Archive for the ‘暴力事件’ Category

器物損壊罪と告訴

2019-05-20

器物損壊罪と告訴

器物損壊罪告訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、兵庫県加古郡稲美町にある居酒屋で旧友らと飲んでいました。
久しぶりの再会についついお酒も進み、随分酔っ払っていました。
Aさんと友人Bさんは、個室のドアを開けようと思い、酔った勢いもあり、思いっきり押してしまいました。
すると、ドアは外れ、表面にひびが入ってしまいました。
駆け付けた店長に苦言を呈されたAさんとBさんは、訳が分からない発言をするなど、酔っていたとはいえ不誠実な対応に腹を立てた店長は、兵庫県加古川警察署を呼びました。
AさんとBさんは逮捕はされませんでしたが、警察から店側と示談するように勧められ、どうすればよいのか対応に困っています。
(フィクションです)

器物損壊罪

器物損壊罪とは、刑法第258条における公用文書等、刑法第259条における私用文書等、そして、刑法第260条における建造物等以外の他人の物を損壊又は傷害した場合に成立する犯罪です。
本罪の法定刑は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金若しくは科料です。
器物損壊罪の客体である「他人の物」には、動産・不動産を広く含み、電磁的記録媒体も含まれます。
また、法令上違法なものも当該客体に含まれると判例上解されています。
「損壊」とは、物の物理的な損壊に限らず、物の効用を害する一切の行為を含みます。
例えば、食器に放尿する行為や、建物の壁などに落書きする行為も「損壊」に該当します。
「傷害」は、客体が動物の場合に問題となり、その意義は、動物を殺傷するのみならず、囲いから逃がしたりする行為も含まれます。
客体が動物の場合、器物損壊罪の客体が「他人の物」に限定されているため、人が飼っている動物を傷害した場合に本罪が適用されるのであり、野生の動物を傷害した場合には本罪は適用されないことになります。

器物損壊罪は、親告罪です。
親告罪とは、告訴がなければ控訴を提起することができない犯罪のことです。

器物損壊事件で告訴されたら

告訴というのは、被害者やその親族や法定代理人等の告訴権者が、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、加害者の処罰を求める意思表示のことをいいます。
ですので、親告罪である器物損壊事件においては、被害者との示談を締結し、告訴を取り下げてもらうことにより、不起訴処分を獲得し前科がつくことを回避することが重要です。
被害者との示談交渉は、一般的に弁護士を介して行われます。
というのも、被害者は加害者の行為によって損害を被っており、怒りや恐怖を感じていることが多く、当事者同士の話し合いは感情的になり円滑に進まない可能性が高いからです。
また、被害者が自己の連絡先を加害者に教えたくないと連絡さえ取れないことも少なくありません。
器物損壊事件で告訴されたら、早期に被害者対応に着手し、示談を締結させ、事件を穏便に終了させるには、刑事事件に強い弁護士に、被害者との示談交渉を依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊事件を含む刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
もし、あなたが器物損壊事件の加害者として被害者から告訴されている、告訴されそうだとお困りであれば、今すぐ弊所の刑事事件専門弁護士にご相談下さい。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

家庭内暴力(DV)で刑事事件

2019-05-04

家庭内暴力(DV)で刑事事件

家庭内暴力DV)で刑事事件となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市西区に妻と長男(2歳)と暮らす会社員のAさんは、普段はとても温厚な性格ですが、酒に酔うと気が荒くなり、妻からの小言に対し、妻に物を投げつけたり、妻の顔を殴るなどの暴行を加えることが多々ありました。
ある夜、酒に酔って帰ってきたAさんに対し、「帰りが遅い」「子供の面倒をもっと見てほしい」などと妻が言ってきたため、Aさんはカッとなり妻の顔面を思いっきり殴ってしまいました。
妻は殴られた衝撃で床に倒れ、頭部から出血が確認されました。
妻は自ら救急車を呼びましたが、搬送先の病院から兵庫県神戸西警察署に通報され、Aさんは傷害罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

家庭内暴力(DV)事件

近年、家庭内暴力(DV)により大きな怪我を負ったり、死亡してしまう事件が社会的に問題となっています。
一昔前までは、家庭内の出来事については警察も介入することがそう多くはありませんでしたが、残虐な暴力により幼い命が犠牲になった事件が相次ぎ、警察も家庭内の問題、特にDV事件については積極的に介入するようになりました。

