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痴漢事件で被害者と示談するには

2019-09-28

痴漢事件で被害者と示談するには

痴漢事件での被害者との示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、電車で通勤していました。
ある夜、会社の飲み会があり、かなりお酒が入った状態で最終電車に乗車しました。
Aさんは、隣に座っていた大学生と思われる女性が眠っていると思い、女性の太ももをさするなどの痴漢行為を行いました。
ところが、Aさんが電車を降りると、さきほどまで隣に座っていた女性に声を掛けられ、振り返ると、「あなた痴漢しましたよね?一緒に駅員室に行きましょう。」と言われ、そのまま駅員室に連れて行かれました。
その後、兵庫県飾磨警察署に行き、Aさんは迷惑防止条例違反の容疑で取り調べを受けることになりました。
Aさんは容疑を認めており、被害者に謝罪したと申し出ましたが、被害女性はAさんと直接連絡とりたくはないようで、警察からは「弁護士にでも相談したらどうか。」と言われました。
(フィクションです)

痴漢事件

弊所が受ける法律相談のなかでも、痴漢事件や盗撮事件に関するものが多くを占めています。
「家族が逮捕されてしまったが、すぐに釈放されないか。」、「今後どのような流れになるのか。どのような刑罰を受けるのか。」、「被害者の方に謝罪や被害弁償をしたいけれども、どうしたらいいのか。」などという相談が多く寄せられています。

痴漢をすると、多くの場合、各都道府県が定める迷惑防止条例違反の罪に問われます。
どこで痴漢行為を行ったかによって、どの都道府県の迷惑防止条例が適用されるかが異なりますが、痴漢に関して言えば各条例の内容にそれほど違いはありません。
痴漢は、各都道府県が定める迷惑防止条例が禁止する「卑わいな言動」に当たります。

以下、兵庫県の迷惑防止条例の該当条項です。

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動

公共の場所・乗物において、「不安を覚えさせるような卑わいな言動」を行った場合に成立します。
電車内での痴漢はまさに当該条項違反の典型例です。
当該違反行為に対する刑罰は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
常習として痴漢行為を行った者に対しては、1年以下の懲役または100万円以下の罰金と刑罰は加重されます。

痴漢事件では、逮捕されたとしても、初犯であり、容疑を認めている場合には、家族などの身元引受人が迎えに来ることで釈放される可能性があります。
この点、釈放されたことから、事件が終了したと勘違いされる方もいらっしゃいますが、残念ながら、釈放されたからといって事件が終わるなんてことにはなりません。
在宅事件として、身柄拘束しないまま被疑者としての取調べが続くのです。
警察での捜査が終了すると、事件は検察に送致され、今度は検察官から呼び出され取調べを受けることになります。
その後、検察官が被疑者を起訴するかどうかを決定します。
ここで、起訴しないとする処分(「不起訴処分」)となれば、事件は終了します。
一方、検察官が起訴した場合には、略式手続で略式命令を言い渡され罰金を納める、若しくは、公判請求され公判を経て有罪・無罪が言い渡され、有罪の場合には執行猶予付き判決または実刑判決が下れるという流れになります。
痴漢事件の場合、前科があれば、公判請求される可能性がありますが、そうでなければ、不起訴処分か略式手続で罰金刑となることが多いですのですが、不起訴処分で終わるか、罰金刑で終わるかは、大きな違いと言えるでしょう。

ここでは容疑を認めていることを前提としてお話しますが、この場合の不起訴処分は「起訴猶予」となります。
これは、被疑者が犯罪を行ったと立証するに十分な証拠があるけれども、被疑者の年令・性格・境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況を考慮し、訴追の必要がないため、起訴しないとする処分です。
この判断をする際に、考慮要素となるのが、被害者との示談の有無です。
示談というのは、加害者が被害者に対して相応の弁償金を支払う一方、被害者が被害届の提出をしない等、当事者間では今回の事件は解決したとする約束のことをいいます。
迷惑防止条例違反は親告罪ではありませんが、初犯であり、被害者との間で示談が成立しており、被害者から許しが得られている場合には、検察官があえて起訴に踏み切る可能性は低いと言えるでしょう。
不起訴処分となれば、前科はつきません。

他方、初犯であっても、被害者との示談が成立していない場合や、件数が多く全ての被害者との示談が困難である場合には、略式起訴され罰金刑を受ける可能性もあります。
略式手続は、公判を開くことなく書面上での手続で終了しますが、罰金刑を受けることになり、有罪の前科が付くことには変わり有りません。

つまり、被害者との示談の有無が、刑事処分に大きく影響し得るのです。

しかしながら、当事者同士で直接示談交渉することは事実上難しい場合が多いのです。
被害者から連絡先を教えたくないと言われるケースや、連絡がとれて直接交渉したとしても、お互いやったやってないの感情論になり交渉がうまくまとまらないケースが多いからです。
そのような場合には、弁護士を介して示談交渉を行うのがよいでしょう。
弁護士限りなら連絡先を教えてもよいと言われることも多く、冷静で粘り強い交渉を行うことで高額な示談金を支払うこと回避し、清算条項や宥恕条項などをきちんと盛り込んだ示談書を作成することができます。

