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名誉棄損事件と示談

2019-03-20

名誉棄損事件と示談

名誉棄損事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県南あわじ市に住むAさんは、同じマンションに住むVさんと以前から因縁の仲でした。
Aさんは、ある日、ひょんなことから、Vさんから嫌がらせを受けたと思い込み、Vさんに対して仕返しをしてやろうと思い、「Vさんは、風俗店で働いている」といった内容のビラを作成し、マンションの郵便受け全てに投函しました。
Vさんは、すぐに兵庫県南あわじ警察署に相談し、告訴しました。
ご近所さんからそのことを聞いたAさんは、そのうちに自分の犯行だと発覚するのではと心配になり、慌てて刑事事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

名誉棄損事件における弁護活動

名誉棄損罪は、親告罪です。
親告罪は、告訴がなければ、検察官が公訴を提起することができない罪のことです。
ここでいう「告訴」とは、被害者または被害者の法定代理人の告訴権者が、捜査機関に犯罪の事実を申告し、訴追を求める意思表示のことをいいます。
告訴は、検察官または司法警察員に対して、書面または口頭で行います。
告訴が受理されると、捜査機関は、捜査を開始します。

名誉棄損罪のような親告罪が問題となる場合、事件を穏便に解決するには、何よりも被害者との示談成立が重要です。
示談というのは、加害者が被害者に対して相応の弁償金を支払う一方、被害者は被害届や告訴状の退出を行わない、若しくは、それらを取り下げるなど、当事者間では今回の事件は解決したと約束することをいいます。
被害者のいる事件では、事件の早期解決を図る方法として用いられます。

示談には、締結した内容により次のように種類分けすることができます。

1.被害弁償
加害者が被害者に対して、被害を金銭的に弁償することをいいます。
被害弁償が済んでいれば、将来の民事裁判の可能性を低くすることができます。
2.単なる示談成立
当事者が事件を解決すると約束することで、成立した場合には将来の民事裁判を予防することができます。
3.宥恕付き示談成立
示談書の中に、被害者の許しの意思が表示されている文言が入っている場合、事件が当事者間で完全に解決し、被害者が処罰を望んでいないことを表現することができます。
4.嘆願書作成
被害者が加害者を許す内容の書面を作成することです。
これにより、被害者が処罰を望んでいないこと、或いは、軽い処罰を望んでいることを表現することができます。
5.被害届取下げ
被害者が事件の被害届を取り下げることをいい、これにより事件が刑事事件として立件されることを被害者が望んでいないことを表現します。
6.告訴取消し
被害者が事件に対する告訴を取り消すことです。
被害者が告訴を取り消すことにより、被害者が処罰を望んでいないことを表現することができ、親告罪については、検察官は事件を起訴することができなくなります。

このように、示談を成立させることで、刑事事件を早期に解決する可能性を高めることができます。
しかし、示談の締結は1回限りの行為ですので、加害者本人が直接被害者と行うことには注意が必要です。
まず、加害者が被害者に対して示談をしたいと思っても、被害者と連絡をとることは容易ではありません。
特に、被害者とは全く面識のない場合、警察や検察を通じて被害者の連絡先を教えてもらわなければなりませんが、捜査機関は被害者の連絡先を加害者に直接教えることはあまりありません。
また、被害者は、加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いていることが多く、加害者と直接連絡をとることを望まないケースも多々あります。
ですので、被害者との示談交渉には、弁護士を介して行うことが通常です。
弁護士は、示談交渉を数多く経験しているため、交渉のノウハウを持っています。
示談交渉に優れた弁護士に依頼し、適切な法的サポートを受け、加害者と被害者がお互いに納得できるような示談をしましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
所属弁護士は、これまで数多くの刑事事件を取り扱ってきており、被害者との示談交渉にも豊富な経験があります。
あなたが、刑事事件を起こしてしまい、被害者への被害弁償・示談をお考えなら、弊所の弁護士にご相談ください。

児童買春罪と未必の故意

2019-03-19

児童買春罪と未必の故意

児童買春罪未必の故意について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、出会い系サイトで知り合った女性V(16歳)さんと、お金を渡す約束をして、兵庫県加西市のホテルで性行為をしました。
Vさんと知り合った出会い系サイトは、18歳以上の者だけが登録できるサイトであり、Vさんのプロフィールにも「20歳前半」となっていたので、AさんはVさんは18歳以上だと思っていました。
しかし、実際にVさんに会うと、Vさんの容姿や会話内容から、「もしかしたら18歳未満かもしれない」と思いましたが、約束通りVさんにお金を渡して性行為をしました。
後日、Vさんが別件で兵庫県加西警察署に補導されたことから、Aさんとのことが発覚し、Aさんは兵庫県加西警察署児童買春の容疑で逮捕されました。
(フィクションです)

児童買春罪

「犯罪」は、「構成要件に該当し、違法で有責な行為」です。
「構成要件に該当する」というのは、ある行為が、犯罪を定めた規定に当てはまることを意味します。
あなたが、何らかの行為を行ったが、その行為が犯罪だと法で定められていなければ、あなたが犯罪を犯したということにはなりません。
つまり、法律により犯罪として決められた行為類型(「構成要件」)に該当するか否かという点が、犯罪が成立するかどうかを検討するにあたり、最初に問題になるのです。

