Archive for the ‘性犯罪’ Category
強制わいせつ保護事件で試験観察
強制わいせつ保護事件で試験観察
強制わいせつ保護事件と試験観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
ある夜、勉強のストレスを発散させようと近所をジョギングしようと思い立った中学3年生のAくん。
Aくんは、兵庫県豊岡市の路上をジョギングしていると、前方に帰宅途中の若い女性が目に入りました。
Aくんは、女性の背後から抱きつき、女性の胸を鷲掴みにしたところ、女性が大声で叫んで抵抗したので、我に返りその場から急いで走り去りました。
事件から数か月経ったある日のこと、兵庫県豊岡南警察署の警察官がAくん宅を訪れ、Aくんを強制わいせつの容疑で逮捕しました。
Aくんの両親は、慌てて少年事件に強い弁護士に相談し、弁護を依頼しました。
Aくんは、家庭裁判所豊岡支部に送致された後、第一回の審判で、試験観察処分が言い渡されました。
(フィクションです)
試験観察とは
少年事件は、原則、すべての事件が、捜査機関による捜査が終了すると、家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致されると、調査官による調査、少年審判を経て、少年の更生に適した処分が決定されます。
その処分には、中間処分と終局処分とがあります。
終局処分には、以下のような処分があります。
①保護処分決定(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致)
②検察官逆送
③知事又は児童相談所長送致
④不処分
⑤審判不開始
一方、中間処分として「試験観察」という処分があります。
家庭裁判所は保護処分を決定するために必要があると認めるときに、相当の期間、少年を調査官の観察に付すとする家庭裁判所の決定を「試験観察」といいます。
試験観察は、少年に対する終局処分を一定期間保留し、その期間に少年の行動等を調査官の観察に付するために行われる中間処分です。
少年の更生にとって保護観察がいいのか、少年院送致がよいのか、すぐに判断することが出来ない場合に、試験観察とし、その期間に少年の要保護性に関する十分な調査を行い、また少年自身の更生に向けた行動や態度の改善を期待する制度です。
試験観察制度の趣旨については、次の2点がいわれています。
(1)十分な調査を尽くす趣旨
保護処分は、身体拘束等、少年の権利を制約するものであるので、少年審判においては、少年の要保護性に関する資料を十分に調査し、少年の行動等の観察も尽くして、慎重かつ適切な判断がされなければなりません。
そのため、少年にとって適切な処分を慎重に見極めるために、十分な調査を尽くさせるという趣旨があります。
(2)プロベーション機能を期待する趣旨
プロベーションとは、犯罪者に対し、矯正施設への収容を猶予し、社会内で指導監督や援助を加え、その経過が悪い場合には矯正施設に収容するという心理強制によって改善と社会復帰を図る制度のことをいいます。
試験観察では、終局処分をいったん保留することで、試験期間中の少年に心理的な影響を与え、更生を促す効果を期待するという側面が期待されます。
試験観察の要件について、少年法25条1項は、「保護処分を決定するために必要があると認めるとき」とのみ規定しています。
しかし、一般的には、以下の要件を満たす必要があるといわれています。
・保護処分に付する蓋然性があること。
・ただちに保護処分に付することができない、或いは付すのが相当でない事情があること。
・調査官の観察活動が必要であり、かつ、その結果、適切な終局決定ができる見込みがあること。
・相当期間内に観察目的を達成する見込みのあること。
試験観察の期間は、通常3か月から半年ほどです。
強制わいせつ保護事件の様な少年院送致の可能性がある場合、審判準備をする中で、ただちに終局的処分を決めるよりも、調査官による調査や関係者による働きかけや環境調整を行う方が、少年の更生のためになり、終局処分が少年にとってより良いものになると考えられる場合には、試験観察を利用することが良いこともあります。
この期間中における少年の様子から、社会内処遇での更生が可能だと判断されると、保護観察処分となる可能性は高まります。
そのため、付添人は、試験観察期間中、少年と定期的に連絡を取り、少年の生活を把握するとともに、面会を行い、少年の更生への意欲を高め、引き続き少年の生活環境の改善を行う等、試験観察の成果がより上がるよう努めます。
お子様が強制わいせつ事件を起こし、少年院送致のような重い処分になるのではないかと心配されているのであれば、まずは少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お子様の更生にとって適した処分となるよう少年事件に精通する弁護士が尽力します。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
公然わいせつ事件で釈放
公然わいせつ事件で釈放
公然わいせつ事件で釈放となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県三木市に住む会社員のAさんは、電車内で隣に座っていた女性に露出した陰部を見せたとして、兵庫県三木警察署に公然わいせつの疑いで逮捕されました。
Aさんは、会社の帰りに同僚と飲みに行き、かなり酒に酔っていたようで、ムラムラして露出してしまったと容疑を認めています。
Aさんは、なんとかすぐに釈放されないかと心配しています。
(フィクションです)
公然わいせつ罪