痴漢事件での示談交渉にお悩みであれば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料の法律相談のご予約は、フリーダイヤル0120-631-881へ。

少年事件と学校への連絡

2019-09-24

少年事件と学校への連絡

少年事件における学校への連絡について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県佐用郡佐用町の商業施設内のエスカレーターで、女子中学生のスカート内を盗撮したとして兵庫県内の私立中学校に通う中学生のAくん(14歳)が兵庫県佐用警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
警察署で取調べを受けたAくんでしたが、その日の夜にAくんの両親が身元引受人として警察署まで迎えに来て身柄釈放となりました。
幸い学校を休むことなく釈放となりましたが、警察から事件について学校連絡がいくのではないかとAくん家族は心配しています。
(フィクションです)

少年事件の流れについて

20歳未満の者が刑罰法令に触れる行為を行い、警察などの捜査機関に発覚すると少年法に基づく手続に従って事件が処理されることになります。
少年の年齢によって、事件処理の流れは異なりますが、ここでは14歳以上の20歳未満の少年(「犯罪少年」)について説明していきます。

捜査段階の手続は、ほとんど成人の刑事手続と同様であり、少年であっても逮捕される可能性はあります。
逮捕された場合、逮捕から48時間以内に警察が少年を釈放するか、それとも検察に送致するかを決めます。
Aくんのケースでは、逮捕はしましたが、取調べ後にAくんを釈放しています。
警察は、Aくんを検察に送致し勾留する必要はないと判断したのでしょう。
他方、警察が少年を検察に送致した場合、少年の身柄を受けた検察官は、少年の取調べを行った上で、逮捕に引き続き身柄を拘束する必要があるか否かを少年の身柄を受けてから24時間以内に決定します。
検察官が少年を勾留する必要があると判断した場合、検察官は裁判所に対して勾留請求を行います。
検察官からの勾留請求を受け、裁判官は少年と面談した上で、少年を勾留する要件が満たされているか否かを判断し、勾留決定または勾留却下決定を下します。
兵庫県では、1日で検察への送致から勾留決定まで行われます。
このように、捜査段階ではほぼ成人の刑事事件と同じ流れとなりますが、検察官は勾留の代わりに「勾留に代わる観護措置」を請求することができ、裁判官が当該措置を決定した場合には、少年の収容先は警察署の留置場ではなく少年鑑別所となり、収容期間も10日間と延長はありません。

捜査機関による捜査が終了すると、事件は家庭裁判所に送られます。
家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所はいつでも「観護措置」をとることができます。
観護措置は、少年の身柄を少年鑑別所に移し、審判のために必要な調査や心身鑑別などを行う措置です。
観護措置の期間は概ね1か月で、捜査段階で身体拘束を受けていた場合には、引き続き観護措置がとられる傾向にあります。

事件が学校に伝わる可能性は?

事件が学校に伝わる経緯としては、概ね、①家族からの連絡、②警察からの連絡、③家庭裁判所からの連絡、の3つでしょう。

①は、事件が発覚した早い段階で、少年の家族が学校に相談することにより発覚するケースです。
逮捕・勾留により長期間の身体拘束を受ける場合には、学校に休む旨の連絡をしなければなりませんが、数日であれば体調不良などでごまかすことは可能でしょうが、10日間となると本当のことを話さずにはいられない状況になるでしょう。
②については、逮捕された時点で警察から学校にその旨連絡がいくケースです。
逮捕されると必ず警察が学校連絡するということではありませんが、警察と学校との間で一定の事柄については相互に連絡をしましょうとする取り決めが交わされていることがあります。
「警察・学校相互連絡制度」というのは、都道府県の警察本部と教育委員会が協定を結び、児童生徒の健全育成を目的として、警察と学校連絡をとりあう制度です。
兵庫県においても、県や各市の教育委員会が兵庫県警察本部と協定を結び、本制度を運営しています。

この制度によって、少年や保護者が知らないうちに、警察から学校連絡が入り、事件のことが学校側に発覚してしまう可能性があります。
私立の学校の場合には、このような協定を結んでいないことが多く、すぐには連絡がいかない場合もあります。
最後に、③についてですが、家庭裁判所の調査官が調査の一環として、少年の所属校や所属していた学校に「学校照会書」を送ることがあります。
調査官は、少年の性格や家庭環境、交友関係、学校の状況などを調査する必要があるため、少年の通ってた学校や現在在籍している学校学校での少年の様子や成績などを調べるのです。

学校には知られたくない」、「知られてしまうと退学になるおそれがある」と心配される方も多くいらっしゃると思います。
お子様が事件を起こしてしまい対応にお困りであれば、少年事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
初回無料法律相談のご予約、初回接見サービスのお申込みは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

盗撮事件で成立する犯罪とは?

2019-09-21

盗撮事件で成立する犯罪とは?