DVに関する特別法として、DV防止法があります。
DV防止法(正式名:「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」)は、平成13年に、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、都道府県における配偶者暴力相談支援センターの機能の充実、配偶者からの暴力発見者による通報等の仕組みの整備、裁判所の保護命令制度の創設等を内容として制定・施行されました。
DV法における「配偶者からの暴力」とは、「配偶者からの身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響力を及ぼす言動」と定義されています。(DV防止法1条1項)
「配偶者」というのは、婚姻の届出をしていない「事実婚」も含まれ、男性、女性を問いません。
離婚後も引き続き暴力を受ける場合も、「配偶者」に含まれます。
「配偶者からの暴力」とは、身体に対する暴力である「配偶者からの身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの」、又は「これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」が含まれます。
後者に当たるものとしては、脅迫にあたるような言動や、精神的暴力、性的暴力が挙げられます。
また、配偶者や元配偶者だけでなく、生活の本拠を共にする交際する関係にある相手からの暴力及びその被害者についても、本法は準用されます。

DVの被害者の申立てにより、裁判所が、被害者の生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、身体に対する暴力や生命等に対する脅迫を行った配偶者等に対して、一定期間、被害者又は被害者の子や親族等へのつきまとい等の禁止、住居からの退去等をさせるために発する命令を「保護命令」といいます。
この保護命令に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。
この保護命令には、接近禁止命令、退去命令、子への接近禁止命令、親族等への接見禁止命令、電話等禁止命令の5つがあります。

また、被害者が警察に相談し、被害の届出を行った場合には、警察は刑事事件として捜査を開始します。
問われ得る刑事責任は、暴力の態様によって異なりますが、主に以下のような犯罪が成立する可能性があるでしょう。

身体的暴力:傷害罪、暴行罪
精神的暴力:脅迫罪、名誉棄損罪
性的暴力:強制性交等罪

家庭内暴力(DV)事件で逮捕されたら

家族に対して暴力を振るい、刑事事件の被疑者として逮捕されると、被害者との関係から、逮捕後勾留が付き、長期の身体拘束を余儀なくされる可能性が高いでしょう。
ご家族が家庭内暴力(DV)事件で逮捕されたら、できるだけ早く弁護士に相談し弁護を依頼されるのがよいでしょう。
事件を認めている場合には、反省し二度と同じようなことを行わないことを誓約した上で、被害者との接触をしない・できない環境を整え、身体拘束をする必要がないことを主張します。
一方、事件を認めない場合には、疑われている犯罪が成立しない旨を客観的な証拠と共に説得的に主張し、不起訴(罪とならず、嫌疑なし、嫌疑不十分)や無罪を狙います。
逮捕されてから勾留されるまでの間は、逮捕された方の家族であっても面会することはできません。
逮捕された方は、どのように対応すればよいのか分からず自己に不利な供述をしてしまうこともありますので、逮捕されたらすぐに弁護士に接見を依頼してください。

ご家族が家庭内暴力(DV)事件で逮捕されたら、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件に詳しい弁護士が、逮捕された方のところに行き接見を行います。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までご連絡ください。
兵庫県神戸西警察署までの初回接見費用:37,400円)

傷害事件で少年審判

2019-05-01

傷害事件で少年審判

傷害事件の少年審判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加古郡播磨町に住む少年Aくん(17歳)は、知人Bさんと交際女性を巡って口論となり、カッとなりBさんの顔面を殴る等、全治2週間の怪我を負わせてしまいました。
Bさんは、兵庫県加古川警察署に被害届を出してことで、事件が発覚しました。
幸い、Aくんは逮捕されることはありませんでしたが、取調べに応じた警察官から、警察や検察での取調べが終われば、神戸家庭裁判所姫路支部に送致され少年審判を受けることになると言われました。
どのように対処すればよいか分からず、Aくんと両親は少年事件に精通する弁護士に法律相談をお願いしました。
(フィクションです)

少年審判について

少年審判」というのは、一般的には、家庭裁判所が少年の非行事実および要保護性について審理・判断を行う手続のことをいいます。
刑事事件の公判期日にあたる概念と考えられるでしょう。
少年審判は、以下の点で刑事裁判と大きく異なります。
①職権主義的質問構造
少年審判では、刑事裁判のような当事者主義的訴訟構造をとっておらず、職権主義的質問構造がとられています。
つまり、家庭裁判所が自ら審判手続を主導し、少年に関する調査を行い、その結果に基づいて審理を行い処分を言い渡すのが少年審判であり、検察官と被告人・弁護人が対立して攻撃防御を尽くし、当事者が訴訟を主体的に追行していく刑事裁判の構造とは大きく異なるのです。
②証拠に関する規則
余談排除原則や伝聞法則の適用が少年審判にはありません。裁判官が審判期日の前からあらゆる証拠に触れる点で、刑事裁判とは異なります。
また、少年審判は原則として非公開です。

少年審判の審理対象は「非行事実」および「要保護性」です。

非行事実

非行事実とは、刑事裁判における公訴事実に該当するものです。

要保護性

要保護性は、その用語が多義的に用いられることがありますが、概ね次の3つの要素により更正されるものと考えられています。
①再非行の危険性
少年の性格や環境に照らし、将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性
保護処分による矯正教育を施すことにより、少年が再非行におよぶ危険性を除去できる可能性があること。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。