児童買春罪は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律に規定されています。

第四条 児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

児童買春罪の構成要件は、「児童買春をした」行為となります。

それでは、「児童買春」とは如何なる行為をいうのでしょうか。
これについても、同法において規定されています。

第ニ条
2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者

つまり、児童買春罪の構成要件は、以下の要素からなります。
・児童、児童に対する性交等を周旋した者、児童の保護者等に、
・対償を供与し、又はその供与を約束して、
・児童に対し、性交等をした
上記ケースでは、Aさんは、16歳のVさんに対して、お金を渡して、性行為をしたので、上記の要件に該当することになるでしょう。

さて、構成要件が成立するためには、上記の要素に加えて、罪を犯す意思(故意)が必要となります。
Aさんが、「児童等に、対償を供与・供与の約束として、児童と性交等する」ことを認識していたか否かが問題となります。
故意の様態は、一般的に次のように区別されます。
①犯罪事実の実現を意図する場合
②犯罪事実の発生を確定的なこととして認識・予見している場合
③犯罪事実の確定的な認識・予見はないが、その蓋然性を認識・予見している一定の場合
③を「未必の故意」といいます。
Aさんに対して児童買春罪が成立するためには、「故意」がなければ成立しません。
Aさんが、Vさんを18歳未満だと認識していなかった場合には、児童買春罪は成立しません。
しかし、AさんはVさんと会い「18歳未満かもしれない」と思っていますが、そのまま性行為を行っています。
この場合、「未必の故意」があると判断され、児童買春罪が成立する可能性があります。
AさんがVさんに年齢確認を求めた際、Vさんが偽造した運転免許証を提示するなど、Aさんが「Vさんを18歳未満だと知らなかったことに正当性が認められる場合には、故意はなく児童買春罪は成立しないことになります。
そのような故意がないことを立証するためには、単に「知らなかった」と主張するだけでは難しいでしょう。

児童買春罪で逮捕されてお困りの方、18歳未満だと知らなかったとお悩みの方は、児童買春事件に強い刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に今すぐご相談ください。
詳しくは、0120-631-881までお問い合わせください。

少年の刑事事件

2019-03-18

少年の刑事事件

少年刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市西区に住む高校生のAくん(17歳)は、勉強のストレスを発散するため、夜中ジョギングをしていました。
Aくんがいつものように近所をジョギングしていると、前方にミニスカートをはいた大学生ぐらいの女性が帰宅しているのを見かけました。
Aくんは、その女性の後を付け、背後から女性に抱きつき、服の中に手を入れ、女性の胸を鷲掴みにしました。
女性の叫び声を聞き、我に返ったAくんは、そのまま逃走しました。
後日、兵庫県神戸西警察署の警察官がAくん宅を訪れ、Aくんはそのまま連れて行かれました。
Aくんの両親は、訳が分からず慌てて少年事件に詳しい弁護士に相談の電話を入れました。
(フィクションです)

少年の刑事事件

上記のケースでは、Aさんに対して強制わいせつ罪が成立するでしょう。
少年事件も、警察や検察庁で捜査を受けている段階では、概ね成人の場合と違いはありません。
しかし、たとえば以下の点が異なります。

(1)捜査部門が異なる場合がある
強制わいせつ事件の場合、多くの警察署では刑事課で取り扱われています。
しかし、少年が犯した罪の場合には、生活安全課の中にある少年係(警察署の規模によって、これらの呼び方は異なります)によって取り扱われることが多くなっています。

(2)逮捕に続く身体拘束に種類がある
逮捕された後、更に捜査のため、必要がある場合には、裁判所の決定により、さらに身体拘束をすることができます。
成人の場合には、勾留という制度しかなく、10日間(場合によってはさらに10日間の合計20日間)身体拘束が継続されます。
これに対し、少年の場合には、勾留することも可能ですが、勾留に代えて観護措置をとることもできます(これを「勾留に代わる観護措置」と呼んでいます)。
少年でも勾留された場合には、最長20日間の身体拘束が可能ですが、勾留に代わる観護措置がとられた場合には、10日間の身体拘束しかできません。
また、成人の場合には勾留されると警察署又は拘置所に留置されるのに対し、少年の場合には、少年鑑別所に留置される場合もあります(勾留に代わる観護措置の場合には、必ず少年鑑別所に留置されます)。

(3)勾留要件が異なる
少年でも勾留できるのは既に述べた通りですが、検察官が勾留を請求した場合であっても、「やむを得ない事由」がなければ勾留できないとされています(少年法43条3項)。
この要件の意味はそれほど明確ではありませんが、本来少年は、その未成熟さから身体拘束の長期化や、警察署での身体拘束は控えるべきであると考えられているところ、そのような要請があってもなお勾留という20日間の身体拘束によらなければ捜査が終了しないという状況であると考えられます。

少年と学校の問題

少年が学校に通っている場合、少年が身体拘束を受けている間は、学校に行くことができません。
長期欠席により、定期試験を受けることができない、更には事件のことが学校に発覚し退学となってしまう可能性もあります。