盗撮事件で成立する犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県高砂市にあるスポーツクラブの女性更衣室にカメラを設置し盗撮したとして、兵庫県高砂警察署は、インストラクターとして当該スポーツクラブに勤務するAさんを迷惑防止条例違反の容疑で逮捕しました。
Aさんは、接見に来た弁護士に、盗撮行為は1年前から行っており、水泳教室に参加していた小学生の着替え中にも盗撮していたことを話しています。
Aさんは、今後どのような罪に問われ、最終的にどのような処分を受けることになるのか不安でなりません。
(フィクションです)

盗撮は何罪になるの?

一般的に、相手方に了解を得ずに、密かに撮影する行為を「盗撮」といいます。
盗撮犯罪です!」というポスターがあるように、盗撮行為は犯罪です。
しかし、「盗撮罪」なる犯罪はありません。
盗撮の行為内容によって、成立する犯罪は異なりますが、概して次にあげる犯罪に当たることが多いと言えるでしょう。

1.兵庫県迷惑防止条例違反

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

まず、迷惑防止条例で禁止される盗撮は、「公共の場所又は公共の乗物」、「集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所」、そして「浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」に限定されています。
上記ケースでは、スポーツクラブの更衣室での盗撮ですので、迷惑防止条例第3条の2第3項に規定されている「浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」に当たります。
また、禁止される行為は、盗撮のみならず、盗撮目的でカメラ等を向けたり設置したりする行為も含まれます。

以上より、Aさんの盗撮行為は、迷惑防止条例違反となり、その法定刑は6ヶ月の懲役または50万円以下の罰金です。
しかし、常習が認められると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金と加重されます。

2.児童買春・児童ポルノ禁止法違反

さて、Aさんは小学生の着替え中も盗撮したと供述しています。
これについては、児童買春・児童ポルノ禁止法違反が成立するでしょう。
なぜならば、被写体が18歳未満の児童であるからです。

児童買春・児童ポルノ禁止法は、児童ポルノの所持・提供・製造・輸出入等を禁止しています。
児童ポルノ禁止法における「児童ポルノ」とは、以下のものを指します。

写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの (児童買春・児童ポルノ禁止法第2条3項)

上記ケースのように、女児の裸を写したものは、三号に当たる可能性があります。
「衣服の全部又は一部を着けない」とは、社会通念上衣服と認められる物を全く着用していないか、又は衣服の一部を着用していない状態をいいます。
全裸や半裸の状態がこれに当たり、通常の水着を着ている場合にはこれに当たりません。
しかし、半透明又は透明の材質で作られた衣装等を着ている場合には、社会通念上人が着用する衣服とは認められず、「衣服の全部又は一部を着けていない姿態」に該当すると考えられます。
「殊更に」とは、問題となる写真や映像等の内容が性欲の興奮又は刺激に向けられていると評価されるものであることです。
子供が裸で水遊びをしている様子を成長の記録として撮影する場合は、内容が性欲の興奮又は刺激に向けられていると評価されるものでない限り「殊更に」とは言えず児童ポルノに当たりません。
「性欲を興奮させ又は刺激するもの」とは、一般人の性欲を興奮させ又は刺激することをいいます。
一部の人の性欲を興奮させ又は刺激するものであっても、一般人の性欲を興奮させ又は刺激するものでない限り児童ポルノには当たりません。
例えば、炎暑に半裸でプールで遊んでいる姿をニュースで報道するなどは、一般人の性欲を興奮させ又は刺激するものとはいいがたく、児童ポルノにはあたりません。

児童買春・児童ポルノ禁止法は、盗撮により児童ポルノを製造することを禁止しており、違反に対する刑事罰を規定しています。
法定刑も、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。

以上のように、盗撮した被写体の年齢や盗撮した内容によっては、児童買春・児童ポルノ禁止法違反となる可能性があります。

これらの2つ罪に加えて、盗撮目的で更衣室に侵入した行為について建造物侵入罪が成立します。

盗撮事件であっても、件数も多く、児童買春・児童ポルノ禁止法違反として立件された場合には、公判請求の可能性も高まりますので、早期に弁護士に相談し弁護活動を開始するのがよいでしょう。

ご家族が盗撮事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

未成年者誘拐で逮捕

2019-09-18

未成年者誘拐で逮捕

未成年者誘拐事件での逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
インターネットのオンラインゲームで知り合った女子高生を自宅に連れ込んだとして、未成年者誘拐の疑いで、兵庫県たつの警察署は会社員のAさんを逮捕しました。
Aさんは、女子高生に対して「家に来ないか」などと言って誘惑し、Aさんの自宅マンションに1泊させたとの疑いです。
帰宅しない女子高生の母親が心配して兵庫県たつの警察署に相談したことで事件が発覚しました。
Aさんは、「無理やり連れてきたわけではありません。」と供述してます。
(フィクションです)

未成年者誘拐とは~被誘拐者の同意の有無~

インターネットを通じて見知らぬ人と簡単に連絡が取りあえる昨今。
インターネットで知り合った未成年者を呼び出し、自宅や宿泊施設に一緒に泊まり、「未成年者誘拐事件」で逮捕されるというニュースを耳にします。

未成年者誘拐罪は、欺罔や誘惑を手段として、未成年者の意思に反しない態様で自己または第三者の事実的支配化におく犯罪です。(刑法第224条)