少年審判に向けた付添人の活動

家庭裁判所が事件を受理すると、書記官や裁判官が、審判条件や非行事実の存否について事件記録に基づいて法的調査を行います。
法的調査の結果、非行事実が存在することについて裁判官が蓋然的心証を得た場合、調査官に要保護性を判断するための社会調査を命じます。
社会調査が終了すると、調査官は、少年鑑別所の鑑別結果通知書などとともに裁判官に調査結果を提出し、裁判官は、証拠書類などの法律記録と併せて検討します。
その結果、家庭裁判所が、審判に付することができない、または審判に付するのが相当でないと認めるときには、審判不開始決定をします。
一方、少年が非行事実を行った蓋然性があり、調査官による教育的措置を経た上でもなお少年に要保護性が認められる場合には、審判開始決定が行われます。
先述しましたが、少年審判の審理対象は、非行事実と要保護性の2要素となります。
非行事実に争いのない場合には、要保護性の解消が、少年審判に向けた付添人の重要な活動になります。
少年が事件と向き合い、事件を起こしてしまった原因に気づき、今後同じ過ちを繰り返さないためにはどのようにすればよいのかをしっかり考えることができるよう、付添人は少年を支援します。
また、被害者への謝罪や被害弁償を含めた示談交渉も行います。
そのうえで、少年の更生に適した環境を整えるべく、少年の家族や学校・職場と連携して活動します。
このような活動を、調査官や裁判官に適時報告し、少年の要保護性が解消されたと判断してもらうべく働きかけます。

以上の活動は、少年事件に精通した弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こしてお困りの方は、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイアル0120-631-881まで。

刑事事件と裁判員裁判

2019-04-19

刑事事件と裁判員裁判

刑事事件裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県赤穂郡上郡町に住むAさんは、隣に住むBさんが出す騒音に腹が立っていました。
Aさんは騒音に対して、何度もBさんに注意をしましたが、Bさんは一向に音を立てるのを止めませんでした。
ある日、Bさん宅から騒音が聞こえてきたのを聞いたAさんは、どうしても我慢ができず、もうBさんを実力で黙らせるしかないと考え、台所から包丁を持ち出し、Bさん宅のインターホンを鳴らしました。
Aさんは、Bさんが玄関から出てきたところをいきなりその腹の部分めがけて包丁を突き立てました。Bさんが腹から血を出す様子を見たAさんは我に返り、大変なことをしてしまった、このままではBさんが死んでしまうと考え、自ら110番と119番をしたところ、兵庫県相生警察署から駆けつけた警察官に殺人未遂罪で現行犯逮捕されました。
幸いにしてBさんは一命をとりとめましたが、Aさんはそのまま殺人未遂罪で起訴されることとなりました。

裁判員裁判対象事件

通常、裁判は、裁判官が行います。
これは、民事事件も刑事事件も変わりありません。
しかし、一定の事件については、裁判官3名と、一般市民から選ばれた裁判員6名の合計9名で裁判が開かれます。
このような裁判のことを裁判員裁判と呼んでいます。
裁判員裁判対象事件は、①死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる事件②故意の犯罪により人を死亡させた事件(①に当たるものを除く)です。
殺人罪や放火罪は①に当たり、傷害致死罪は②になります。
また、法定刑に死刑又は無期の刑がある事件は、人が死亡したかどうかを問いませんから、殺人未遂罪も①によって対象事件となります。
これらに対し、過失運転致死罪は、故意の犯罪ではありませんから、①②のいずれにも当てはまらず、裁判員裁判対象事件ではありません。
Aさんは、殺人未遂罪で起訴されていますから、Aさんは裁判員裁判で裁かれることになります。

裁判員裁判の進み方

裁判員裁判は、通常の裁判とは異なる進み方をします。
通常の裁判では、法廷に裁判官・検察官・弁護人・被告人が出席したうえで、公開の法廷で議論が進められます。
これに対し、裁判員裁判では、実際の裁判が開かれる前に、公判前整理手続という手続きが行われます。
公判前整理手続とは、裁判員に実際に審理をしてもらう前に、裁判官・検察官・弁護人の三者により、本件事件の争点や、実際に裁判に提出する証拠を整理する手続きです。
このような手続きの中で、事件の争点や、重要な事実が整理され、裁判員には、最初から争点や判断の対象が提示されるようになっています。
公判前整理手続を経た事件の場合、この手続きが終結した後には、特別の事情がない限り新たな証拠の提出が許されなくなります。
Aさんの事件で、弁護側が主張すると考えられる点として、①Aさんに殺意はあったのか②Aさんに殺意があったかどうかは別にして、Aさんがこのような行動に及んだ原因はBさんに会ったのではないか③Aさんに殺意があったかどうかは別にして、Aさんは自ら110番通報しており、自首が成立するのではないか、というようなものが考えられます。
例えば、③を例にとると、自首が成立しているという主張は、公判前整理手続の中であらかじめ主張する必要があります。
Aさんが自首をしたということを証明するものとして、110番通報の入電記録がありますが、このような証拠を裁判に提出するためには、あらかじめ手続きの中で主張しなければなりません。
このような主張をしないまま、裁判員が審理する段階で、新たに入電記録のような証拠を提出したいと裁判所に主張したとしても、裁判所は証拠の提出を認めないでしょうから、結果として自首の主張ができなくなるおそれがあります。
このように、裁判員裁判は、裁判員には負担が少ないように設計されていますが、当事者の立場から見れば、適切な時期に適切な主張をしなければならないという制度になっています。