都道府県によっては、警察が少年を逮捕した段階で、警察から学校に通報が行くという制度が設けられているところがあります。
事件が学校に発覚すると、ご両親の所に学校から事情を尋ねる問い合わせがあるのはもちろんのこと、最終的には本人に停学や退学などの処分がなされる可能性があります。
特に私立学校ではこのような傾向が強いということができます。

少年が事件を起こし逮捕されてしまった場合、学校に継続的に通学をするためには、早期の身体拘束からの解放が不可欠です。
逮捕の種類にもよりますが、通常逮捕日の次の日には勾留(ないしは勾留に代わる観護措置)をするかしないかの手続きが行われます。
早期の段階に弁護士をつけ、勾留を判断する裁判官に対し、事情を説明するなどして、身体拘束を継続しないよう説得することが必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を専門に扱う法律事務所です。
所属弁護士は、強制わいせつ事件を含め数多くの刑事事件少年事件を扱ってきております。
お子様が事件を起こして捜査機関に逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約は、フリーダイアル0120-631-881までご連絡ください。

単純横領罪と業務上横領罪

2019-03-17

単純横領罪と業務上横領罪

単純横領罪業務上横領罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース①~
Aさんは、知人のVさんから100万円を預かっていましたが、Aさんは預かっていた100万円を自己の借金返済のために使ってしましました。
Vさんが、Aさんに預けた100万円を返してほしいと言ったところ、一向に返してくれないことを不審に思ったVさんは、兵庫県篠山警察署に被害届を出しました。
(フィクションです)

~ケース②~
Bさんは、会社で経理業務を担当していましたが、取引先から支払われた金額から少しずつ抜き取り自分のものにするといった行為を繰り返していました。
ある日、会社がBさんの不正に気づき、Bさんに横領した金額を全額返還するよう求めました。
会社は、Bさんを告訴する意思もあると言っています。
(フィクションです)

横領事件

上のケースどちらも、人から預かった物を勝手に処分してしまうという点で同じだと言えるでしょう。
しかし、問われ得る罪は異なります。
それでは、どのような点が罪名を異にすることになるのでしょうか。

単純横領罪

刑法第252条 
 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。

単純横領罪は、「自己の占有する他人の物」または「公務所から保管を命ぜられた自己の物」を「横領」する犯罪です。
本罪の客体は、「自己の占有する他人の物」または「公務所から保管を命ぜられた自己の物」となります。
「占有」の意義については、「事実上または法律上物に対する支配力を有する状態」をいうと解されます。
本罪における「占有」は、「委託関係」に基づくことが必要となります。
委託関係は、一般的に民法の契約に基づいて発生することになりますが、契約に限らず、事務管理、後見などの法律上の規定による場合にも認められます。
委任関係は、事実上のものであればよく、委託者が物の保管を委託する法律上の権限を有するか否か、受託者が受託するうえで法律上の権限を有するか否かは問いません。
「他人の物」とは、他人の所有する財物のことをいいます。
ケース①では、VさんがAさんに金銭を委託しています。
民法上では、金銭の所有と占有は一致すると解されており、委託を受けて占有する者にとって当該金銭は「他人の物」といえない可能性があります。
しかし、本罪では委託者と受託者の二者間における財産の帰属が問われていることから、本罪の解釈では、民法上の解釈がそのまま適用されるわけではありません。
例えば、封をするなどして特定の金銭の保管だけを委託し、当該金銭を受託者が消費してしまった場合や、封がされていなくても使途を定めて寄託された金銭を消費した場合には、当該金銭は「他人の物」といえると解されます。
一方、消費を許す趣旨で金銭が寄託された場合、当該金銭の所有権は移転することになります。
横領罪の行為である「横領」については、委託に基づく信任関係を破棄し、委託物に対し権限を越えて行う処分行為というとする「越権行為説」と、委託物につき不法領得の意思を実現するすべての行為をいうとする「領得行為説」と見解が分かれていますが、判例は後者の見解にたっています。
ここでいう「不法領得の意思」とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思です。
具体的な横領行為は、消費・着服といった事実上の処分行為と、売却・贈与といった法律上の処分行為が含まれます。
ケース①では、VさんがAさんに金銭を預けていますが、封金の保管だけをお願いしたとしましょう。
保管だけ頼んだのに、それを勝手に使ってしまったのですから、横領行為があったと言えるでしょう。
ですので、Aさんに対して単純横領罪が成立する可能性があります。

業務上横領罪

刑法第253条
 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

業務上横領罪の規定は、単純横領罪のそれに「業務上」という文言が加えられています。
本罪の客体は、「業務上自己の占有する他人の物」ということになります。
本罪における「業務」は、その性質上他人の委託に基づいて他人の財物を占有、保管する事務を反復継続して行う地位のことをいいます。
業務の根拠は、法令・契約、公的・私的を問わず、職業としてなされるものに限りません。
具体的には、質屋や倉庫業者、法人・団体の物をその職務上保管・管理する役職員が業務上の占有者です。
ケース②では、Bさんは会社の経理業務を担当しているので、業務上の占有者と言えます。
業務の関係で、会社のお金を管理していたBさんですが、その会社のお金をくすねていたのですから、Bさんに対しては業務上横領罪が成立するでしょう。

