Archive for the ‘経済事件’ Category
動物の虐待事件:器物損壊罪と動物愛護法違反
動物の虐待事件において器物損壊または動物愛護法違反となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県小野市に住むAさんは、近頃野良犬に自宅の花壇が荒らされるということが頻繁に起こっていたことに業を煮やし、自宅に罠を仕掛け、罠にかかった犬を何度も棒で殴って二度と自宅に近づかないようにしようと考えました。
ある日、一匹に犬が罠にかかっていたので、Aさんはこの犬を複数回棒で殴ったところ、犬に瀕死の怪我を負わせてしまいました。
後日、兵庫県小野警察署の警察官がAさん宅を訪れ、動物の虐待事件についてAさんに話を聞いています。
その際、Aさんが殴打した犬が実は野良犬ではなく、Aさん宅から少し離れた民家で飼われていた犬であることが分かりました。
(フィクションです)
動物の虐待事件で問われ得る罪とは?
犬や猫といった動物をペットとして飼われている方も多いと思います。
ペットを家族の一員として接していらっしゃる方がいる一方で、ペットや野生動物に対して虐待行為を行うといった痛ましいケースも少なからず存在しています。
動物に対して虐待を行った場合、犯罪が成立する可能性があるのですが、虐待された動物が他人に飼育されていたペットであるか、野生動物であるかによって成立し得る罪は異なります。
(1)器物損壊罪
動物の虐待事件で問われ得る罪には、器物損壊罪というものがあります。
「器物損壊罪」という罪を聞くと、あまり動物の虐待事件と結びつかない方も多くいらっしゃるように思いますが、虐待された動物が「他人が飼育している」ペットであった場合には、器物損壊罪の客体に該当することになるのです。
器物損壊罪は、刑法261条に規定される罪です。
第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
器物損壊罪の客体は、公用文書等毀棄、私用文書等毀棄、建造物等損壊及び同致死傷に規定するもの以外の他人の物です。
これには、動産・不動産だけでなく、動物も含まれます。
器物損壊罪の行為は、「損壊」または「傷害」することです。
「損壊」は、広く物本来の効用を失わしめる行為を含みます。
例えば、物を物理的に破壊する行為だけでなく、他人の飲食器に放尿する行為についても、飲食器そのものは物理的に破壊されたわけではありませんが、尿が付着した飲食器を洗っても、通常その飲食器を使いたいとは思いませんので、その飲食器の本来の効用を喪失したと言え、「損壊」に当たるとされます。(大判明治42・4・16)
「傷害」は、客体が動物の場合に用いられ、動物を物理的に殺傷するほかにも、本来の効用を失わせる行為も含みます。
例えば、鳥かごを開けて他人の鳥を逃がす行為や、池に飼育されている他人の鯉をいけすの柵をはずして流出させる行為(大判明治44・2・27)が、本来の効用を失わせる行為として「傷害」に該当するとされます。
このように、他人のペットに対して虐待を行った場合には、器物損壊罪が成立すると考えられます。
(2)動物愛護法違反
他人の飼っている動物以外の動物、例えば野生動物や野良犬、野良猫に対して虐待を行った場合には、器物損壊罪ではなく動物愛護法違反が成立する可能性があります。
動物の愛護及び管理に関する法律(以下、「動物愛護法」といいます。)は、「動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もって人と動物の共生する社会の実現を図ること」を目的とする法律です。
動物愛護法で対象となる動物は、家庭動物、展示動物、産業動物、実験動物等の人の飼養に係る動物です。
動物愛護法第44条1項は、「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処する」と定めています。
ここでいう「愛護動物」とは、
①牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、そしてあひる
②その他、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの
をいいます。
また、動物愛護法第44条2項は、「愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であって疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であって自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行った者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」と定めています。
加えて、動物愛護法第44条3項は、「愛護動物を遺棄した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」と定めています。
動物の虐待事件において、器物損壊罪か動物愛護法違反のいずれが成立し得るかについては、虐待の対象となった動物が「他人の所有する動物か否か」という点によります。
そうしたところ、上のケースでは、Aさんが他人のペットを棒で複数回殴打し傷害を負わせていることを考えると、Aさんの行為は器物損壊罪に該当することになります。
しかし、Aさんは、この犬を野良犬だと勘違いしており、他人の所有する動物との認識を欠いていることになります。
つまり、Aさんに器物損壊罪の故意がなく、その認識は愛護動物である犬という認識にとどまることになるので、動物愛護法違反が成立すると考えられます。
ただ、Aさんが殴打した犬に首輪がついていたり、近所で犬が多く飼われているなどの事情がある場合には、他人の飼っている犬という認識が認められることがあり、その場合には器物損壊罪が成立する余地はあります。
動物の虐待事件であっても、その内容により問われ得る罪は異なります。
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特殊詐欺の受け子~詐欺罪と窃盗罪~
特殊詐欺の受け子を行い、詐欺罪または窃盗罪で問われる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
先輩から「高額バイトがあるから、やってみないか?」と誘われて、特殊詐欺の受け子をやることになったAくん(18歳)は、ある日、指示役から兵庫県芦屋市にある民家に行くように言われました。