裁判員裁判には、刑事事件に強い弁護士に弁護を依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱っており、裁判員裁判を経験した弁護士も多数所属しております。
ご家族が裁判員裁判対象の事件を起こしてしまいお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。

土下座強要で刑事事件

2019-04-07

土下座強要で刑事事件

土下座強要での刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aさんは、友人Bと兵庫県神崎郡市川町にあるボーリング場にやってきました。
Aさんは、店員Vの接客態度が悪いと因縁をつけ、Vに「土下座して謝れ。」「土下座せんかったら、店のもん壊したるからな。」「もう、お前ここで働かれへんようにしたるからな。」などと怒鳴りつけ、店員Vに土下座して謝罪することを要求しました。
店員Vは、Aの態度に怯え、Aの要求通り土下座をしました。
翌日、ボーリング場の責任者は、事件を聞き、店員Vと共に兵庫県福崎警察署に相談し、被害届を提出しました。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

強要罪について

強要罪とは、暴行や脅迫を用いて、相手に義務のないことを行わせる犯罪です。
強要罪は、刑法第223条に以下のように規定されています。

第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。

行為

本条1項では、本人の「生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用い」る場合、本条第2項では「親族の生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫」する場合について規定されています。
(1)「脅迫」
本罪の「脅迫」は、脅迫罪の実行行為としての脅迫と基本的に同じで、「恐怖心を生じさせる目的で、相手方またはその親族の生命、身体、自由、財産に対し、害を加えることを告知する」ことをいいます。
「害悪の告知」に関して、その告知内容は、相手方の対応および客観的状況から判断して、一般に人を畏怖させるにたりる程度のものであることが必要です。
(2)「暴行」
被害者が畏怖し、そのため行動の自由が侵害されるにたりる程度の有形力の行使であることが必要となります。
本罪は、相手方を畏怖させて、瑕疵ある意思を生じさせ、その意思に基づいておこなわせるという犯罪であるため、物理的強制力をもって機械的に行動させた場合には、本罪は成立しません。
暴行について、相手方を畏怖させるにたりる程度のものであることを要求しており、一定の場所にとどまる権利を有する者をその意思を無視して身体を運び出す行為は、有形力の行使であっても、本罪における「暴行」にはあたりません。

結果

(1)義務なき作為の強要
「義務のないことを行わせた」例として、子守の少女に水入りのバケツを数十分ないし数時間、胸のあたりまたは頭上に支持せしめた場合があります。
店員に土下座強要する行為も、義務のなき作為の強要に当たります。
(2)権利実行の不作為の強要
「権利の行使を妨害」するというのは、例えば、告訴を断念させることがあげられます。

故意

本罪の故意は、暴行または脅迫をもって人に義務のないことをおこなわせ、またはおこなうべき権利を妨害することの認識・予見です。

上記ケースでは、Aさんが店員Vさんに対して、「土下座しろ。」「土下座せんかったら、店のもん壊したるからな。」「もう、お前ここで働かれへんようにしたるからな。」と、Vさんの生命・身体・自由に対して害を加える旨を告知しており、この行為は「脅迫」に該当するでしょう。
脅迫を用いて、Aさんは店員Vさんに対し、「土下座」という義務のない作為を強要しており、実際にVさんは土下座しているので、Aさんに対する強要罪は成立するものと考えられます。

強要事件における弁護活動

強要事件のように、被害者がいる事件については、被害者との示談成立の有無が、最終的な処分に大きく影響します。
強要罪は、親告罪ではありませんので、被害者との示談が成立したからといって、必ずしも検察官が起訴しないとは限りません。
しかし、被害者との示談が成立しており、被害者も被疑者に対して処罰を望んでいない場合には、不起訴処分となる可能性は高いと言えるでしょう。
ですので、強要事件では、まず被害者との示談交渉を開始する必要があります。
ただし、被疑者が直接被害者と連絡をとり、示談交渉を行うことはお勧めしません。
被害者が被疑者に連絡先を教えることは稀ですし、当事者間で交渉すると、感情論的になり交渉がうまく進まないことが多いからです。
そこで、示談交渉は弁護士に依頼するのが一般的です。
弁護士であれば、粘り強く被害者との示談交渉を行うことができ、相場の金額で示談を成立させることが期待できます。