公然わいせつ罪については、刑法174条に規定されています。
第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
公然わいせつ罪とは、「公然と」「わいせつな行為」をする犯罪です。
「公然と」というのは、わいせつな行為を不特定または多数の人が認識できる状態といいます。(最決昭32・5・22)
実際にわいせつな行為が誰かによって認識される必要はありません。
また、特定少数の者に対してわいせつな行為を見せた場合であっても、それが不特定多数人を勧誘した結果であれば、「公然と」に当たります。
「わいせつな行為」の意義についてですが、これは、どの行為者またはその他の者の性欲を刺激興奮または満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいいます。(東京高判昭27・12・18)
釈放に向けた活動
逮捕後の流れは、以下のようになります。
警察は、被疑者を逮捕してから48時間以内に、被疑者を釈放するか、検察に送致するかを決めます。
警察から身柄が検察に送致されると、被疑者は検察官からの取調べを受けます。
検察官は、被疑者を起訴するか不起訴にするかを判断しなければならいのですが、検察官は被疑者の身柄を受けて24時間以内に判断しなければならず、そのような短時間に起訴不起訴の判断にまで至るケースはめったにありません。
そこで、被疑者を起訴するか不起訴とするかしっかりと判断するため継続して捜査を行う必要があるのです。
しかし、被疑者が逃亡したり、証拠を隠滅したりするおそれがあると疑われる場合には、被疑者に対する勾留請求を行います。
勾留請求を受けて、被疑者は裁判所に移動し、裁判官と直接面談します。
その後、裁判官は、被疑者を勾留する必要があるのか否かを判断し、ある場合には勾留の決定を下します。
勾留は、①勾留の理由、および②勾留の必要性があると判断された場合に決定されます。
「勾留の理由」とは、(ア)被疑者が「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」、(イ)住所不定、罪証隠滅・逃亡のおそれのいづれかがあることをいいます。
「勾留の必要性」は、事案の軽重、捜査の進展の程度、被疑者の年齢・身体の状況等から判断した勾留の相当性を意味します。
勾留の要件に該当し、勾留決定がなされると、検察官が勾留請求をした日から原則10日間身体拘束が継続することになります。
勾留の延長が決定すると、最大で20日間となります。
勾留されると、その間、職場や学校に行くことはできませんので、事件のことが周囲に知られる可能性も高まりますし、そうなれば懲戒解雇や退学のおそれもでてきます。
そのような事態を避けるためにも、逮捕されたら早期に弁護士に相談し、勾留阻止に向けて活動してもらうのがよいでしょう。
具体的には、勾留請求前であれば、検察官に勾留の要件に該当しない旨の主張をし、勾留請求しないよう働きかけます。
勾留請求後には、裁判官に対して勾留決定しないよう意見書を提出するなどします。
勾留決定がされてしまった場合には、勾留決定に対する不服申立てを行います。
不服申立ての結果、裁判所が、原裁判を取消し、検察官の勾留請求を却下した場合には、勾留とはならず釈放されます。
刑事事件はスピードが重要です。
ご家族やご友人が刑事事件を起こし逮捕されてしまった場合には、できるだけ早く刑事事件に精通する弁護士にご相談・ご依頼されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件でお困りの方は、今すぐ弊所(フリーダイアル0120-631-881)までお問い合わせください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
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準強制性交等罪の心神喪失・抗拒不能
準強制性交等罪の心神喪失・抗拒不能
準強制性交等罪における心神喪失と抗拒不能について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
○○会社で勤務するAさんは、出身大学の学生からOB訪問を希望する連絡を受けました。
AさんはOB訪問を快諾し、学生2人と会うことになりました。
会社の話をした後、Aさんは学生たちを飲みに誘いました。
学生のVさんは、あまりお酒が強くないと言っていましたが、酒を飲んで気が大きくなっていたAさんは、Vさんに強いお酒を勧めました。
最終的にはVさんはお店で眠り込んでしまったので、AさんがVさんを自宅まで送ることにしました。
AさんはVさんをタクシーで自宅まで送っていき、部屋までVさんを連れて行きました。
Vさんをベッドまで運んだ際、Aさんは、Vさんは自分に気があるんじゃないかと思い、Vさんにキスをしました。
Vさんが嫌がる様子がなかったので、そのままVさんの服を脱がし性行為をしました。
途中、Vさんは何か言っているようでしたが、特段拒絶されることもなく、事が終わりました。
しかし、後日、兵庫県三田警察署にVさんが被害届を出し、Aさんは準強制性交等の容疑で逮捕されました。
Aさんは、同意があったと主張していますが、Vさんは抵抗できなかったと供述しているようです。
(フィクションです)
準強制性交等罪について
第百七十八条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。
刑法178条2項が準強制性交等罪について規定しています。