警察官と名乗り、高齢女性からキャッシュカードが入った封筒を受け取ったAさんは、女性が電話に対応している間に、持参した封筒とすり替えて戻ってきた女性に封筒を渡しました。
Aさんは、女性宅を出た後、指示された銀行のATMで受け取ったキャッシュカードを使って現金50万円を引き出しました。
50万円のうち5万円を報酬として受け取り、残りは指定されたコインロッカーに入れました。
後日、兵庫県芦屋警察署の警察官がAさん宅を訪れ、窃盗の容疑でAさんを逮捕しました。
(フィクションです)
特殊詐欺の受け子
特殊詐欺と言えば、少し前には、「オレオレ詐欺」が代表的なものでした。
突然、電話がかかってきた、「オレ、オレだよ。」と切り出し、電話に対応した家族の息子からの電話であるかのように装い、「交通事故を起こしたから、示談金が必要。」だとか、「会社のお金を横領したから、返済にお金が必要。」などと言って、相手からお金を騙し取ろうとする手口です。
要求した金の受領方法は、振込先を指定して振り込ませるやり方から、郵便で指定した住所へ送らせるものまで広範囲に及びます。
しかし、警察の取り締まりが厳しくなるにつれて、特殊詐欺の手口は巧妙化・多様化しています。
最近では、銀行員、警察官、弁護士などを語り、「あなたの口座が特殊詐欺グループに不正に使用されている。停止するために、キャッシュカードと暗証番号が必要。今から自宅に行くので対応してほしい。」などと言って、相手からキャッシュカードを騙し取るやり口が横行しています。
キャッシュカードを騙し取る方法も、キャッシュカードを相手から受け取る方法から、キャッシュカードを封筒に入れさせ、確認すると受け取り、電話か何かに相手が対応している隙に、事前に用意しておいた別の封筒と入れ替え、別の封筒を相手に渡し、キャッシュカードを取得する方法へと移行してきているようです。
どちらの方法も、相手に自分は銀行員・警察官・弁護士だと偽り、嘘の理由でやってきたと信じ込ませている分には変わりありませんが、キャッシュカードを取得した方法が異なるため、成立し得る犯罪も変わってくるのです。
(1)詐欺罪
人を欺いて財物を交付させた場合、詐欺罪が成立します。
「人を欺いて財物を交付させる」という行為であるためには、①相手を騙し、②相手が騙されて嘘を本当のことと信じ、③相手が行為者に財物を渡し、④行為者側が財物を入手する、といった一連の流れが必要となります。
この①欺罔→②錯誤→③財産的処分行為→④財物の交付という行為の流れをとることが、詐欺罪の本質であり、特に③財産的処分行為は、窃盗罪との区別において重要です。
財産的処分行為が成立するためには、財産を処分する事実と処分する意思が必要です。
なので、自分の行動の意味が分かっていない幼児や精神障害者を騙して、その財物を取得したとしても、幼児や精神障害者に財物を処分する意思が認められないので、財産的処分行為がなく、その財物の取得は詐欺罪ではなく窃盗罪となります。
(2)窃盗罪
窃盗罪は、他人の財物を窃取する犯罪です。
「窃取」というのは、財物の占有者の意思に反して、その占有を侵害し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。
さきほど述べたように、詐欺罪の成立に重要なポイントである「相手の財産的処分行為」は、相手が財物を処分する事実と処分する意思が含まれます。
ですので、相手が自分の意思で財物を処分するということが詐欺罪では必要になるのに対して、窃盗罪においては、財物の占有者の意思に反して、その財物を自分(または第三者)の物にすることが求められますので、財物の占有を相手(被害者)から自分や第三者に移転させるという点では共通していますが、その移転が財物の占有者の意思に反していたか否かが異なります。
特殊詐欺の受け子の件について検討しますと、被害者に対して嘘の話をして、被害者が自分の口座が悪用されているから、自分の財産を守るためにも、自宅にやってきた者(つまり、受け子)にキャッシュカードを渡さなければならないと信じ込ませ、キャッシュカードを自ら受け子に渡しています。
例えば、被害者がキャッシュカードを銀行員と称する受け子に渡したら、後日新しいキャッシュカードが郵送されてくると信じて、当該キャッシュカードを受け子に渡したのであれば、「錯誤に基づく被害者の財産的処分行為がある」ということになります。
さらに言えば、特殊詐欺グループが被害者に対してついた嘘の内容が、財産的処分行為に向けられたものであった、ということになります。
よって、この場合は、詐欺罪が成立すると考えられます。
一方、被害者が受け子にキャッシュカードを確認させるためだけに、封筒に入れたキャッシュカードを受け子に渡したのですが、共犯者と共謀し、共犯者がタイミングよく被害者に電話をし、電話に応対するために被害者が席を外した隙をみて、事前に用意した他のカードなどが入った封筒と入れ替え、その封筒を被害者に返し、キャッシュカードを入手する行為については、先ほどのケースとは異なります。
なぜなら、特殊詐欺グループは、キャッシュカードを他の物とすり替えるために、被害者の隙をつくるために嘘の電話をかけたのですから、その嘘は、被害者の財産的処分行為(キャッシュカードを受け子に渡す行為)に向けられたものではないからです。
そのため、被害者は自分の意思でキャッシュカードを受け子に渡したのではなく、その意思に反して勝手に持っていかれたことになります。
よって、この場合は、窃盗罪が成立することになるでしょう。
特殊詐欺事件は、組織犯罪であることが多く、また、複数件行っていることが多いため、身体拘束が長期化し、接見禁止に付される可能性が高くなっています。
ご家族が特殊詐欺事件で逮捕されたのであれば、今すぐ刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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ひったくり事件で逮捕
ひったくり事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県洲本市の路上を歩いていた高齢女性に、原付バイクで背後から近づき、女性が持っていたカバンをひったくろうとする事件が起きました。
女性は、カバンを盗られまいとカバンを手放そうとしなかったため、数メートル間原付バイクに引きずられた結果、腕や脚に擦り傷を負ってしまいました。
被害女性は、すぐに警察に通報しました。
捜査に乗り出した兵庫県洲本警察署は、現場付近の防犯カメラの映像から原付バイクに二人乗りしている若い男2名を特定しました。
後日、兵庫県洲本警察署は、AとBを強盗致傷の容疑で逮捕しました。
(フィクションです)
ひったくりは何罪になるの?