兵庫県の強要事件でお困りの方、被害者の方と示談交渉をしたいがどうしたらよいか分からずお悩みの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

少年法の適用される事件②

2019-03-30

少年法の適用される事件②

少年法の適用される事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県朝来市に住む高校生のAくんは、交際相手を巡って同級生のVくんともめていました。
ある日、Aくんは仲間2人とともに、Vくんを公園に呼び出し、話をつけようと考えました。
Vくんが反抗的な態度をとったので、Aくんは頭にきて、仲間とともにV君に対して殴る蹴るの暴行を加えました。
Vくんが兵庫県朝来警察署に被害届を出したことで、今回の事件が警察に発覚し、Aくんらは傷害の容疑で逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんのお母さんは、慌てて兵庫県朝来警察署に面会に行きましたが、まだ会えないと言われ、どうしたものかと困っています。
(フィクションです)

どのような事件に少年法が適用されるのか

前回に引き続き、少年法が適用される事件について紹介していきたいと思います。
今回は、3つ目の「少年の刑事事件」について概観します。

少年の刑事事件

少年が犯罪を犯した場合、成人の場合と同様に被疑事件として捜査機関による捜査を受けます。
捜査機関による捜査が終了すると、原則、全ての事件が家庭裁判所に送致されます。
これらの事件は、「少年保護事件」として家庭裁判所において審理され、ほとんどの場合、家庭裁判所で終了することになります。
しかし、刑事処分を相当とする事件については、検察官に送致され、刑事事件として刑事手続に基づいて事件が処理されることになります。
犯行時16歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた事件については、原則、検察官に送致されます。
送致を受けた検察官は、原則として刑事裁判所に公訴を提起しなければなりません。
検察官に事件が送致された場合であっても、家庭裁判所に再送致されたり、刑事裁判所から少年の被告人を保護処分に付するのが相当であると認めて移送され、再び家庭裁判所で少年保護事件として処理される場合もあります。

このように、少年の刑事事件とは、少年の犯罪事件が、
①家庭裁判所に送致される前の段階における少年の被疑事件
②家庭裁判所から検察官へ送致され刑事裁判所へ公訴を提起される前の段階における少年の被疑事件
③公訴提起後の被告事件
といいます。
少年の刑事事件の処理手続については、原則、成人の刑事事件における手続と同様に取り扱われますが、少年法は、刑法、刑事訴訟法、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律等の一般法に対する特則を定めています。
例えば、以下のような点があげられます。
少年の勾留は、「やむを得ない場合」にとられ、勾留に代わる観護措置が設けられています。
・審理の妨げとならない限り、他の被告事件から手続を分離しなければならず、刑事施設・留置施設・海上保安留置施設においては、成人と分離して収容しなければなりません。
・刑事裁判所は、家庭裁判所の取り調べた証拠をつとめて取り調べるようにしなければなりません。
少年に対する刑罰は、犯行時18歳未満であった場合、死刑と無期刑が緩和されます。

このように、少年が犯罪を犯した場合、事件の進行段階により、成人の刑事事件における手続が適用されることもあれば、少年法が適用されることもあります。
ですので、お子様が事件を起こしたしまったのであれば、すぐに刑事事件少年事件に強い弁護士に相談することをおすすめします。
逮捕されてから勾留までの間、少年の家族であっても少年と面会することはできません。
そのような段階においても、弁護士であれば、いつでも少年と面会することができます。
成人であっても逮捕され身柄が拘束されると、身体的にも精神的にも大きな苦痛を感じるものです。
心身ともに発達途上の少年であれば、なおさら不安に駆られることでしょう。
早く釈放されたいという思いから、自分に不利な供述をしてしまう可能性も大いにありますので、逮捕されたらすぐに弁護士に接見をご依頼ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
お子様が逮捕された場合には、弊所の弁護士が留置施設に赴きお子様と直接接見を行う「初回接見サービス」をご案内いたします。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までご連絡ください。
専門スタッフがご対応させていただきます。

少年法の適用される事件①

2019-03-29

少年法の適用される事件①

少年法の適用される事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県朝来市に住む高校生のAくんは、交際相手を巡って同級生のVくんともめていました。
ある日、Aくんは仲間2人とともに、Vくんを公園に呼び出し、話をつけようと考えました。
Vくんが反抗的な態度をとったので、Aくんは頭にきて、仲間とともにV君に対して殴る蹴るの暴行を加えました。
Vくんが兵庫県朝来警察署に被害届を出したことで、今回の事件が警察に発覚し、Aくんらは傷害の容疑で逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAくんのお母さんは、慌てて兵庫県朝来警察署に面会に行きましたが、まだ会えないと言われ、どうしたものかと困っています。
(フィクションです)