家出をしている少女を自宅に宿泊させるケースが多いようですが、家出をしている少女自身もお金をかけずに雨風をしのげる場所を探しているため、見知らぬ男性であっても自宅に泊まることに同意していることがほとんどです。
つまり、被害者とされる未成年者が加害者宅に泊まることに同意しているわけですが、被害者の同意があっても未成年者誘拐の罪が成立するのでしょうか。

結論から言うと、未成年者本人の同意があっても、未成年者誘拐罪は成立します。
これは、同罪の保護法益には、未成年者の自由だけでなく、保護者の監護権も含まれると理解されているからです。(大判明43・9・30)
保護監督者の承諾がない限り、未成年者本人が同意していたとしても、保護監督権が侵害されているので、未成年者誘拐罪は成立すると考えられます。

また、本罪が成立するためには、相手が未成年者であることを知っていたことが必要となります。

未成年者誘拐罪の法定刑は、3月以上7年以下の懲役です。
起訴された場合には、実刑判決を受ける可能性があります。
しかし、不起訴や執行猶予となれば、実刑を回避することができます。
そのためには、被害者との示談を成立させることが重要となります。
というのも、未成年者誘拐罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪だからです。

未成年者誘拐事件における示談交渉は、未成年者の保護者を相手方とすることになります。
一般的に、保護者は加害者に対して激しい処罰感情を抱いている場合も多く、冷静で粘り強い交渉が必要不可欠です。
そのような示談交渉は、刑事事件における示談交渉に豊富な経験を持つ弁護士に依頼されるのがよいでしょう。

未成年者誘拐事件でご家族が逮捕された方、被害者との示談交渉にお困りの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
刑事事件専門弁護士が、無料法律相談初回接見サービスを行います。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

少年事件における示談

2019-09-16

少年事件における示談

少年事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県養父市に住むAくん(15歳)は、市内の商業施設内のエスカレーターで女子高校のスカート内にスマホを差し入れ盗撮しました。
女子高生の隣にいた友人がAくんの盗撮に気づき、「あなた友達のスカートの中を盗撮してましたよね!?」と言って、腕を掴んできました。
Aくんは、そのまま警備員室に連れていかれ、兵庫県養父警察署から駆け付けた警察官に警察署に連れて行かれ、取調べを受けることになりました。
警察からAくんの両親に連絡が入り、その日の夜には両親が迎えに来て釈放となりました。
Aくんの両親は、被害者の方に謝罪と被害弁償をしたいと考えており、警察にもその意向は伝えています。
(フィクションです)

示談とは

示談は、加害者が被害者に対して謝罪や被害弁償を行うことにより、被害者と加害者間では今回の事件は解決したとする合意のことです。
刑事事件においては、被害者感情が重視される昨今、告訴がなければ公訴を提起することが出来ない親告罪の場合のみならず、被害者がいる事件において、検察官が起訴・不起訴を決める際に考慮される要素のひとつとなっています。
被害者との示談が成立したからといって、検察官は必ずしも不起訴にするわけではありませんが、当事者間で示談が成立している場合には、不起訴処分で事件を終了することが多くなっています。
勿論、法定刑が重い犯罪や、犯行が悪質であったり、比較的軽微な犯罪であっても件数が多い場合には、被害者との示談が成立していたとしても、検察官が起訴(略式起訴も含め)に踏み切ることは大いにあります。

少年事件における示談

先述のように、成人の刑事事件では、被害者との示談が成立しているか否かは、不起訴処分を獲得する上で重要なポイントとなります。
それでは、少年事件において示談はどのような効果があるのでしょうか。

結論から言うと、成人の刑事事件のように、被害者との示談の有無により最終的な処分が大きく違ってくるというわけではありません。

少年事件の手続には、不起訴処分といった処分はありません。
捜査機関による事件の捜査が終了すると、原則すべての少年事件は家庭裁判所に送致されることになっています。
これを「全件送致主義」といいます。

家庭裁判所に送致されると、調査・審判を経て終局処分が言い渡されます。
審判において審理されるのは、「非行事実」と「要保護性」です。
前者は、少年が何をしたかということですが、後者は、①犯罪的危険性(少年の性格や環境等に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること)、②矯正可能性(保護処分による矯正教育を施すことで当該少年の犯罪的危険性を除去できる可能性)、③保護相当性(保護処分による保護が当該少年に対して最も有効かつ適切な処遇・手段であること)から構成されてます。
少年が行った行為が重い罪に当たるものであっても、要保護性が低い又はないと判断されれば、少年院送致といった収容措置がとれらないこともあるのです。
この点、刑事事件と異なります。

さて、示談成立によって家庭裁判所が決定する終局処分が大きく変わるわけでないのであれば、少年事件において被害者と示談をする必要がないのでしょうか。
いいえ、そうではありません。
少年が行った行為によって被害者がどれだけ苦しい思いをしたのかを理解させ、被害者に対する心からの謝罪をさせることを通じて、少年ははじめて内省を深めることができるのです。
この内省を深めるということが、少年の更生につながるので、要保護性の解消という点で重要なのです。
そこで、付添人である弁護士は、早期に被害者対応を行い、謝罪や被害弁償等をおこなうよう少年や保護者に働きかけを行います。
しかし、そこで留意する必要があるのは、単に示談金を支払い示談書を作成したということだけでは、要保護性の観点から評価されることにはつながらない、ということです。
重要なのは、少年や保護者が被害者の負った苦しみを理解し、いかに誠意をもって被害者に謝罪し被害者の被害回復に努めたかです。

