Archive for the ‘暴力事件’ Category
児童虐待で逮捕
児童虐待で逮捕
児童虐待で逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神崎郡市川町に住むAさんは、娘のVちゃん(3歳)と交際相手のBさんと暮らしていました。
ある日、Vちゃんの様子がおかしいことに気が付いたAさんは、慌てて救急車を呼びましたが、搬送先の病院で死亡が確認されました。
Vちゃんの身体に複数のあざがあることを不審に思った病院は、兵庫県福崎警察署に虐待されていた可能性があると通報しました。
AさんとBさんは兵庫県福崎警察署で事情を聞かれていますが、AさんはBさんがしつけで何度かVちゃんに手を挙げていたことがあると供述しています。
Aさんは、Bさんが刑事責任を問われるのか、また自分も何らかの罪に問われるのか心配しています。
(フィクションです)
残念ながら、児童虐待により幼い子供が亡くなるという悲惨な事件が後を絶ちません。
虐待していた大人の多くが、「しつけのつもりだった。」と供述しているようですが、子供に大けがを負わせたり死亡させてしまうようなものは「しつけ」とは言えないでしょう。
児童虐待の防止等に関する法律は、「児童虐待」を、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するもの)がその監護する児童(18歳に満たない者)に対し、次に掲げる行為をすることと定義しています。(同法第2条)
①身体的虐待
児童の身体に外傷を生じ、又は生じさせるおそれのある暴行を加えること。
②性的虐待
児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
③ネグレクト
児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による①、②、④の行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
④心理的虐待
児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
このように、児童虐待の防止等に関する法律は、「児童虐待」を定義し、児童虐待を禁止しています。(同法第3条)
しかし、本法は、児童虐待行為に対しては罰則を設けていません。
児童虐待の防止等に関する法律に定義される「児童虐待」に当たる行為を行った場合、虐待内容により以下のような犯罪に当たる可能性があります。
①身体的虐待
殴る蹴るといった身体的虐待を行った場合の多くは、暴行罪や傷害罪が適用されます。
暴行を加えた結果、児童が死亡した場合には、傷害致死罪、そして殺意があったと認められれば殺人罪が成立する可能性もあります。
②性的虐待
児童に対してわいせつな行為をしたり、裸の写真を撮るなどの行為により、監護者性交等罪や監護者わいせつ罪、児童買春・児童ポルノ法違反が成立する可能性があります。
監護者性交等罪および監護者わいせつ罪は、平成29年7月13日から施行された刑法の一部改正により新設されたものです。
18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者による影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者や性交等をした者は、暴行や脅迫を用いない場合であっても、強制わいせつ罪や強制性交等罪と同様に処罰されます。
「現に監護する者」とは、実際に児童の生活全般にわたって衣食住などの経済的な観点、生活上の指導監督などの精神的な観点から依存、被依存ないし保護・被保護の関係が認められ、かつ、その関係性に継続性が認められることが必要となります。
実親や養親は「現に監護する者」に該当し得るのですが、教師やコーチなどは生活全般にわたった関係性がないので「現に監護する者」には当たらないと考えられています。
③ネグレクト
保護責任者遺棄罪、その結果死亡させてしまうと保護責任者遺棄致死罪が成立するでしょう。
④心理的虐待
身体的虐待でなくとも、暴言を児童に吐き捨てたりすることにより、精神的に障害を負った場合には傷害罪が成立することになります。
上記ケースでは、BさんがVちゃんに対して、しつけと称して暴力を振るっていたとAさんが証言していますので、BさんはVちゃんに対する暴行罪や傷害罪、Vちゃんの死因とBさんの暴行の因果関係が立証できれば傷害致死罪や殺人罪に問われる可能性があります。
一方、Aさんはというと、Aさん自身がVちゃんに暴力を振るうことはなかったとしても、BさんがVちゃんに暴力を振るっていたことを知っておきながら何もしなかった場合には、共同正犯もしくは幇助犯として暴行罪や傷害罪、傷害致死罪などに問われる可能性があるのです。
どのような罪に問われ得るのかは、事案によって異なりますので、児童虐待を疑われているのであれば、刑事事件に詳しい弁護士に今すぐご相談ください。
刑事事件でお困りの方は、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
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動物虐待で起訴
動物虐待で起訴
動物虐待事件での起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県相生市に住むAさんは、市内の路上にいた飼い猫1匹を連れ去り、自宅で虐待死させたとして、兵庫県相生警察署に器物損壊と動物愛護法違反の容疑で逮捕されました。
その後、Aさんは神戸地方検察庁姫路支部に同罪で起訴されました。
(実際の事件を基にしたフィクションです)
動物虐待で成立し得る犯罪とは?