どのような事件に少年法が適用されるのか

少年法は、少年保護手続に関する刑事訴訟法の特則を規定した法律です。
その第1条は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とすることを規定しています。
この少年法が適用される事件は、「少年保護事件」、「準少年保護事件」、「少年の刑事事件」の3つです。
今回は、少年保護事件と準少年保護事件について概観します。

(1)少年保護事件

家庭裁判所が取り扱う非行少年に対する事件を「少年保護事件」といいます。
また、家庭裁判所が非行少年の性格の矯正及び環境の調整に関する措置を行う手続を「少年保護手続」といいます。
ここでいう「非行少年」とは、20歳未満の者であり、犯罪少年、触法少年、虞犯少年の総称で、「審判に付すべき少年」ともいいます。
①犯罪少年
犯罪少年とは、犯罪に該当する行為をした少年をいいます。
刑事未成年者である14歳未満の者は、これに含まれません。
犯罪の種類は限定されていないことから、刑法犯に限らず、道路交通法違反や大麻取締法などの特別法犯も対象となります。
犯罪少年について、構成要件該当性、違法性の各要件を満たす必要があることに異論はありません。
したがって、構成要件に該当する行為を行ったとしても、違法性阻却事由に該当する場合には、犯罪は成立せず、犯罪少年に当たらないことになります。
一方、有責性の要件の具備については、裁判例や学説が分かれています。
②触法少年
触法少年とは、14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年をいいます。
14歳未満の者の行為は、刑法上の犯罪にはなりません。
しかし、少年法上は保護処分の対象となります。
③虞犯少年
虞犯少年とは、次に掲げる事由(虞犯事由)があり、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年をいいます。
虞犯事由は、次の通りです。
・保護者の正当な監督に服しない性癖のあること
・正当な理由がなく家庭に寄り付かないこと
・犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入りすること
・自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること
このような虞犯少年を家庭裁判所の審判に付すこととなっているのは、いまだ犯罪又は刑罰法令に触れる行為をするに至っていない不良少年を早期に発見し、少年の行状・性格・環境等から犯罪的危険性が看守される場合には、少年に適切な保護を加え、少年の健全な育成を図るとともに、犯罪の発生を未然に防ぐ目的があります。

(2)準少年保護事件

「準少年保護事件」とは、①保護処分取消事件、②収容継続申請事件、③戻し収容申請事件、そして、④施設送致申請事件の4種類の事件を指します。
上の「少年保護事件」が「非行少年」を対象とするのに対し、「準少年保護事件」は保護処分中又は保護処分終了後の少年について、その保護処分を対象とする事件です。

少年法が適用される事件は、成人の刑事事件とは異なる手続に基づいて処理されます。
ですので、お子様が事件を起こしてしまった場合には、早期に少年法に精通する弁護士に相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件と刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
兵庫県朝来市でお子様が事件を起こしてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。

少年事件と観護措置

2019-03-24

少年事件と観護措置

少年事件観護措置について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県多可郡多可町に住む中学3年生のAくんは、同級生のBくんとCくんとともに、他の学校に通うVくんを呼び出し、殴る蹴るなどの暴行を加えました。
Vくんが兵庫県西脇警察署に被害届を提出したことにより、事件が発覚しました。
Aくんらは、中学校卒業直後に兵庫県西脇警察署に逮捕されました。
Aくんは、最初はVくんに暴行を加えることに乗り気ではなかったのですが、その場の雰囲気に流され、Vくんを2回ほど蹴ってしまったと供述しています。
Aくんの両親は、このまま身体拘束が続くと高校の入学式にも出席することが出来ないのではないかと心配しています。
(フィクションです)

少年の身体拘束~観護措置について~

14歳以上20日未満の少年が事件を起こしてしまった場合、長期の身体拘束を受ける可能性があります。
捜査段階では、成人の刑事事件と同様に、逮捕・勾留による身体拘束が予想されます。
事件が発覚し、少年を逮捕・勾留する必要があると判断される場合には、手続に従い裁判所の判断の基、逮捕・勾留されることとなります。
少年の場合には、勾留に代わりに「勾留に代わる観護措置」がとられることもあります。

捜査が終了し、事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は「観護措置」をとり、審判までの数週間にわたって少年を少年鑑別所に収容することができます。
観護措置」とは、家庭裁判所が調査・審判を円滑に行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護し、その安全を図る措置のことをいいます。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する措置(在宅観護)と、少年鑑別所に収容する措置(収容観護)とがありますが、実務上、前者はほとんど活用されておらず、観護措置という時には後者を指すものとされています。