少年事件の手続は、成人の刑事事件と異なります。
お子様が事件を起こして対応にお困りであれば、少年事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

観護措置の回避に向けた活動

2019-09-15

観護措置の回避に向けた活動

観護措置回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県伊丹市に住む中学生のAくん(15歳)は、通学中の電車内で盗撮行為を行ったとして、兵庫県伊丹警察署に迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されました。
Aくんの両親が身元引受人となり、Aくんはその日の夜には釈放となりました。
Aくんには他にも複数の盗撮を行っており、ネットで知り合った相手に裸の画像を送らすなど児童ポルノ禁止法違反に該当するような行為をおこなっていたことが明らかになってきました。
Aくんの母親は、知り合いから「捜査段階で身体拘束を受けていなくても、家庭裁判所の裁判官と面談するということで家庭裁判所に行ったら、そのまま少年鑑別所に収容された子の話を聞いた。」と聞き、Aくんのお母さんは、Aくんも少年鑑別所に収容されることになるのか不安です。
(フィクションです)

観護措置とは

捜査機関による捜査が終了すると、原則として、すべての少年事件は家庭裁判所に送致されます。
被疑者段階で逮捕または勾留されている少年が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は、裁判所に到着したときから24時間以内に「観護措置」をとるか否かを決定します。
観護措置」とは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、その身柄を保全するとともに、緊急に少年の保護が必要である場合に、終局決定に至るまでの間、暫定的に少年を保護するための措置です。
監護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する措置と少年鑑別所に送致する措置の2種類があります。
しかし、実務上、前者の措置はほとんどとられず、観護措置という場合には、後者を指します。

観護措置は、少年法において「審判を行うため必要があるとき」にとられると定められているのみですが、次のような要件が必要であると解されています。

①事件の係属
事件が観護措置をとる家庭裁判所に係属していること。
②審判条件
審判条件が満たされていること。
③審判に付すべき事由があることの蓋然性
審判に付すべき事由(非行事実・ぐ犯事由等)が認められることの蓋然性がある。
④審判開始決定を行う蓋然性
審判開始が見込まれる事件であること。
⑤観護措置の必要性
次のいずれかが認められることが必要。
(ア)身柄確保の必要性
   住所不定または逃亡のおそれがあるなど、少年の出頭を確保する必要がある場合や、証拠隠滅のおそれがあり、証拠保全のためには必要である場合。
(イ)緊急保護のための暫定的身柄確保の必要性
   自殺や自傷のおそれがある場合、家族から虐待を受けている場合、暴力団などの反社会的活動を行う集団の悪影響から保護する必要がある場合など。
(ウ)収容鑑別を実施する必要性
   少年の心身の状況や性格傾向などを考慮し、継続的な行動観察や外界と遮断された環境で鑑別する必要がある場合。

以上のような要件を満たし、観護措置がとられた場合、原則2週間、実務上は4週間少年鑑別所に収容されることとなります。

観護措置を回避する活動

観護措置は長期間の収容となるため、少年は学校や職場を休まざるを得ず、後の生活に大きな影響を及ぼしかねません。
そのため、付添人である弁護士は、家庭裁判所が観護措置を決定する前に、観護措置をとらなうよう意見書を提出したり、裁判官と面談するなどし、観護措置回避に向けて動きます。
逮捕・勾留により捜査段階から身体拘束を受けている場合には、事件が家庭裁判所に送致されたタイミングで、意見書を提出し、裁判官が少年と面談する前に少年が抱える事情を考慮してもらう必要があります。
また、捜査段階で身体拘束を受けていない場合でも、事件内容や少年の性格等から観護措置をとる必要があると判断されるケースもありますので、この場合も事件が家庭裁判所に送致された段階で、観護措置をとらないよう説得的に主張する必要があります。

先述しましたが、観護措置がとられると約1か月少年鑑別所に収容されることになるので、その間学校や職場に行くことができないという不利益が生じてしまうことになります。
しかし、観護措置をとることにより、少年を外界と切り離した環境に置くことで、少年が自分のしてしまった行為やその原因についてゆっくりと考えることができ、ひいては少年の真の反省、そして更生に資するといった面もあります。

お子様が事件を起こし、観護措置がとられるのではないかとご心配されているのであれば、少年事件に詳しい弁護士にご相談され、お子様の更生にとってどのような方法が適するのか、一緒に考えてみてはいかがでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
少年事件でお困りであれば、弊所までご連絡ください。

