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窃盗事件で不処分

2019-12-18

少年が窃盗事件を起こし不処分となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県三木市に住む中学生のAくん(14歳)は、市内の書店で漫画本を数冊万引きしたとして、店員に取り押さえられました。
その後、兵庫県三木警察署で取り調べを受けましたが、夕方にはAくんの両親が迎えに来て釈放となりました。
Aくんは、以前にも同じ書店で漫画本を万引きしたことがあり、警察にもそのことを正直に話しています。
翌日、AくんとAくんの両親は、少年事件に強い弁護士に事件について相談しました。
(フィクションです)

窃盗事件:少年による万引き

当たり前のことですが、商品を得るためには代金を支払わなければなりません。
後払いの約束をしていた場合を除いて、代金を支払わずに商品を持って帰る行為は「万引き」であり、「窃盗罪」に当たる犯罪行為です。

兵庫県警察によれば、平成30年中の兵庫県内の少年の非行について、刑法犯少年の中では窃盗犯が最も多く、初発型非行の中では万引きが最も多くなっています。
少年は、「ちょっとだけならバレないだろう。」「少しぐらいパクるぐらい、どうってことない。」などと軽い気持ちで、商品を万引きしてしまう傾向にあります。

万引きは犯罪ですので、場合によっては逮捕されることもあるのです。

少年による万引きが発覚した場合、店によっては被害弁償を行えば警察には通報しないとすることもありますが、万引き犯を見つけたら警察に通報することが決まっている店も多く、発覚後に警察署で被疑者として取調べを受ける可能性も大いにあります。

捜査機関での捜査の結果、犯罪の嫌疑がある場合、または犯罪の嫌疑はないが家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料する場合は、捜査機関は事件を家庭裁判所に送致します。
家庭裁判所に送致された場合、調査・審判を経て、少年に対する処分が決定されます。
その処分の中に「不処分決定」というものがあります。

不処分について

家庭裁判所が下す処分には、保護処分(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致)、検察官送致、都道府県知事又は児童相談所長送致、不処分、審判不開始があります。
不処分」とは、少年を保護処分や検察官逆送などの処分に付さずとも、少年の更生が十分に期待できる場合、少年を保護処分に付さないことをいいます。

裁判官や調査官による訓戒・指導など教育的な働きかけを行い、少年・保護者がどのように受け止めたかを見た上で、裁判官は不処分とするのが適切か否か判断します。

不処分決定の場合は、審判自体は開かれます。
不処分が決定される多くは、保護処分に付するまでの必要がないと判断される場合です。
少年審判までに少年が更生し、要保護性がなくなった場合などです。
それに向けて、付添人である弁護士は、少年審判までに少年に対して教育的な働きかけを行い、少年が事件に対して深く反省するように努め、生活環境を整えていく等の活動を行います。

このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が窃盗事件を起こし、対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

刑事事件で正当防衛を主張

2019-12-17

違法性阻却事由の正当防衛について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県明石市の路上で、いきなり背後から知らない男性に抱きつかれたAさんは、必死に抵抗しようとしました。
しかし、男性は果物ナイフをAさんに突きつけ、「だまらんと、これで殺すぞ。」などと脅し、Aさんを人気のない河川敷に連れて行き、押し倒しました。
男性は、Aさんの身体を触り、服の中にも手を入れてきたので、Aさんは「このままじゃ犯される。」と思った時、男性が果物ナイフを手から離し地面に置いていることに気が付きました。
とっさに、Aさんはその果物ナイフを手に取り、男性の太ももに刺しました。
痛みで男性がひるんだ隙にAさんは急いで逃げ、最寄りの駐在所に駆け込みました。
兵庫県明石警察署が現場に駆け付けた時には、男性はすでに意識がなく、搬送先の病院で死亡が確認されました。
警察は、Aさんを傷害致死の容疑で神戸地方検察庁に送検しました。
(実際の事件を基にしたフィクションです。)

犯罪が成立するには

「犯罪」は、一般的に、「構成要件に該当する、違法で有責な行為」と理解されています。
つまり、犯罪が成立するためには、以下の要件を充たしていなければなりません。
①人の行為であること。
②法律により犯罪として決められた行為類型(構成要件)に該当すること。
③構成要件に該当する行為が違法であること。
④構成要件に該当し、違法である行為が有責に行われたこと。