強制性交等罪が、性交等を行う手段として「暴行又は脅迫」と定めているのに対して、準強制性交等罪については、①「心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ」または②「心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせ」ることによるものとしています。
「心神喪失」とは、精神的または生理的な障害によって正常な判断能力を失っている状態といい、熟睡、泥酔、麻酔状態、高度の精神病等により被害者が行為の意味を理解できない場合がこれにあたります。
「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由により心理的または物理的に抵抗ができない状態をいいます。
例えば、行為自体は認識しつつも医療行為と誤信した場合など、錯誤により抵抗する意思を失っている場合などがあります。
心神喪失・抗拒不能の程度についてですが、完全に不可能であることを必要とせず、反抗が著しく困難であればよいとされます。
①心神喪失・抗拒不能に乗じて
既に被害者が心神喪失・抗拒不能にある状況を利用することを指します。
例えば、被害者の高度の精神沈滞状況を利用した場合、睡眠中や泥酔状態の利用などがあげられます。
②心神喪失・抗拒不能にさせる
被害者にお酒を飲ませて泥酔させたり、医師の医療行為を装い治療と誤信した被害者に性交等を行う場合などです。
被害者の無知、困惑、驚愕等や、加害者との関係などといった被害者のおかれた特別の状況を利用して行為が行われた場合にも本罪が成立する可能性があります。
ここで、上記ケースに照らしてみると、AさんがVさんと性交しようと最初から考えていてお酒の弱いVさんに強いお酒を勧めてVさんを泥酔させ、性交したのであれば、「心神喪失・抗拒不能にさせて性交等をした」と言えるでしょう。
また、最初からVさんを酔わせるつもりはなくとも、Vさんが泥酔した状態を利用して性交等したのであれば、「心神喪失・抗拒不能に乗じて性交等をした」ことになる可能性はあります。
また、Vさんが実際にどのような泥酔状態であったのかも問題となります。
自分で歩くことができない、呂律が回らず会話ができないといった状態であれば、Vさんが自分の意思表示(=反抗)を行うことは著しく困難であったと考えられます。
一方、そこまで酔ってはいなかった場合、直ちにVさんが犯行当時著しく反抗するのが困難ではなかったと判断されるのかと言えばそうではなく、Vさんが心理的に抵抗することができない状態にあった場合には、抗拒不能の状態が肯定されます。
例えば、AさんとVさんの関係性から、行為を拒否することでVさんが危害を加えられるのではないかと恐怖に慄いた結果、身動きが取れず反抗することができなかった場合は、抗拒不能であったと判断されるでしょう。
しかしながら、本罪の成立には、加害者側の故意がなければなりません。
つまり、被害者が心神喪失または抗拒不能の状態にあることを認識して行為に出ること、そして被害者の同意がないことの認識が必要となるのです。
被害者が心神喪失・抗拒不能の状態であったことが明らかであっても、それを加害者が認識していない場合や、被害者が同意していないことを加害者が認識していない場合には、準強制性交等罪は成立しないことになります。
ただ、これらは内心の問題となるので、単に「知らなかった。同意があったと思っていた。」と主張するだけは足りず、客観的な証拠により、AさんがVさんを心神喪失・抗拒不能の状態にあることを認識して行為に出たものではなかったことが立証される必要があります。
このような弁護活動は、刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。
兵庫県の準強制性交等事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
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刑事事件と前科前歴
刑事事件と前科前歴
前科・前歴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
会社員のAさんは、電車で通勤しています。
ある日、会社の飲み会の帰りに電車に乗ったAさんは、隣に座っている女性が眠っているのをいいことに女性の太ももを触るなどしました。
Aさんが電車を降りる際に、女性から「触りましたよね。駅員室に行きましょう」と言われ、そのまま駅員室に連れて行かれました。
Aさんは、駆け付けた兵庫県甲子園警察署の警察官に逮捕され、翌日の夕方に釈放となりました。
Aさんは、前科が付くことは避けたいと思っています。
(フィクションです)
前科とは~前科と前歴の違い~
「前科」という言葉は、正確な法律用語ではなく、通俗的に使用されているものですので、その意味は必ずしも明らかではありません。
しかし、一般的には、「前に刑に処せられた事実」を「前科」といいます。
「前に刑に処せられた」とは、全ての有罪の確定判決をいい、その刑が死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料である場合だけでなく、刑の免除、刑の執行免除が言い渡された場合も含みます。
一方、「前科」と似た言葉に「前歴」というものがあります。
「前歴」は、「前科」も含めたより広い概念であり、警察や検察などの捜査機関により被害者として捜査対象となった事実を意味します。
不起訴となった場合にも、「前歴」はつくことになります。
「前科」と「前歴」の最も大きな違いは、「有罪判決を受けたかどうか」という点です。
前科が及ぼす影響は?