上記ケースのように、動物に対して虐待を行った場合には、どのような犯罪が成立するのでしょうか。
人間に対して行った場合には、虐待の内容にもよりますが、暴行罪や傷害罪、保護責任者遺棄罪など、また、相手方が死亡してしまったのであれば、傷害致死罪や殺人罪、保護責任者遺棄致死罪が成立する可能性があります。
それでは、「動物」に対して行った場合も同様の罪が成立し得るのでしょうか。
実は、これらの罪は、客体が「人」に限定されているため、虐待の対象が「動物」である場合には成立しないのです。
しかし、以下の罪が成立する可能性がありますので、それらについてみていきましょう。
器物損壊罪
刑法第261条(器物損壊等)
前3条[公用文書等毀棄、私用文書等毀棄、建造物等損壊及び同致死傷]に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料の処する。
器物損壊罪の客体は、「前3条に規定した以外の他人の物」です。
これには、動産・不動産だけでなく、ペットなどの動物も含まれます。
器物損壊罪の行為は、「損壊」または「傷害」することです。
「損壊」というのは、物理的に壊す行為に限定されず、広く物本来の効用を失わしめる行為を含みます。
過去の裁判例では、他人の飲食器に放尿する行為(大判明42・4・16)、荷物から荷札をとりはずす行為(最判昭32・4・4)、公選法違反のポスターにシールを貼る行為(最決昭55・2・29)などが「損壊」に該当するとしています。
また、「傷害」は、客体が動物の場合に用いられます。
動物を物理的に殺傷する以外に、本来の効用を失わせる行為を含みます。
例えば、鳥かごを開けて他人の飼っていた鳥を逃がす行為や、池に飼育されている他人の鯉をいけすの柵を外して流出させる行為などです。
動物愛護条例違反
動物愛護法は、「動物の愛護及び管理に関する法律」の略称です。
動物愛護法では、愛護動物の保護として、虐待や不十分な保護について罰則を規定しています。
ここで言う「愛護動物」とは、飼育されている哺乳類・鳥類・爬虫類、そして野生の指定11動物です。(動物愛護法第44条4項)
・みだりに殺す、傷つける行為をした場合には、2年以下の懲役または200万円以下の罰金、
・給餌・給水しない、酷使する、健康・安全環境の悪い状態で拘束・衰弱させる、飼育中に疾病・負傷した場合に適切な保護をしない、遺棄した場合には、100万円以下の罰金が科される可能性があります。
このように、飼い猫を虐待の末殺してしまったAさんは、器物損壊罪及び動物愛護条例違反の罪で起訴されてしまったというわけです。
起訴されると
Aさんは神戸地方検察庁に起訴されてしましましたが、「起訴」されるとどうなるのでしょうか。
「起訴」というのは、「公訴の提起」のことで、裁判所に対して審判を求める意思表示のことをいいます。
公訴の提起は、検察官が裁判所に対して起訴状を提出することによって行われます。
公訴の提起には、正式裁判の手続と簡易裁判の手続(略式手続、即決裁判手続)とがあります。
検察官が裁判所に対して正式裁判を求めることを「公判請求」といい、検察官が公判請求せずに略式手続による裁判を請求することを「略式請求(起訴)」といいます。
公判請求されると、公判手続に移行し、公開法廷での裁判が行われます。
事実を争う場合には無罪判決を、事実を認める場合には執行猶予判決の獲得に向けて入念に公判準備をする必要があります。
一方、略式請求となれば、簡易裁判所が、原則として、検察官の提出した資料のみに基づいて、公判を開かずに、略式命令により罰金又は科料を科す手続に移行します。
公判が開かれませんので、公判の準備に時間をさく必要もなく、公開法廷に出席することもないという点で被疑者・被告人にとってメリットがあると言えるでしょう。
また、身柄が拘束されている場合には、解放されるので、被疑者・被告人の早期社会復帰を実現させることもできます。
ただ、略式手続では、被疑者・被告人が自身の主張をする機会はなく、事実を認めていることを前提に有罪判決を下されることに留意が必要です。
略式手続であっても有罪判決が言い渡されることに変わりはありませんので、前科が付くことになります。
略式請求する際には、検察官が被疑者にそれで良いか必ず聞かれますので、どうすればよいか分からない時は、弁護士に相談するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
あなたやあなたの家族が刑事事件の被疑者・被告人となってしまいお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
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職務強要事件で逮捕
職務強要事件で逮捕
職務強要罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県加西警察署は、兵庫県加西市に住むAさんを職務強要の容疑で逮捕しました。
Aさんは、同市にある処理施設で、焼却炉の検査に来た県保健所の職員に対して、県の許可が必要ない小型焼却炉として認めさせようと、「これで通せ。殺してやる。」などと脅迫し、職務を強要した疑いがあるとのことです。
Aさんは容疑を否認しています。
(読売新聞オンライン2019年8月7日掲載記事を基にしたフィクションです)
職務強要罪について
職務強要罪は、刑法第95条第2項に規定されています。