上記ケースの場合、Aさんに対して傷害致死罪が問えるか否かが問題となっています。
傷害致死罪は、刑法第205条に以下のように規定されています。

第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

傷害致死罪の構成要件は、人の身体を傷害した結果、人を死なせることです。
Aさんは、男性が所持していた果物ナイフで男性の太ももを刺し、大量出血で死なせてしまったということであれば、傷害致死罪の構成要件に該当していると考えられるでしょう。
しかし、Aさんは、男性に果物ナイフで脅された上で襲われていたため、どうにかして逃げなければという思いから、視界に入った果物ナイフで男性の太ももを刺した、ということですが、このことは③の違法性の要件を充たさないと言えるのでしょうか。

違法性阻却事由:正当防衛について

構成要件に該当する行為について、刑法上の禁止を解除し、違法性を失わせる特段の事情を「違法性阻却事由」といいます。
違法性阻却事由として刑法に規定されたものとしては、
・正当行為
正当防衛
・緊急避難
があります。

ほとんどの方が「正当防衛」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
正当防衛については、刑法第36条に次のように規定されています。

第三十六条 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

つまり、正当防衛とは、「急迫不正の侵害」に対して、「自己又は他人の権利を防衛するため」「やむを得ずにした行為」です。

1.急迫不正の侵害

◇侵害◇
「侵害」とは、権利を侵害する危険をもたらすものをいいます。

◇急迫性◇
「急迫」とは、法益の侵害が現に存在しているか、または間近に押し迫っていることを意味します。

◇不正な侵害◇
ここでいう「不正」というのは、違法であることを意味します。

2.自己又は他人の権利

「自己又は他人の権利」の「権利」は、明確な権利性を有するものだけでなく、法律上保護に値する利益であれば足りると理解されています。

3.防衛の意思

正当防衛は、「防衛するため」の行為でなければなりません。
しかし、防衛行為であるためには、客観的に防衛行為としての性質をゆうしていればよいのか、それとも、防衛の意思で当該行為がなされなければならないのか、という問題となります。
判例は、防衛の意思を正当防衛の要件と解しており、憤激・逆上したからといって防衛の意思は直ちに失われず、攻撃の意思が併存していても防衛の意思は認められ得るとしています。
ただし、「攻撃を受けたのに乗じ積極的な加害行為に出たなどの特別な事情」があるときには防衛の意思は否定され、「防衛に名を借りて新会社に対し積極的に攻撃を加える行為」は防衛の意思を欠くと解しています。

4.やむを得ずにした行為

「やむを得ずにした行為」の意義について、正当防衛の成立要件として、必要性および相当性の両方を必要とするのが判例および通説です。

◇必要性◇
「やむを得ずにした行為」というためには、必ずしもその行為が唯一の方法であることまで必要ではなく、また、厳格な法益の権衡も要求されませんが、少なくとも相手に最小の損害を与える方法を選ぶことが求められます。

◇相当性◇
相当性に関して、判例は、どのような「結果」が生じたのかという点よりも、どのような「手段」がとられたのかという点に着目して判断しています。
「素手」対「素手」であったのか、「凶器」対「凶器」であったのか、といったように、行為様態と防衛行為の危険性の比較衡量によって相当性を判断しているものが多くなっています。
相当性については、武器の対等性の他、侵害者・防衛行為者の身体的条件、加害行為の態様、防衛行為の危険性・性質、代替手段の有無等の事情を考慮して判断されます。

上記ケースにおいて、Aさんが正当防衛を主張した場合、「やむを得ずにした行為」の相当性の点が争われるのではないかと考えられます。
ですので、上述した相当性について判断する際に考慮される事情について、被疑者・被告人側に有利な事情を示し、正当防衛が認められるよう動くことが重要です。

そのような活動は、刑事事件に精通した弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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殺人事件で故意否認

2019-12-16

殺人罪に問われ故意否認している場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aさんは、ある夜、神戸市東灘区にある交際相手のVさん宅を訪れました。
しかし、Vさんから別れ話を切り出されたことに腹を立て、Vさんの首を絞めるなどの暴行を加えました。
我に返ったAさんは、Vさんの首から手を放しましたが、Vさんは意識を失っていました。
Aさんは怖くなりその場を後にしました。
後日、兵庫県東灘警察署がAさん宅を訪れ、殺人の容疑でAさんを逮捕しました。
Aさんは、「感情的になり暴力を振るってしまったことは認めるが、Vさんを殺すつもりはなかった。」と容疑を一部否認しています。
(フィクションです)