このように単純横領罪業務上横領罪は、「委託関係に基づき自己が占有する他人の物を横領する」という点で共通していますが、業務上横領罪には主体に「業務者」であることを求める点で異なります。
また、単純横領罪の法定刑は5年以下の懲役ですが、業務上横領罪のそれは10年以下の懲役と加重されています。
後者の法益侵害の範囲が広く、頻発のおそれが多く違法性が大きいため、一般予防の観点から刑を加重したと解されます。

横領事件では、被害弁済が済んでおり相手方と示談することができれば、刑事事件に発展する可能性は低いでしょう。
刑事事件化したとしても、被害者に被害金が返還されないこともあるので、被害者としては被害金が戻ってくることを優先することが多いからです。
ですので、横領事件を起こし刑事事件化するのではとお困りであれば、すぐに被害者への被害弁償や示談交渉を行う必要があります。
しかし、どうやって交渉すればよいのか分からない、実際に横領した額以上の額の返済を迫られているなど、本人が行うことが難しい場合もあります。
そのような時は、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、0120-631-881までお問い合わせください。

刑事事件と勾留

2019-03-16

刑事事件と勾留

刑事事件勾留について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県宝塚市に住む大学生のAくん(21歳)は、大麻取締法違反(単純所持)の疑いで兵庫県宝塚警察署に逮捕されました。
Aくんは、大学の学期末試験期間中で、必須科目の単位が取れなかった場合には、留年してしまう可能性もあり、どうにか勾留されずに釈放とならないかと困っています。
Aくんの願いとは裏腹に、勾留決定となり、Aくんは頭を抱えています。
(フィクションです)

勾留について

被疑者または被告人を拘禁する裁判とその執行を「勾留」といいます。
あなたが、刑事事件をおこし、警察などの捜査機関に逮捕されると、逮捕から48時間以内に、あなたは釈放されるか、若しくは検察に送致されることになります。
検察に送致された場合、検察官は、あなたの身柄を受けてから24時間以内に、あなたを釈放するか、或いは、あなたを勾留する必要があると判断し、裁判官に対して勾留請求を行います。
裁判官は、勾留請求を受けて、あなたを釈放するか、勾留するかを決定します。
勾留するか否かを判断する際、勾留の要件を満たしているか否かを検討しなければなりません。
勾留の要件とは、(1)勾留の理由があり、かつ、(2)勾留の必要性があることです。

勾留の理由

「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること」かつ、①住所不定、②罪証隠滅のおそれ、または③逃亡のおそれがあることが勾留の要件です。

罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること
「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」とは、具体的根拠に基づいて犯罪の嫌疑が一応是認できる程度の理由をいいます。

住所不定
「定まった住居を有しない」ことで、住所や居所を有しないという意味です。

罪証隠滅のおそれ
「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」とは、証拠に対して不正な働きかけを行い、終局的判断を誤らせたり、捜査や公判を紛糾させるなどのおそれがあることをいいます。
この「おそれ」は、抽象的可能性では足りず、具体的な資料に基づいた当該事案における具体的蓋然性であることが必要とされます。
罪証隠滅の有無を判断するにおいて、考慮される要素は以下のものがあげられます。
①罪証隠滅の対象
②罪証隠滅の態様
③罪証隠滅の余地
④罪証隠滅の主観的可能性

逃亡のおそれ
「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由」とは、被告人が所在不明となり、召喚も勾引もできなくなること、またはできなくなるおそれがあることをいいます。
逃亡のおそれについても、抽象的可能性では足りず、具体的な資料に基づいた具体的蓋然性であることが必要となります。
例えば、生活が不安定であるので所在不明になる可能性がある、あるいは、処罰を免れるために所在不明になる可能性があることが想定されるでしょう。

勾留の必要性

勾留の理由がある場合であっても、勾留の必要性がなければ勾留は認められません。
勾留の必要性とは、勾留の相当性のことであると解され、被疑者・被告人を勾留することによる「公益的な利益」と、これにより被疑者・被告人が被る「不利益」とを比較衡量して総合的に判断されます。
この必要性の判断には、事案の軽重、予想される処分、罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれの強さの度合いなどが影響すると考えられます。

ここで、上記ケースを例に勾留の要件を満たしているかどうか考察してみたいと思います。
Aくんは、大麻所持で逮捕されました。
Aくんが大麻所持の現行犯で逮捕された場合や、家宅捜索で大麻が見つかった場合など、Aくんが大麻を所持していたと疑うに足りる相当な理由があると言えるでしょう。
そして、罪証隠滅のおそれについて検討すると、本件は薬物事件ですので、その入手経路や密売組織との関係など、罪証隠滅の対象となる事実にあたると解され、釈放した場合に、関係者と口裏合わせをするなどの可能性が指摘されるでしょう。
その結果、罪証隠滅のおそれありと判断され、勾留が決定される可能性があります。

しかし、そのような場合においても、刑事事件に強い弁護士は、勾留の理由および勾留の必要性がないことを客観的な証拠に基づいて主張し、勾留決定に対して不服申立てを行います。
例えば、逮捕時から素直に容疑を認めており、それまでの取調べで入手先などについて述べており、大麻、携帯電話やパソコン、その他証拠物が既に警察に押収されているなど、罪証隠滅をする余地がないこと、更に、保護者と同居しており監視監督が期待できるといった理由により、罪証隠滅のおそれがないことを主張します。
また、Aくんは、学期末試験期間中であり、必須科目の試験が近日中に予定されています。
Aくんは、この科目の単位をとらないと、留年することになり、そうなれば内定が決まっている会社への就職にも影響するなど、勾留によって被る不利益が大きいことも、必要性の観点から主張することになるでしょう。