第九十五条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。
本条の第1項には、ニュースでもよく聞く「公務執行妨害罪」が規定されています。
職務強要罪は、公務執行妨害罪と同じく、公務の円滑な遂行をその保護法益(法律によって保護される利益)とするものです。
職務強要罪は、公務員の将来の職務執行に向けられる点で、職務の現実の執行に向けられる公務執行妨害罪とは異なります。
職務強要罪の構成要件は、
①公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、
②暴行又は脅迫を加えたこと
となります。
①「公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために」
職務強要罪の客体である「公務員」とは、「国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員」をいいます。
強要の対象となる処分は、当該公務員の職務に関係のある処分であればよく、職務権限外の処分でもよいとされています。(最判昭28・1・22)
また、職務強要罪の成立には、結果として目的(ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるという目的)が達成されたことは必要ありません。
②「暴行又は脅迫を加えた」
「暴行」とは、人に対する不法な有形力の行使をいい、「脅迫」は、恐怖心を起こさせる目的で他人に害悪の告知をすることをいいます。
職務強要罪と似た犯罪として、「強要罪」があります。
強要罪は、刑法223条に規定されています。
第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
このように、強要罪は、暴行・脅迫により、人に義務のないことを行わせる等する犯罪です。
職務強要罪と異なるのは、強要罪は結果として被害者において義務のないことを行われたことが必要である点です。
強要罪は未遂犯も処罰されますが、職務強要罪は、例え結果として目的を達成できなかったとしても未遂犯ではなく既遂犯として成立します。
所定の目的で暴行・脅迫を加えた時点で既遂となりますので、上記ケースにおいて、Aさんは保健所の職員に対して、小型焼却炉として自己若しくは会社所有の焼却炉を許可するよう脅迫を用いて強要していますので、既遂となり職務強要罪が成立するものと考えられるでしょう。
兵庫県の刑事事件でお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお気軽にご相談ください。
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処分保留で釈放
処分保留で釈放
処分保留での釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県川西市の自宅で、当時3歳の長男を暴行し死亡させたとして、傷害致死の容疑で母親のAさんと父親のBさんは兵庫県川西警察署に逮捕されました。
二人は、逮捕後、勾留となりましたが、Aさんは勾留10日満期に、処分保留で釈放となりました。
Aさんは、今後どのような流れになるのか、どのような処分となるのか心配しています。
(フィクションです)
処分保留で釈放とは?
ニュースなどで、「容疑者が処分保留で釈放となりました。」というような報道を聞かれたことはありませんか?
「処分保留で釈放」と聞くと、「何も処罰されないの?」、「無実だったってこと?」と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、「処分保留で釈放」について取り上げたいと思います。
保留される「処分」って?
被害届や職務質問、自首などを端緒に事件が捜査機関に認知されると、捜査機関は捜査を開始します。
捜査機関は、犯人であるものを特定し、必要があればその身柄を確保するとともに、証拠を収集・保全します。
すべての事件が、原則として、検察官のもとに集められます。
これらの事件を処理するのは、検察官です。
検察官による終局的な処分には、「起訴処分」、「不起訴処分」、そして「家庭裁判所送致」があります。
「起訴処分」というのは、捜査の結果、起訴が相当であると判断し、検察官が公訴を提起することです。
公訴の提起には、①公判請求、②即決裁判手続の申立、③略式命令の請求、④交通事件即決裁判の請求の4種類があります。
①の公判請求により、ドラマなどでよく見る法廷での審理が行われるわけですが、検察官が起訴した総人員の内、ほとんどが③の略式命令の請求であり、公判請求は割合的にはそれほど多くありません。
次に、「不起訴処分」というのは、検察官が公訴を提起しないとする処分のことをいいます。
犯罪とならない場合、疑わしいがそれを立証するだけの十分な証拠がない場合、証拠はそろっているが様々な事情を考慮して起訴を見送る場合など、様々な理由があります。
最後に「家庭裁判所送致」ですが、少年事件の場合、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されますので、検察官が捜査を終了すれば、事件を家庭裁判所に送致します。
このような処分をせずにおくことを「処分保留」といい、これは「起訴しない」ことを意味するものではなく、「起訴するかどうかを未だ決めていない」というまでなのです。
処分保留で釈放となるのはなぜ?