殺人罪について

殺人罪は、ご存知の通り、「人を殺す」犯罪です。
殺人罪については、刑法第199条に次のように規定されています。

第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

◇客体◇

殺人罪の客体は、「人」です。
行為者を除く自然人を指します。
さて、ここで、客体である「人」であることが、いつから始まりいつ終わるのか、が問題となります。

①人の始期について
人がいつ「出生」したと言えるか、という点については、「一部露出説」という考え方が通説だとされており、判例も同様の立場をとっています。
「一部露出説」というのは、一部が母体から露出した時点で「人」とする考え方です。

②人の終期について
人の終期、つまり、人が死亡したと、いつ言えるのか、という点については、争いがあります。
伝統的には、呼吸・脈拍の不可逆的停止、瞳孔拡大を起訴に総合的に判定する「三徴候説(心臓死説)」が通説とされてきましたが、生命維持・組成の為の技術が発達し、脳幹を含む全脳の機能が喪失しても相当期間、呼吸・循環を人工的に維持することが可能となり、脳機能の喪失をもって死とする「脳死説」が提唱されるようになりました。

◇行為◇

殺人罪の構成要件的行為は、「人を殺す」ことです。
「殺す」とは、自然の死期以前に人の生命を断絶する行為をいい、その手段・方法は問われません。
包丁で人を刺殺するといった方法でも、精神的に追い詰めて被害者に自らを死亡させる現実的危険性の高い行為に及ばせる方法や嬰児に食事を与えず死亡させる行為も「人を殺す」行為に当たります。

◇故意◇

法律に特別の規定がない限り、罪を犯す意思がない行為は処罰されません。
この「罪を犯す意思」というのが、「故意」と呼ばれるものです。
殺人罪の場合、「罪を犯す意思」というのは「人を殺す意思」、つまり、「殺意」があったことが本罪の成立には必要となります。
客体である「人」の認識については、単に「人」であることの認識で足ります。
また、行為の認識については、殺人の手段となる行為により、死の結果が発生可能であることを認識していればよいとされます。
故意は、未必的なもの、つまり、「相手は死ぬかもしれない」という認識や、条件付きのものでも構いません。

故意がなければ、結果として人を死亡させてしまったとしても、殺人罪は成立せず、傷害致死罪が成立するにとどまります。

故意(殺意)の認定は、具体的事情を考慮しつつ行われます。
例えば、凶器の種類、行為態様、創傷の部位・程度といった客観的な事情、動機の有無、犯行前・犯行時の言動、犯行後の言動などを総合的に考慮して判断されます。

また、殺す意思があった場合でも、自分の命を守るためにやむを得ずした行為であった場合には、違法性が阻却され、殺人罪は成立しません。

人を死亡させてしまった場合であっても、必ずしも殺人罪が成立するわけではありません。
しかし、その主張を裁判官や裁判員に適切に伝えることは、刑事事件に精通した弁護士なくして行うことは容易ではないでしょう。
ですので、ご家族が殺人罪に問われ、殺人罪の成立を争いたいとお考えであれば、刑事事件に精通する弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こしお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
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礼拝所不敬罪で刑事事件

2019-12-15

礼拝所不敬罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県宍粟市のお寺で大暴れした檀家のAさんは、通報を受けて駆け付けた兵庫県宍粟警察署の警察官に、礼拝所不敬などの疑いで逮捕されました。
(実際の事件を基にしたフィクションです。)

礼拝所不敬罪とは

あまり聞き慣れない「礼拝所不敬罪」という罪ですが、実は、滅多に行われない犯罪ではないのです。
礼拝所不敬罪で処理された事件としては、有名な写真家が都内の墓地でヌード撮影を行い罰金30万円の略式命令を受けたもの、靖国神社に対する抗議運動で祭祀業務を妨害したとして台湾の立法委員が書類送検されたもの、御神体の滝である世界遺産の那智の滝でロッククライミングしたとして登山家が書類送検されたものなどがあります。

今回は、礼拝所不敬罪についてみていきます。

礼拝所不敬罪は、刑法第188条1項に規定されています。

第百八十八条 神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処する。

本罪の保護法益は、国民の宗教的感情及び死者に対する敬虔・尊崇の感情です。

◇客体◇
本罪の客体は、「礼拝所」です。
宗教的な崇敬の対象となるべき場所をいい、その例として、神祠、仏堂、墓所があげられています。
「その他の礼拝所」としては、キリスト教や回教などの教会があげられます。
加えて、原爆慰霊碑やひめゆりの塔のように、一般的宗教感情により尊崇されているものであれば礼拝所に当たるとされています。