ストーカー規制法違反事件で逮捕

2019-09-10

ストーカー規制法違反事件で逮捕

ストーカー規制法違反事件での逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、アイドルグループXのメンバーVの大ファンで、追っかけにも力を入れていました。
出待ちだけでなく、家や宿泊先まで追っかけたりするので、Xの所属事務所やVのマネージャーからも再三注意を受けており、過去には警察を呼ばれて警告されたこともありました。
Xが地方公演で兵庫県神戸市中央区にあるコンサート会場で出待ちをした後、宿泊先ホテル付近で待ち伏せをしている際に、兵庫県水上警察の警察官に職務質問後にストーカー規制法違反で現行犯逮捕されました。
(フィクションです)

追っかけとストーカー行為との線引き

アイドルや俳優などの芸能人のファンが行き過ぎた行為により、ストーカーとして逮捕されるというニュースを度々耳にしますね。
芸能人にとって、ファンの存在は芸能活動をする上でも非常に重要ですが、彼らの行き過ぎた行為により当の本人が精神的な苦痛を負うことになってしまっては芸能活動を支えるファンのあるべき姿ではないでしょう。
追っかけとストーカー行為との線引きは明確にはありませんが、ストーカー規制法におけるストーカー行為に該当する場合には、犯罪が成立し警察に逮捕される可能性があります。

ストーカー規制法におけるストーカー行為とは?

「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(以下、「ストーカー規制法」という。)は、平成12年に制定・施行された法律です。
トーカー規制法は、「ストーカー行為」を処罰しているほか、「つきまとい等」の行為を取り締まり、被害者に対してストーカーからの被害の防止のための援助などを行うこととしています。

ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等を反復して行うことであるとストーカー規制法で定められています。

「つきまとい等」は、それが「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」で行われたものに限られます。
ストーカー規制法における「恋愛感情その他の好意の感情」とは、恋愛感情その他の好意の感情が充足され得るものであることが予定されており、ただ一般的に好きだという感情だけではなく、相手方がそれに答えて何等かの行動をとってくれることを望むものとなります。
また、「それが満たされなかったことに対する怨恨の感情」とは、特定の者に対して抱いた好意の感情が満たされなかったことから生じた恨みの気持ちを意味します。
ですので、近隣住民とのトラブルにより加害者が被害者宅に執拗に押し掛けるといった行為は、ストーカー規制法のつきまとい等には当たらないことになります。
つきまとい等の行為態様は、以下の8つです。
①つきまとい・待ち伏せ行為など
 尾行してつきまとう、通勤通学途中など行く先々で待ち伏せする、自宅や職場などに押し掛 けるなど。
②監視していると告げる行為
 帰宅直後に「おかえりなさい」などと電話やメールなどをする、その日に取った行動や来て いた服装などについて告げるなど。
③面会・交際などの要求
 断られているにもかかわらず、何度も面会や交際、復縁を迫るなど。
④乱暴な言動
 家の前で大声を出す、車のクラクションをうるさく鳴らすなど。
⑤無言電話、電子メールなどの送付
 電話をかけて何も告げない、許否しているのに何度も電話やメールをするなど。
⑥汚物などの送付
 汚物や動物の死体といった人に不快感・嫌悪感を与えるものを自宅や職場に送るなど。
⑦名誉を害する行為
 名誉を傷つける内容を告げる・メールで送るなど。
⑧性的羞恥心を害する行為
 わいせつな写真などを送る、インターネットに掲載するなど。

先述しましたが、「ストーカー行為」とは、「同一の者に対し、つきまとい等を反復してすること」をいいますが、つきまとい等のうち、上の①から④に関しては、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限られます。
この点、「身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法」とは、社会通念上、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害されるのではないか、又は行動の自由が著しく害されるのではないかと相手方に不安を覚えさせると評価できる程度のものであることが必要となります。
ファンの追っかけがとる行為も、テレビ局や事務所にとどまらず、追っかけの対象である芸能人の自宅や宿泊先など、通常知り得ることが困難な場所にも待ち伏せするなどした場合には、当該芸能人が上の不安を覚える方法を取ったと言えるでしょう。
また、「反復して」とは、複数回繰り返してということを意味します。

ストーカー規制法違反の処罰規定

1.ストーカー行為に対する罪
ストーカー行為」をした者に対しては、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
本罪は、親告罪で、告訴がなければ公訴を提起することができません。

2.禁止命令等に違反する罪
禁止命令等に違反してストーカー行為をした場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となる可能性があります。
禁止命令等に違反してつきまとい等をすることでストーカー行為をした者も同じです。
さらに、禁止命令等に違反した場合には50万円以下の罰金を科す旨が定められています。

ストーカー規制法違反事件は、被害者がいる事件ですので、早急に被害者対応を行うことが求められます。
刑事事件でお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

ホテル代等の支払いで児童買春罪成立?

2019-09-07

ホテル代等の支払いで児童買春罪成立?