検察官が終局的な処分を決めないまま釈放する理由とは、なんでしょうか。
その理由のひとつは、逮捕した事件の捜査・処分が終わっていない場合です。
逮捕された場合、逮捕に引き続く身体拘束の期間は法律で定められています。
検察官が勾留請求をした日から原則10日で、延長が認められれば最大で20日です。
この期間内に、証拠を収集し、事件処理を行わなければなりません。
しかし、この期間をもってしても処分を決定することができない場合には、処分保留で釈放とするのです。
この場合、被疑者を釈放した後も捜査を継続し、処分を決めるのに十分な証拠を集めます。
このように、「処分保留で釈放」となったからといって、事件が終了したというわけではありません。
「まだ起訴するかどうか決まっていない」という状態であり、「起訴される可能性はある」のです。
刑事事件の被疑者として逮捕・勾留されたが、「処分保留で釈放」となり、今後の流れや対応についてお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弊所では、無料法律相談や初回接見サービスのご予約を24時間専門ダイアルで受け付けております。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

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被害者との示談交渉は弁護士に!
被害者との示談交渉は弁護士に!
被害者との示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県尼崎市の居酒屋で会社の同僚と飲んでいたAさん。
店を出て帰路につく途中、すれ違いざまに見知らぬ男性Vさんと肩がぶつかってしまいました。
するとVさんから「どこ見とんねん!」と暴言を吐かれたことにカッとなり、Aさんが「お前からぶつかってきといて、なんやねん!」と言い返し、口論に発展しました。
その最中、AさんはVさんの顔面を殴ってしまいました。
通行人が警察に通報し、兵庫県尼崎南警察署の警察官が現場に駆け付けました。
その後、署で事情を聴くことなり、警察からは、弁護士にVさんとの示談をしてもらったらどうかと言われています。
(フィクションです)
警察庁の統計によると、平成29年における刑法犯の検挙人員の罪名別構成比は、以下の順となっています。
1.窃盗(全体の50.8%)
2.暴行(12.0%)
3.傷害(9.8%)
4.横領・遺失物等横領(8.3%)
5.詐欺(4.6%)
全体の半分を窃盗が占めていますが、暴行や傷害といった暴力事件も刑法犯の中で多いと言えるでしょう。
上の犯罪には、被害者がいます。
このように被害者がいる事件における重要な弁護活動の一つが、被害者との示談交渉です。
示談について
示談というのは、加害者が被害者に対して相応の弁償金を支払う一方、被害者は被害届や告訴状の提出を行わない、若しくは、それらを取り下げるなど、当事者間では今回の事件は解決したと約束することをいいます。
被害者のいる事件では、事件の早期解決を図る方法として用いられます。
示談を成立させ、被害届や告訴の提出回避や取下げとなれば、被害者の告訴が公訴を提起するためには必要となる親告罪の場合はもちろんのこと、示談成立の有無は検察官が起訴・不起訴を決める際にも考慮される要素となりますので、示談成立により刑事事件を早期に解決する可能性を高めることができるのです。
しかし、示談の締結は1回限りの行為ですので、加害者本人が直接被害者と行うことには注意が必要です。
まず、加害者が被害者に対して示談をしたいと思っても、被害者と連絡をとることは容易ではありません。
特に、被害者とは全く面識のない場合、警察や検察を通じて被害者の連絡先を教えてもらわなければなりませんが、捜査機関は被害者の連絡先を加害者に直接教えることはあまりありません。
また、被害者は、加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いていることが多く、加害者と直接連絡をとることを望まないケースも多々あります。
まれに、被害者側が加害者と連絡をとることを希望する場合もありますが、当人同士の話し合いは感情的になる傾向がありますし、被害者が一方的に高額な示談金を請求するといったケースもあります。
ですので、被害者との示談交渉には、弁護士を介して行うことが通常です。
弁護士は、示談交渉を数多く経験しているため、交渉のノウハウを持っています。
暴力事件では、被害者が負った怪我について、通院費や治療費などの損害実費を弁償し、精神的損害についても慰謝料を支払うことで示談が成立するケースが多いです。
その示談金の額は、被害者が負った怪我の程度によって異なります。
示談交渉に優れた弁護士に依頼し、適切な法的サポートを受け、加害者と被害者がお互いに納得できるような示談をしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
所属弁護士は、これまで数多くの刑事事件を取り扱ってきており、被害者との示談交渉にも豊富な経験があります。
あなたが、刑事事件を起こしてしまい、被害者への被害弁償・示談をお考えなら、弊所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

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刑事事件で不起訴処分
刑事事件で不起訴処分
刑事事件での不起訴処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県赤穂市のコンビニで面識のない女性に平手打ちをしたとして、店員の通報を受けて駆け付けた兵庫県赤穂警察署の警察官に、会社員のAさんは暴行容疑で現行犯逮捕されました。