被害者に背後から忍び寄り、持っているカバンなどを一瞬で奪う「ひったくり」は、どのような罪になるのでしょうか。
ひったくりは、多少なりとも被害者に対して何らかの接触を要します。
その接触の程度や具体的な状況により、窃盗罪が成立する場合もありますし、強盗罪となる場合もあります。
(1)窃盗罪
ひったくり事件の多くは、窃盗罪に該当します。
窃盗罪は、刑法235条に以下のように規定されています。
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪が成立する要件は、
①他人の財物を
②不法領得の意思をもって
③窃取したこと
です。
①他人の財物
窃盗罪の客体は、他人の占有する他人の財物です。
「占有」とは、人が財物を事実上支配し、管理する状態をいいます。
②窃取
窃盗罪の実行行為である「窃取」というのは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。
③不法領得の意思
窃盗罪が成立するためには、主観的要件も満たす必要があります。
主観的要件のひとつは、故意であり、窃盗罪における故意は、①財物が他人の占有に属していること、および、②その占有を排除して財物を自己または第三者の占有に移すことを認識することです。
加えて、不法領得の意思の要否については争いがありますが、判例上認められた要件となっています。
不法領得の意思は、権利者を排除する意思および他人の物を自己の所有物のようにその経済的用法に従い、これを利用または処分する意思のことです。
ひったくりは、他人が持っているカバンなどを、当該所有者の意思に反して、自己または第三者の占有に移すものですので、窃盗に該当するでしょう。
しかし、以下でも解説するように、ひったくりの状況が、相手方の反抗を抑圧するに足りる暴行に至っている場合には、窃盗にとどまらず、強盗となることがあります。
(2)強盗罪
強盗罪は、刑法236条に次のように規定されています。
第二百三十六条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
強盗罪は、
(1項) ①暴行または脅迫を用いて、
②他人の財物を
③強取したこと
(2項) ①暴行または脅迫を用いて
②財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させたこと
によって成立する罪です。
①暴行・脅迫
強盗罪の実行行為は、「暴行または脅迫」を用いて、他人の財物を「強取」することです。
その手段となる「暴行・脅迫」とは、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度のものであることが求められます。
ひったくりは、犯行抑圧に向けられた暴行ではなく、暴行を手段とするものであっても基本的には窃盗罪に当たるのみですが、暴行の程度如何によっては強盗罪が成立することがあります。
被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行・脅迫に判断するにあたっては、暴行・脅迫の態様、行為者と被害者の性別・年齢・体格・人数、犯行の時刻・場所、犯行時の被害者と行為者の態度、被害者の心理状況・被害状況などの事情を総合的に考慮して判断されます。
相手方の隙をついて、追い抜きざまに、持っていたカバンなどを引っ張って金品を奪うひったくりの場合、相手方に対し、一定の接触はあるものの、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行を加えたとは言えないことが多く、窃盗にとどまることになります。
しかし、上のケースのように、相手方が金品を奪われないように抵抗したため、金品を奪うためにさらにカバンなどを引っ張り続けるなどの暴行を加えるひったくりの場合、さらに金品を奪うために暴行などが加えられていることから、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行などを加えたと評価することが多く、強盗罪が適用されることがあります。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金とその振り幅も広いですが、強盗罪のそれは、5年以上の有期懲役と、罰金刑はなく重い刑罰が科される可能性があります。
また、強盗の結果、相手方に怪我を負わせてしまった場合、強盗致傷となり、裁判員裁判の対象になります。
以上のように、ひったくりは、その犯行態様によって成立し得る罪が異なります。
刑事事件を起こし、どのような罪が成立し得るのか、如何なる処分を受けることになるのか、対応にお困りの方は、今すぐ刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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チケット詐欺で被害届が提出されたら
チケット詐欺で被害届が提出された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県たつの警察署は、人気アイドルグループXのコンサートチケット代名目で現金を騙し取ったとして、県外に住むAさんを詐欺容疑で逮捕しました。
Aさんは、Twitterで「Xのコンサートチケット売ります」などと投稿し、被害者Vさんに現金5万円を振り込ませ、だまし取ったとされています。
チケットが届かず、VさんがAさんに連絡しようとしたところ、AさんのTwitterのアカウントが削除され連絡がとれなくなったことから、兵庫県たつの警察署に相談し、被害届を提出したようです。
(フィクションです)
チケット詐欺によるトラブルが後を絶ちません。
人気のアイドルや歌手ともなると、コンサートチケットを手に入れるだけでも一苦労です。
コンサートに行きたいと願うファンの気持ちを利用する悪徳なチケット詐欺は、もちろん犯罪です。
チケット詐欺の多くの場合、刑法の詐欺罪に該当します。
詐欺罪とは
ある犯罪が成立するためには、法律に定められる犯罪類型に該当し、違法であり、かつ有責でなければなりません。
どのような行為が処罰の対象となるかは、あらかじめ法律に規定されています。
法律によって定義された犯罪行為の類型を「構成要件」といいます。
ある犯罪が成立するか否かを判断する際には、まず、この構成要件を満たしているか否かを検討することになります。
詐欺罪については、刑法246条が以下のように定義しています。
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
つまり、詐欺罪の構成要件は、
(1項)①人を欺いて
②財物を
③交付させたこと
(2項)①人を欺いて
②財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させたこと
となります。
まずは、1項の詐欺についてですが、これは「人を欺いて財物を交付させる」ことにより成立するものです。
つまり、(a)人を欺く行為、(b)それに基づき相手方が錯誤に陥り、(c)その錯誤によって相手方が処分行為をし、(d)それによって財物の占有が移転し、(e)財産的損害が生ずる、といった一連の流れがなければならず、これらの行為が客観的に相当因果関係にあることが必要です。