前科が付くことで、就職や結婚など日常生活に何らかの支障が出ることは否定できません。
しかし、そのような事実上の不利益の他に、前科は、法律上においても一定の不利益をもたらすことになります。
例えば、以下のような不利益が挙げられます。
・執行猶予に付し得ない事由(刑法25条、27条の6)
・執行猶予の取消事由(刑法26条、26条の2、26条の3、27条の4、27条の6)
・再犯加重の事由(刑法56条、59条)
・仮釈放の取消事由(刑法29条1項)
・常習犯の認定事由(刑法186条、暴力行為等処罰二関スル法律1条ノ3、2条、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律2条ないし4条)
・必要的保釈を消極とする事由(刑事訴訟法89条2号、3号)
・特定の法令が定める資格制限事由
資格制限事由は、個人が特定の職業や地位に就いたり、特定の営業活動等を行う場合に、法律が前科の存在を理由としてこれらの資格に就くことを制限するものです。
例えば、国家公務員や地方公務員については、執行猶予を含む禁固以上の刑に処せられた者は、刑の執行を終わり又はその執行を受けることがなくなるまでの公務員となる資格を有することができず、在職中にこれらの刑の言渡しを受けた者は、自動的にその地位を失うことになります。(国家公務員法38条2号、4号、地方公務員法16条2号、4号)
このような不利益を受けないためにも、前科が付くことを回避することが重要でしょう。
それでは、どのように前科が付くのを回避するのでしょうか。
先述しましたが、「有罪判決を受けた事実」が前科ですので、有罪判決を受けなければ前科が付くことはありません。
ですので、無罪判決を勝ち取れば言い訳ですが、日本の有罪率は99.9%と言われており、一度起訴されると無罪となるのは非常に厳しいと言えるでしょう。
逆に言えば、検察官は確実に有罪を立証できる証拠がなければ、起訴しないと言えるでしょう。
なので、確実に前科を付けないようにするためには、起訴されないこと、つまり、不起訴となることが重要です。
不起訴にもその理由により様々な種類に分けられますが、罪を認めている場合には、起訴猶予を目指すことになります。
「起訴猶予」とは、被疑事実が明白であり、起訴をすれば有罪となることは確実であるけれども、被疑者の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重や情状、そして被害者と示談が成立しているなどの事情を考慮し起訴しないとする処分です。
痴漢事件の場合には、被害者がいる事件ですので、早期に弁護士に示談交渉を依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
これまでも痴漢事件を含め数多くの刑事事件において不起訴を獲得し前科回避に成功した実績があります。
刑事事件を起こし、前科がつなかいか心配されているのであれば、一度弊所の弁護士にご相談ください。
初回の法律相談は無料です。
お問い合わせ、無料法律相談のご予約は、フリーダイアル0120-631-881まで。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
盗撮事件で逮捕されるか不安
盗撮事件で逮捕されるか不安
盗撮事件で逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県揖保郡太子町に住むAさんは、通勤に電車を利用しています。
ある日、通勤で利用する駅構内の階段で、若い女性のスカート内を持っていた自分のスマートフォンを差し入れて撮影しました。
Aさんは、そのような行為を度々していました。
ある日、盗撮行為をした人が駅の防犯カメラの映像で特定され逮捕されたというニュースを知り、自分もいつかは逮捕されるのか不安になり、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
逮捕とは
「○○事件で逮捕」「△△事件で現行犯逮捕」といったことをニュースでよく耳にします。
弊社の無料法律相談でも、「○○してしまったのだが、逮捕されるか不安だ」と来所される方は少なくありません。
それでは、そもそも「逮捕」とは何なのか、逮捕の要件とはどのようなものなのかについて説明したいと思います。
「逮捕」とは、被疑者に対して最初に行われる強制的な身柄拘束処分であって、法に定められた短期間の留置という効果を伴うものをいいます。
この「逮捕」には、①通常逮捕、②現行犯逮捕、③緊急逮捕の3つの種類があります。
通常逮捕
逮捕状による逮捕を「通常逮捕」といいます。
通常逮捕の要件は、①逮捕の理由、および②逮捕の必要性である。
①逮捕の理由
逮捕の理由とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」、つまり、嫌疑の相当性のことをいいます。
②逮捕の必要性
逮捕の必要性とは、被疑者の逃亡・罪証隠滅のおそれをいいます。
逮捕状の請求を受けた裁判官が、逮捕の必要性について判断します。
一定の刑儀犯罪では、被疑者の住所不定や正当な理由のない出頭要求の無視の場合のみ逮捕の必要性が認められます。
緊急逮捕
緊急逮捕とは、一定の重大犯罪について、充分な嫌疑があり、急速を要する場合に、逮捕後「直ちに」逮捕状を求めることを条件に認められる無令状の逮捕をいいます。
緊急逮捕の要件は、次の通りです。
①一定の入内犯罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由