Aさんは、事件当時相当酒に酔っており、コンビニに寄って買い物をしている最中、店内にいた被害女性に声をかけたところ、反応が冷たかったので手を出したようです。
Aさんは、事件当時の記憶が曖昧ですが、店内の防犯カメラの様子からも自分が被害者に手を出したことが明らかで、酔いが冷めてからは猛省しており、被害者への謝罪と被害弁償を希望しています。
Aさんの父親が身元引受人となり、Aさんは逮捕翌日の夜に釈放となりました。
Aさんは、被害者との示談交渉や今後どのような流れになるのかについて刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
不起訴処分について
被疑者を起訴するか否かの判断は、検察官が行います。
検察官は、捜査を遂げた上で、証拠に基づき犯罪が成立するか、処罰の必要があるか否かを考慮し、事件を起訴するか不起訴にするかを決めます。
起訴しないとする処分を「不起訴処分」といいます。
この不起訴処分には、いくつか種類がありますが、主なものは次の通りです。
(1)罪とならず
犯罪が成立しない場合です。
(2)嫌疑なし
犯罪を認定する証拠がない場合や人違いのケースです。
(3)嫌疑不十分
立証するだけの十分な証拠がない場合には「嫌疑不十分」として不起訴となります。
(4)親告罪の告訴取り下げ
被害者の告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪の場合、被害者が刑事告訴をしたものの、その後告訴を取り下げがあると、検察官は被疑者を起訴することは出来ませんので、不起訴処分とします。
(5)起訴猶予
被疑者が罪を犯したことが事実であり、それを立証する十分な証拠もあるが、被疑者の年齢・境遇・正確、犯罪の内容や軽重、犯罪後の状況、社会に戻した際の更生可能性等を考慮し、検察官が裁量によって起訴を見送るものです。
不起訴処分となれば、起訴されませんので、有罪判決が言い渡されることもありません。
つまり、不起訴処分により「前科」が付くことはありません。
前科が付くと、一定の職業に就くことや資格をとることが出来なくなりますので、前科が付くことは回避したほうが良いでしょう。
ただし、刑事事件の被疑者として捜査対象となった記録(前歴)は残りますので、再犯の場合には初犯とはみなされません。
不起訴処分となるには
被害者がいる事件では、被害者との示談が成立しているか否かといった点が、不起訴処分を獲得する上では非常に重要です。
親告罪では、被害者との示談を成立させ、告訴を提起しない若しくは告訴を取り下げてもらうことで、検察官は不起訴処分としますし、親告罪でない場合でも、被害者との示談の有無は検察官が起訴・不起訴を判断する上で重量な考慮要素となります。
ですので、刑事事件を起こしてしまったら、早期に被害者との示談交渉を開始する必要があるのです。
しかし、被害者との示談交渉を加害者やその家族が直接行うことはお勧めできません。
一般的に、被害者は加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いていることが多く、加害者に連絡先を教えることはあまり多くありませんし、仮に連絡先を教えたとしても、当事者同士の交渉は感情的になりやすく交渉が難航する傾向にあります。
被害者との示談交渉は、弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士限りであれば連絡先を教えてもよいと回答する被害者も多く、被害者の連絡先を教えてもらえる可能性があります。
また、弁護士を介することで、冷静な話し合いができ、示談を円滑に成立させることも期待できるでしょう。
示談交渉を弁護士に依頼することで、このようなメリットがあります。
刑事事件を起こし、被害者対応にお悩みであれば、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
これまで数多くの示談交渉を行ってきた刑事事件専門弁護士が無料で法律相談を行います。
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駅員への暴力行為で現行犯逮捕
駅員への暴力行為で現行犯逮捕
駅員への暴力行為で現行犯逮捕となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神戸市長田区の駅の改札口で、自動改札機にICカード乗車券をかざして出ようとしたところ、残高不足で出入り口が塞がれてしまいました。
酔って気が大きくなっていたAさんは、ICカードにチャージすることなく、そのまま閉じたバーを無理やり通り抜けて外に出ました。
それを見ていた駅員のVさんが、Aさんに声をかけ、支払いを済ませるよう求めたところ、Aさんはカッとなり、Vさんの胸を強く押し、Vさんは態勢を崩し床に倒れるかたちになりました。
他の駅員が兵庫県長田警察署に通報し、Aさんは駆け付けた警察官に暴行の容疑で現行犯逮捕されました。
(フィクションです)
駅員に対する暴力行為
駅のホームなどで、「駅員に対するこ暴力行為は犯罪です!」といったことが書かれたポスターを見られたことがあるでしょうか。
日本民営鉄道協会やJR各社などのまとめによると、駅構内や列車内で2018年度に起きた駅員や乗務員に対する暴力行為は630件にのぼるということです。
この数字は、昨年度を比較すると、26件減少しており、2014年度の800件以降は減少しているとのことです。
注目すべきは、暴力行為の加害者の約53%が酒気を帯びていることや、曜日別でみると、週末にかけて増加しており、時間帯別では深夜の発生件数が多くなっています。
ですので、飲酒と暴力行為には相関関係がみられると言えるでしょう。
駅員への暴力行為で成立する犯罪は?