(a)欺く行為(欺罔)
欺く行為は、「一般人をして財物や財産上の利益を処分させるような錯誤に陥らせる」ことです。
「人を欺く行為」であるので、機械に対して虚偽の情報を入力しても本罪の欺く行為にはあたりません。
また、詐欺罪における欺く行為(欺罔)が認められるのは、「財物交付や財産上の利益移転に向けられた」欺罔行為をした場合であることに注意が必要です。
つまり、財物の交付や財産上の利益の移転に関する判断の基礎となる重要な事項について偽ることが必要で、単に、嘘をついただけでは欺罔には当たらず、詐欺罪が成立しないことになります。
(b)錯誤
(a)の欺く行為によって、被害者が実際に錯誤に陥ったことが必要です。
錯誤とは、真実と観念との不一致のことをいいます。
それは、財産的処分行為をするように動機付けられるものであればよく、法律行為の要素の錯誤であると、動機の錯誤であるとを問いません。
(c)処分行為
被害者が錯誤に陥ったことによって、被害者が財物を処分することが必要です。
財産の処分とは、1項詐欺の場合、「財物を交付させる」ことです。
つまり、欺かれた者の瑕疵ある意思に基づく交付により、財物が犯人または犯人に関係する第三者に移転することです。
処分行為は、処分の意思と処分の事実が必要となります。
(d)財物の移転
財物の移転とは、(c)処分行為によって、被害者の財物の占有が移転したことをいいます。
(e)財産的損害
財産が移転した結果、被害者に何らかの財産的損害が生じていることが必要です。
1項詐欺については、欺かれなければ交付しなかったであろう財物を交付していれば、財産的損害が発生しているものと解されます。
次に、2項詐欺に関して、「人を欺いて財産上不法の利益を得ること」が構成要件となります。
「財産上不法の利益を得る」とは、欺く行為に基づく錯誤の結果、行われた財産的処分行為によって行為者または一定の第三者が不法に財産上の利益を取得することをいいます。
債務免除、弁済の猶予、役務の提供などが含まれます。
加えて、詐欺罪の成立には、故意が必要です。
人を欺いて錯誤に陥らせ、その錯誤に基づく財産的処分行為により、財物を交付させ、自己または第三者がその占有を取得すること、あるいは、財産上不法の利益を得または他人に得させることの認識がなければなりません。
チケット詐欺の場合、はじめから手元にチケットがないのに、嘘のチケットの販売を持ち掛け、その嘘を信じた被害者がチケット代を支払ってしまったのであれば、詐欺罪が成立するでしょう。
このような場合、被害者から被害届が提出されることで、事件が警察などの捜査機関に発覚します。
被害届の提出を端緒として、警察は捜査を開始します。
捜査を行う上で、犯人の身柄確保が必要と判断されれば、警察は裁判官に逮捕状を請求し、許可が出れば犯人を逮捕します。
チケット詐欺事件でご家族が逮捕されてお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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特殊詐欺事件で接見禁止解除に成功
特殊詐欺事件における接見禁止解除について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
大学生のAくん(20歳)は、特殊詐欺の受け子として犯罪に関与したとして、兵庫県川西警察署に詐欺の疑いで逮捕されました。
警察から逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、すぐにAくんとの面会を希望しましたが、警察官からは「勾留がつくまでは会えない。」と言われました。
翌日の夜に、警察官から勾留の連絡がきましたが、接見禁止が付いていて親でも面会できないと言われ、Aくんの両親は驚きました。
そこで、何とか面会することができないかと思い、刑事事件に強い弁護士に相談しに行くことにしました。
(フィクションです)
接見禁止とは?
逮捕から勾留の間は、原則ご家族の方であっても、逮捕された方と面会することはできません。
勾留が決定すると、ご家族の方も面会することができます。
おおむね、平日の9時から17時までの間に15~20分ほど面会室でアクリル板越しに逮捕されたご家族と会うことができます。
ただし、面会は一日に一組限定で、時間も制限されている上に、立会いの警察官が同席することになります。
そうであっても、ご家族のことが心配ですので、限られた時間であっても直接会いたいと留置場所まで赴かれる方が多くいらっしゃいます。
さて、さきほど、勾留となればご家族との面会が可能だといいましたが、そうでない場合もあることに留意が必要です。
勾留後に「接見禁止」決定がなされると、ご家族の方は被疑者と面会することができないことがあります。
これは、勾留されている者が成人か少年かによって異なります。
成人の場合、弁護人、刑事収容施設視察委員、外国籍の場合にはその国の国籍国の外交官以外との接見や文書の授受が禁止されます。
他方、少年の場合には、上の接見可能な者に加えて、多くの場合、両親との接見が接見禁止対象から外れていることがあります。
この接見禁止が付される理由は、大きく分けて3つあります。
①住所不定であったり、重大な犯罪を犯した者であるなど、逃亡するおそれがある。
②被疑者が容疑を否認しており、証拠隠滅や共犯者などとの口裏合わせの可能性がある。
③組織犯罪の場合も、証拠隠滅や口裏合わせをするおそれがある。
組織的な詐欺事件であると疑われる場合には、接見禁止となるケースがほとんどです。
先述のように、接見禁止が付されている場合であっても、被疑者・被告人の弁護人または弁護人になろうとする者として、弁護士との接見は可能です。
被疑者は、外部との接触が断たれ、連日の取調べにより、身体的にも精神的にも大変な負担を感じられることでしょう。
そのような中で、弁護士との接見により、ご家族への伝言やご家族からの伝言を伝えることができ、また取調べ対応についてアドバイスを受けることができます。
また、弁護士は、接見禁止解除に向けた活動も行います。
接見禁止が付された場合の活動
接見禁止を解除し、ご家族との面会を可能にするため、弁護人は、次のような活動を行います。
(1)準抗告・抗告
裁判所に対して、接見等禁止決定の取消または変更を請求します。
準抗告・抗告が認められると、接見禁止が解除され、その後被疑者・被告人と家族が接見できるようになります。
(2)接見禁止処分の解除申立て
接見禁止処分について解除を申し立てる権利は、被疑者・被告人、弁護人に認められた権利ではなく、裁判官の職権発動を促す「お願い」になります。
一般人である配偶者・両親などの近親者については、罪証隠滅のおそれが低く、これらの近親者について一部解除を申し立てると、解除が認められることが多くなっています。
このような活動は、刑事事件に精通した弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が、特殊詐欺事件で逮捕され、勾留後に接見禁止が付されており面会できずにお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までご連絡ください。