②急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないこと
③被逮捕者に逮捕の理由を告げること
④逮捕後「直ちに」逮捕状請求の手続を行うこと
⑤逮捕の必要性
現行犯逮捕
現行犯人に対して行われる無令状の逮捕を「現行犯逮捕」といいます。
「現行犯人」というのは、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者」です。
現行犯逮捕の要件は、①犯行と逮捕行為との時間的場所的密着性、②犯罪および犯人の明白性、そして、③逮捕の必要性です。
逮捕者の逮捕行為着手後、犯人追跡行為が継続していれば、数時間経過後であっても現行犯逮捕と言えます。
逮捕者が被逮捕者の犯行を現認する場合でなくても、現場の客観的・外部的状況に照らして犯行・犯人が明白な場合は、現認に準ずることができるとされます。
盗撮事件で逮捕されるケース
盗撮事件で逮捕されるケースは、現行犯逮捕や通常逮捕が多いでしょう。
特に、盗撮を行った直後に、被害者や目撃者に犯行を問い詰められ、身柄が確保され、そのまま駅員室や交番・警察署に連れていかれる現行犯逮捕が多く見受けられます。
また、盗撮行為に気づいた被害者が、警察に相談し、警察が現場付近の防犯カメラの映像から犯人を特定し、通常逮捕となることもあります。
しかし、捜査機関が犯人を特定した場合であっても、逮捕されず在宅のまま捜査が進むこともあります。
逮捕の必要性がないと判断される場合です。
容疑を認めており、素直に取調べに応じている、被害者との接点がない、家族の監督が期待できるなどの事情は、逮捕の必要性がないと判断する要素になるでしょう。
また、自首することで、逃亡や罪証隠滅のおそれがないと判断され、逮捕されないこともあるので、自首するというのも逮捕を免れるひとつの選択肢になるでしょう。
盗撮事件を起こし逮捕されないか心配な方、ご家族が盗撮事件で逮捕されてしまいお困りの方は、盗撮事件も含めた刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
少年事件と観護措置
少年事件と観護措置
少年事件と観護措置について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県高砂市に住む中学生のAくん(14歳)は、路上で帰宅途中の女性に痴漢行為をしたとして兵庫県高砂警察署に逮捕されました。
Aくんの両親が身元引受人となり、Aくんは釈放されました。
Aくんには余罪が複数あり、在宅事件として捜査が進められていましたが、事件が神戸家庭裁判所姫路支部に送致されると、観護措置をとるとの決定がなされ、Aくんは神戸少年鑑別所に収容されることになりました。
Aくんの両親は不安になり、慌てて少年事件に詳しい弁護士に相談しました。
(フィクションです)
観護措置について
観護措置とは、家庭裁判所が調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、その身柄を保全するとともに、少年の心身の鑑別をしたり、緊急に少年の保護が必要である場合に終局決定に至るまでの間、暫定的に少年を保護するための措置をいいます。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する措置(在宅観護)と、少年鑑別所に送致する措置(収容観護)の2種類があります。
実務上、在宅観護はほとんどとられておらず、「観護措置」は収容観護を意味するものとなっています。
ここでも、収容観護である「観護措置」について説明します。
少年鑑別所は、観護措置により送致された者を収容し、医学・心理学・教育学・社会学その他の専門的知識及び技術に基づいて、少年の鑑別を行うとともに、必要な観護処遇等を行うための施設です。
観護措置の要件
観護措置は、家庭裁判所が、適正妥当な調査・審判を行うために少年の身柄を保全する措置であり、家庭裁判所が職権で行うものです。
観護措置がいかなる場合にとり得るかについては、少年法17条1項に「審判を行うため必要があるとき」と規定されていますが、実務上は、以下の要件が必要であるといわれています。
①審判条件があること
②少年が非行を犯したことを疑うに足りる相当の理由があること
③審判を行う蓋然性があること
④観護措置の必要性が認められること
④については、次の事由のうち、いずれかの事由が存在すれば足りるとされます。
・調査・審判・決定の執行を円滑かつ確実に行うため、少年の身柄を確保する必要があること。
住所不定、罪証隠滅や逃亡のおそれがある場合など。
・緊急的に少年の保護が必要であること。
自殺、自傷のおそれがある場合や、家庭環境が劣悪で、家庭から虐待され又は悪影響を受けるおそれのある場合など。
・少年を収容して心身鑑別をする必要があること。
観護措置は、家庭裁判所に事件が係属中であれば、いつでもとることができます。
つまり、家庭裁判所が事件を受理したときから終局決定がなされるまでの間です。
捜査段階で、逮捕・勾留により身柄が拘束されていた少年の場合、事件が家庭裁判所に送致されたときに観護措置をとることが多くなっています。
また、勾留に代わる観護措置がとられている事件が家庭裁判所に送致された場合には、その措置は観護措置とみなされ、観護措置として存続することになります。
ただし、捜査段階で在宅事件として捜査が進められていたとしても、事件が家庭裁判所に送致され、調査や審判中に観護措置をとる必要性が判明した場合には、観護措置がとられることもあります。