児童買春罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、出会い系アプリで知り合ったVさん(17歳)とホテルで行為に及びました。
ホテル代、交通費や飲食代はAさんが支払いました。
ある日、兵庫県神戸西警察署から、「Vさんとの児童買春の件で話が聞きたい。」との連絡を受けたAさんは、自身の行為は児童買春罪には当たらないのではないかと思い、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

児童買春罪とは

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、「児童買春・児童ポルノ禁止法」といいます。)は、児童買春及び児童ポルノに係る行為を禁止し、違反行為に対しては刑事罰を設けています。

児童買春罪の関連規定は、次の通りです。

第四条 児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

児童買春罪の法定刑は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金となっており、非常に思い犯罪であることをご理解いただけると思います。

ここでいう「児童買春」とは、どのような行為かというと、児童買春・児童ポルノ禁止法において以下のように定義されています。

2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者

つまり、児童買春罪が成立する要件は、
①児童、児童に対する性交等を周旋した者、若しくは児童の保護者または児童をその支配下に置いている者に対して、
②対償を供与し、又はその供与の約束をして、
③当該児童に対し、性交等をする
ことです。

②の「対償」については、
(1)性交等の反対給付といえるか、
(2)供与されたものが社会通念上経済的利益にあたるか
により判断されます。
この「対償」は性交に先立って供与または供与の約束がなされることが必要です。
性交後に、はじめて児童から請求があった場合には児童買春にはあたらないことになります。
Aさんは、ホテル代、飲食代、交通費を支払っています。
AさんがVさんに直接現金を渡したり、欲しい物を買ってあげたりしていなくとも、債務の免除も「対償」に含まれますので、ホテル代等の支払いも「対償」に当たると考えられるでしょう。
このような「対償」の供与又は供与の約束を、性交等を行う前にしておらず、性交等を行った後にホテル代等支払ったのであれば児童買春罪は成立しないことになります。

また、児童買春罪の成立には、「児童等に対し、対償の供与又はその供与の約束をして当該児童に対し性交等をすること」についての認識・認容がなければなりません。
「相手が18歳未満だとは知らなかった」と主張する被疑者が多いのですが、身分証を目視で確認するなどして「18歳未満ではない」と確証があるなどしない限り、相手方の年齢を18歳以上だと思っていたとする主張は認めらることは難しいでしょう。

Aさんのケースでは、「対償の供与・供与の約束」が性交等の前にあったか否かが問題になりますが、相手方が18歳未満であれば、児童買春罪が成立せずとも淫行条例違反となる可能性もありますので、いずれにせよ刑事事件に強い弁護士に相談するのが得策でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、児童買春事件を含めた刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件の被疑者となり、対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。

AirDrop悪用で迷惑防止条例違反

2019-09-06

AirDrop悪用で迷惑防止条例違反

AirDrop悪用での迷惑防止条例違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県警察サイバー犯罪対策課は、電車の正面に座った女性のスマートフォンにAirDropを利用してわいせつな画像を送りつけたとして、兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで兵庫県内に住むAさんを逮捕しました。
Aさんは容疑を認めており、被害者に被害弁償を行いたいと考えています。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

AirDrop痴漢事件

AirDrop(エアドロップ)は、Apple制のディバイス同士で簡単にデータファイルの受け渡しができる機能です。
周辺のApple製ディバイス間で、写真やデータファイルなどのコンテンツを共有することができるので、友達と写真を共有する際には役立つ機能です。
しかし、AirDropの受信制限の選択を「すべての人」としている場合、まったく知らない人からの送られているデータを受信する可能性も生じてしまいます。
この機能を悪用し、わいせつな画像を見ず知らずの人に送信し、受信した人の驚く顔を見て楽しむといったAirDrop痴漢事件が起きました。
警察は、AirDrop痴漢事件を各都道府県が定める迷惑防止条例違反として摘発しています。
兵庫県の迷惑防止条例は、その第3条の2において次のように規定しています。

(卑わいな行為等の禁止)
第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

当該条項は、痴漢や盗撮に対して適用されることで知られています。
AirDrop痴漢の場合も、「人にわいせつな画像を見せる」という行為が「人に対する不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たると考えられるでしょう。
また、そのような行為を行った場所が電車内であれば、「公共の乗物において」行ったのであるから、迷惑防止条例第3の2第1項第1号に該当することになります。
当該違反行為の刑事罰は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
常習として当該違反行為を行った場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金と加重されます。

不起訴処分とするためには

迷惑防止条例違反は親告罪ではありませんが、被害者との示談が成立している場合には、検察官が不起訴処分とする可能性は、成立していない場合と比べて高いと言えます。
勿論、複数回違反行為を行っていたり、犯行が悪質である場合には、被害者との示談が成立していたとしても、略式起訴若しくは公判請求となる可能性はあります。
しかし、そうでない場合には、被害者との示談成立を考慮して、起訴猶予で不起訴となるケースが多く、不起訴処分を獲得し前科を回避するためには被害者との示談成立が重要となります。
痴漢事件や盗撮事件では、見ず知らずの人が被害者となることが多く、一般に加害者が被害者の連絡先を知っていることは稀です。
連絡を取るには、警察などを通して教えてもらう必要がありますが、被害者が自分の連絡先を教えることを拒否する、捜査機関が証拠隠滅のおそれから被害者との接触を避けるために、容易に被害者の連絡先を入手することは出来ません。
そのような場合には、弁護士を介して示談交渉を行うのがよいでしょう。
弁護士限りであれば、連絡先を教えてもいいと回答する被害者も多く、代理人である弁護士を通しての示談交渉は、感情論的になり交渉が決裂したり高額な示談金を請求されるといったことを回避することにもつながります。
また、法律のプロである弁護士に、しっかりとした示談書を作成してもらうことで、後々に民事事件で慰謝料等を請求されることのないようにすることもできます。