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常習累犯窃盗で逮捕
常習累犯窃盗について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県たつの警察署は、兵庫県たつの市のスーパーマーケットで商品を万引きしたとしてAさんを常習累犯窃盗の疑いで逮捕しました。
Aさんには盗癖があり、これまで何回か警察につかまって裁判になったことがありました。
しかし、今回は窃盗ではなく常習累犯窃盗での逮捕ということで、連絡を受けたAさんの家族は心配になり、刑事事件専門の弁護士に相談の連絡を入れました。
(フィクションです)
常習累犯窃盗とは
常習累犯窃盗は、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律(以下、「盗犯等防止法」といいます。)の第3条に規定される犯罪です。
それでは、盗犯等防止法第3条を見てみましょう。
第三条 常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル
カタカナが使用されていて読みづらいですね。
盗犯等防止法は、昭和5年6月11日に施行された法律です。
さて、常習累犯窃盗についてですが、
①常習として
②前条に掲げたる刑法各条の罪またはその未遂罪を犯したる者にして
③その行為前10年内にそれらの罪またはそれらの罪と他の罪との併合罪について3回以上、6月以上の懲役の刑の執行を受け、またはその執行の免除を得たる者
について成立します。
①常習として
常習性は、反復して窃盗行為を行う性癖のことをいいます。
つまり、窃盗癖のことで、機械があれば抑止力を働かせることなく安易に窃盗を反復累行するという習癖があることです。
「常習性」があるか否かという判断に際して、裁判所は、(a)被告人の前科の内容(前科の回数や態様)、(b)最終刑から今回犯行に至るまでの期間および被告人の行状、(c)今回犯行の内容(動機、態様)等の事情を考慮して判断します。
②前条に掲げたる刑法各条の罪またはその未遂罪を犯したる者
前条に掲げる刑法各条の罪とは、窃盗または強盗です。
それらの罪の未遂も含まれます。
③その行為前10年内にそれらの罪またはそれらの罪と他の罪との併合罪について3回以上、6月以上の懲役の刑の執行を受け、またはその執行の免除を得たる者
今回問題となっている犯罪を行う前の10年以内に、他の犯罪との併合罪の場合も含んだ窃盗または強盗の罪で6月以上の懲役刑の執行を受けた、もしくは、その執行の免除を得ていたことが必要となります。
例えば、Aさんが2020年3月18日に万引きをしたとしましょう。
この日以前の10年以内に窃盗・強盗で6月の懲役以上の刑の執行を受けている、またはその執行の免除を得ていたのであれば、③の要件に該当することになります。
よくあるのは、最初に執行猶予付き判決が言い渡され、その執行猶予期間中に窃盗事件を起こし、刑務所で服役した後、再び窃盗事件で実刑判決が言い渡され服役し、出所後にまた窃盗事件を起こすというケースです。
具体的に考えてみると、2012年4月1日に窃盗罪により懲役1年(執行猶予3年、同年12月15日取消し)、同年11月16日に窃盗座により懲役10月に、2016年10月1日に窃盗罪により懲役10月にそれぞれ処せられ、それぞれの刑の執行が終った後、2020年3月18日に窃盗を行う場合には、③の要件に該当するということになります。
常習累犯窃盗が成立する場合、法定刑は加重され、窃盗の場合は3年以上の有期懲役が科せられる可能性があります。
しかしながら、常習累犯窃盗の場合には、酌量減軽することが可能ですので、酌量減軽があった場合には、短期が1年6月以上の有期懲役となります。
「酌量減軽」は、情状に酌量すべきものがあるときはその刑を減軽することで、犯情その他の事情を考慮して、裁判官の判断によってなされます。
例えば、窃盗事件では、被害金品が返還されていること、常習性が認められるもののその程度がそれほど強くないこと、被告人が真摯に反省していることなどの諸事情が考慮されます。
酌量減軽となる事情を積極的に主張することで、できる限り刑を軽くするよう動くことが重要です。
常習累犯窃盗事件で対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
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相手を騙して物をとる:詐欺罪or窃盗罪?
相手を騙して物をとった場合に、どのような犯罪が成立し得るかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
Aさんは、兵庫県神戸市西区の宝石店に入り、ショーウィンドウの指輪を見ていたところ、その指輪が欲しくなりました。
Aさんは、店員に対して、指輪を試着させてもらえないかと頼み、店員はAさんに指輪を渡しました。
Aさんは、指輪をはめて、似合うかどうか考えているふりをしていましたが、他の客の対応のために店員が一瞬その場を離れたすきに、Aさんはそのまま店外に逃亡しました。
Aさんがいないことに気づいた店員は、すぐに兵庫県神戸西警察署に通報しました。
(フィクションです)
相手を騙して物をとる行為は、詐欺罪か?窃盗罪か?
相手に嘘をつき、相手から物を取得するケースはいろいろあります。
嘘をついて物を得ることから、詐欺罪が成立することが多いのですが、相手の隙を作るために嘘をつくような場合は詐欺罪ではなく窃盗罪が成立することあります。
まずは、詐欺罪と窃盗罪、それぞれどういった場合に成立するのか、説明していきます。
詐欺罪
刑法第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪は、(1)人を欺いて財物を交付させた場合(1項詐欺)、およ(2)人を欺いて、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた場合(2項詐欺)に成立する罪です。
詐欺罪が成立するためには、①「人を欺く行為」をし、それにより②「相手方が錯誤に陥り」、③「物や財産上の利益が交付され」、④「物や財産上の利益が移転する」といった一連の流れがあることが必要となります。
①欺く
欺く、つまり「欺罔」とは、人を錯誤に陥らせる行為のことです。
「人」を錯誤に陥れることが必要なのであって、「機械」を相手とする行為は該当しません。
欺く行為の手段や方法に制限はなく、言語、態度、動作、文章の方法によっても構いません。
また、欺く行為は、相手が本当のことを知れば、財物を交付しないであろうというべき重要な事項に関することでなければなりません。
②錯誤
錯誤は、観念と信念との不一致をいい、財産的処分行為をするように動機ふけられるものであればよく、法律行為の要素の錯誤であると動機の錯誤であるとを問いません。
③処分行為
相手方の錯誤に基づく財産的処分行為により、財物の占有を取得する「処分行為」が、詐欺罪の成立には必要となります。
つまり、嘘を信じた相手方が、財産を処分する意思をもって財産を占有を行為者が取得したことが求められるのです。