駅員や乗務員に対する暴力行為は、その内容により次のような罪に該当することになります。
暴行罪
刑法第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
人に暴行を加えたが、結果その人が傷害を負わなかった場合には、「暴行罪」が成立する可能性があります。
ここでいう「暴行」というのは、不法な有形力の行使が人の身体に対して加えられる場合をいいます。
相手の身体を押す、叩く、引っ張るなどといった行為だけでなく、狭い四畳半の部屋で在室中の相手方を脅かすために日本刀の抜き身を振りまわる行為、音・光・電流等を行使する場合も「暴行」に含まれます。
暴行罪の故意は、「人の身体に対して有形力を行使することの認識」であり、未必的認識で足ります。
傷害罪
刑法第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
暴行を加えた結果、相手方に傷害を負わせてしまった場合には、「傷害罪」が成立する可能性があります。
結果である「傷害」の概念については、「人の生理的機能に障害を加えること」であると理解されています。
ですので、殴って傷を負わせるといった身体への侵害だけでなく、精神的障害を患った場合も「傷害した」ことになります。
傷害罪の故意については、「傷害罪が暴行罪の結果的加重犯であるので、傷害罪の故意は暴行の認識があれば足りる」と理解されます。
駅員への暴力行為で逮捕される場合
駅員や乗務員に対して暴力行為を行い逮捕される場合の多くが、駅員や駆け付けた警察官に現行犯逮捕されるものです。
「現行犯逮捕」は、現に罪を行っている、あるいは行い終った直後の者の場合に、逮捕状なく逮捕できるものです。
現行犯逮捕については、私人についても認められていますので、駅員や目撃者等によってなされることも可能です。
酒に酔っての暴力行為で逮捕された場合、酔いが冷めると罪を認め反省していれば、勾留されずに釈放となる可能性もあります。
他方、「覚えていない」「やってない」などと容疑を否認したり、反省の態度がない場合には、逮捕に続き勾留となる可能性も少なくありません。
駅員への暴力行為で逮捕されたら、すぐに弁護士に相談し、取調べ対応についてのアドバイスを受けるのがよいでしょう。
ご家族が、酒に酔って駅員に暴力を振るってしまい逮捕されたとお困りであれば、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件専門弁護士が、逮捕された方のもとへ赴き直接接見を行う「初回接見サービス」をご案内させていただきます。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。
マンションのドア壊し建造物損壊
マンションのドア壊し建造物損壊
建造物損壊罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
高校の同窓会に参加した兵庫県神崎郡神河町に住むAさんは、久しぶりに会った旧友たちと盛り上がり、いつもより多く飲酒していました。
店から自宅まで徒歩で帰宅していたAさんは、泥酔していたため自分のマンションだと思い込み、違うマンションに入ろうとしました。
オートロック式だったので、もちろん鍵を持っていないAさんは入ることができませんでした。
「なんで俺を入れへんのや!」と、マンションのエントランスの自動ドアが開かないことに苛立ちを覚えたAさんは、側溝のふたを投げ、ドアを壊してしまいました。
マンションの近くを通ったタクシー運転手が、自動ドアのガラスが割れていることに気が付き、すぐに通報しました。
兵庫県福崎警察署は、マンションの防犯カメラの映像から、Aさんを割り出し、逮捕状を持ってAさん宅に向かいました。
(フィクションです)
マンションのドアを壊す行為は何罪?