◇行為◇
本罪の構成要件的行為は、上述の客体に対して「公然と不敬な行為をする」ことです。
「公然と」というのは、不特定または多数の人に覚知しうる状態の下に置くことをいいます。
実際に他人に覚知される必要はなく、その行為時に不特定・多数の人がその場に居合わせたことは必要とされません。
「不敬な行為とは、礼拝所の尊厳または神聖を冒涜する行為をいいます。

上記ケースでは、Aさんは「お寺で大暴れした」との記載しかありませんが、仏堂で住職や他の檀家の前で、侮辱的言辞を浴びせたり、神体を足げにしたりしたのであれば、礼拝所不敬罪が成立すると考えられるでしょう。

関連する罪として、説教等妨害罪(刑法第188条2項)、墳墓発掘罪(刑法第189条)、死体損壊等罪(刑法第190条)、墳墓発掘したい損壊等罪(刑法第191条)、変死者密葬罪(刑法第192条)があります。

ご家族が礼拝所不敬罪逮捕されたのであれば、すぐに弁護士に相談・依頼され、早期釈放に向けて動くことが重要です。
逮捕されると48時間以内に警察は被疑者を釈放するか、検察に送致するかを決めます。
警察が検察に事件を送致すると、検察は被疑者の身柄を受けてから24時間以内に被疑者を釈放するか、勾留請求をするかと決めます。
検察が勾留請求した場合、請求を受けた裁判官は、被疑者を釈放するか勾留するかを判断します。
裁判官が勾留とした場合には、検察官が勾留請求をした日から原則10日、延長が認められると最大で20日もの間身体拘束を余儀なくされます。
しかし、上述したように、勾留が決定するまでには、3段階の判断が存在します。
つまり、警察が検察に送致するか否か、検察官が裁判官に勾留請求するか否か、そして、裁判官が勾留を決定するか否か、という3つの重要ポイントがあり、各所で勾留をする要件を満たさない旨を客観的証拠と共に書面等で主張し、逮捕された方が早期に釈放となるよう迅速かつ適切に働きかけることが重要です。
このような活動は、刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
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迷惑防止条例違反(嫌がらせ行為)で逮捕

2019-12-14

嫌がらせ行為迷惑防止条例違反となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県川西市のマンションに住むAさんは、同じマンションに住むVさんと些細な事で仲たがいし、お互いの悪口を周囲に言い合っていました。
ある時から、Vさん宅の玄関ドア前にビニール袋に入った生ごみなどが放置されるということが数十回ありました。
Vさんは兵庫県川西警察署に相談し、防犯カメラを設置したところ、Aさんの犯行であることが分かりました。
兵庫県川西警察署は、Aさんを迷惑防止条例違反嫌がらせ行為)の容疑で逮捕しました。
(フィクションです)

迷惑防止条例違反:嫌がらせ行為

上記ケースにおいて、Aさんは、迷惑防止条例違反嫌がらせ行為)に問われています。
迷惑防止条例違反となる「嫌がらせ行為」とはどのようなものをいうのでしょうか。

嫌がらせ行為については、兵庫県迷惑防止条例第10条の2に以下のように規定されています。

第10条の2 何人も、正当な理由がないのに、特定の者に対し、執ように又は反復して行う次に掲げる行為(ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)第2条第3項に規定するストーカー行為を除く。以下「嫌がらせ行為」という。)をしてはならない。
(1) つきまとい、待ち伏せし、進路に立ち塞がり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること(身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。次号から第4号までにおいて同じ。)。
(2) その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
(3) 面会その他の義務のないことを行うことを要求すること。
(4) 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
(5) 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールその他の電気通信(電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第1号に規定する電気通信であって、特定の者に対して通信文その他の情報をその使用する通信端末機器(入出力装置を含む。)の映像面に表示されるようにすることにより伝達するための方法をいう。)の送信をすること。
(6) 汚物、動物の死体その他の著しく不快若しくは嫌悪の情を催させるような物又は当該情を催させるようなものを視覚若しくは聴覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第8号において同じ。)その他の記録を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
(7) その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
(8) その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物若しくはその性的羞恥心を害するものを視覚若しくは聴覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を送付し、若しくはその知り得る状態に置くこと。

特定の人に、執拗に又は反復して「嫌がらせ行為」をした場合に成立するものです。
ただし、ストーカー行為規制法で規定してある「ストーカー行為」にあたるものは除外されます。
「ストーカー行為」は、「つきまとい等」を反復する行為であり、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、法第2条第1項各号の行為をすること」です。
ストーカー行為規制法の「つきまとい等」の具体的行為と、迷惑防止条例で規定される「嫌がらせ行為」の具体的行為は、ほぼ同じですが、「行為の目的」と「行為の対象者」が異なります。
ストーカー行為規制法における「つきまとい等」は、「好意・怨恨を充足する目的」を持っていることが必要です。
また、行為の対象が、「特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他該当特定の者と社会生活において密接な関係を有する者」に特定されています。