④財物の移転
相手方の財産的処分行為の結果として、行為者側に財産の占有が移転すること、または、行為者または第三者が不法に財産上の利益を取得することが必要です。
窃盗罪
刑法第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は、「他人の財物を窃取した」場合に成立します。
「他人の財物」とは、「他人の占有する他人の財物」のことで、自己の財物といえども、他人の占有に属し、または公務所の命令によって他人が看守しているものは、他人の財物とみなされます。
不動産については、刑法第235条の2の客体となるので、窃盗罪の客体からは除かれます。
ここでいう「占有」というのは、「人が財物を事実上支配し、管理する状態」をいいます。
また、「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいうと解されています。
窃取の方法や手段に制限はありません。
詐欺罪と窃盗罪の大きな違い
上で見たことを検討すると、詐欺罪と窃盗罪との大きな違いは、詐欺罪には相手方の財産的処分行為があるのに対して、窃盗罪にはそれがないことです。
つまり、詐欺罪と窃盗罪を区別するポイントは、相手方の財産的処分行為があるか否か、更に言えば、財産的処分行為は相手方の錯誤に基づくのですから、行為者の嘘(欺罔)の内容が財産的処分行為に向けられたものか否かという点にあります。
この点を上のケースで考えてみると、Aさんは店員に対して「指輪の試着」を頼んでおり、店員もAさんが「指輪の試着」をするものと信じ、Aさんに指輪を渡しました。
店員は、試着のために指輪を渡しており、Aさんがそのまま持ち去り自分のものにすることまでも許容してはいません。
ですので、店員の財産的処分行為はありません。
また、Aさんが店員に対して「指輪の試着」をしたいと嘘を言ったのは、店員の隙をみて逃走するためのものであり、指輪の引き渡しを求める内容の嘘ではなく、指輪という財物の処分行為に向けられた欺く行為を行っていないため、詐欺罪は成立せず、窃盗罪が成立することになると考えられます。
このように事件の内容によって成立し得る犯罪が異なる場合があります。
刑事事件を起こし、どのような罪に問われるのか分からずご不安な方、その後の対応にお困りの方は、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
当事務所には、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士をはじめ刑事事件・少年事件の知識・経験の豊富な職員が多く在籍しております。
初回の法律相談料は無料、また、法律相談・接見面会は、土日祝日、夜間でも対応可能です。兵庫県神戸市を中心に、逮捕前・逮捕後を問わず、ご用命があれば、弁護士が素早い対応を致します。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。ぜひご相談ください。
少年事件における私選弁護人・付添人
少年事件における私選弁護人・付添人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県西宮警察署は、特殊詐欺事件に関与したとして少年Aくん(18歳)を詐欺容疑で逮捕しました。
Aくんは、警察官から、弁護人を付けれることを聞き、国選弁護人を選任することにしました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、刑事事件に強い弁護士に相談し、すぐに接見に行ってもらうことにしました。
両親が依頼した弁護士と接見をしているAくんは、弁護士に国選弁護人と私選弁護人の違いについて聞いています。
(フィクションです)
少年事件の流れについて
Aくんは、特殊詐欺に関与したとして兵庫県西宮警察署に逮捕されました。
特殊詐欺の場合、逮捕後勾留となる可能性が高いと言えます。
ですので、事案によって異なりますが、10日間の勾留の後、勾留延長され20日の勾留延長満期日にAくんの身柄と共に事件が家庭裁判所に送致されることになります。
もちろん、行った犯罪の数が多ければ別件で再逮捕され、勾留期間が更に延長となる可能性はあります。
家庭裁判所に送致されると、観護措置がとられ、身柄は少年鑑別所に収容されることになります。
家庭裁判所は事件を受理すると、事件が係属している間いつでも観護措置をとることができます。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する観護措置と初年鑑別所に収容する観護措置とがありますが、実務上前者はほとんどとられておらず、観護措置という場合には後者を指すものとされます。
捜査段階で逮捕・勾留されている少年の場合、家庭裁判所に送致されるとそのまま観護措置がとられることがほとんどですので、Aくんも送致後少年鑑別所に収容される可能性が高いでしょう。
その後、調査官による調査、少年審判を経て、少年に対して処分が言い渡されることになります。
弁護人と付添人
1.弁護人
弁護人とは、刑事手続において被疑者・被告人が正当に権利を行使し、正当な利益を保護するための支援者・代弁者です。
事件の発覚から家庭裁判所送致までの被疑者段階では、少年と成人の手続に顕著な差異はありません。
少年であっても、少年または少年と一定の関係にある者は、いつでも、弁護人を選任することができます。(刑事訴訟法第30条)
弁護人には、「私選弁護人」と「国選弁護人」とがあります。
◇私選弁護人◇
少年または少年の家族などから選任された弁護人で、弁護士費用は自己負担となります。
身体拘束の有無にかかわらず、被疑者その他の選任権者は、いつでも弁護人を選任することができます。
◇国選弁護人◇
捜査段階においては、少年事件も成人事件と同様に、刑事訴訟法の適用を受けます。
被疑者国選弁護人が選任される要件に該当する場合には、国がその費用を負担する国選弁護人を選任することができます。
被疑者国選弁護人が選任される要件とは、以下のものです。
・対象事件が、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる事件」。
・少年が「貧困その他の事由により弁護人を選任することができない」。
被疑者国選弁護人制度は、逮捕後勾留前の段階では、利用することはできません。
少年事件では、「勾留に代わる観護措置」により少年鑑別所に収容された場合にも、被疑者国選弁護人の選任が可能です。
被疑者国選弁護人制度は、身体拘束されていない在宅事件には適用されません。
少年の場合、学生であれば資力は乏しく、対象事件が該当するのであれば国選弁護人を選任できることが多いでしょう。
2.付添人
付添人は、少年の権利を擁護し、その代弁者としての役割と、少年の更生に向けて家庭裁判所と協力し援助する役割を担う者です。
少年が家庭裁判所に送致された後、少年及び保護者は、家庭裁判所の許可を得て、付添人を選任することができます。
ただし、弁護士を付添人とする場合には、家庭裁判所の許可は要りません。
少年事件においては、捜査段階で弁護人であっても、家庭裁判所送致後に、新たに付添人として選任する必要があります。