収容期間
観護措置により少年を少年鑑別所に収容する期間は、2週間を超えることができないと少年法により定められています。
特に継続の必要がある場合には、決定をもって、これを更新することができるものとされています。
つまり、観護措置の期間は、原則2週間で、特に必要があるときに限って更新することができるものとされます。
しかし、実務上は、少年鑑別所で行われる行動観察や心身鑑別に相当の日時を要するため、通常の事件についても1回の更新をする扱いがなされています。
観護措置は、少年を長期間少年鑑別所に収容することになり、その間学校や職場に行くことは出来ないため、少年の社会復帰の妨げとなるおそれもあります。
そのため、不必要な観護措置がとられることがないよう付添人である弁護士は、観護措置回避や異議申立て、取消請求を行います。
しかし、観護措置は、少年の心情の安定に配慮しつつ、少年の身体の安全を確保する措置であるので、単に身体を拘束するだけでなく、少年の心身の鑑別も行われることから、少年の更生に資するというメリットもあります。
ですので、どのような対応が、少年の更生に適するのか、少年事件に豊富な経験を持つ弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
あなたのお子様が、事件を起こし、逮捕された、家庭裁判所に送致された、観護措置がとられたとお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイアル0120-631-881まで。
(神戸少年鑑別所までの初回接見費用:35,500円)
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
監護者性交等罪で逮捕
監護者性交等罪で逮捕
監護者性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神崎郡神河町に住むAさんは、妻と妻の連れ子のVさん(13歳)と3人で暮らしていました。
Aさんは、Vさんが12歳の時から、Vさんに対して性交やわいせつな行為を行っていました。
Vさんが深夜俳諧で兵庫県福崎警察署に補導されたことをきっかけに、父親のAさんから性的暴行を受けていることが発覚しました。
Aさんは、監護者性交等罪で逮捕されることになりました。
(フィクションです)
監護者性交等罪とは
2017年7月に性犯罪を厳罰化する改正刑法が施行されました。
この改正により、監護者性交等罪が新たに制定されました。
監護者性交等罪は、刑法第179条2項に以下のように規定されます。
第百七十九条
2 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条の例による。
第百七十七条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛こう門性交又は口腔くう性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
監護者性交等罪は、「18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて、性交・肛門性交・口腔性交をする」という犯罪です。
被害者が18歳未満であり、精神的に未熟で、かつ精神的・経済的に監護者に依存している状況において、監護者が暴行または脅迫を用いずとも、そのような関係性を利用して、性交等をした場合、被害者の自由な意思決定に基づくものではないと考えられます。
そのため、強制性交等罪と同等の悪質性があるものとして、これと同様に処罰するものとされます。
監護者性交等罪の成立においてポイントとなるのが、「現に監護する者」という成立要件です。
この解釈については、法律上の監護権に基づくものに限られず、事実上、現に監督・保護する者であれば、これに当たり得るとされます。
典型的な監護者は、一緒に生活をしている親です。
同居の親以外にも、事実上親と同程度に保護・監護している場合には、監護者と判断される可能性があります。
その判断にあたっては、同居の有無、生活状況、生活費の負担などが考慮されます。
監護者に該当しない場合でも、一定の影響力を行使し得るものが、18歳未満の男女に性的行為を行った場合には、児童福祉法違反が成立する余地があります。
強制性交等罪においては、被害者が13歳以上である場合、暴行または脅迫を用いて行為に及んだことが必要となりますが、監護者性交等罪では、暴行・脅迫を要件としていません。
監護者性交等罪の法定刑は、強制性交等罪と同様に5年以上の有期懲役です。
監護者性交等罪で逮捕されたら
逮捕から勾留までの間は、原則、家族であっても逮捕された被疑者と面会することはできません。
その間、被疑者は、警察からの取調べや、検察官からの弁解録取、裁判官との勾留質問などを受けることになり、どのように対応すればよいのか分からず不安になるものです。
そのような時には、すぐに弁護士に相談するのがよいでしょう。
弁護士であれば、逮捕から勾留までの間であっても、いつでも逮捕された被疑者と面会(接見)することができます。
弁護士は、被疑者から事件の詳細を聞いた上で、今後の流れや処分見込み、取調べ等への対応についてアドバイスすることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