上記ケースでは、AさんはVさん宅の玄関ドア前に、生ごみなどの入ったゴミ袋を投棄していたとされていますが、当該行為は、上の「嫌がらせ行為」の第6号に当たるでしょう。

兵庫県迷惑防止条例違反嫌がらせ行為)の罰則は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
常習で違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

嫌がらせ行為による迷惑防止条例違反事件における重要な弁護活動のひとつに、被害者との示談交渉があげられます。
被害者との間で示談が成立し、被害届や告訴を取り下げてもらえれば、不起訴処分で事件が終了する可能性を高めることができます。

嫌がらせ行為迷惑防止条例違反事件を起こし対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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ひき逃げ事件で出頭

2019-12-13

ひき逃げ事件を起こし出頭した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県豊岡市に住むAさんは、自宅で晩酌をした後に、つまみを買うために近所のコンビニへ車で向かいました。
「すぐそこやし、大丈夫やろう。」と思い運転していたAさんですが、交差点を左折する際に、横断歩道を横断中の女性に気づくのが遅れ、Aさんの車は女性と接触してしまいました。
Aさんは事故を起こし気が動転し、そのまま現場を立ち去りました。
自宅に帰ったAさんは、やはり警察に出頭すべきだと思い、兵庫県豊岡南警察署出頭することを決意しました。
(フィクションです)

ひき逃げ事件を起こしたら

ひき逃げ事件を起こした場合に問われ得る罪は、道路交通法違反、そして過失運転致死傷罪または危険運転致死傷罪です。

(1)道路交通法違反

交通事故を起こした場合、運転手らは、直ちに運転をやめ、負傷者を救護し、道路における危険を防止する必要な措置をとらなければなりません。
これを「救護義務」といい、この義務に反し、そのまま現場から立ち去ってしまうと、道路交通法違反(救護義務違反)となります。
救護義務違反の法定刑は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
また、交通事故を起こしてしまった場合、運転手は直ちに最寄りの警察署などの警察官に交通事故が発生した日時・場所などを報告しなければなりません。
これを「報告義務」といい、これに違反した場合、道路交通法違反(報告義務違反)として、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金となる可能性があります。

(2)過失運転致傷罪

自動車を運転するにあたって必要な注意を怠って事故を起こし、相手を死傷させた場合、過失運転致死傷罪に問われる可能性があります。
過失運転致傷罪の法定刑は、7年以下の懲役又は禁錮若しくは100万円以下の罰金です。

(3)危険運転致傷罪

アルコールや薬物などに影響を受けて正常な運転が難しい状態、進行の制御がきかないような速度が出ている状態、信号無視をし、さらに大きな危険性のある速度が出ている状態など、危険な運転行為により死傷事故を起こした場合や、事故を起こす危険性があると認識していながら運転し、死傷事故を起こした場合、危険運転致傷罪に問われる可能性があります。
こちらの法定刑は、被害者が怪我をした場合には15年以下懲役、死亡してしまった場合には1年以上の有期懲役です。

事件後、捜査機関に出頭したら

一旦は事故現場から逃走したものの、その後捜査機関に出頭した場合には、どのようになるのでしょうか。

(1)自首が成立する場合

犯人が捜査機関に出向くことを「自首」と理解されている方も多いようですが、自首が成立するには、幾つかの要件を満たす必要があります。

①犯罪を起こした本人自らが自発的に犯罪事実を申告していること。
「自ら自発的に」自分の犯した犯罪を申告しなければならず、取調べで単に犯罪事実を自白しただけでは自首したことになりません。
②犯罪を行った本人が自身の罰則や処分を求めていること。
申告内容が、犯罪事実の一部を隠すためにされたものであったり、自己の責任を否定するようなものであったりした場合には、自首は成立しません。
③捜査機関に申告していること。
司法警察員または検察官に対して申告している必要があります。
④捜査機関が犯罪事実や犯人を特定していない段階で申告していること。
犯罪事実が捜査機関に発覚していない場合や、犯罪事実は発覚していたとしても、その犯人が誰であるか発覚していない場合を含みます。
犯罪事実や犯人が誰であるか判明しているけれども、単に犯人の所在だけが不明である場合は、これに含まれません。
犯罪事実の申告を受けた警察官等が犯罪事実を知らなくても、捜査機関の誰かが犯罪事実を知っていた場合には、自首は成立しません。