付添人にも、「私選付添人」と「国選付添人」とがあります。
◇私選付添人◇
少年及び保護者は、自ら付添人を選任することができます。
捜査段階で私選弁護人を選任している場合であっても、弁護人選任の効力は家庭裁判所送致時に失われるので、同じ弁護士を付添人として選任するのであっても、家庭裁判所送致後に改めて家庭裁判所に付添人選任届を提出しなければなりません。
◇国選付添人◇
私選弁護人の場合と同様に、捜査段階で被疑者国選弁護人の選任効力は失われるので、被疑者国選弁護人が当然に国選付添人になるわけではありません。
平成26年施行の改正少年法によって国選付添対象事件の範囲が拡大し、被疑者国選弁護対象事件と同じ範囲にまで拡大されましたが、国選付添人を選任するか否かは、家庭裁判所の裁量に委ねられています。
家庭裁判所は、犯罪少年又は触法少年のうち、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪」に該当する非行に及んだ者について、「観護措置」がとられており、弁護士の付添人がいない場合に、事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮して、審判の手続に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは、弁護士である付添人を付けることができます。
ただし、検察官関与決定がなされた事件で、少年に弁護士である付添人がいないときは、家庭裁判所は弁護士である付添人を付けなければなりません。
少年事件も、成人の刑事事件と同様に、少年の権利・利益の擁護や少年の更生に向けた活動を行う弁護士の役割は大きいと言えるでしょう。
しかし、医者にも内科医や外科医といった専門性があるように、必ずしもすべての弁護士が少年事件・刑事事件に精通しているわけではありません。
少年事件・刑事事件でお困りであれば、専門の弁護士にご相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、兵庫県神戸市にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を取り扱う法律事務所です。
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置き忘れた物の取得~窃盗?占有離脱物横領?~
置き忘れた物を取得したケースにおける窃盗と占有離脱物横領の線引きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神戸市中央区にある百貨店に買い物に来ていたVさんは、一通り買い物をした後、休憩しようと百貨店内のベンチに腰を下ろしました。
しばらくして、買い忘れた物を思い出したVさんは、5階から地下1階へと降りましたが、約10分後、商品を買おうとして、財布が入ったカバンを5階のベンチに置き忘れたことに気が付き、急いで5階に戻りました。
しかし、Vさんのカバンは見当たらず、百貨店にも相談しましたが、届けられていませんでした。
Vさんは、兵庫県生田警察署に被害届を出しました。
数日後、兵庫県生田警察署は、防犯カメラの映像から被疑者を特定し、Aさんを逮捕しました。
Aさんは、「忘れ物だと思って届けようとして持っていったが、届け出るのを忘れていた。」と供述しています。
(フィクションです)
置き忘れた物の取得は何罪?
上記ケースのように、ある人がカバンなどを置き忘れ、置き忘れたことに気が付いて元の場所に戻った時にカバンはなくなっていたということは、残念ながら少なくありません。
このような場合、カバンを盗った人にはどのような罪が成立するのでしょうか。
まず、初めに窃盗罪について考えてみましょう。
(1)窃盗罪
窃盗罪は、刑法235条に規定される罪です。
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は、
①他人の財物を
②窃取した
場合に成立する罪です。
◇客体◇
窃盗罪の客体は、「他人の財物」です。
「他人の財物」とは、「他人の占有する財物」を言います。
つまり、窃取時に、他人の占有下にある物のことです。
「占有」の概念についは、人が財物を事実上支配し、管理する状態をいうと解されます。
占有は、占有の事実(客観的要素)と占有の意思(主観的事実)で構成されます。
占有の事実については、占有者が財物を事実上支配している状態をいい、事実上の支配の有無の客観的な基準として、財物自体の特性、占有者の支配の意思の強弱、距離などの客観的物理的な支配関係の強弱が考慮されます。
置き忘れに関するケースの具体例に言及すると、被害者が身辺約30センチの箇所にカメラを置いたが、バスの列が進んだためカメラを置いたまま前進したが、カメラを置き忘れたことに気付き置いた場所まで戻ったが既にカメラが持ち去られた事件で、列が動き始めてからその場所に引き返すまでの時間が約5分、カメラを置いた場所と引き返した地点との距離は約19.58メートルにすぎないような場合は、未だ被害者の占有を離れたものとはいえないとした判例があります。(最判昭32.11.8)
占有の意思とは、財物を事実上支配する意欲・意思をいいます。
◇行為◇
「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことをいいます。
◇主観的要件◇
窃盗罪の成立には、①財物が他人の占有に属していること、および、②その占有を排除して財物を自己または第三者の占有に移すことを認識すること、つまり、「故意」が必要となります。
加えて、「権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用、処分する意思」である不法領得の意思も必要となります。
次に、占有離脱物横領罪についてみていきます。
(2)占有離脱物横領罪
占有離脱物横領罪は、刑法254条に規定されています。
第二百五十四条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
占有離脱物横領罪は、
①遺失物、漂流物、その他占有を離れた他人の物を
②横領したこと
により成立します。
◇客体◇
「遺失物」とは、占有者の意思によらずにその占有を離れ、いまだ誰の占有にも属していないものをいいます。
「漂流物」は、水中にある遺失物のことです。
「占有の離れた」というのは、占有者の意思に基づかないでその占有を離れたことです。
◇行為◇
「横領」とは、委託物につき不法領得の意思を実現するすべての行為をいいます。
さて、カバンなどを置き忘れた場合、通常その持ち主は短時間が置き忘れたことに気が付くことが多いでしょう。
ですので、他人のバックを持ち去った者は、バックの持ち主の占有を奪ってバックを窃取したとして窃盗となることが多いです。
しかし、バックの持ち主の占有が認められるか否かが微妙な場合、窃盗ではなく占有離脱物横領罪が成立する可能性があります。
窃盗ではなく、占有離脱物横領罪が成立する場合の判断の分かれ目は、犯人が他人の財物を入手した時、その財物に他人の占有が認められるか否か、です。
ここでいう「占有」は、持ち主が物を客観的に支配しているだけでなく、持ち主が物の支配を取り戻そうと思えばいつでも取り戻せる状態も含みます。