被疑者の方が逮捕されている場合には、弊所の刑事事件専門弁護士が留置施設に赴き、直接接見を行う「初回接見サービス」をご案内いたします。
当サービスの問合せ・ご予約は24時間受付ております。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までご連絡ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
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強制わいせつ事件で不起訴処分
強制わいせつ事件で不起訴処分
不起訴処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県養父市の路上で、帰宅途中だった高校生の背後から抱きつき、胸を触るなどのわいせつな行為をしたとして、兵庫県養父警察署はAさん(21歳)を強制わいせつの容疑で逮捕しました。
Aさんは容疑を認めています。
Aさんの両親は、逮捕の連絡を受け、慌てて刑事事件に強い弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです)
検察官の事件処理
通常、検察官は、事件を受理してから捜査を開始します。
事件の受理の態様には、以下のようなものがあります。
①司法警察員からの事件送致
司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、刑事訴訟法に特別の定めがある場合を除いて、速やかに書類と証拠物と一緒に事件を検察官に送致しなければなりません。
②司法警察員からの事件送付
告訴や告発、または自首に係る事件について、司法警察員は、速やかに一応の捜査を終了した上で、意見を付して書類と証拠物を検察官に送付しなければなりません。
③直受
検察官が、直接告訴や告発、自首、請求を受ける場合。
④認知
検察官が自ら犯罪を探知して捜査に着手する場合。
⑤再起
不起訴処分や中止処分に付した事件について、再び捜査を開始する場合。
検察官は、受理した事件の被疑者や参考人などの関係者の取調べを行い、押収済みの証拠品等の客観的な証拠などを総合的に検討して、事件の真相を解明し、事件処理を行います。
検察官が行う事件処理には、終局処分と中間処分とがあります。
終局処分とは、事件について必要な捜査を遂げた後に、起訴するか否かを最終的に決める処分です。
一方、中間処分は、将来の終局処分を予想し、その前に行う暫定的な処分のことです。
終局処分は、起訴処分と不起訴処分があります。
起訴処分とは、公訴を提起する処分のことで、公訴を提起しない処分を不起訴処分といいます。
不起訴処分は、その理由により以下のように分類されます。
1.訴訟条件を欠く場合
被疑者が死亡した場合、親告罪について告訴が取り消された場合など。
2.被疑事件が罪とならない場合
被疑者が犯行時14歳未満である場合、被疑者が犯行時心神喪失であった場合など。
3.犯罪の嫌疑がない場合
被疑者が人違いであることが明白になったとき、又は被疑者がその行為者であるかどうか、若しくは被疑者の行為が犯罪に当たるかどうかの点について認定すべき証拠がないことが明白になったとき、またはこれらを認定すべき証拠が不十分なときなど。
4.起訴猶予
被疑事実が明白な場合であるが、被疑者の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯行後の状況を考慮し訴追を必要としない場合。
強制わいせつ事件で、被疑事実を認めている場合、起訴猶予での不起訴処分を目指すことになるでしょう。
そのためには、被疑者本人がきちんと反省し、再犯防止のための措置をとることに加え、被害者との示談を成立させることが重要となります。
強制わいせつ罪は親告罪ではありませんので、被害者との示談が成立し、告訴が取り下げられたとしても、検察官は公訴を提起することができます。
しかし、被害者との示談が成立しており、被害者からの許しも得ることができている場合には、検察官が公訴を提起しない決定をする可能性が高いと言えます。
被害者との示談交渉は、通常、弁護士を介して行われます。
多くの場合、被害者は加害者と直接連絡をとることを嫌がられますが、弁護士限りであればコンタクトをとり話を聞いてもよいというケースが多くなっています。
また、当人同士で交渉すると、感情論的になり、交渉が決裂したり、不相当に過大な金額での示談解決となってしまう可能性もあります。
弁護士が間に入ることにより、冷静な交渉により両者が納得できる内容での示談締結が図りやすいでしょう。
ですので、ご家族やご友人が強制わいせつ事件で逮捕されてしまいお困りの方、被害者との示談交渉でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の刑事事件専門弁護士にご相談ください。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
自宅での盗撮
自宅での盗撮
自宅での盗撮について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県伊丹市に住むAさんは、自宅でデリヘルを利用しました。
派遣されたデリヘル嬢のVさんの許可を得ず、Aさんはサービス中の様子をカメラで撮影していました。
そのことに気づいたVさんは、店に連絡を入れました。
店からAさんに連絡が入り、「盗撮したでしょう、どうしてくれるのか。」と言われ困っています。
(フィクションです)
自宅での盗撮は何罪?