このような主張が認められれば、勾留を決定した原判決は取り消され、検察官が行った勾留請求は却下されることとなり、被疑者は釈放されます。
弁護人からの勾留決定に対する準抗告が容認される確率は、決して高いとは言えません。
しかし、不当な身体拘束を避けるため、客観的な証拠に基づいた説得的な主張を行い、身体拘束を解くことは不可能ではありません。

逮捕・勾留されお困りの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
お問い合わせは、0120-631-881まで。

覚せい剤所持罪で逮捕

2019-03-15

覚せい剤所持罪で逮捕

覚せい剤所持罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県警察は、覚せい剤の密売グループの捜査をしている過程で、Aさんが関与しているとの情報をつかみました。
その情報をもとに、警察は、兵庫県加東市に住むAさん宅を訪れ家宅捜査したところ、覚せい剤が見つかりました。
Aさんは、覚せい剤所持の疑いで現行犯逮捕となりました。
Aさんは、「覚せい剤は恋人が勝手に置いて行っただけで、自分は関係ない」と供述しています。
(フィクションです)

覚せい剤取締法違反事件

覚せい剤取締法は、覚せい剤の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、覚せい剤および覚せい剤原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受および使用に関して必要な取り締まりを行うことを目的とする法律です。
覚せい剤取締法の規制対象となる覚せい剤は、以下のものです。
①「フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパンおよび各その塩類」(法2条1項1号)
②「前号に掲げる物と同種の覚醒作用を有する物であって、政令で指定するもの」(2号)
③「①、②の物のいずれかを含有する物」(3号)
このことから、規制対象となる覚せい剤は、必ずしも純粋な覚せい剤に限らず、他の物と混合された物であっても「覚せい剤」に当たります。

覚せい剤所持罪

第十四条 覚せい剤製造業者、覚せい剤施用機関の開設者及び管理者、覚せい剤施用機関において診療に従事する医師、覚せい剤研究者並びに覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者の外は、何人も、覚せい剤を所持してはならない。

覚せい剤製造業者等の一定の資格を有する者が所持する場合等を除き、覚せい剤所持を禁止しています。

第四十一条の二 覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第四十二条第五号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、一年以上の有期懲役に処し、又は情状により一年以上の有期懲役及び五百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

覚せい剤を「みだりに」「所持」する行為を処罰することとし、営利の目的があった場合を加重処罰することとしています。
つまり、覚せい剤所持罪は、「覚せい剤」を「みだりに」「所持」することにより成立します。

所持」とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為をいうのであって、その実力支配関係の持続する限り所持は存続するものというべく、かかる関係の存否は、各場合における諸般の事情に従い社会通念によって決定されるものである」(最大判昭30・12・21)と解されます。
覚せい剤所持に関する判例では、「物理的に把持する必要はなく、その存在を認識して管理し得る状態にある場合」、「直接所持しなくてもよく、他人の行為を介して自己の所持を実現したと認められる場合」、「所有者でない場合」、「比較的短時間の携帯にすぎない場合」においても所持を認めています。

また、所持罪が成立するためには、覚せい剤を自己の実力的支配内に置くことを認識していること(=故意)が必要です。
しかし、覚せい剤所持事件では、上記ケースのように、「知人が勝手に置いて行った」、「知人から預かっただけ」と主張するケースが多いようです。
つまり、覚せい剤所持罪の成立には、「所持」という行為と犯意(故意)の他に、「積極的に覚せい剤を自己又は他人のために保管する意思」や「自ら所有し又は使用、処分する意思」などが必要だと主張されることがありますが、所持罪の成立には、そのような意思まで必要とされません。
所持は、あくまで覚せい剤を自己の実力支配内に置く行為であればよく、その態様の如何を問いません。
ですので、覚せい剤と知りつつ自己の実力的支配内に置けば、所持罪は成立すると解されます。

覚せい剤事件で逮捕された場合、そのまま勾留となる可能性は高いと言えるでしょう。
また、犯罪組織とのつながりが疑われる場合には、接見禁止が付されることもあります。
逮捕から勾留までの間や、接見禁止が付された場合、例え被疑者の家族であっても被害者と面会することはできません。
しかし、そのような場合でも、弁護士であればいつでも面会(接見)することができます。

ご家族が覚せい剤事件で逮捕された、勾留禁止がなされ面会できずお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご連絡ください。
薬物事件も含めた刑事事件を専門とする弁護士が、逮捕・勾留された方のもとへ赴き接見をする「初回接見サービス」をご案内いたします。
詳しくは、0120-631-881までご連絡ください。

刑事事件と懲戒処分

2019-03-14

刑事事件と懲戒処分

刑事事件懲戒処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、休日に兵庫県神戸市北区の商業施設を訪れていました。
Aさんは、上りエスカレーターで前にいた女子高生Vさんのスカート内を持っていたスマートフォンで盗撮しました。
盗撮時に偶然後ろを振り返ってVさんの友人が、Aさんの犯行を目撃し、事件が発覚しました。
Aさんは、通報を受けて駆け付けた兵庫県有馬警察署の警察官に逮捕され、そのまま警察署に連れていかれました。
Aさんは容疑を認めていますが、事件が会社に知られないか、くびにならないかと心配でなりません。
(フィクションです)

