位で他人になりすまし行為を行うと不正アクセス禁止法違反となる場合がありますのでご注意ください。
自分の行為が不正アクセス禁止法違反に当たるのではと心配されていらっしゃるのであれば、一度刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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刑事事件と刑罰:刑罰の決め方
刑罰の決め方について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県宍粟市の民家に侵入し、現金や宝石類を盗んだとして、県内に住むAさんが窃盗および住居侵入の疑いで兵庫県宍粟警察署に逮捕されました。
Aさんは、本件以外にも複数同様の手口で空き巣を行ったと供述しています。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は、事件について何も分からず、急いで弁護士に接見に行ってくれるよう頼みました。
弁護士からAさんが本件以外にも同種の余罪があることを聞いたAさんの家族は、Aさんにどんな刑罰が科されれるのか不安でたまりません。
(フィクションです)
刑罰の決め方
刑法や特別刑法には、どのような行為が犯罪にあたり、犯罪を行った者に対してどのような刑罰が科されるが予め定められています。
このように法律で定められている刑を「法定刑」といい、法定刑から、刑罰を加重・減軽する理由がある場合には、加減して科し得る刑(「処断刑」)を導き出し、具体的情状を考慮し、処断刑の範囲内で特定した量の刑(「宣告刑」)が言い渡されます。
法定刑について
上記ケースでは、窃盗罪と住居侵入罪に問われています。
それぞれの罪については、刑法で以下のように規定されています。
(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
(住居侵入等)
第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
各条項で表記されている通り、窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であり、住居侵入罪のそれは「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。
法定刑は、あくまで罪名と刑の対応となります。
具体的に事件の内容によって実際にどのような刑の範囲が適当であるか、ということとは異なります。
具体的事件の形に合わせて、実際に処罰することが可能な刑の範囲、つまり「処断刑」の定め方には様々あります。
処断刑について
先の述べたように、「処断刑」は、法定刑に法律上または裁判上の加重・減軽を加えたものです。
刑法上、刑を加重する事由としては、併合罪と累犯の場合が予定されています。
(1)併合罪
「併合罪」は、確定裁判を経ていない2個以上の罪、または、ある犯罪について禁固以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪のことです。
併合罪の場合、それらの罪に対する刑を合わせて科したり、加重したり、場合によっては吸収したりします。
併合罪のうち2個以上の罪について、有期懲役・禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とします。
例えば、刑の長期が懲役20年の罪と懲役15年の罪を1度に犯した場合、長期は20年×1.5=30年となります。
「長期」とは、法定刑の「○○年以下」という場合の○○年を指します。
(2)累犯
懲役に処せられた者がその執行を終わった日またはその執行の免除を得た日から5年以内に更に罪を犯した場合であって、その者を有期懲役に処するときは、「再犯」とし、再犯の刑について定めた懲役の長期を2倍以下とします。
これを「再犯加重」といいます。
減軽事由には、法律上のものと酌量減軽とがあります。
(3)法律上の減軽
心身耗弱、従犯、中止犯のように必ず減軽すべき事由と、過剰防衛、過剰避難、法律の不知、自首等、未遂、偽証罪・虚偽申告罪における自白などのように、減軽が裁判所の任意に委ねられているものとがあります。
(4)酌量減軽
法律上の減軽事由がない場合でも、「犯罪の事情を酌量すべきものがあるときは」、任意に刑を減軽することができます。
処断刑は、累犯加重、法律上の減軽、併合罪の加重、酌量減軽の順に形成されます。
しかし、実務上、加重減軽を行う前に、科刑上の一罪の処理および刑種の選択をすることになっています。
刑法は、観念的競合と牽連犯の関係にある数罪については、科刑上は一罪であるとして、その最も重い刑により処断することとしています。
「観念的競合」とは、1つの行為が2個以上の罪名に触れる場合をいい、「牽連犯」とは、犯罪の手段または結果である行為が他の罪名に触れる場合をいいます。
空き巣は、後者の「牽連犯」に当たり、住居侵入罪と窃盗罪の法定刑の重い罪により処断されるので、窃盗罪の刑が適用されることになります。
このように、法定刑の幅は広く、加えて、広範な法定の加減事由や情状による減軽が認められています。
しかし、裁判の実務においては、一定の事情がある場合にどの程度の刑罰が言い渡されるかは、過去の裁判例も参考にした相場のようなものがあります。
どのような事件でどの程度の刑罰が見込まれるのかご不安であれば、刑事事件に詳しい弁護士に一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。
刑事事件と刑罰:刑罰の種類
刑事事件における刑罰(刑罰の種類)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県宍粟市の民家に侵入し、現金や宝石類を盗んだとして、県内に住むAさんが窃盗および住居侵入の疑いで兵庫県宍粟警察署に逮捕されました。
Aさんは、本件以外にも複数同様の手口で空き巣を行ったと供述しています。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は、事件について何も分からず、急いで弁護士に接見に行ってくれるよう頼みました。
弁護士からAさんが本件以外にも同種の余罪があることを聞いたAさんの家族は、Aさんにどんな刑罰が科されれるのか不安でたまりません。
(フィクションです)
刑罰とは
犯罪者に対して刑罰が科されることは広く知られるところです。
刑罰というのは、形式的には、犯罪に対する法的効果として、国家・地方自治体によって犯罪者に課せられる一定の法益の剥奪を意味します。
一体どのような目的の下、刑罰が科せられるのかという点について、様々な議論がなされていますが、概ね、刑罰は犯罪に対する国家的応報であり、一般予防と特別予防という目的を持つと解されます。
つまり、法に違反することをしたのだから罰が与えられるというだけでなく、犯罪者に対して一定の不利益が科されるということを通じて、社会一般の人が犯罪を行わないようにする「一般予防」と罪を犯した者が再び罪を犯すことがないようにする「特別予防」の機能が刑罰にあると考えられています。