家庭裁判所は、家庭裁判所に事件が係属している間は、いつでも観護措置をとることができますが、捜査段階で身体拘束を受けていた少年が家庭裁判所に送致されると、送致時にそのまま観護措置をとるケースがほとんどです。
捜査段階で身体拘束がされていない場合であっても、家庭裁判所に送致された後、観護措置をとる必要があると判断されれば、観護措置がとられることがあります。
観護措置の期間は、法律上では原則2週間とし、とくに継続の必要があるときに1回に限り更新することができるとされているものの、実務上は、ほとんどの事件で更新されており、観護措置の期間は通常4週間となっています。
そのような長い期間、少年鑑別所に収容されることになれば、少年はその間学校や職場に行くことはできませんので、少年の社会復帰に影響を及ぼすことになりかねません。
特に、捜査段階から身体拘束を受けている少年にとっては、逮捕から1か月半もの間収容されることになり、少年の更生にも影響を及ぼしかねません。

そこで、観護措置を回避するため、付添人である弁護士は、身体拘束の長期化を避けるよう活動します。
事案や生活状況を鑑みて、観護措置の必要性がないと判断する場合や、観護措置を避ける必要がある場合には、弁護士は、家庭裁判所の送致される時期を事前に確認し、送致後すぐに付添人届を提出するとともに、裁判官・調査官との面談や意見書の提出を行い、家庭裁判所が観護措置をとる必要がないと判断するよう働きかけます。

このような活動は、少年事件に精通する弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こして身体拘束を受けてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881までご連絡ください。

爆破予告で威力業務妨害事件

2019-03-21

爆破予告で威力業務妨害事件

~ケース~
兵庫県神戸市灘区の学校や老人ホームなどの施設を挙げ、「○○日の午後●時に爆破する」といった内容のメールが灘区役所宛に届きました。
兵庫県灘警察署は、該当する施設の警備を強化するなど、爆破予告を警戒していました。
市内の学校では、児童を予告時間までに帰宅させるなどして対応しました。
市内の施設で不審物や不審者は見つかっておらず、結局予告時間を過ぎても何も起きませんでした。
数日後、兵庫県内に住むAさんが使用するパソコンから爆破予告メールが送られた可能性が高いことが分かり、兵庫県灘警察署はAさん宅を訪れ、Aさんを威力業務妨害の容疑で逮捕しました。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

爆破予告と刑事事件

ネットの掲示板やメールで、「○○で無差別殺人を行う」「○○を爆破する」などといった殺害予告や爆破予告を行う事件が後を絶ちません。
ほとんどのケースが、予告を受けた人や法人の反応を見て楽しむ愉快犯だと言われています。
しかし、殺害予告や爆破予告を受けた側は、万が一の場合に備えて、警察に通報し、予告対象となった場所や施設などの警備を強化せざるを得ません。
このような場合、刑事事件として捜査機関は捜査に着手し、殺害予告や爆破予告をした者に対して、刑事責任が問われることになります。
無差別殺人予告や爆破予告は、威力業務妨害罪となる場合があります。

威力業務妨害罪について

刑法第234条
 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

刑法第233条
 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

威力業務妨害罪とは、威力を用いて人の業務を妨害する犯罪です。

威力
犯人の威勢、人数および四囲の状勢からみて、被害者の自由意思を制圧するに足る勢力をいい、現実に被害者が自由意思を抑圧されたことは必要ではありません。(最判昭和28・1・30)
過去の裁判例で「威力」に当たるとされたもとは以下の通りです。
・デパートの食堂の配膳部に、ヘビ20匹をまき散らし、満員の食堂を混乱に陥れた(大判昭和7・10・10)。
・上司の机の引き出しに猫の死骸を入れておき、畏怖させてその執務を不可能にした(最決平4・11・27)。

業務
職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う事務または事業をいいます(大判大正10・10・24)
この「業務」に「公務」が含まれるかについては争いがあります。
「公務」については、公務執行妨害罪において、「暴行または脅迫」という限られた妨害手段に対してのみ保護の対象となります。
この点、「偽計」(偽計業務妨害罪)、「暴行・脅迫」に至らない「威力」によって公務が妨害された場合に、業務妨害罪が適用できるのかが問題となります。
現在の判例は、「強制力を行使する権力的公務」については「業務」に含まれず、公務執行妨害罪のみ適用され、強制力を行使しない「それ以外の公務」は「業務」に含まれるとする立場をとっています。(最決昭和62・3・12、最決平成12・2・17)

妨害
本罪において、妨害の結果が発生したことまでは不要で、業務を妨害するに足りる行為が行われればよいとされます。

Aさんが送ったとされる爆破予告により、市役所、警察、学校その他の関係機関が、警備の強化などを行うことを強いられ、それにより通常の業務を遂行するに影響を及ぼしたと考えられます。
今回の爆破予告に妨害された公務員の行う職務(=公務)は、通常公務員が行う職務全般を考えられますので、権力的公務と非権力的公務が含まれ、「業務」に該当する「公務」が妨害されたと言えるでしょう。