懲戒処分について

懲戒処分は、職場の規律や企業の秩序を維持するための制度として、服務規律や秩序違反に対する制裁として行われる不利益措置をいいます。
通常、企業において、訓告、戒告、けん責、減給、出勤停止、降格、論旨解雇、懲戒解雇など制度化されています。

懲戒処分の種類
・戒告…将来を戒める旨の申渡しをする処分。
・けん責…始末書を提出させて将来を戒める処分。
戒告とけん責は、いずれも実質的な不利益を課さない処分ではありますが、昇給・昇格・賞与などの人事考課で不利に考慮されることはあります。
・減給…労働者が現実になした労務提供に対応して受けるべき賃金額から一定額を差し引くこと。
・出勤停止…労働契約を存続させながら、労働者の就労を一定期間禁止する制裁。
・懲戒休職…労働契約を存続させながら、労働者の就労を1か月~6か月程度の期間禁止する制裁。
・降格…役職や職位、あるいは職能資格を引き下げる処分。
・論旨解雇…一定期間内に退職願の提出を勧告し、提出があれば退職扱いとし、退出がない場合には懲戒解雇とする処分。
・懲戒解雇…懲戒処分のうち最も重い処分であり、労働者との労働契約を一方的に解約する処分。通常、解雇予告も予告手当の支給もせずに即時になされ、退職金も全部または一部が支給されません。

これらの懲戒処分を行うには、あらかじめ就業規則等に懲戒の種類および事由を定めておくことが必要です。
規定に定めのない事由で懲戒することはできません。

職場外での刑事事件と懲戒処分

懲戒処分は、企業における服務規律や企業秩序を維持するための制度として、服務規律違反や企業秩序違反に対する制裁を行うものです。
労働者の私生活における行動は、通常服務規律や企業秩序に影響を及ぼさないので、原則企業の懲戒処分の対象とはなりません。
しかしながら、労働者は、企業秩序をみだりに毀損してはならないという誠実義務を企業に対して負っています。
この点、私生活での行動であっても、企業の社会的評価を毀損する行為や、企業の事業活動に支障を生じさせる行為を行った場合、懲戒処分の対象となります。
私生活上の非違行為に対する懲戒処分の可否を検討するにあたって、過去の裁判例に基づくと、次の事情が考慮される必要があると解されます。
①非違行為の性質および情状
②企業の事業の種類、態様、規模、経済界に占める地位、経営方針
③労働者の企業における地位・職種
④その他の事情
これらの事情を総合的に考慮し、企業秩序や企業の社会的評価への悪影響が相当重大であるといえるか否かが検討されることが必要です。
刑事事件の場合には、終局処分やマスコミ報道の状況、犯罪の事実が認められるかどうかも重要な考慮要素となります。

盗撮行為は、犯罪です。
その多くが迷惑防止条例違反に問われ、その法定刑は6月以下の懲役または50万円以下の罰金です(常習の場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金)。
業務と関係のない私生活上の犯罪の場合、雇用者が被雇用者に対して懲戒処分を行うには、あらかじめ就業規則等に懲戒の種類と事由を定めている必要があります。
その上で、盗撮行為が実際にあったのかどうかが問題になりますが、本人が認めているのであれば、犯罪事実が認められることになります。
盗撮は、被害者に大きな精神的な苦痛をもたらす犯罪であり、軽微なものとは言えません。
そのため、犯罪事実が認められる場合には、懲戒処分を課すことは可能でしょう。
しかし、直ちに懲戒解雇や諭旨解雇という重い処分となるには相当性を欠くでしょう。
事件が報道され、企業名が公になれば、企業の社会的評価にも悪影響を及ぼすことになるでしょう。
また、被疑者が身体拘束されたことで業務への支障が著しく会社が多大なる損害を被ったといった、事情がある場合には、重い処分を下すことも不合理ではないでしょう。

私生活上、刑事事件を起こしてしまい、事件のことが会社に発覚するケースは、次のような場合があげられます。
・逮捕勾留により長期の身体拘束を受け、長期間の欠勤を余儀なくされる場合
・事件が報道された場合
特に、後者の場合には、会社にも悪影響を与えてしまいかねませんので、できる限り回避したいものです。

あなたが刑事事件を起こしてしまったのであれば、すぐに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
逮捕されてしまった場合には、早期釈放に向けた弁護活動を行い、会社への事件発覚を回避するよう尽力します。
また、被害者への謝罪・被害弁償や示談交渉にも早期に着手し、終局処分が不起訴処分となるよう努めます。
刑事事件でお困りの方、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

ぐ犯少年の少年事件手続

2019-03-13

ぐ犯少年の少年事件手続

ぐ犯少年少年事件手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aさん(16歳)は、私立の高校に進学しましたが、学校に馴染めず、3か月で高校を中退しました。
その後、家にもあまり帰らなくなり、友人宅を転々とするようになりました。
ある日、友人数名と他人に傷害を負わせたとして、兵庫県兵庫警察署に身柄が拘束されたとAさんの両親に連絡が入りました。
Aさんは、現場にはいたものの事件には関与していないとして釈放されましたが、警察からは、Aさんの生活状況から家庭裁判所に送致すると言われました。
Aさんの両親は、今後どのような流れになるのか心配になり、少年事件に精通する弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