これらの要件を充たしてはじめて「自首」が成立することになります。
自首が成立すると、刑が減軽される可能性があります。

(2)単なる出頭となる場合

もうすでに捜査機関に犯罪事実や犯人が特定されしまっている場合には、自首が成立せず、単なる「出頭」ということになります。
自首が成立した場合の「刑の軽減」という可能性は該当しませんが、自ら捜査機関に出向いているという点で、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないとして、逮捕されず在宅のまま捜査が進む可能性があります。

ひき逃げ事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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少年事件における不送致処分

2019-12-12

少年事件における不送致処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県尼崎市の駅ホームで、女性客に痴漢行為を行ったとして、大学生のAくん(18歳)が兵庫県尼崎東警察署に逮捕されました。
しかし、Aくんは一貫して容疑を否認しています。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、すぐに少年事件に強い弁護士に弁護を依頼しました。
Aくんは逮捕後勾留となりましたが、最終的に家庭裁判所不送致の処分となりました。
(フィクションです)

少年が事件を起こした場合

少年が事件を起こした場合、成人の刑事事件における場合と同様に、主に刑事訴訟法に基づいた手続がとられることになります。

しかし、刑法は、14歳未満の者については刑事責任を問わないこととしていますので、14歳未満の少年が刑罰法令に触れる行為を行った場合、刑事処分を受けることはありません。
刑事責任が問われませんので、被疑者として逮捕・勾留といった身体拘束を受けることはありません。
ただし、児童相談所で一時保護される可能性はあります。

このように、捜査段階、つまり、家庭裁判所に送致される前の段階では、事件を起こした少年の年齢によってとられる手続が異なります。
ここでは、14歳以上の少年の場合についてみていくことにします。

先述のように、14歳以上の少年が事件を起こした場合、逮捕・勾留などの身体拘束が伴う強制処分がなされることがあります。
身体拘束を受けている事件を「身柄事件」、身体拘束を受けていない事件を「在宅事件」と呼びますが、どちらであっても被疑者として捜査機関による捜査の対象となれば、取調官から取調べを受けたり、現場検証を行ったりと捜査を受けることになります。
その捜査を遂げた結果、少年が犯罪を行ったとの嫌疑がある場合、および、犯罪の嫌疑が認められないけれども、家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
これは、少年法に以下にように規定されています。

第四十一条 司法警察員は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、罰金以下の刑にあたる犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、これを家庭裁判所に送致しなければならない。犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。

第四十二条 検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、第四十五条第五号本文に規定する場合を除いて、これを家庭裁判所に送致しなければならない。犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。
2 前項の場合においては、刑事訴訟法の規定に基づく裁判官による被疑者についての弁護人の選任は、その効力を失う。

このように、捜査機関は原則、以下の場合には、事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
①司法警察員からの送致
司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、原則として事件を検察官に送致することになっていますが、少年の被疑事件において、罰金以下の刑にあたる犯罪については、検察官に送致せず、直接事件を家庭裁判所に送致します。
②検察官からの送致
検察官は、警察が捜査を行い検察官に送致してきた事件の他に、検察官が自ら捜査した事件について、家庭裁判所に送致します。

しかし、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がない、および、家庭裁判所の審判に付すべき事由もないと考えられた場合には、捜査機関は事件を家庭裁判所に送致しない処分を決定します。
この処分を「不送致処分」といいます。

事件を家庭裁判所に送致しないため、その後家庭裁判所から調査や審判のために呼び出しを受けることはありません。

少年事件において不送致となるためには、捜査段階の早期から適切な弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に今すぐご相談ください。
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美人局で恐喝事件

2019-12-10

美人局恐喝事件となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
大学生のAさんは、友人のBさん、交際相手のCさん(17歳)と共謀し、出会い系アプリで知り合った男性とCさんとがホテルに入ろうとしたところを狙い、「俺の妹に何してくれてんねん。こいつ17やで。犯罪やで。どないしてくれるねん。」などといい、解決金名目で20万円を男性に要求し、ATMで現金を下ろさせて奪取したとして、恐喝容疑で兵庫県小野警察署に逮捕されました。
(フィクションです)

インターネットの普及に伴い、容易に見ず知らずの人と連絡がとれるようになりました。
便利である一方で、それが犯罪に利用されることも増えています。
上記ケースのように、若者が出会い系アプリを利用して、成人を未成年者と出合わせ、ホテルへ行こうとするところにその未成年者の交際相手や親族と名乗る者が現れ、示談金名目に高額な金銭を要求するといった事件が後を絶ちません。
金銭を要求された側も、実際に未成年といかがわしいことをしようとしていた手前、警察に被害を届け出ることは少なく、実際にどのくらい美人局が行われているのかは定かではありません。