上のケースでは、Aさんはマンションの自動ドアのガラスを割っています。
Aさんの行為は、どのような罪に問われるのでしょうか。
他人の物を壊すといえば、「器物損壊罪」が一番に思い浮かぶ罪名ではないでしょうか。
器物損壊罪について
第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
本罪の客体は、「公用文書等毀棄、私用文書等毀棄、建造物等損壊及び同致死傷に規定するもののほか、他人の物」です。
つまり、「公務所の用に供する文書」、「権利・義務に関する他人の文書や電磁的記録」、「他人の建造物又は艦船」以外の他人の物です。
動産・不動産だけでなく、動物も含まれます。
他人のマンションのエントランスにある自動ドアは、器物損壊罪の客体に該当するのでしょうか。
それとも、「建造物」に当たり、「建造物損壊罪」が成立し得るのでしょうか。
それでは、建造物損壊罪についてみていきましょう。
建造物損壊罪は、他人の建造物や艦船などを損壊する罪です。
第二百六十条 他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
本罪の客体は、「他人の建造物又は艦船」です。
ここでいう「建造物」とは、家屋その他これに類似する建築物を指称し、屋外を有し障壁または柱材をもって支持されて土地に定着し、少なくともその内部に人が出入りすることのできるものであることを必要とします。(大判大3・6・20)
ですので、外塀や門などは建造物ではありません。
器物が建造物の一部を構成しているといえるためには、毀損しなければ取り外しができない状態にあることが必要となります。(大判明43・12・16)
また、適切な工具を使用すれば、損壊せずに取り外しができるのであっても、器物が建造物の一部かどうかは、物と建造物との接合の程度や、物の建造物における機能上の重要性などを総合的に考慮して判断されます。(最決平19.3.20)
天井、敷居、鴨居、屋根、瓦、玄関ドアは建造物の一部となり、畳、ふすま、雨戸、障子などの造作物や建具は、器物損壊罪の客体となると解されます。
よって、マンションの玄関ドアは、建造物の一部に当たり、「器物損壊罪」ではなく「建造物損壊罪」の客体となります。
器物損壊罪の法定刑が3年以下の懲役または30万円以下の罰金であるのに対して、建造物損壊罪のそれは、5年以下の懲役と非常に重くなっています。
また、器物損壊罪は親告罪であるのに対し、建造物損壊罪は非親告罪です。
ですので、被害者の告訴がなくとも刑事事件として成立することになります。
しかし、器物損壊事件の場合と同様に、建造物損壊事件においても、被害者との示談締結が最終的な処分に大きく影響するものと言えます。
建造物損壊事件においては、被害額が高額となるケースもありますし、示談交渉にはそれなりの交渉力をもって臨む必要があるでしょう。
被害者との示談交渉について、一度弁護士にご相談されることをお勧めします。
建造物損壊事件で逮捕された、被害者との示談交渉に困っておられるならば、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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リベンジポルノと強要罪
リベンジポルノと強要罪
リベンジポルノと強要罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
SNSを通じて知り合った会社員のAさんと高校生のVさん(17歳)は、1年ほど交際していましたが、別れることになりました。
その後しばらくして、Aさんから「会いたい」と連絡がありましたが、Vさんは断りました。
すると、「会わないというなら、お前の裸の写真や動画をネットに拡散するぞ。」と言い、AさんはVさんに面会を強要しました。
怖くなったVさんは、学校の先生に話し、兵庫県川西警察署に相談することにしました。
兵庫県川西警察署は、Aさんを強要未遂容疑で逮捕しました。
(フィクションです)
リベンジポルノって?
交際している間に撮影した交際相手の裸や性行為の写真・動画などは、信頼している相手だから悪用されることはないと信じていませんか?
10~20代の若者の間では、自身の裸の写真を相手に送ったり、性行為の様子を撮影することに同意した経験がある人の数が、他の年齢より多く、知識や経験が乏しく、その危険性を十分に理解していないことが多いようです。
そのような写真や動画は、交際関係が終わっても、データを完全に削除しない限り、相手の手元に残るということをきちんと理解しなければなりません。
近年、交際中に撮影した相手方の裸の写真などをネットに投稿するなどと言って、元交際相手に対して復縁を迫ったり面会するよう求める行為が増えてきています。
このように、離婚した配偶者や別れた元交際相手が、相手から別れを切り出されたことや要求を拒否されたことの仕返しとして、相手の裸の写真や動画など、相手が公開するつもりのない私的な性的画像を無断でネットに公開する行為を「リベンジポルノ」といいます。
リベンジポルノに関連する犯罪とは?