持ち主が物の支配を取り戻そうと思えばいつでも取り戻すことができる状態かどうかは、持ち主の物に対する支配の事実や占有の意思の観点から判断されます。
具体的に言えば、支配の事実の観点からは、持ち主がカバンを置き忘れてから気が付くまでの時間的、場所的接近性などが重要な要素となります。
また、占有の意思の観点からは、持ち主が物の存在していた場所をどれぐらい認識していたかなどが考慮されます。
この点、上記ケースについて考えると、Vさんはカバンのことを失念しており、その時間は10分程度ではありますが、置き忘れた場所は百貨店の5階で思い出した場所が地下であるので、気が付いた時点で置き忘れた場所にすぐに戻って取り戻せることができる時間的、場所的関係にあったとは言い難く、支配の事実の観点から、Vさんは、カバンの支配を取り戻そうと思えばいつでも取り戻せる状態にあったとは言えないでしょう。
そのため、カバンの占有はVさんから離れ、営業中の不特定多数の者が出入りできる百貨店のベンチに置かれたカバンは遺失物と認められ、Aさんは、遺失物であるカバンを持ち去って自分の物としているので、占有物離脱物横領罪に問われ得るものと考えられます。
窃盗、占有離脱物横領など刑事事件を起こし警察に逮捕された、取調べで出頭しなければならず対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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刑事事件:窃盗と器物損壊
窃盗と器物損壊について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
Aさんは、兵庫県神戸市長田区の店に勤務していましたが、解雇されました。
解雇されたことを逆恨みしていたAさんは、「看板を壊してやろう。」と思い立ち、店のスタンド看板を持ち去って、1キロほど先の公園で看板を叩き割って投棄しました。
後日、兵庫県長田警察署から連絡があり、「看板の件で話が聞きたい。」と言われ、1週間後に出頭することになりました。
Aさんは、自分の行為がどのような罪になるのか、今後どのように対応すべきか分からず不安になったので、刑事事件専門の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
盗んだ物を使用する目的がない持ち去りは何罪?
他人の物を勝手に持ち去る行為は、通常「窃盗」に当たります。
盗んだ物を使用・利用するためがほとんどですが、中には、嫌がらせ目的など使用・利用する目的以外で他人の物を持ち去るケースもあり、そう珍しいことではありません。
それでは、盗んだ物を積極的に使う目的のない場合も、窃盗罪が成立するのでしょうか。
まずは、窃盗罪(刑法第235条)についてみていきましょう。
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は、
①他人の財物を
②不法領得の意思をもって
③窃取したこと
により成立する罪です。
◇客体:他人の財物◇
他人の占有する他人の財物が、窃盗罪の客体です。
「占有」とは、人が財産を事実上支配し、管理する状態をいいます。
◇行為:窃取◇
窃盗罪の行為は、「窃取」です。
「窃取」は、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことを意味します。(大判大4・3・18)
◇主観的要件:故意と不法領得の意思◇
窃盗罪の故意は、①財物が他人の占有に属していること、および、②その占有を排除して財物を自己または第三者の占有に移すことを認識・認容していることです。
故意は、次の「不法領得の意思」とは別の要件です。
目的物を遺失物と誤認していた場合には、窃盗の故意を書き、遺失物横領の限度でしか認められません。(東京高判昭35・7・15)
また、目的物を自己の所有物と誤認していたが、他人が占有していることを認識・認容していれば、窃盗の故意は認められます。
不法領得の意思は、条文にはありませんが、判例上認められる要件です。
不法領得の意思とは、「権利者を排除し、他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、これを利用し又は処分する意思」です。(最判昭26・7・13)
この不法領得の意思は、窃盗と一時使用行為や毀棄隠匿とを区別する上で重要です。
次に、器物損壊罪(刑法第261条)について説明します。
第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
器物損壊罪は、
①他人の物を
②損壊又は傷害した
場合に成立します。
◇客体:他人の物◇
器物損壊罪の客体は、他人の所有する財物で、公用文書、私用文書、建造物・艦船以外の物です。
財物には動物も含みます。
◇行為:損壊・傷害◇
「損壊」とは、広く物の効用を害することをいい、物理的に破壊するなどして効用を害する他に、事実上や感情上使用できなくさせて効用を害することも含まれます。
「傷害」は、動物を殺傷することの他、飼っている動物を逃がすなど本来の効用を失わせる行為も含みます。
◇主観的要件:故意◇
器物損壊罪の故意は、他人の財物を損壊・傷害することの認識・認容です。
窃盗罪には、故意とは別に、不法領得の意思が必要となりますが、器物損壊罪の成立には必要とされません。
さて、Aさんの行為を分析してみましょう。
Aさんは、店の看板を「壊す」ために、看板を盗み、実際に壊しています。
看板は店が所有するものですので、看板を勝手に持ち去る行為は、窃盗の行為である「窃取」に当たるでしょう。
と同時に、Aさんは店の看板を壊していますので、器物損壊の「損壊」にも該当することとなります。
それでは、Aさんの行為は、窃盗罪と器物損壊罪のどちらが成立することになるのでしょうか。
この点、不法領得の意思があるか否かが判断の分かれ目となります。
つまり、Aさんに「権利者を排除し、他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、これを利用し又は処分する意思」があったかどうかという点です。
「権利者を排除」する点では、窃盗も器物損壊も同じですが、持ち去った物を「経済的用法に従って利用し又は処分する意思」があったか否かが判断の分かれ目です。
「経済的用法に従って利用・処分する意思」は、経済的に利益を受ける意思、その物の用途にかなった使用をする意思、財物から生じる何等かの効用を受ける意思を意味します。(最判昭33・4・17)
この点、Aさんは、解雇されたことへの逆恨みで、嫌がらせ目的で看板を持ち去り、看板を何ら使用することなく壊しているので、看板を利用する意思はなく、また何ら効用も得ていないため、不法領得の意思がなく、窃盗ではなく器物損壊が成立するものと考えられます。
どのような罪が成立するかは、事件内容によって異なることがありますので、刑事事件を起こしてお困りであれば、一度刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
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