盗撮といえば、迷惑防止条例違反という犯罪が成立し得ることはよく知られたところでしょう。
盗撮に係る兵庫県の迷惑防止条例の規定は以下のとおりです。
第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。
迷惑防止条例では、盗撮行為、盗撮目的でカメラを差し向ける行為やカメラを設置する行為が禁止されています。
そして、盗撮や盗撮目的のカメラの差し向け・設置が禁止される場所は、
①公共の場所、公共の乗物
②集会所、事業所、タクシー、その他不特定多数の者が利用する(公共の場所・乗物を除く)場所・乗物
③浴場、更衣室、便所、その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
です。
そのため、「自宅」はこれらの場所には該当せず、上記ケースでは、迷惑防止条例違反は成立しないことになります。
次に、盗撮に関連する法律として軽犯罪法が挙げられます。
盗撮に係る軽犯罪法の規定は以下のとおりです。
第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
「ひそかにのぞき見る」行為は、承諾なしに物陰や隙間などから見ることを言いますが、望遠鏡を用いたり、カメラやビデオカメラを用いて撮影する場合も含みます。
場所については、「人の住居、浴場、更衣場、便所、その他人が通常衣服をつけないでいるような場所」となっています。
「人の住居」は、「犯人自身以外の者が正当に使用し得る住居」のことで、住居の一部であってもかまいません。
玄関のように通常人が服を着ていることが予想されるような場所であっても、「人の住居」に当たります。
「浴場、更衣場、便所」とは、私宅内の私用専用のものであるか、公衆浴場や公衆便所などのように不特定多数の人が使用するものであるかを問いません。
「その他人が通常衣服をつけないでいるような場所」とは、人が通常隠している肉体の部分を露出している可能性のある場所の内部のことをいいます。
例えば、役所の更衣室、病院の診察室、旅館の一室、キャンプ場におけるテント内などです。
以上の場所的要件を前提に、上記ケースの盗撮事件につき軽犯罪法違反が成立し得るか検討すると、Aさんは「自宅」で盗撮してますが、デリヘル嬢を「招き入れ」ており、「犯人(=Aさん)以外の者(=Vさん)が正当に使用し得る住居ということになり、Aさんに対する軽犯罪法違反が成立すると考えられます。
兵庫県の盗撮事件で加害者となり対応にお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。ぜひご相談ください。
児童買春・児童ポルノ処罰法違反で逮捕
児童買春・児童ポルノ処罰法違反で逮捕
児童買春・児童ポルノ処罰法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
Aさんは、出会い系サイトを通じて知り合った中学生のVさんにお金を渡す約束す代わりに性交渉をする約束をしました。
AさんとVさんは、ホテルに入りましたが、Aさんは密かにカメラを設置し、性交渉の様子を動画で撮影しました。
ある日、兵庫県佐用警察署の警察官がAさん宅を訪れ、児童買春・児童ポルノ処罰法違反の疑いでAさんを逮捕しました。
(フィクションです)
児童買春・児童ポルノ処罰法
警察庁によると、全国の警察が昨年1年間に摘発した児童ポルノ事件は、前年と比べ28.3%増加しており、過去最多を更新したということです。
残念ながら、子供を取り巻く性被害が一層深刻化しているようです。
児童買春・児童ポルノ処罰法(「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」)は、平成11年に制定・施行されました。
児童買春・児童ポルノ処罰法では、「児童買春」「児童ポルノ」に係る行為等を処罰することとしています。
1.児童買春に係る行為
児童買春罪
児童買春は、①児童、②児童に対する性交等の周旋をした者、③児童の保護者または児童を支配下に置いている者、に対して、「対償を供与し」、または「対償の供与を約束して」、その児童に対し、「性交等」をする行為です。
罰則は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
児童買春周旋罪
児童買春を周旋(買春者と児童との間に立って児童買春の仲介をすること)をする犯罪です。
罰則は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金で、その両方が科される可能性があります。
周旋者が、周旋を業とした場合、例えば会員制売春クラブのようなものを作って利益を上げていた場合には、刑事罰が加重され、7年以下の懲役及び1000万円以下の罰金となります。
児童買春勧誘罪
児童買春の周旋をする目的で、人に児童買春をするよう勧誘した場合に成立します。
罰則は、周旋罪と同様です。
2.児童ポルノに係る行為
児童ポルノ単純所持・保管罪
「自己の性的好奇心を満たす目的」で、児童ポルノを「所持」、又は児童ポルノに係るデータを「保管」する行為です。
ただし、所持開始の時点で、「自己の意思に基づいて所持するに至った者」であって、「当該者であることが明らかに認められる者」に限られます。
罰則は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
児童ポルノ提供罪
児童ポルノを提供する行為が対象となります。
児童ポルノやそのデータ等を相手方が利用することができる状態に置く法律上・事実上の一切の行為を「提供」といい、必ずしも相手方が現に受領することまでは必要となりません。
罰則は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
更に、不特定多数の者に対する提供または公然と陳列する行為は、刑罰が加重され、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、またはこれの併科となります。
提供目的所持・保管行為等罪
提供・陳列の目的で、児童ポルノを製造・所持・運搬・輸入・輸出し、又はデータを保管した者は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
また、不特定多数の者に対する提供や公然と陳列する目的で行われた場合は、刑事罰は加重され、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。
児童ポルノ製造罪
他人に提供する目的がない場合であっても、児童に「児童ポルノに係る児童の姿態」をとらせた上、これを写真等によって描写し、児童ポルノを製造する行為で、その罰則は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
また、「児童ポルノに係る児童の姿態」を盗撮することにより児童ポルノを製造した場合も、同様の罰則が設けられています。
児童ポルノ輸出入罪
児童ポルノを不特定多数に提供または公然と陳列する目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、またはこの併科となる可能性があります。
Aさんに対しては、児童買春罪、児童ポルノ所持・保管罪、児童ポルノ製造罪が成立する可能性があるでしょう。
もちろん、Aさんが、Vさんを18歳未満であると分かっていた、もしくは、18歳未満かもしれないがそれでも構わないと思っていたことが必要となります。
このように、児童買春・児童ポルノ処罰法は児童買春・児童ポルノに係る様々な行為を禁止し、処罰の対象としています。
児童買春、児童ポルノ事件で加害者となり、対応にお困りであれば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の刑事事件専門弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
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