1.リベンジポルノ防止法違反
「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(以下、「リベンジポルノ防止法」)は、リベンジポルノを規制しています。
第三条 第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 前項の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者も、同項と同様とする。
3 前二項の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
リベンジポルノ防止法でいう「私事性的画像記録」というのは、
・性交または性交類似行為
・他人が人の性器等を触る行為または人が他人の性器等を触る行為
・服の全部または一部を着けていない姿で、殊更に人の性的な部位が露出されたり強調されたりしているものであって、性欲を興奮させまたは刺激するもの
を撮影した画像で、第三者に見られることに同意が得られていないものです。
このような画像をネットの掲示板などに投稿する行為は、リベンジポルノ防止法違反となります。
2.強要罪
刑法第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
性的な画像を公開することで、相手方の名誉を棄損すると脅し、面会や交際などといった義務のないことを行わせる行為は、強要罪にあたります。
強要罪は未遂でも処罰されます。
3.児童ポルノ法違反
画像等の被写体が18歳未満である場合は、児童ポルノに該当し、児童ポルノ製造・所持罪が成立するでしょう。
また、それらの画像等をネット上に載せた場合には、児童ポルノ公然陳列罪となり、その法定刑は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその併科と非常に重い罪に問われることとなります。
他にも、「性的な画像をばらまくぞ」と脅した場合には脅迫罪が、公開したことで名誉が毀損されたとして名誉棄損罪が成立する可能性もあります。
いずれにせよ、相手の気持ちを無視し、自己の欲求を満たすためにリベンジポルノに走ることはやめましょう。
もし、あなたがリベンジポルノで刑事事件の被疑者として警察に取り調べを受けているのであれば、今すぐ刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
被害者がいる事件では、被害者との示談成立が事件解決に最も有効な手段です。
当事者が直接交渉するのではなく、弁護士を介して行うことで、円滑に示談交渉を進めることができるでしょう。
特に、元配偶者や交際相手といった関係性にある場合には、当事者間での交渉は難航しますので、弁護士を介して行うことをお勧めします。
刑事事件でお困りであれば、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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示談成立で不起訴に
示談成立で不起訴に
示談成立での不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
会社の同僚と兵庫県美方郡香美町にあるバーを訪れたAさん。
お酒も入り、店のマスターや同僚との話も盛り上がり楽しい時間を過ごしていたのですが、店に来ていた他の客Vさんが、店の女性従業員にちょっかいをかけており、従業員やマスターは対応に困っていました。
そこで、AさんはVさんに「店の子も嫌がっるから、いい加減にしとき。」と言うと、Vさんは「お前誰やねん。しゃしゃりでてくんなや。」と言ってきたため、2人は口論になりました。
Aさんは、Vさんの挑発的な態度に我慢できなくなり、顔面を拳で一発殴ってしまいました。
口論が激しくなってきた際にマスターが兵庫県美方警察署に通報しており、駆け付けた警察官にAさんとVさんは別々に警察署に連行されました。
Aさんは、相手を殴ったことを素直に認めており、警察に事の経緯も正直に話しています。
警察官から、「相手と示談したらどうか。弁護士に相談してみたら。」と言われ、示談交渉を任せられる弁護士を探しています。
(フィクションです)
示談について
被害者がいる事件では、事件を穏便に解決する手段として、被害者との示談が挙げられます。
示談というのは、加害者が被害者に対して相応の弁償金を支払う一方、被害者は被害届の提出を行わないなど、当事者間では今回の事件は解決したと約束することです。
示談を成立させ、被害者が加害者に対して処罰を求めないとなれば、警察や検察官はそれ以上事件について捜査を行うことをせず、事件終了とする可能性が高いと言えるでしょう。
しかし、加害者が直接被害者と示談交渉することはお勧めできません。
警察が加害者に対して、被害者の連絡先を教えてくれることはあまりなく、加害者が直接被害者に連絡することができないからです。
加害者が被害者に働きかけて罪証隠滅を図るおそれもありますし、被害者が加害者に対して自分の連絡先を教えることを拒むことも多いのです。
また、元々被害者と知り合いで連絡先を知っていたとしても、当事者が直接交渉することで、感情論的になり、交渉が難航することが多いので、当事者間での交渉は好ましくないでしょう。
一般的に、示談交渉は弁護士を介して行います。
弁護士限りということであれば、連絡先を教えてもよいという被害者も多いですし、弁護士からの話を聞くうちに、処罰感情が高い被害者も徐々に示談意向を示すようになるケースもあります。
ですので、被害者との示談交渉は、加害者本人ではなく、代理人である弁護士に任せるのがよいでしょう。
示談が成立すれば
被害者との示談が成立した場合、以下のような結果が期待できます。
①事件化阻止
捜査機関が介入する前に示談が成立した場合には、事件化を阻止することができます。
警察が捜査を開始する前に、示談が成立しているので、被疑者として警察から取調べを受けることはありません。
②不起訴(起訴猶予)
既に被害者から被害届が出されているなど、事件が捜査機関に発覚している場合であっても、早期に示談を成立させることで、検察官が不起訴として事件を終了させる可能性を高めることになります。
不起訴とは
被疑者を起訴するか否かは、裁判官ではなく検察官が決めます。
検察官が起訴しないとする処分を「不起訴処分」といいます。
不起訴処分には、①罪とならず、②嫌疑なし、③嫌疑不十分、④起訴猶予の種類があります。
不起訴となる場合の多くが、④の「起訴猶予」です。
起訴猶予は、被疑者が犯罪を犯したという証拠が十分あり起訴することも可能であるが、被疑者の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯罪後の情況を考慮し、起訴する必要がないと判断され、不起訴となることです。
起訴猶予を獲得するためには、被疑者が反省していることや、被害者との示談が成立していることなどが重要なポイントとなります。
示談が成立することによって、被疑者の反省の態度を示すことにもなりますし、被害者との和解が成立しているとして被疑者にとって有利な材料にもなります。
このように、被害者がいる事件では、早期に示談を成立させることで、不起訴処分を獲得する可能性を高めることができます。
刑事事件の加害者となり対応にお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881まで。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。