刑罰の種類
刑罰の種類には、生命刑、身体刑、自由刑、名誉刑、財産刑の5種類が存在してきました。
現在の日本の刑法においては、生命刑としての「死刑」、自由刑として「懲役」「禁錮」「拘留」、財産刑として「罰金」「科料」「没収」の7種類が設けられています。
このうち、「没収」は、主刑である死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料に付加してのみ科すことができる付加刑です。
(1)死刑
生命刑である「死刑」は、現行法上最も重い極刑です。
ただし、少年法では、犯行時に18歳未満であった者には死刑を適用することができないとしています。
(2)懲役・禁錮・拘留
自由刑には、「懲役」、「禁錮」、「拘留」の3種類があります。
まず、「懲役」と「禁錮」には、無期と有期の場合があります。
有期の場合、その期間は、1月以上20年以下の範囲で決められます。
ただし、有期懲役・禁錮を加重減軽する場合には、30年まで上げることができ、また、1月未満に提げることができます。
「懲役」と「禁錮」の違いは、前者は労働義務があるのに対して、後者はありません。
また、「懲役」と「禁錮」には、その刑に処せられた者に「改悛の状」があるときは、有期刑については刑期の3分の1を、無期刑については10年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放すること(「仮釈放」)が認められます。
「拘留」は、30日未満の短期の自由刑で、軽微な犯罪に対する刑として定められています。
「拘留」の刑に処せられた者の「情状により」、いつでも行政官庁の処分によって仮に出場を許すこと(「仮出場」)ができます。
(3)罰金・科料
強制的な金銭の徴収を内容とする財産刑は、1万円以上を「罰金」、1万円未満を「科料」と区別して設けられています。
「罰金」「科料」を完納することができない場合には、労役場に留置されます。
このように刑罰には様々な種類があり、その内容も大きく異なります。
また、懲役や禁錮となった場合であっても、刑の執行が猶予されるか否かでは、判決後の生活が全く違ってきます。
刑事事件を起こし、罪を認めている場合には、不起訴で前科が付くことを回避することを目標として、また、起訴が見込まれる事件では、罰金や執行猶予付き判決といった出来る限り寛大な処分となるよう早い段階から動くことが重要です。
具体的にどのような活動を行うべきかは、事件の内容によって異なりますので、刑事事件に精通する弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件を起こして対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
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商標法違反事件で略式裁判
商標法違反事件で略式裁判となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
偽ブランド品やコピー商品をネットのオークションサイトで販売したり、販売するために所持していたとして、兵庫県佐用警察署はAさん宅を訪れ、捜索・差押え後に、Aさんを警察署に移送し取調べを行いました。
Aさんは、警察署で商標法違反などの疑いで通常逮捕されました。
Aさんは容疑を認めていますが、なるべく早く事件が終了しないものかと心配しています。
(フィクションです)
商標法違反事件について
商標法は、事業者が、自社が取り扱う商品やサービスを他社のものと区別するために使用するマークである商標を保護する法律です。
みなさんは、商品やサービスを購入する時に、その商品やサービスを示すロゴマークを見て決めていませんか?
例えば、財布やカバンについて考えてみれば、有名ブランドのロゴが付いているものがあれば、それがそのブランドの正規品だと思ってしまいますよね。
その商標(マーク)を見れば、どこの会社のブランドであるかが認識されるので、商標法は、このようなブランドのマークやネーミングを財産として保護しています。
商標権とは、登録した商標を指定商品または指定サービスについて排他的独占的に使用できる権利のことをいいます。
商標権者は、指定商品または指定サービスについて登録した商標の使用をする権利を占有します。
つまり、登録を受けた商品やサービスについて、当該商標の使用を独占する権利です。
また、商標権者は、その商標権について専用使用権を設定することができます。
専用使用権というのは、設定行為で定めた範囲内において、指定商品・サービスについて登録商標を排他的独占的に使用できる権利です。
商標法は、商標権または専用使用権を侵害した者は、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科することを定めています。
商標権の侵害は、他人の登録商標をその指定商品・サービスについて使用する行為、そして他人の登録商標の類似範囲において使用する行為です。
何ら権利のない者が、指定商品・サービスについて登録商標を受けている商標である登録商標と同一の商標を使用した場合、商標権の直接侵害行為となります。
商標法は、商標権または専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行った者については、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処し、またはこれを併科すると定めています。
指定商品・サービスについての登録商標に類似する商標の使用または指定商品・サービスに類似する商品・サービスについての登録商標やこれに類似する商標の使用は、間接侵害行為に当たります。
略式裁判について
略式裁判は、正式な裁判と比べて手続が簡略化された裁判です。
簡易裁判所が、原則として、検察官の提出した資料のみに基づいて、公判を開かずに、非公開で罰金または科料を科す刑事手続を「略式手続」といい、これにより裁判所が下す命令を「略式命令」といいます。
事件が比較的軽微であり、被告人にとって公判出頭の必要がなく、また迅速な裁判が期待できる等、被告人の利益となること、当事者に一定の場合に手続処分権が認められること、簡易手続が訴訟経済にも益することなどが略式手続の趣旨と言われています。
商標法違反事件では、商品の数の多さ、販売期間などを考慮し、その悪質性が高いと評価される場合には、公判請求される可能性もあります。
略式裁判となれば、簡略化されて手続がとられ、短期間で事件が終了するというメリットがあります。
一方、下されるのは有罪判決ですので、前科が付くというデメリットがあります。
事件によっては、略式裁判が最善の場合も、そうでない場合もあります。
商標法違反事件でご家族が逮捕されてしまいお困りの方は、刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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