ネットへの書き込みや爆破予告メールの送信等、いたずらのつもりで安易な気持ちで行った結果、刑事事件に発展し、逮捕されてしまう可能性もあるのです。
もし、あなたが威力業務妨害事件を起こしてしまいお困りであれば、今すぐ刑事事件専門の弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
弊所は、刑事事件専門弁護士が無料で法律相談をご提供いたします。
ご家族やご友人が逮捕されてしまった場合には、弊所の弁護士が逮捕された方のもとへ赴いて接見を行う「初回接見サービス」をご案内いたします。
まずは、フリーダイアル0120-631-881へご連絡ください。

名誉棄損事件と示談

2019-03-20

名誉棄損事件と示談

名誉棄損事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県南あわじ市に住むAさんは、同じマンションに住むVさんと以前から因縁の仲でした。
Aさんは、ある日、ひょんなことから、Vさんから嫌がらせを受けたと思い込み、Vさんに対して仕返しをしてやろうと思い、「Vさんは、風俗店で働いている」といった内容のビラを作成し、マンションの郵便受け全てに投函しました。
Vさんは、すぐに兵庫県南あわじ警察署に相談し、告訴しました。
ご近所さんからそのことを聞いたAさんは、そのうちに自分の犯行だと発覚するのではと心配になり、慌てて刑事事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

名誉棄損事件における弁護活動

名誉棄損罪は、親告罪です。
親告罪は、告訴がなければ、検察官が公訴を提起することができない罪のことです。
ここでいう「告訴」とは、被害者または被害者の法定代理人の告訴権者が、捜査機関に犯罪の事実を申告し、訴追を求める意思表示のことをいいます。
告訴は、検察官または司法警察員に対して、書面または口頭で行います。
告訴が受理されると、捜査機関は、捜査を開始します。

名誉棄損罪のような親告罪が問題となる場合、事件を穏便に解決するには、何よりも被害者との示談成立が重要です。
示談というのは、加害者が被害者に対して相応の弁償金を支払う一方、被害者は被害届や告訴状の退出を行わない、若しくは、それらを取り下げるなど、当事者間では今回の事件は解決したと約束することをいいます。
被害者のいる事件では、事件の早期解決を図る方法として用いられます。

示談には、締結した内容により次のように種類分けすることができます。

1.被害弁償
加害者が被害者に対して、被害を金銭的に弁償することをいいます。
被害弁償が済んでいれば、将来の民事裁判の可能性を低くすることができます。
2.単なる示談成立
当事者が事件を解決すると約束することで、成立した場合には将来の民事裁判を予防することができます。
3.宥恕付き示談成立
示談書の中に、被害者の許しの意思が表示されている文言が入っている場合、事件が当事者間で完全に解決し、被害者が処罰を望んでいないことを表現することができます。
4.嘆願書作成
被害者が加害者を許す内容の書面を作成することです。
これにより、被害者が処罰を望んでいないこと、或いは、軽い処罰を望んでいることを表現することができます。
5.被害届取下げ
被害者が事件の被害届を取り下げることをいい、これにより事件が刑事事件として立件されることを被害者が望んでいないことを表現します。
6.告訴取消し
被害者が事件に対する告訴を取り消すことです。
被害者が告訴を取り消すことにより、被害者が処罰を望んでいないことを表現することができ、親告罪については、検察官は事件を起訴することができなくなります。

このように、示談を成立させることで、刑事事件を早期に解決する可能性を高めることができます。
しかし、示談の締結は1回限りの行為ですので、加害者本人が直接被害者と行うことには注意が必要です。
まず、加害者が被害者に対して示談をしたいと思っても、被害者と連絡をとることは容易ではありません。
特に、被害者とは全く面識のない場合、警察や検察を通じて被害者の連絡先を教えてもらわなければなりませんが、捜査機関は被害者の連絡先を加害者に直接教えることはあまりありません。
また、被害者は、加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いていることが多く、加害者と直接連絡をとることを望まないケースも多々あります。
ですので、被害者との示談交渉には、弁護士を介して行うことが通常です。
弁護士は、示談交渉を数多く経験しているため、交渉のノウハウを持っています。
示談交渉に優れた弁護士に依頼し、適切な法的サポートを受け、加害者と被害者がお互いに納得できるような示談をしましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
所属弁護士は、これまで数多くの刑事事件を取り扱ってきており、被害者との示談交渉にも豊富な経験があります。
あなたが、刑事事件を起こしてしまい、被害者への被害弁償・示談をお考えなら、弊所の弁護士にご相談ください。

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