ぐ犯少年とは

ぐ犯少年」とは、ぐ犯事由があり、その性格や環境からみて、将来罪を犯すおそれ(ぐ犯性)のある20歳未満の少年のことをいいます。
「ぐ犯事由」というのは、次に掲げる事由です。
①保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
②正当な理由なく家庭に寄り附かないこと。
③犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること。
④自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
ぐ犯性があるか否かは、知能や性格等の本人の問題点だけでなく、家庭や学校、友人関係等の環境的要因等も総合的に検討されます。

ぐ犯少年の事件における手続

ぐ犯少年発見から家庭裁判所送致まで
警察は、ぐ犯少年を発見した場合、当該少年が18歳以上20歳未満である場合には、家庭裁判所に送致・通告します。
14歳以上18歳未満のぐ犯少年の場合、事案の内容、家庭環境等から判断して家庭裁判所または児童相談所のいずれかに送致・通告し、14歳未満の場合には児童相談所に通告します。

家庭裁判所送致後
家庭裁判所は事件を受理すると、家庭裁判所調査官が少年の要保護性に関しての調査を行います。
審判では、非行事実と要保護性について審理されますが、保護事件としての性質上、要保護性の有無・程度の判断が重要な意味を持ちます。
そして、調査官の調査結果が、要保護性判断の最も重要な資料となります。
事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は「観護措置」をとるか否かを決定します。
「観護措置」とは、家庭裁判所が調査・審判を行うために、少年の身柄を保全し、調査・鑑別などを行いながら少年を保護するための措置のことです。
観護措置の期間は、原則2週間とされていますが、ほとんどの事件で更新され、原則4週間といえる運用がなされているが実情です。
審判では、調査官による調査結果や鑑別所の行った鑑別結果を総合的に考慮し、裁判官は少年の更生に適した処分を決定します。
審判で決定される保護処分として、以下のものがあります。
・保護観察:少年を施設に収容せず、在宅で、保護観察所の指導監督の下、少年の更生を図る社会内処遇。
・児童自立支援施設・児童養護施設送致決定:施錠のなし開放的な施設で生活指導等を行う処遇。
・少年院送致決定:少年の身柄を収容し、少年に対して矯正教育を施す処遇。
これらの終局的な保護処分以外に、終局処分の決定を一定期間留保する中間処分として「試験観察決定」がなされる場合があります。
また、死刑・懲役・禁錮に当たる罪を犯した少年について、家庭裁判所が保護処分ではなく刑事処分を相当と認める場合に、「検察官送致」がさなれることもあります。

お子様がぐ犯少年として家庭裁判所に送致され、対応にお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の少年事件専門の弁護士にご相談ください。
少年事件では、非行事実のみならず要保護性も審判の審理対象となりますので、非行事実が軽微であっても、要保護性が高いとみなされると少年院送致といった厳しい処分となる可能性もあります。
そのような事態を回避するためにも、早い段階から少年事件に精通した弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。

ストーカー事件で禁止命令

2019-03-12

ストーカー事件で禁止命令

ストーカー事件での禁止命令について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aさんは、Bさんと長年交際関係にあり、結婚を約束していました。
しかし、Bさんは他に好きな人が出来たため、Aさんとの関係を解消したいと言い出しました。
Aさんは、Bさんと別れたくないため、その後も、Bさんに一日に何度も電話やメールをし、Aさんとやり直すよう求めていました。
Aさんは、Bさんの自宅で待ち伏せしたり、勤務先に押し掛けたりしており、困ったBさんは、兵庫県たつの警察署に相談しました。
Aさんは、禁止命令が出されましたが、それでもBさんと連絡をとろうと試みたため、兵庫県たつの警察署は、Aさんをストーカー禁止法違反の容疑で逮捕することになりました。
(フィクションです)

ストーカー規制法違反

ストーカー規制法(「ストーカー行為等の規制等に関する法律」)は、ストーカー行為を処罰する等、ストーカー行為等について必要な規制を行う法律です。
ストーカー規制法における「ストーカー行為」とは、「同一の者に対し、つきまとい等を反復してすること」です。

「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその家族(配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者)に対し、次のいずれかに掲げる行為をすることをいいます。
①つきまとい、見張り、おしかけ、うろつきなど
②監視していることを知らせる行為
③面会や交際などを要求すること
④乱暴な言動等
⑤無言電話、繰り返しの電話・FA・メール送信等
⑥汚物などの送付
⑦名誉を傷つけること
⑧わいせつな言葉を投げかけたり、わいせつな画像を送りつけたり、インターネット掲示板に掲載するなど
ただし、「つきまとい等」のうち、①~④については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、または行動の事由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われた場合に限られます。
ここでいう「身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、または行動の事由が著しく害される不安を覚えさせるような方法」とは、社会通念上、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害されるのではないか、または行動の自由が著しく害されるのではないかと相手方に不安を覚えさせると評価できる程度のものである必要があると理解されています。