刑事事件で加害者となり、被害者との示談交渉にお困りであれば、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

少年事件における弁護人・付添人の選任

2019-09-04

少年事件における弁護人・付添人の選任

少年事件における弁護人付添人の選任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加古郡播磨町に住む中学生のAくん(14歳)は、帰宅途中の女子児童のおしりを服の上から触ったとして、兵庫県加古川警察署に迷惑防止条例違反の疑い取調べを受けました。
逮捕されることはありませんでしたが、どうやらAくんには他にも同様の事件を起こしていたようで、警察からは「あと何度か警察で取調べをした後、検察に送致されて、その後家庭裁判所に事件が送られることになる。」と言われ、今後どのような手続を踏み、どんな処分が言い渡されることになるのか、AくんもAくんの両親も心配です。
Aくんの両親は、少年事件に詳しい弁護士に相談してみようかと話をしています。
(フィクションです)

少年事件の流れ

少年法は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合及び犯罪の嫌疑はなくとも家庭裁判所の審判に付すべく事由がある場合には、全ての事件を家庭裁判所に送致することを義務付けています。
これの趣旨は、たとえ非行事実が軽微なものであっても、その背後には様々な問題が存在する場合が多く、家庭裁判所に全ての事件を送致させ、そこで行われる少年に対する科学的調査を踏まえて保護処分と刑事処分のいずれかが相当であるかを判断させようとする点にあります。
家庭裁判所に送致される「少年」は、大きく次の3つに分けられます。
①罪を犯した少年(「犯罪少年」)
②14歳未満の者で刑罰法令に触れる行為をした少年(「触法少年」)
③次に掲げる事由があり、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年(「ぐ犯少年」)
 イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること
 ロ 正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと
 ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人との交際、又はいかがわしい場所に出入りすること
 二 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること

①の犯罪少年については、家庭裁判所送致前の捜査段階では、刑事訴訟法が適用されるので、成人の刑事事件の場合とほぼ同様の手続を踏むことになります。
ですので、「被疑者」として捜査の対象となれば、少年は「弁護人」を選任することもできます。
弁護人は、違法・不当な捜査活動がなされないよう監視したり、被害者がいる事件では被害者と示談交渉を行う等、被疑者である少年の権利や利益を擁護する役割を担っており、早期に弁護人を選任し弁護活動を行ってもらうことが重要です。
弁護人は、「国選弁護人」と「私選弁護人」とに分けられます。
ここでいう国選弁護人は、被疑者国選弁護制度を利用し国が選任した弁護人です。
被疑者に対して勾留状が発せられており、被疑者が貧困その他の事由によって弁護人を選任することができない場合に、裁判官に対して国選弁護人の選任を請求することができます。
しかし、被疑者国選弁護の対象事件は、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件」に限れらますので、上記ケースにおいては被疑者国選弁護の対象事件には当たらないことになります。
一方、少年やその家族によって自由に選任する弁護人を「私選弁護人」といい、費用は自己負担ですが、身柄在宅にかかわらず、どの段階でも選任することが可能です。

先述しましたが、原則すべての少年事件は家庭裁判所に送致されます。
少年事件では、捜査段階の弁護人選任の効力が家庭裁判所に送致された時点で失われ、家庭裁判所送致後に改めて「付添人」として選任される必要があることに注意が必要です。
家庭裁判所送致後、少年の権利を擁護し、その代弁者としての性格と、少年保護事件の目的が適正に実現されるよう家庭裁判所に協力し援助するという役割を付添人は担っています。
この付添人にも、私選付添人と国選付添人とがあります。

少年法は、国選付添人の場合を除き、付添人の資格について特に設けていません。
少年及び保護者は、私選付添人を家庭裁判所に事件が係属した後はいつでも選任することができます。
国選付添人には、次の2つがあります。
①裁量的国選付添人
家庭裁判所は、犯罪少年又は触法少年のうち、死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪に該当する非行に及んだ者について、観護措置がとられており、かつ、弁護士の付添人がいない場合には、事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮して、審判の手続に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは、弁護士である付添人を付すことができます。
②必要的国選付添人
家庭裁判所は、前述した裁量的国選付添人対象事件のうち、非行事実を認定するための審判の手続に検察官が関与する必要があると認めるときは、決定をもって、審判に検察官を出席させることができ、この決定をした場合において、家庭裁判所は少年に弁護士である付添人がないときは、弁護士である付添人を付さなけらばなりません。

このように、被疑者国選弁護人と同様に、国選付添人対象事件は一定の重大事件に限られており、上記ケースは該当せず、国選付添人を選任することはできません。

少年審判においては、非行事実のみならず要保護性も審理対象となり、非行自体が軽微なものであっても、要保護性が高いと判断されれば、身体拘束を伴う保護処分が言い渡される可能性もあります。
そのような事態を回避するためにも、早期の段階から刑事事件・少年事件に精通する弁護士を弁護人付添人として選任するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こしお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。

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