美人局を行った場合、強盗罪、恐喝罪、詐欺罪、脅迫罪、強要罪などといった罪に問われる可能性があります。
今回は、恐喝罪について説明します。

恐喝罪

第二百四十九条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

恐喝罪は、人を恐喝して財物または財産上の利益を交付させる罪です。

1.財物恐喝罪(刑法第249条第1項)

◇客体◇
本罪の客体は、他人の所有する財物です。
この財物には、不動産を含むとされます。

◇行為◇
本罪の構成要件的行為は、「人を恐喝して、財物を交付させる」ことです。

恐喝
恐喝」というのは、脅迫または暴行を手段として、その反抗を抑圧するに足りない程度に相手方を畏怖させ、財物の交付を要求することです。
ここでいう「脅迫」とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
また、「暴行」は、人に対する不法な夕景力の行使を意味します。
「強盗罪」においても、「暴行または脅迫」を用いて行うことが求められますが、強盗罪における暴行・脅迫の程度は、犯行を抑圧する程度であることを必要とされ、恐喝罪のそれは相手方を抑圧するに足りない程度でよいとされています。

交付行為
「交付させた」とは、恐喝行為の結果、畏怖した相手方の処分行為に基づく交付によって、財物の占有を取得することをいいます。
よって、恐喝行為と財物の交付との間には、因果関係がなければなりません。

◇主観的要件◇
本罪の故意は、「他人を恐喝して、畏怖に基づく処分行為により、財物又は財産上不法の利益を得もしうは他人に得させること」の認識です。
この他、判例は、不法領得の意思も必要だとしています。

2.利益恐喝罪(同条第2項)

◇客体◇
本罪の客体は、財産上の利益です。
財産上の利益とは、財物以外の財産的利益のすべて、つまり、債券や担保権の取得、労務・サービスを提供させることだけでなく、債務免除や支払猶予も含みます。

◇行為◇
利益恐喝罪においても、相手方を恐喝した結果、相手方が畏怖し、相手方の意思に基づいて財産上の利益を移転させる処分行為が必要となります。

さて、上記ケースでは、Aさんは、BさんとCさんとグルになって、出会い系アプリで知り合った男性に対して、「未成年者とホテルにいこうとした」ことをネタに解決金名目で20万円を要求し、取得しています。
Aさんは、男性に対して、「俺の妹に何してくれてんねん。こいつ17やで。犯罪やで。どないしてくれるねん。」などと申し向けています。
この手のケースでは、未成年者とのいかがわしい行為は犯罪であることを主張し、そのことを公にしたくなければ金銭で解決すること提案するといったものがほとんどです。
相手方も、自分の行為を公にはしてほしくないですので、「もし暴露されたら大変だ!」と恐れおののき、高額な金銭を恐喝相手に渡してしまうのです。
つまり、脅迫を用いて、相手方を畏怖し、相手方の意思に基づいて、お金を交付させており、恐喝罪が成立するものと考えられます。

恐喝罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
恐喝罪で起訴され、有罪となれば、実刑となる可能性があるということです。

そのような事態を回避するためにも、早期の段階から刑事事件に強い弁護士に相談・依頼し、適切な弁護活動を行うこと重要です。

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白タク営業で刑事事件に

2019-12-09

白タク営業を行い刑事事件となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県姫路市で違法な「白タク営業」を行ったとして、兵庫県姫路警察署は、県内に住む男性3人を道路運送法違反(無許可営業)の容疑で逮捕しました。
被疑者らは、タクシーよりも安い運賃で走行しており、外国人客を中心に客を集め、「白タク営業」を行っていたということです。
(フィクションです)

後を絶たない白タク営業

タクシー事業は、国からの許可を受けて行う必要があります。
許可を受けたタクシーには、「緑色のナンバープレート」がつけられています。
一方、許可を受けていない車には、「白色のナンバープレート」がついています。
一般の自家用車(普通車)が付けているのと同じものです。
つまり、「白タク」とは、タクシーとして営業する許可を受けていないにもかかわらず、タクシー営業を行っている車のことです。

白タク営業は、道路運送法により禁止されています。

第四条 一般旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。

ここでいう「一般旅客自動車運送事業」というのは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送する事業です。

これに違反し、無許可営業を行った場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらの両方が科される可能性があります。