「同一の者」とは、男女問わず同じ人物であることを意味しますので、男性が女性に対してのみならず、男性が男性に、女性が女性に、と同性に対するつきまとい等の反復行為を含みます。
「反復して」とは、複数回繰り返して行うことを指します。
「つきまとい等」のうち、いずれかの行為をすることを反復する行為を「ストーカー行為」といい、特定の行為や特定の号に掲げられた行為を反復する場合に限るものではありません。
つまり、各号を一回ずつ行った場合、全体として反復されたと認められ、ストーカー行為が成立することになります。

ストーカー規制法の手続の流れ

警告
被害者等からの相談を受け、警察署本部長等は、(1)つきまとい等の行為があり、(2)その行為を行っている者が、さらに反復してその行為を行うおそれがあると認められる場合に、「さらに反復してその行為を行ってはならない」と警告することができます。
警告は、被害者の申出によって行われます。

禁止命令
被害者の申出または職権に基づき、(1)つきまとい等の行為があり、(2)その行為を行っている者が、さらに反復してその行為を行うおそれがあると認められる場合、都道府県公安委員会は、禁止命令をすることができます。
当該禁止命令を行う前に、行為者の言い分を聞くなどする聴聞を実施します。
この禁止命令に違反した場合、禁止命令違反罪となり、以下のように刑罰が科される可能性があります。
禁止命令に違反してストーカー行為をした者…2年以下の懲役または200万円以下の罰金。
禁止命令に違反してつきまとい等をすることによりストーカー行為をした者…同上。
禁止命令に違反した者…6月以下の懲役または50万円以下の罰金。

ストーカー行為罪
ストーカー行為」に該当し、被害者から告訴された場合には、警告・禁止命令などを踏まずに、いきなり刑事事件となることもあります。
ストーカー行為罪の法定刑は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

兵庫県のストーカー事件で、警告・禁止命令が出されて対応にお困りの方、ご家族が逮捕されてお悩みの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の刑事事件専門弁護士にご相談ください。

DV事件で逮捕

2019-03-11

DV事件で逮捕

DV事件で逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加古郡播磨町に住むAさんは、妻のVさんが勝手に携帯電話を見たことに腹を立て、口論の末、顔を拳で殴ってしまいました。
口の中を切ったVさんは、警察に通報し、すぐに兵庫県加古川警察署から警察官がAさん宅に駆け付けました。
Aさんは、傷害の容疑でその場で逮捕となりました。
(フィクションです)

DV事件と刑事事件

DVとは、ドメスティック・バイオレンスの略語です。
誰もがこの言葉を聞いたことがありますよね。
特に、最近ではDVが社会問題として大きく取り沙汰されていますので、その言葉をニュースで耳にすることも多いと思います。

DVの定義について、明確に定められたものはありませんが、配偶者や恋人などから受ける暴力といった意味で使用されています。

DV事件の多くは、被害者が警察に被害届を出すことにより、捜査機関に事件が発覚します。
かつては、夫婦間のトラブルは、民事不介入で警察が介入することはあまりなかったようですが、些細なトラブルから殺人などの悲惨な事件へ発展するケースが増え、その反省からも、警察がDV事件の通報を受けてすぐに対応するようになったと言われています。

警察は被害届を受けて、報告された犯罪事実が存在すると判断した場合には、捜査を開始し、犯罪に該当する場合には被疑者を逮捕することもあります。
DV事件で問われる犯罪は、主に以下の罪です。
・身体的DV…暴行罪、傷害罪。結果、相手を死亡させてしまった場合には、傷害致死罪。殺意があった場合には、殺人罪。
・精神的DV…傷害罪、脅迫罪。
・性的DV…強制性交等罪、強制わいせつ罪。

すべての刑事事件で被疑者が逮捕されるわけではありませんが、捜査機関が逮捕の理由と必要性があると判断した場合に、被疑者を逮捕します。

第百九十九条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。

逮捕の理由とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある」ことです。

第百四十三条の三 逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らし、被疑者が逃亡する虞がなく、かつ、罪証を隠滅する虞がない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない。

逮捕の必要性とは、被疑者が逃亡や罪証隠滅をするおそれがあることを言います。

DV事件では、被害者である家族や恋人の居場所や連絡先を知っていることが多く、被疑者が被害者と接触を図り被害届の取下げや証言を変更するよう迫る可能性があるため、身体拘束されることが多くなっています。
逮捕に引き続き勾留されると、10日間(最大20日間)身柄が拘束されることになります。
その間留置施設にいることになりますので、職場や学校にも行くことは出来ません。
職場に事件のことが発覚してしまったり、無断欠勤扱いで解雇となったりと多大な不利益を被ることになりかねません。
そのような事態を避けるためには、何よりも、出来るだけ早い段階で弁護士に相談し、身柄解放活動を依頼することです。

弁護士は、検察官や裁判官に、逃亡や罪証隠滅のおそれがないことを説得的に主張し、勾留を請求しない、或いは決定しないよう働きかけます。
刑事事件はスピードが重要です。
DV事件でご家族が逮捕されてしまったら、すぐに刑事事件専門の法律事務所である弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお問合せ下さい。
加古川警察署までの初回接見費用:39,300円)

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