このように思い刑罰が設けられているにもかかわらず、白タク営業は後を絶ちません。
特に、訪日客が増加するに伴い、外国人を対象にした白タク営業が増えています。

白タク営業で逮捕されたら

白タク営業を行い逮捕された場合、他の刑事事件と同様に、逮捕から48時間以内に被疑者の身柄や証拠書類とともに事件が検察に送致される、もしくは被害者の身柄が釈放されます。
検察に送致されると、検察が身柄を受けてから24時間以内に、検察官は勾留請求を行うか、被疑者を釈放するかを決めます。
検察官が勾留請求した場合、裁判官は請求を受けて、被疑者を勾留するか否かを判断します。
裁判官が勾留を決定すると、検察官が勾留請求した日から原則10日間身柄が拘束されることになります。

長期の身体拘束を回避するためにも、逮捕後すぐに身柄解放活動に着手することが重要です。
ご家族が白タク営業で逮捕され対応にお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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汚職事件:収賄罪で逮捕

2019-12-08

汚職事件を起こし収賄罪逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

汚職の罪について

刑法の第25章は、汚職の罪と題して、職権濫用の罪および賄賂の罪について規定しています。
これらの罪は、いずれも公務員による犯罪で、公務執行の公正およびそれに対する国民の信頼を国家機関の内部から侵害する罪と言われています。
「職権濫用の罪」は、公務員がその職権を濫用することにより国民の権利・自由を侵害する罪で、「公務員職権乱用罪」、「特別公務員職権濫用罪」、「特別公務員暴行陵虐罪」、そして、「特別公務員職権濫用等致死傷罪」により構成されます。
「賄賂の罪」は、公務員の職務に関して賄賂を受供与することによって、公務の公正さを侵害する犯罪です。
賄賂の罪は、「収賄罪」、「受託収賄罪」、「事前収賄罪」、「第三者供賄罪」、「加重収賄罪」、「事後収賄罪」、「あっせん収賄罪」、「贈賄罪」から成ります。

収賄罪について

第百九十七条 公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、七年以下の懲役に処する。

収賄罪」は、公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をした場合に成立する罪です。
本罪は、収賄罪の基本類型であり、「単純収賄罪」とも呼ばれます。

◇主体◇
本罪の主体は、「公務員」です。
刑法において「公務員」とは、「国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員」をいうと定義されています。(刑法第7条)

◇行為◇
本罪の構成要件的行為は、「賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をすること」です。
「賄賂」の意義についてですが、判例によれば、「賄賂」とは、「公務員の職務に関連する不正の報酬としての一切の利益」をいうとされます。(大判明43・12・19)
賄賂としての利益は、人の需要または欲求を充たすものであれば足りるとされます。
また、賄賂は、「職務行為または職務と密接に関連する行為の対価として提供されたもの」でなければなりません。
この対価関係は、一定の職務に対する抽象的・包括的な反対給付としての性質が認められれば足りるとされており、個々の職務行為とその利益との間に対価関係があることまでも要されません。
中元や歳暮といった社交儀礼としての贈与については、社交的慣習・儀礼の範囲内であれば、価値が比較的軽微であったり、職務との対価性が認められないため、賄賂には当たらないとされます。
しかし、それが公務員の職務に関して授受されるときは、賄賂性が生じることになります。
この賄賂性については、公務員の職務内容、その職務と利益供与者との関係性、当事者間の親疎、利益の種類や多寡、利益授受の経過などといった事情を考慮して判断されます。

「収受」とは、供与された賄賂を自己の物とする意思で取得することをいいます。
賄賂の「要求」というのは、賄賂の供与を求める意思表示を意味しますが、これは、相手方が認識し得る程度になされれば足り、現実にそれが認識されたことを要しません。
また、賄賂の「約束」は、賄賂の供与・収受について贈賄者・収賄者間で合意することをいいます。

◇主観的要件◇
本罪の主体である公務員は、収受等した賄賂が職務行為と対価関係に立つものであること、つまり賄賂性を認識していることが必要となります。
職務の正当な報酬であると誤信しておれば、故意が阻却されることになります。

収賄事件は、賄賂を贈った側と受け取った側が存在する共犯事件です。
共犯事件の場合、逮捕された後も、共犯者と口裏を合わせるなど罪証隠滅のおそれがあると認められ、勾留となる可能性があります。
汚職事件を起こし、収賄罪逮捕されてしまったのであれば、早期に刑事事件に強い弁護士に接見を依頼し、取調べ対応についてのアドバイスを受けるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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